GGDF(完結)   作:ハヤモ

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不定期更新中。
モチベが上がらぬ……駄文続き。 リアル等で落ち込むコトって……色々あるよね(悲)


未知との遭遇。 或いは再会

 

GGOはゲームのスタート地点……ポイントは決まっている。

 

わざわざそこに行くのは、誰かと待ち合わせしているか、仲間探しの勧誘かブローカーか。

 

ただ、レンとワンちゃんの場合は待ち合わせであった。

 

その場所は首都グロッケンの一角。 大気組成が狂っていつでも赤く見える空の下、天空までそびえるビルと、ピカピカの金属の床と、ケバケバしいネオンが光り輝く、荘厳なんだか乱雑なんだかよく分からない世界……のハズなのだが。

 

 

「「え? ナニコレ?」」

 

 

GGOでは有り得ない、珍百景に声を上げる羽目になった。

 

レンとワンちゃんがGGOスタート地点に辿り着いた時。

そこはレンの知らない光景、そしてワンちゃんには凄い見覚えのあるEDF印の大きなコンテナが積まれていたのである。

 

M4ぽいような……PAー11ライフルを持っているEDF隊員《レンジャー》が複数人警備。 装備品も相まって、米軍を思わす見た目。

 

そして運動会や祭りで使われる様な簡易テントが並んでおり、タイプライターの置かれたテーブルがいくつか並び……受付の様な雰囲気になっている。

その前にはボードが掲げられ『EDF隊員募集中』とか『一緒に地球を守りませんか?』とあった。

 

 

「むっ。 やはりEDFじゃないか!」

 

「スタート地点が占拠されてる!?」

 

 

ワンちゃんは久し振りの仲間の登場に興奮し、レンは突っ込みを始める。

EDFは妄想設定だとばかり思っていたので、衝撃の光景にテンパってしまったのだ。

 

 

「ちょっとワンちゃん!? また何かしたの!?」

 

 

EDFの文字に反応したレンが、ワンちゃんの仕業だと疑い悲鳴を上げた。 チート野郎ならこんなふざけた真似も出来るだろう、と。

目の前の人達はNPC的なヤツだろうと。

 

しかし本人は知らないらしく、首を横に振るだけだ。

 

 

「俺じゃないぞ。 むっ、頭上に気を付けろ!」

 

「えっ?」

 

 

レンが慌てて空を見上げれば、輸送機ノーブルが丁度コンテナを投下しているところだった。 離れてはいるが、当たったらと考えると……ゾッとする。

もし真下でログインした新規がいたら、もれなくリスキルとなるところだ。

そんな第三者災害なんて考えてるのかいないのか……EDF隊員らは直撃してもケロッとしているから、対して気に留めないのかも知れない。

 

そんなコンテナがガシャーンと地面に落下。

いつも通りコンテナが魔法の様に消え、中から第一回SJで見た角張ったロボット……コンバットフレーム登場。

 

 

「おっ。 アレは武装が簡易なA兵装か。 戦争の激化で生産する力が衰えてしまったからな、コスト面もあってミサイルポッドは無いのだろう」

 

「………」

 

 

ワンちゃんの言う通り、肩にはミサイルポッドや散弾兵器等は載っていない。

しかし、簡易的といっても右腕にリボルバーカノン、左腕にロケット砲をマウント。

GGOからしたら、それだけで凄まじい火力だ。

 

ひとりが駆け寄ると素早く乗り込み、ガシャンガシャンと脚を動かして移動開始。

目で追った先には、同型機が並んでおり、他にも武装装甲車両グレイプやブラッカーE1戦車が並んでいるときた。

 

 

「作戦行動をしつつ勧誘とは。 EDFも器用になったものだ」

 

「………」

 

 

あろうことか、EDFは都市侵略と勧誘の同時進行という悪業を行なっていたらしい。

全力でプレイヤー及び運営に喧嘩を売っているスタイルだった。 戦争でも起こす気か。

 

 

「いやぁ! 本部と連絡が取れなくて困っていたが、なんとかなりそうだぞ!」

 

 

そんなコトを微塵も考えず、久し振りに仲間に会えたコトを喜ぶワンちゃん。

しかし一般プレイヤーのレンは、ワナワナと肩を震わせている。

 

真実はどうであれ、ワンちゃん絡みなのは間違いない。 既に多くのプレイヤー達に迷惑を掛けているというのに……まだ足りないのか、と。

 

 

「空爆に飽き足らず、こんなコトまで。 それに嘘まで……ふふっ」

 

「ち、違う! 俺は知らない! 本当だ!」

 

 

目を見開きつつも薄ら笑いを始めるという『レンちゃんウフフ』な表情へ。

見た目幼女とはいえ、瞳がヤバい。 ピトよりマシだろうが、感情に任せてP90をゼロ距離フルオートされまいかと冷や汗が出てしまう。

 

別にレンとしては、憎くて言っているのではない。 皆に迷惑を掛けさせてはならないとか、ピトの件を公にしちゃったんじゃないかとか、自身を大切にしてくれるワンちゃんへの独占欲がちょっと含まれて、ついつい『こんな』顔になっているだけ。

 

その表情には人類の救世主すら一歩下がらせる程。 しかし、知らないのは事実なので否定するしかない。

 

 

「受付に聞いてみれば良いだろう!? 『コレは何の騒ぎですか』と!」

 

「……むぅ。 それもそっか」

 

 

必死の訴えに、冷静さを取り戻したレンにホッとするワンちゃん。 しかし、EDFが絡んで穏やかに済む件があったか?

 

答:否。 状況は最悪な方へと流れるのがEDFのお約束。

 

早速というか、トラブルの素になりそうな声がしたので、ワンちゃんとレンは振り返ってしまう。 休まる暇がない。

 

 

「素敵な嬢さん! 可愛い上に手慣れだよね? その身体を活かす為に、おじさん達とお仕事してみないかい? 結構なお金が入っちゃうよ?」

 

 

見やれば、EDF隊員が中年オヤジ丸出しな顔を突き出して来たのだ。 側から見れば援助交際を求める様でヤバい光景。

 

EDFの名誉の為に言っておく。 彼は開戦から終戦まで生き延びた、ベテランのスカウト(偵察)だ。 幼女なレンをひと目で強いと感じ取り、近付いてきたのである。

見た目と実力は合致しないのを彼は知っている。 γ型なんて、丸まって転がって可愛いと思ったら、次の瞬間には部隊がボーリングのピンのごとく纏めて弾き飛ばされてしまった。 強敵だった。

人間もその例に漏れない。 事実、彼の予想通りレンは強い。 走力は人間離れしてるし、空中リロードもやってのける。

 

ただ勧誘の仕方が頂けない。 誤解を受ける。 挙句に安心させようとして笑いかけたのが「グヘヘ」な表現なので余計にアウトだった。

いつかのEDF広報みたいに、上手く誤魔化す術があれば良かったのだが。

 

そんな勧誘故に、レンは白い目を向けて逡巡なく首を横に振った。 イケナイ事にはNOと言える勇気を持っているエライ幼女(中身は大きな女子大学生だが)なのだ。

 

 

「お断りします」

 

「大丈夫だ問題ない。 レンは既にEDFだ」

 

「ちょっ、ワンちゃん。 なに言ってるの?」

 

「レンこそナニを言っているんだ。 SJに《EDF》で参戦したじゃないか」

 

「そうでしたか。 失礼しました」

 

「だぁーー!?」

 

 

ワンちゃんが余計なフォローを入れて、中年との面倒は避けられたが、コレはコレで面倒だった。

こんなおかしな人達に仲間扱いされたと思うと、本気でGGOから逃げ出したい。

今すぐログアウトしようかとも考えるレンだったが、親友を待ち合わせている以上、自分の都合で逃げるワケにはいかない。

 

 

「あれ。 失礼ですが……ストーム・ワンですか?」

 

「ああ。 久し振りに仲間に会えて嬉しいよ」

 

「おお! 皆心配してましたよ! 今、本部に連絡しますね!」

 

「助かる」

 

 

レンへの対応と、民間人姿だった故にワンちゃんに気付くのが遅れた隊員らが、今度は嬉しそうに声を上げ始める。

スカウト隊員がテントに戻り、皆に報告すると、祭りだワッショイ状態へ。

 

ホント、戦場でも平時でも異世界でも騒がしい連中だ。 絶望を叫ぶより良いけど。

 

 

「やっぱり、ワンちゃんの知り合い?」

 

「仲間だ。 同じEDF隊員。 悪い奴らじゃないぞ?」

 

「十分、悪い奴らに見えるけど」

 

 

一先ず落ち着いたレンは、素直な感想を口にする。 首都の一角を不法占拠して、戦車やらロボットを空輸してくる連中だ。 危険過ぎる。

 

 

「気持ちは分かる。 勧誘目的だとしても、街中でこんなコトをするのはやり過ぎだろう。 だが理由があるハズだ」

 

「どんな理由? 侵略? 嫌がらせ?」

 

「EDFは地球や皆を守る組織だ。 そんな酷いコトはしない」

 

 

ワンちゃんは堂々と言うが、レンはジト目を返すだけだった。 この言葉を他のプレイヤーや運営が聞いたら「ふざけんな」と高らかに叫ぶだろう。 守るんじゃなくて攻撃するの間違いだろ、と。

 

 

「……今は、そう。 美優、じゃなかった。 フカ次郎を待たなきゃ」

 

 

本来の目的を思い直し、レンはスタート地点に接点を戻す。 なんで人を迎えに来ただけなのに、こんなにドッと疲れるのか。

どれもコレもEDFの所為だ。 レンはこれ以上考えるのをやめた。 ピトの件に集中しよう。 そうしよう。 EDFというチート集団に惑わされてはならない。

こちとら人の命を賭けているのだ。 構っている場合じゃない。

 

その願いが通じたのか。 目の前で光の粒子が集まり始め、だんだんと人の形に固定されて……やがて色を持っていく。

 

 

「プライマーの転送技術で、新戦力が来るのか。 どんな人なんだ?」

 

「……見ていれば分かるよ」

 

 

なんか疲れて、新キャラが生まれるシーンに興奮出来ないレン。 ワンちゃんはいつもの調子で勘違いをしており、余計に疲れさせてくる。

 

そんな中現れたのは、レンと同じ背丈くらいの金髪美少女。 フカ次郎の登場である。

そのキュートな見た目には、レンの精神疲労を吹き飛ばすには十分だった。

 

 

「よっ! コヒー! じゃなかった、レン! それと噂のワンちゃんだね? 宜しく!」

 

「「おおっ、可愛い!」」

 

 

その容姿に思わず二人同時に声を上げてしまう。 レンと同様に保護欲にそそられる幼女の姿。 ワンちゃんとしては、またひとり、娘が出来た気分だった。

しかし戦場に連れて行くと思うと、嬉しさ半減といったところ。 やはりか、守ってやらねばならない。 可愛い子らにドンパチはさせたくない。

 

 

「うひーっ! これが、わ、た、し?」

 

「これから宜しくな」

 

 

そんな暗さを吹き飛ばす、明るい笑顔にワンちゃんは頷いた。 おっといけない。 いつだって希望は必要だ。 明るく行こう。

 

 

「いいねいいねー! ちょっと胸がないのが気になるけどさ!」

 

 

初期装備の戦闘服の上から自分の胸を両手で揉み始めるフカ次郎。

ワンちゃんとしては、少しナニ言ってるのか分からないが、幼女なんだし、まだ気にするなと思った。 栄養のある食べ物を食べていれば、その内大きくなるだろう的な。

アバターなので、そういうのは関係ないのだが。

 

 

「おおっと! お姉さん、F8000系だね!

始めたばっかだから、まだ愛着もないよね? アカウントごと、そのアバター売ってくれないかな? 結構なお金になっちゃうよ?」

 

「おおっと! お嬢さん、ルーキーじゃないね? その身体を活かした仕事をやってみない? おじさん達と楽しく仕事しよう!」

 

 

ブローカー男とEDF隊員が再び中年オヤジ丸出しの顔を突きつけてきた。 この場にいる限り面倒は続きそうだ。

 

 

「うーん、どーしよーかなー? おじさーん、いくらくれるー?」

 

 

またしても援助交際のような商談が始まりそうな雰囲気となった。

 

いかん。 大切な娘達が汚される!

 

ワンちゃんとしては本部からの連絡を待ちたいが、それより娘である。

取り敢えず二人の手を取って、この場を後にしたのであった……。




やっとこさ新たな娘、フカ次郎が。
そしてEDFがまさかの都市侵攻? 真実は不明。
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