■■■■たちが異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】 作:白結雪羽
まぁ、普通なら一つ一つ完結に漕ぎ着けてから書いていった方が誠実的なんでしょうけどね……。
やっぱり自分には素直で行きたいです、無責任ですけどっ。
次への……まず初め
『────あ、ぐッ……!? す……諏訪子、様ッ! どうして……どうして、ですか?! どうしてこんなッ────イ゛!!?』
『あーうるさいうるさい。もう少しマトモな声で鳴けないかなぁ…………みんな、もう少し丁寧に扱ってくれない? ギャーギャーうるさくて耳障りだよ』
『ひッ……!? ッ……ぁ……ぁぁあ……ッ!!? 』
『アッハハハ! そうそう、そうやって鳴けば良いんだよ! いやぁー、此処に来てみれば少しは退屈も凌げるかなぁ~と思ったけどさぁ? やっぱ、娯楽って直ぐに飽きちゃう物なんだよねぇ。
ま、それもまた暫くは大丈夫そうかな? 慰み者の観察ってのも……うん、何だか新しいね。私の苗裔なら丈夫だろうし、それなりに保ってくれるだろうしっ』
『ぁ……ぁ、ぁ…………ぐふッ!?』
『ほら〝早苗〟、休まない休まない。せめて一年は保ってもらわないと、風祝としての沽券に関わるよ?
────さぁて、私はそろそろ帰るから。っと、これはプレゼントだよ』
『ッ、ぃ、いゃ…………ゃ、やめ……やめッ────ッ!!?』
『おぉー……盛大にイったねぇ。っと、みんな。流石に死なれたら私達も困るからさ、一食くらい摂らせてあげてよ?
────え? ああ、物についてはそっちに任せるよ。また一ヵ月後に見に来るから、それまで成果くらいは上げといてよ? 勿論……子供が出来ようが手加減はしないでね♪』
『────』
『それじゃあ早苗。守矢の風祝として、頑張って私達を楽しませてよね? アハハハハハっ────!!』
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
────ノーネーム本拠の耀の部屋。
時間はまだ日が明け始める前の頃。耀はベッドから上体を起こし、額に汗を浮かべ荒い呼吸を繰り返していた。胸に手を当て、何とか落ち着けようとする物の、心中に渦巻く穏やかでは無い感情に苦悶は中々治まらない。彼女が落ち着きを取り戻してきたのは、それから五分くらい経ってからだった。
「はぁ……はぁ…………っ、はぁ……!(あー……寝覚め最悪です。何で今更、あんな夢なんて………………汗、酷いですね)」
睡眠時ははワイシャツと下着一枚ずつというラフな恰好でいる耀だが、悪夢に魘されていたためなのか全身にピッタリと張り付いている。白いシャツ故彼女の凹凸の少ない柔肌が透けて露になっているのだが、特に彼女は気にした様子も無く、取り敢えず汗を流そうと浴場に向かう事にした。
一瞬ワイシャツだけでも着替えていくか迷う彼女だが、時間帯的にまだ誰も起きてないだろうと考えて着替えとタオルを手にそのまま部屋を出る。
早朝の廊下はやはり誰も居らず、どこか寂しさを思わせている。夜間なら明かりが欲しい物だが、東の空が多少明るんできているため然程気にも留めず階下へ降りていく。
「? 誰か居るのでしょうか……?」
ふと耀は足を止め、廊下の曲がり角から微かに光が届いているのを見つけた。そしてその強さから光源は自分が今向かっている浴場の入り口から漏れているのだろうと分かった。
基本耀は朝には弱く、普段は飛鳥に起してもらうかリリに起してもらっているの。だがら誰か〝ノーネーム〟に朝風呂を日課にしている者が居たとしても知らないのだ。まぁ朝風呂にしても不自然に早過ぎる時間帯だとは思うが……。
「…………(ま、別に関係ないですね)」
図太い精神の持ち主なのか、考えるのが億劫なだけなのか……恐らく後者だと思われる。誰が入っていようと自分の目的を優先しようと彼女は脱衣所に入り、着替えとワイシャツ・下着を篭に放り込むと浴場へと入っていった。
すると、先に湯船に浸かっていた者が彼女に気付き振り向いた。
「ん? ……如何した春日部、お前が朝風呂なんて珍しいな。って言うか一人で起きれたんだな」
「…………そう言えば、お風呂好きでしたね、十六夜さん」
「んぁ? あ、いや、別に好きって程でもねえよ。ただ続けてたら何時の間にか日課になっちまってただけだ。まぁ悪くないもんだぜ? 朝
の静けさの中一人風呂ってのも」
「そうですか。それは……お邪魔してすいませんね」
そう呟くも耀は桶で湯を掬い体に浴びせると、淵に背中を預けて寛ぐ十六夜の隣に腰を下ろした。
念のために言っておくと二人ともタオルは巻いていない、つまり真っ裸である。が、お互い特に恥かしがるでも気にするでもなく、平常であった。それとよくよく見てみれば十六夜の傍には浮かべられた桶に乗る徳利とお猪口があった。
それを見つけた耀は思わず半目で問う。
「早朝からお酒ですか? 黒ウサギさんとレティシアさんに怒られますよ」
「バレなきゃ問題ない。春日部も飲むか?」
「……私が下戸だと知ってますよね?」
「飲めない奴には無理矢理飲ませたくなる……ってのが飛鳥だったな。ま、俺は強要はしないさ」
「…………ありがとうございます」
「「…………、」」
そこで会話は途絶えてしまう。
年頃の異性同士が浴場で二人きり……何とも背徳的かつお熱い状況なのかと思うが、そんな展開は彼らに望むだけ無駄なようだ。十六夜は静かに酒を仰ぎ、耀は虚空をジッと無表情で見つめるだけ。トクトクと酒を注ぐ音だけが虚しく響く。
…………それから十分後。丁度良い頃合で徳利が空になったと十六夜は湯船から上がり脱衣所へと向かった。そして耀も満足したのか、朝風呂に慣れていないからか彼の後に続いて脱衣所に戻っていく。真に奇妙且つ違和感満載で艶な光景だが、やはり二人は無反応。最早枯れているのか? と疑いたくなるレベルである。
「────春日部、夢見が悪いなら飛鳥にでも頼んどけ。あいつならマシな状態にはしてくれる」
「…………よく分かりましたね。私が魘されてたって」
「朝に弱いお前が全身汗を浮かべて風呂場に来れば大凡想像は付く」
「つまり堂々と見たんですね、私の裸を…………変態」
「そりゃお互い様だ。それに……今更その程度の羞恥を感じる魂でもないだろ」
「そうでした……フフ、」
耀は可笑しそうに口許を緩めると、十六夜より先に脱衣所を後にした。そんな彼女に苦笑を洩らしながら十六夜は学ランの袖に腕を通し、湯殿の入り口に向かって強烈な殺気を送った。怒り、苛立ち……というよりは呆れに寄った中身の薄い殺気ではあるものの、盗み聞きをしていた人物を呼び出すには充分な誘いである。
十六夜は敢えて無言を通して殺気を部屋だけに撒き散らす。するとやがて、しつこい彼に観念したのか一人の少女……いや、少年が虚空から徐々に形を成して現れた。朽葉色の挑発を揺らし不敵愉快そうに笑う────萃だ。
「おい糞爺、盗み聞きとは少し趣味が悪いんじゃないか? あ゛?」
「カカッ、そう
──しかしお主らもツマランのう? あれか、最近の若い
「そりゃ経験豊富であらせるられる魔王様には敵わないかもなァ。アンタこそどうなんだ、そこん所?」
「なに、年寄りの秘事に興味でもあるんか?」
「皆無だな。一日中そこの壁にでも聞かせてろ」
「つれないのう……ククッ、」
掌から小規模の炎を発生させ髪を乾かす十六夜。その間、萃は無視する事にした。そして萃も特に何を言う訳でもなく篭棚に背を預け待つ、笑みを一向に浮かべたまま。一体何がしたいというのだろうか、奔放人の思考はやはり理解できない物である。もしくは、何も考えてなどいないのかもしれない。どちらにせよ面倒極まりない事には変わりないが。
髪を乾かし終えた十六夜はとうの昔に壊れたが、何となく付け続けているヘッドホンを当てると、そのまま脱衣所から出て行った。
萃は……追って来る気配はない。寧ろ何時の間にか外へ出ているようだ。
本当に何がしたかったのか、ただからかいに来ただけなのか……。だとしたら良い迷惑だと舌打ちを洩らし、そして薄っすらと笑みを零して、十六夜は自室へと戻っていった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
時間は進んで、日も昇り〝ノーネーム〟の他のメンバーや子供達も活動を始めた昼の少し前。十六夜達は〝ノーネーム〟におけるこれからの活動指針を話し合うため大広間に集っていた。また、彼らの他に箱庭では少々特殊な居候の身である萃とペスト、それに農園区の管理を請け負っているリリも同伴している。
リリは兎も角萃とペストは参加の義務はないのだが、〝ノーネーム〟の活動方針は直結して二人にも影響が及ぶので、ジンの了承を受けて同席しているのだ。だがあくまでも居候で正式なメンバーではないため方針への口出しは比較的しないつもりでいるようである。
「はぁあ……苦節三年、とうとう我等のコミュニティも招待状が届くようになりましたっ。それもこれも、皆さんのお陰なのですよ」
「俺達のお陰と言うよりは、手腕良く纏めてる御チビのお陰だろ。よく保ってるとと思うぜ?」
「い、いえ……そんな事はありませんよ。僕なんかまだまだ未熟で、今こうして旗本の席に座っている事すら……、」
「ねえジン君、もう少し貴方は自信を持ったらどうなの? 正直、内心ウジウジされてると煩わしくて仕方が無いわ。もう少し胸を張りなさいよ、まだ若いんだから。
────大丈夫、充分好き勝手はさせてもらうけど、その分フォローもするつもりだから。同じコミュニティの、『同士』として」
ジンの心情を見透かしてか、彼女らしくやや辛辣に、だが反面似合わない位優しい言葉で彼を諭す。
彼女を深く知る者なら間違いなく裏を疑ってしまいそうな態度だが、今回は特にそう言った物は存在しない。ただ純粋にジンの心情を煩わしいと思っただけである。後者の接し方に付いては、彼女なりの気配りだ(まぁそれが果てし無く胡散臭いのだが……)。
少し、ジンの心の負担が減るのを彼女は感じた。だがそれでも、彼の内心にはネガティブな思いが渦巻いている。こればっかりは正直如何しようもない。何せジン個人の、コミュニティの長としての重荷を若干十一歳で請け負っているのだから。こればっかりは時間と彼の意思、手腕で何とかしていくしかない。
一人の少年の葛藤を垣間見えた気がする。そんな真面目な空気に、耐え兼ねたのかどうかは知らないが、茶々を入れる者が出てきた。
「あれだな。飛鳥が慰めるとか……胡散臭い上にどっか婆臭いな」
「フフっ、もう十六夜君ったら…………喧嘩なら買うわよ?」
「おう良いぜ良いぜ。非力な箱入り娘さんでも肩慣らしには事足りるしな」
「この早○が……精々無様に泣かせてあげようじゃないっ」
「ってストップストォップ!! 何であそこから喧嘩に発展するのですか!? あと飛鳥さんっ、女性がそんなはしたない言葉を堂々と言う物じゃないですよ!!」
十六夜のからかいに飛鳥は気前良く便乗。ご丁寧に青筋まで浮かべるという器用っぷりである。
そしてその茶番を何時もの如く止めに入る黒ウサギ。彼女の立つポジションはその場その場で変わるのだが、やはり黒ウサギが最も多かったいりする。要はこれも随分と見慣れた光景だ。
席は隣同士、黒ウサギを余所に殺気をぶつけ合う十六夜と飛鳥。ちゃんとジンとリリに気を使って抑え目な辺り本気でない事は充分に分かる。
すると、そんな二人の間に割って入る者が…………レティシアがまさかの介入をしてきた。一瞬で両者の傍に移動すると、ギフトカードから長槍を取り出し鼻先に突きつける形で静止させた。
「……ジン、済まないなが少しこの馬鹿共と席を外す。先に話を進めておいてはくれないか? なるべく直ぐに戻ってくる」
「え? d……あ、う、うん」
レティシアはやや凄みを効かせた笑みを浮かべて、ジンに一時退出の断りを入れる。最近だが彼女、十六夜達と出会った当初に比べて中々遠慮がなくなってきている。これも問題児組みに幾度と振り回されてきた結果のだろうか……。
良い意味では勇ましくなったとも取れるが、悪い意味では今のように手荒な真似を躊躇いなくしてしまうようである。
黒ウサギもまさかレティシアがこんな露骨に大胆な動きを見せると思わなかったのか、暫し呆然としてしまっている。
その間に、十六夜と飛鳥は少し意外そうに、だが示し合わせたように笑みを浮かべると、レティシア同様「直ぐに戻ってくる」と伝えて三人で広間を退出していった。
一応重要な会議ではあったのだが、相変わらず空気を無視する十六夜達に耀と萃、ペストは溜め息を零し、リリはどうしていいか分からずアタフタと混乱していた。
それから大体一分、取り敢えず萃の提案で三人が何時戻ってくるか知れないので話し合いを始める事になった。
思ったより区切りが悪いかな