[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断 作:npd writer
「ならば被害者が搬送された病院に行きましょう。君たちもあの男性の様子が気になるでしょうからねぇ」
右京は自らの車に子供たちに病院に直行しようと考えていた。既に冠城は自身の車でチンが搬送された大学病院に向かっている。
コナンも、他の人に連れて行ってもらうのは申し訳なく思っていたが博士の他に車を運転できる人物はいない上、ここから大学病院にはバスと電車を乗り継がなければいけない為、お金が足りていなかった事もあり右京の案に賛同した。
「えぇ。お願いするわ」
灰原を始めとした光彦らも賛同した事もあり、右京の愛車FK10型 日産フィガロに子供たちがを乗せた右京はチンが運ばれた大学病院に直行した。
同じ頃、『国際平和会議 東京サミット』が開かれる国際会議場では警視庁の警備艇が海上を、デッキや会場周辺には警視庁公安部の刑事たちが周囲を警戒していた。
国際会議場にも公安部の刑事たちの姿があった。豪華なシャンデリアが吊り下げられた吹き抜けのロビーや、その奥にあるレストラン街、他の階にも背広姿の男たちがいて、それぞれのビルを巡回している。
その中には警視庁公安部の刑事、風見裕也の姿も姿もあった。風間は部下と料亭を出ると、他の刑事らとビルを出た。
ドオオオオォォォン!!
風見が会議場を出たその時、耳を裂くようなとてつもない轟音が辺りを包み、それと共に凄まじい爆風が巻き起こった。国際会議場のガラスや壁は爆発により吹き飛び、周囲に停車していた警察車両も吹き飛ばされて小石のように道路を転がり、吹き飛んだコンクリート片が次々と路上に突き刺さる。
一瞬にして新しい姿を見せていた国際会議場は業火に包まれ、黒煙がもうもうと立ち昇った。
その中から傷だらけになりながら出てきたのは警察庁警備局警備企画課、通称公安警察所属の安室 透だった。ふらついた足取りで道路まで進むと振り返り、無残な姿となった国際会議場を呆然と見上げた。
すると、炎に包まれた鉄柱がメキメキと音を立てながら安室をめがけて倒れてきた。重い振動と共に土煙が巻き上がる。
間一髪のところで避けた安室は、右腕を押さえながら国際会議場を去っていった。
警視庁 総務部広報課室
警視庁にはまだ、国際会議場が爆破されたとの報告は入ってきておらず先におきた食中毒に似た事件についての情報が錯綜していた。社がトップを務めていた広報課は公開する情報と非公開の情報との選別を上層部と幾度となく協議していたため、会見が遅れていた。
また、各報道機関からの問い合わせの電話の多さも加わり、普段静かな広報課の部屋は行き来する職員や、鳴り止まない電話で騒然としていた。
「被害者の総数は?」
「43名、内5名が重傷。あとは比較的軽傷です」
「原因物質と感染経路の特定は?」
「まだ特定されていません」
広報課長の社は早歩きで部屋にある小テーブルに向かった。その後ろを秘書で広報課所属の石川 大輔 警部が後を追いかけていた。眼鏡をかけた神経質そうな石川は社の質問に短く、しかし正確に答えていた。
小テーブルには広報課の幹部たちが既に集まっており、幹部たちに挨拶を返し椅子に座った社は報告書にまとめられた事件の概要を一瞥した。
「生活環境課から連絡は?」
「原因が判明するまでレストラン街、封鎖決定です」
「発表どうしますか?」
石川の質問に暫く考え込んだ社は幹部たちと報告書をそれぞれ見ると課長としての命令を発した。
「食中毒と異物混入の両方から捜査中とします」
広報課の職員がゾロゾロと会見に向けて移動し始めようとした時、広報課の職員が慌てふためいた様子で駆け込んで来た。その様子に社も思わず、怪訝そうな表情で見つめた。
「か、課長、大変です!国際会議場が…爆破されました!」
社はその報告に衝撃に受け、その職員の方を顔を向けたまま動けなくなった。
同じ頃、警察庁がはいる中央合同庁舎第二館も国際会議場爆破の報告に騒然となり警察庁フロアは多くの職員が書類を抱えて右往左往していた。そして、長官室にも警察庁警備局の職員がやって来て緊急事態を告げた。
「長官、非常事態です。国際会議場が爆破されました。原因は不明ですが警視庁公安部の刑事が数名巻き込まれたとの情報もあり、只今警視庁の刑事部、公安部の捜査員が現場に急行しています」
肘掛け椅子に座っていた甲斐と金子はその報告を聞いて落ち着いた様子をしていたが、内心では前例のない爆破事件に衝撃を受けていた。
取り敢えず、職員が退出したのを確認した金子は肘掛け椅子から勢い良く立ち上がった。
「…どうやら、警視庁だけに任せておくわけには行かなくなったようだな。甲斐くん、警察庁に至急、対策本部を設置してくれ。また、警備局にも連絡をいれてくれ。これ以上『レイブン』の好き勝手に任せておくわけにはいかないだろう」
「分かりました。長官」
長官室から退出した甲斐を確認した金子は、1人長官室の窓際に立つと、窓の向こうに映る東京のビルを背後に老いた自分の顔ともう1人ある男の顔を脳裏に浮かばせていた。
「この事件、どうやら君の功績を存分に発揮できる最高の舞台になりそうだよ、小野田くん」
その男の名は、かつて金子と共に警察庁の権限拡大を狙いそして『警視庁篭城事件』で殺害された、元警察庁長官官房室長 小野田 公顕 警視監だった。
小野田はかつて、警視庁公安部長を務め警察庁警備局にも太いパイプを持つ人物で特に公安警察に対しては力を拡大するために尽力していた。その小野田が生涯尽力した公安警察が今度の事件では日の光を浴びることになったのだった。
そして、警視庁の大会議室に設けられた捜査本部にもその報告は衝撃をもって伝えられた。
「何!?何故、次から次へと…」
内村は驚いて席を立つと、力がなくなったかのように座った。等の隣にいた中園も只々オロオロしている様子で内村と捜査員を交互に見つめていた。冷静さを保っている黒田も眼鏡を光らせたまま、空中を睨んだ。
やがて、捜査本部にリーダー格らしい背広姿の男を先頭に多数の捜査員が書類やダンボールを持って来た。
その姿を見た伊丹は吐き捨てるように言った。
「チッ。公安部の連中か…。あまり、せっかく刑事部だけで統制されていたのに。公安部の連中が来られちゃ、またシステムの構築が必要だっちゅうのに…」
「仕方ないでしょう。この爆破事件は刑事部よりも公安部の方が専門でしょう」
佐藤や千葉も公安部の捜査員を複雑な表情で見ていた。
先ほどやって来た公安部の捜査員の先頭を歩いていた公安部長が内村が座るテーブルに向かった。
「ここからは、刑事部と公安部の共同調査になりますね」
眼鏡をかけた神経質そうな人物だった。内村は不満そうな顔を見せていたが、中園と取り計らいで公安部の捜査員も本部に次々に合流した。
やがて、刑事部と公安部の合同捜査本部が警視庁に誕生した。
その報告は病院にいた右京やコナンの元にも届いた。
小野田官房長、出そうと思っていました。
これから、官房長がどのような関わりを持つか楽しんで書いていこうと思います。
誤字の指摘を受けました。指摘して頂いた方、ありがとうございます