■■■■たちが異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】 作:白結雪羽
あとなるべく場面変更は一話毎に纏めてみるようと思いますので暫く、はたまた今後は一話毎の文字数がさらに安定しないかもしれません。そこの所、ご了承ください。
「っ(これは……黒ウサギさん?)」
触手生物に連れ去られてしまったキリノを探し回っていた耀は、突如アンダーウッドに轟いた今までとは性質の異なる雷に大樹の中層へと振り返る。そこには、熾烈に紫電を放つ金剛杵を掲げた黒ウサギが立っていた。
彼女が轟雷をあの様に鳴らす時はただ一つ、魔王のゲームにおいて〝
轟雷から間もなくして、黒ウサギのゲーム中断宣言が為される。それを耳に入れつつ、耀は少し表情を険しくする。
(中断、となると……あの化け物もゲームの一部と考えた場合……不味いかもしれませんね。早くキリノさんを見つけなければ――――
『GYEEEEEEEEYAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaEEEEEEEEEEYAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaッ!!!』
だが、彼女の思考は天からその巨躯を地上へしならせる巨龍の咆哮によって遮られてしまった。遠目の黒ウサギも、突然の事態に宣言の口上を途切れさせざるを得なかった。
ゲームは確かに〝審判権限〟によって中断はされたのだ。しかし、一つ懸念していたとすれば……空に居座る巨龍も何かしらのギミックとなっている事だろう。
暗雲を裂きその全身を露にした巨龍は、地上から僅か百メートルの地点を滑空し空へと帰っていく。地上の建造物や、戦っていた敵味方の区別もなく全てを巻き上げながら。
(こ、これは……くッ!?)
それは耀とて例外ではない。宙に滞空していた彼女は、周りに掴まる物など都合良くある筈もなく、巨龍の
これが、最強種と呼ばれる彼のモノの脅威。ゲーム中断のために退くその挙動でさえも地上に甚大な被害をもたらすのだ。それは正に、生ける災害と言っても過言ではない。
耀は何とか自身の周囲の気流を操り体勢を立て直す。そして、天空の古城へ向けて登ってくる
……しかし、
(駄目、ですか。図体が大きい分破壊点が定め難い)
どうやら彼女の破壊は対象の構造が大きく複雑な程効果を及ぼしにくいようだ。巨龍は確かに、その全貌を視界内に捉えきれない位の巨躯。そして体面を無数の鱗で覆われている。
まだ全身を隈無く把握出来れば話は別ではあるが、今はその様な暇はない。
(それに…………いえ、一人で考え過ぎるのは危険ですね。殺る時の機会は、ちゃんと見定めて――――っ!)
その時ふと、彼女の視界の端に、巨龍に回収される化生に紛れて幾人かの人影が映った。そしてその中に、キリノの姿が確認出来たのだ。
「…………はぁ。まぁ、敵の根城に忍び込めると思えば、都合は良いですかね……」
呟いた矢先、耀は巨龍と化生の陰に紛れるように風を巻いてキリノの後を追っていった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「あー……箱庭の貴族だったっけ? 聞いてたけどツマンナイ特権持ってるんだね~。愉快に素敵な虐殺ゲームを中断しちゃうなんて……先に仕留めちゃえばよかったかなー」
瀑布の上に立ち天に登っていく巨龍を見つめ唇を尖らすクルエル。その愚痴は侵攻者らしくも冗談ならないものだった。もし萃と相対していなければ本気でやりかねない程に。
「ツマラン特権には同意するが、それは貴様が言えた義理か? 私は貴様のような破綻者が今も神の座にのうのうと就いていられるとは甚だ疑問でしかない。〝悪しきは罰せよ〟ではなく〝悪しきと思わしきは罰せよ〟……そっちの
「ふぅん、さぁてねー……キヒヒヒヒ♪」
暴風が瀑布を飛沫と上げる中、パシャンッと水面を跳ねクルエルは嗤う。彼女の背中には何時の間にか、伝承の悪魔の如き翼が備わっていた。
「まぁそんな事は置いとこ置いとこっ! 今は殺し殺されのお遊びに興じようじゃないの!」
不意を突いて足下で起こった爆発をクルリと宙返りで躱し、翼を羽ばたかせる。ニヤニヤとしたり顔を向けてきたクルエルに萃は眉間をヒクつかせ、追撃と瀑布の飛沫を収束させた球を彼女の翼膜に打ち当てた。しかし、消し飛んだ翼は瞬く間に再生してしまった。
「あ・せ・ら・な・い♪ またすぐに相手して上げるからさ~……まったく、最近のお年寄りは短期で仕方ないねェ、キャハハハハ♪」
最後に嘲り捨てたクルエルはそのまま余波を撒き散らして巨龍の後を追うように暗雲漂う天に垣間見える古城へと遠退いていった。
大分久しぶりな気がする、2000文字を切ったのって。