GGDF(完結)   作:ハヤモ

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不定期更新中。 SJ2、もうすぐだ(長


増員

EDFレンジャー隊員にして爆発物大好き問題児ことグレ男。

 

普通なら拘束するべきヤツだが、コイツなりのルールがあるらしく、負けを認めると抵抗を止める。

 

それを知るワンちゃんにコンバットフレームを爆破処理された後に連れられて、そのままウサギと子犬に合流した。

ホントは娘に会わせるべきではないのだろうけど、野放しに出来ないので……。

 

さて。 いざ合流してキュートなロリっ子戦士の姿を見た彼。

ピンク一色のウサギさんに、ログイン初日故の初期装備な服装の子犬。

 

特に子犬が持っているデザートタンなグレラン《MGLー140》を見て思わず驚愕。 声を荒げてしまった。

 

 

「なっ、コレはどういうコトですか!」

 

 

怒るようにグレ男は問う。 レンとフカの見た目は小さな女の子だったから。 銃を持って戦うにはハードな体格だ。

それにEDFとか関係なくて、普通に守るべき対象だろう年齢に見える。 子は未来であり希望なのだ。

そんな子を危険な戦場に連れまわすなんて……。

 

問題児のグレ男だが、子を思う心はあるらしい。 自身の気持ちを言葉にして、彼はワンちゃんに叫んだ!

 

 

「グレネードは老若男女関係ない、というコトですね! 言葉の壁も国境も!」

「お前のように平等過ぎて壁と仲間の区別なく吹き飛ばすヤツは許せんがな!」

 

 

違った。 ただのグレネード盲信野郎だった。

 

グレネードを持っていれば皆フレンズだと思っているのか。 色んな意味でフレンドリーファイヤ野郎である。

 

そしてウサちゃんズは攻撃されて「もう仲直りだね。 友だちになろう♪」とはならない。 ここはフィールドだ。 背中を向けた瞬間ナニされるか分からない。

 

レンはピーちゃんの銃口を向けつつ、蜂の巣に出来る用意をしておく。

セレクタはとっくにフルオートだ。

 

 

「……ねぇワンちゃん。 この人危ないよ。 殺しとこうよ?」

「おっと、ピンクの君。 俺に向けるのはストーク系ではなくUMシリーズの様なグレランにしてくれないかい? あっ、グレランの場合は弾種は問わないよ。 焼夷弾でも良い」

「フカ、やっちゃって」

「ヤっちゃうよ? 殺っちゃうよ?」

「撃つな撃つな。 話が進まん」

 

 

ご期待通り、グレランを撃とうとする子犬を止めるワンちゃん。

フカの榴弾は自爆を防ぐ為に、一定距離を飛翔しないと起爆しない仕組みになってはいるが……質量を持った弾に当たりゃ物理的に痛い。 下手すりゃ死ねる。

 

それに、こんな男でも仲間だ。

開戦から終戦まで最前線で闘い、生き延びた数少ない人類のひとり。 死んだら目覚めが悪くなる。

だが説教はしなければならない。 形式的に。

 

 

「おい! 《グロッケン》でこの《ヴァラトル・ナパームZD》を売ったのはお前だな?」

「おお! 隊長が買ってくれたのですか! 個人的には都民に買って欲しかったのですが、隊長が《リムペッドガン》だけでなくグレランの素晴らしさに気付いてくれたのであれば、『アリ』ですよ!」

「ふざけるな。 EDFの武器を売るんじゃない! しかも最終作戦仕様だぞコレ。 悪用されたら悲惨なコトになる! 分かっているのか!?」

「はい分かっております! 汚物が消毒されてEDFの知名度が上がり、同士が増えるんですね!」

「汚物はお前だグレ男! 一度焼かれて身も心も綺麗サッパリ消えて欲しいくらいだぞ!?」

 

 

全然分かっていないグレ男とギャアギャア騒ぐワンちゃん。

取り敢えず《グロッケン》の犯人はやっぱコイツでした。

 

その光景を見ているレンとフカは「やっぱ殺しても良いんじゃね」と思えてくる。

だってグレ男、反省してないし。 馬鹿は死ななきゃ治らないとも言うし。

 

 

「それと、何故攻撃してきた! 戦時中と同じ理由か!?」

「はい! 絶望の淵に沈む人類や地球に活力を与えるための余興です!」

「爆音と共に俺の悲鳴を聞くのが趣味か?」

「重火器の素晴らしさ、生きるコトの素晴らしさを伝えるには、隊長を攻撃するのが早いと判断しました。 英雄の隊長とドンパチすれば、隊員ないし生き延びた人類にも知れ渡り、同士が増えるかと!」

「またソレか! 何故そうなるんだ!?」

 

 

敬語(?)で話している辺り、ワンちゃんの方が立場が上のようだけど……攻撃してくるし、その理由が頭オカシイ。

 

やっぱり思考もやっているコトも問題だらけだ。 ワンちゃんやピトさんとは別のベクトルでヤベーヤツじゃね?

 

そんなヤツとはさっさとオサラバしたいレンだったが、グレ男は彼女らを高く評価していた。

その旨を伝えるべく、幼女たちにも絡んでしまう。 褒められると、ちょっぴり嬉しいモンだが面倒臭いEDF隊員に言われても正直微妙だった。

 

 

「時に後ろの幼き戦士たち! 素晴らしい闘いだったぞ! 榴弾の威力にばかり気を取られてしまったが、俺の操るニクスの足下にクレーターを作り出し転ばすとは! 戦術次第では歩兵でもニクスを倒せるんだと思い知らされたよ。 俺もまだまだ勉強不足だった」

「ど、どうも」「やったぜ」

「お前は戦術云々より良識を勉強した方が良い」

「はい! グレネードをもっと使いこなせるようにガンばりまっす!」

「……もう良い」

 

 

何たるグレ馬鹿か。 ワンちゃんは知ってはいるが、怒り疲れて閉口する。

どうせ何度言ってもグレネード愛は薄まりそうにもない。

 

 

「ところで、攻撃したのは俺だからだよな? センサー反応だけでは個人認識は出来ないから、別の場所から見ていたのか? それに、荒野にいるのはお前だけか? 何故ココにいる?」

 

「それはですね、《グロッケン》にいた隊員に頼まれまして。 『幼女を連れてストーム・ワンが酒場に行ってしまったから、事案が起きる前に連れ戻しに行って欲しい』と。 俺が酒場に着いた時は既にいなかったので、聞き込みを行いつつ荒野に来ました。 いやー、いて良かった」

「人をペドフィルみたいに扱った挙句に貴様を送り込んだヤツは誰だ!? しかも連れ戻しに来たのに攻撃したのか! 死体にしてから連れ戻そうとしたのか貴様は!?」

 

 

話を聞いてみたら、微妙な答えが帰ってきた。

まさか人類の英雄をロリコン扱いした上に問題児のグレ男をけしかけたなんて。

 

実のところ、別にその隊員に悪意があったわけではない。 純粋に英雄の身を心配して言ったのだが、二言くらい余計だった。

しかも戦後に入隊したルーキーだった所為で、グレ男を知らなかったのも痛い。

 

そんなモブルーキーにワンコが吼えていると、背後にいた愛娘たちが距離を置き始める。

互いにギュッと抱き合うように密着するキュートなふたり。 怖がらせてしまったか。

 

苦笑して謝ろうとしたワンちゃんだったが、次の瞬間には別の理由で離れたのだとワンちゃんは知る。 悲劇は続くのだよ。

 

 

「ワンちゃん、そんな目でわたし達を?」

「パパ最低。 今後近寄らないでね?」

「ぐはっ!?」

 

 

愛娘たちから《テンペストミサイル》が直撃したような痛恨の一撃。

本人たちは冗談でも、その阿吽の呼吸なコンビネーションの仕草が加わり、英雄は吐血して倒れる。

ヘルメットが内側から真っ赤に染まり、愛する者に見放された彼は生きる気力を失った……。

 

 

「鬱だ死のう。 嫌われた俺は……もう生きる資格が……再出撃も退却もする気も起きぬ」

「ずっと前から嫌われてるよ、ワンちゃん? 気が付かなかったの?」

「心配しないで下さい隊長。 この《グレネードランチャーUMAX》をブチ込んでやります! そうすれば再出撃か退却する気くらい起きますって!」

「それトドメ刺してるよね。 退却先は天国ってオチ?」

「爆発オチとかサイテー」

 

 

レンとフカは、キャッキャッとイジメて快楽を得る。 フカは元からの性格があっただろうけど、レンは今までの鬱憤から面白がっている様子。

少なくとも共通して機関銃に回転弾倉を付けたような《UMAX》を構えるグレ男を止める気は起きない。

 

距離的に考えて、撃てば二人とも被弾する。

EDFに『遠過ぎて起爆しない』弾はあっても『近過ぎて起爆しない』弾はない。

つまり仲良く爆死する気らしいが、くたばってくれるなら、この際何でも良い。

 

 

「バイバイ、パパ。 生まれ変わって身も心も綺麗になって来てね?」

「その前に綺麗に吹き飛ぶと思うけど」

「あははっ!」「ふふっ」

 

 

プレイヤーの《死に戻り》感覚な娘たちは、可愛い顔して悪魔みたいに嘲笑しやがった。 とても可愛がっていたのに……恐ろしい子!

 

寧ろこの発言がトドメになったのか。

ピクピクとキモく痙攣していたワンちゃんはピタリと静止する。

ある意味、戦時より絶望を味わっているかも知れない。

 

 

「あ、ワンちゃんが死んだ」

「ナニやってんすか隊長! 言葉責めでくたばるとか、らしくないです。 爆死以外、俺は認めませんよ?」

「爆殺なら協力するけど?」

「話が分かるな同士!」

 

 

あかん。 殺されるぅ。

 

さっきまでグレ男を敵視していたのに、今や結託してワンちゃんをイジメる娘たち。

コレもワンちゃんの人望がなせるワザだとしても、ちっとも嬉しくない。 死にそうだ。

 

そんな感じに盛り上がった勢いで、グレ男は気付く。 フカの持つグレランに標準器がないことを。

 

 

「むむっ。 キミの持つグレランには光学標準器の類がないな? 平気か?」

「え? GGOには《バレット・サークル》があるから、要らないっしょ?」

「ああ《バレット・サークル》か。 《グロッケン》でも聞いたが……弾着予測円だっけ。 この世界の人には見えてるんだよな……いやはや」

「また変な設定を拗らせて。 ホントは見えてるんでしょ?」

「残念ながら我々には見えていないのだよ。 まっ、そんなモンなくても俺たちは戦えるがな。 だが君の場合、弾着位置が見えて力持ちってんなら…………次から両手にそれぞれ持ってみれば? コンバットフレームみたいにさ。 それぞれの弾着位置も分かるし、爆発に次ぐ爆発……痺れない?」

「いいねいいね! やってみるか!」

 

 

今度はワンちゃんソッチのケで盛り上がりを見せる娘たち。

妙なことに、グレ男の誘惑でフカは二丁持ちスタイルになってしまった。

いや、ほっといても二丁持ちにしていただろうけれども。 原作みたいに。

 

さて。 結局爆殺されなかったワンちゃんは、この間にムクリと立ち上がる。

英雄が下らない理由で死ぬとか笑えない。 娘の言葉はイタイが、ピトやEDFの件もある。

今後を考えねばならない。

 

 

「あ、隊長が復活した」

「……話しているところ悪いが《グロッケン》に戻る。 俺たちにも用事があるし、EDFと連絡を取らねばならない」

「そうなんですか? じゃ、お元気で」

「お前も行くんだよ。 武器を売った罪を忘れるな」

「ちょ、勘弁! 助けてキュートな戦士たち!」

「グレ男さん。 ちゃんと罪を償おう?」

「まっ、今度別の武器でも見せてよ」

「君たちはどっちの味方なんだい!?」

「俺の娘だ、俺に決まってる」

「娘扱い? いやー、もっと別の待遇が良いんじゃないの、レン?」

「何でわたしに振るの!?」

 

 

EDFがいると戦場は良くも悪くも賑やかだ。

ギャアギャア騒ぎつつも、ワンちゃんはいつも通りスモークを地面に転がす。

部隊輸送を行える《武装車両グレイプ》だ。 人数も多いし、丁度良い。

 

 

「せ、せめて《ブラッカー》にタンクデサントさせて下さい」

「万が一攻撃を喰らったらどうする! 危険な行いはしなくて良い!」

「榴弾でヤられるなら本望です! あ、主砲は140ミリ長距離榴弾砲を希望」

「今度、E1型を要請してやろうか?」

「レンジャーでも要請出来る急造品の105ミリ榴弾砲じゃないですかヤダー!」

「A1型の90ミリ滑空砲でも良いぞ」

「貫通より爆発っすよ! テロリストとの市街戦に対応してE1型が普及したんですしおすし」

「よく分からないけど来たよ、いつもの!」

「おー! 飛行機が来たよ!」

 

 

グレ男とワンちゃんで、ブラッカーの型番や搭載主砲についてギャアギャア騒いでると、いつものコンテナが投下される。

 

フカは見るのが初めてなので、これまた興奮しているが、レンやワンちゃん、グレ男は何度も見ているので騒がない。 慣れって怖い。

 

 

「おっ、中からクルマが!」

「グレイプだ。 後ろの扉から入ってくれ」

「前回のSJで活躍したよね」

「隊長。 砲塔のコレ、榴弾砲ですよね?」

「榴弾砲だ」

「なら乗ります!」

「榴弾砲なら何でも良いのか、お前は」

 

 

いつまでも荒野で騒いでいるワケにはいかない。

さっさと《グロッケン》に戻るべく、皆は乗り込んでいく。 運転は例によってワンちゃんだ。

 

助手席はクマ……ではなく、今回は子犬とウサギ。 いや、なんで助手席に来たのか。

小柄な身体でもふたりも来たら狭いだろうに。

 

 

「……フカ、レン。 なぜ俺の隣に?」

「いやぁ、パパの運転を見てようかと思ってね」

「その、わたしは……ワンちゃんの見張り」

「人気者なんですね、隊長?」

「茶化すな。 あー、そこでも良いがな、ベルトは締めてくれ。 俺もなるべく安全に運転するから」

 

 

ふたりの本心はどうであれ、隣に居たいというなら突き離すこともないか。 ワンちゃんとしても内心嬉しいし。

囚人護送をするつもりが、娘とのドライブだぜヒャッホイ。

 

ワンちゃんはゆっくりとアクセルを踏んで、急な運転をしないように心掛けた。

緊急時は仕方なくとも、それ以外は平時の運転をしてみよう。

 

 

「俺も隊長の隣行って良いっすか?」

「全力で断る」「えー?」「ヤだよ」

「……冷たい親子っすねぇ」

 

 

 

 

 

 

荒野のスカウト隊員からの報告にて。

 

二体のニクスが《グロッケン》から少し離れた場所にて戦闘状態であったとのこと。

近接戦闘用のレッドボディと、重武装のグレネーダーだったのだが……主に肉弾戦だったらしい。

 

それは良い。 いや、良くないのだが……戦後の『事故事例』で同類のコトは時々あった。

アレだ。 ストーム・ワンとグレ男だ。 大抵はストーム・ワンの操るレッドカラーで鎮圧される。 何の心配もない。

 

だがしかし。 次にもたらされた報告は隊員が騒つく事態となる。

 

 

「幼女にコンバットフレームが倒された!」

 

 

この言葉が流れたとき、隊員は言葉を失い耳を疑った。 スカウトの誤報かとも思った。

 

コンバットフレーム。

搭乗式の強化外骨格であり、武装も強力で歩兵が太刀打ち出来ないと言っても過言ではない二足歩行の軍用ビークル。

 

それを……幼女が倒したぁ!?

 

 

「おいおい! 何の冗談だ? 幼女がコンバットフレームを倒すなんて……もっと良い笑い話を作ってくれよ」

 

 

駐屯地の皆は首を縦に振る。 だって信じられないんだもん。

コンバットフレームは火力も防御力も高い。

 

小銃や拳銃でどうにかなるモンじゃないし、無反動砲や擲弾射出機を撃ちまくって倒せれば良いなってレベルだ。

勿論、相手は黙ってやられてくれない。 反撃を受けつつの破壊活動となると……困難だろう。

 

それも訓練された兵士ではなく幼女では。

 

 

「それが砲撃の類で倒したらしい!」

「砲撃!? この世界にも砲兵がいるのか!」

 

 

隊員らは顔を見合わせた。

またあの忌々しい放物線を描いて飛んでくる砲弾を見る羽目になるとでもいうのか。

 

遠くや遮蔽物からの攻撃を行えば、確かに幼女でも何とかなったかも知れない。

だが、武器の使用や弾着観測等の技術を持っていたからこそだろう。

やはりか、この世界は恐ろしい。 幼女すら危険である。

 

それにブルージャケットなクイーンの件も片付いていないのに、問題は増えないでほしい。

 

 

「しかもその幼女。 二人いたんだが、ひとりはピンク色だったんだ!」

「ピンク? 赤と白(銀)を混ぜた……くっ!?」

「気付いてしまったか!」

「ああ。 とんでもないぜ、こりゃ」

 

 

隊員らは戦慄と共に身を震わせた。

経験から敵の色は、そのまま強さの目安になるのだ。

赤は強いヤツ。 白(銀)も強いヤツ。

 

その混ざったピンクとは、元の世界では確認出来なかったが、二色も合わされば強いに決まってる!

ぅゎょぅι゛ょっょぃ。

 

 

「とにかく。 そのピンクの幼女をした者には気を付けろ。 状況によっては捕獲だ」

「了解」

 

 

かくして。 どんどん面倒なコトになりつつあるけれど。

こんな調子でSJ2を迎えられるのだろうか……。




早くSJ2を……。
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