[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断 作:npd writer
大学病院に着いたコナン、灰原、元太、光彦、歩美、それに右京の6人は大学病院に向かうため右京の自家用車で公道を走っていた。
「おじさんって、警視庁の刑事さんなの?」
定員をオーバーして満々とした車内でコナンは運転席にいる右京に声をかけた。偶然とはいえ、いきなり声をかけてきた人物の事を怪しむのは当然だが、それと同時にコナン自身の興味もあり右京に聞いていた。
「なんか、特命係ってカッコいい部署名ですよね?」
「どんなお仕事するの?」
「そうですねぇ、特別な命令が出たら行動する。頼まれごとはなんでも引き受ける。それが特命係の仕事と、いったところでしょうねぇ」
子供たちはそれはパシリに使われていると、言ったが右京はそんな部署も警視庁には必要という言葉に納得したのか、子供たち同士で話し始めたので今度はコナンらが自らの事を右京に紹介した。
「僕、江戸川 コナン」
「私は、灰原 哀って言うの。よろしく、刑事さん」
「俺は、小嶋 元太っていうんだ」
「僕は、円谷 光彦といいます!よろしくお願いします」
「私、吉田 歩美っていうの」
右京は自分の脳内に子供たちの名前を刷り込ませていたが、ふと思い出したかのように右京は前方を見たまま言った。
「僕が、刑事部の友人から聞いた話ですが君たちは米花町で活躍している『少年探偵団』というグループではありませんか?」
コナンは一発で少年探偵団の事を突き止めた右京に驚きつつも、まだ憶測で言っている可能性もあることから右京に聞いた。
「どうして、そう言い切れるの?」
「君たちを見て不思議に思った点がいくつかあります。まず、君たちは保護者がいなくなっても慌てる事は無かった。普通、小学校低学年の子供なら頼れる大人がいなくなれば不安になり、泣いてしまうかもしれません。しかし、君たちは泣くどころか冷静に保護者を救急車まで誘導していた。そこに気になりましてね。次に、先ほどの刑事部の友人から聞いた話によると米花町には『眠りの小五郎』と呼ばれている毛利小五郎、『推理クイーン』と呼ばれている鈴木財閥令嬢 鈴木園子さん、そして子供達で結成された少年探偵団、この3つが主に事件解決をしていると聞きました。そして、少年探偵団の保護者としてよくついて周っている君たちの保護者と思われる男性、名推理を披露してくれる阿笠と呼ばれている博士、友人から聞いたその人物の特徴が君たちの保護者と一致するんですよ」
「最後は、鈴木財閥相談役 鈴木 次郎吉氏が怪盗キッドと呼ばれる泥棒からいつも宝を守ってくれると豪語している『キッドキラー』です。
よく、警視庁捜査二課が宝を守ったと報道されていますが、その一方で次郎吉氏は『キッドキラー』がいるからこそ、怪盗キッドに挑めるとも話していました。そして、ある日の新聞報道で少年探偵団が宝を守っていたと報道されているのを見かけました。私は、昔捜査二課にいた事もありましてね、その時に交流のあった人物から聞いたことがあるんですよ。
江戸川 コナンくんがキッドから宝を守ってくれると。是非ともお会いしたいと思っていましたがこんな所でお会いできるとは思いもしませんでした。コナンくん、君が『キッドキラー』ですね?そして、コナンくんを入れた君たちこそ少年探偵団ですね?」
車内にはしばらくの間、沈黙が流れていたがやがて光彦らが驚いた様子で自分らは少年探偵団であることを明かし、そして右京の名推理に驚嘆していた。
「凄いです!良く、僕たちが少年探偵団って気づきましたね!」
「まるで、コナンくんがそのまま大人になったみたい!」
「江戸川くんよりも、推理力は上手じゃないかしら?」
普段、驚くこともない灰原も右京の推理を聞いて驚嘆していた。コナンも、右京の推理には驚いており自らがキッドキラーである事を明かした。
「杉下さん、名推理ですね。そうです、僕はキッドキラーとしてキッドが宝を狙う度、キッドと対峙しています。まぁ、大抵は逃げられてしまいますけどね」
「なるほど、やはりそうでしたか。いや、細かい事は気になってしまう、僕の悪い癖」
すると後部座席に座っていた灰原は何気ない一言にメッセージを添えて言った。
「でも、杉下さん。探偵というのは危険と隣り合わせ。時には命も狙われる、その癖早く治した方が身の安全になるかもよ」
「確かに。しかし、僕は僕自身の信念を曲がるわけにはいかないと考えています。逆に、君たちはまだ子供です。そんな子供たちが警察が出動するような危険な所へ出向くなど僕は警察官として、1人の大人として心配になります。そのような危険な事は僕はやめてほしいと考えています」
右京は真剣な眼差しで一瞬、コナンらを振り返るとそのまま視線を前方に戻した。コナンも右京に対して様々な思いを抱きながら彼を見つめた。
こうして、2人の天才を乗せた車は大学病院に向けての公道を走り続けた。
まだ、冠城は到着していなかったため右京は先に子供達を病室に案内しようと考えた。現在、病院内は一般の客に加え、入院患者、それに今回の事件の負傷者が運び込まれていることもあり大混乱していた。
その大学病院の4階の隔離された病室に阿笠博士とチンはいた。医師やナースが行き来している外の通路の喧騒から区切られているこの部屋には軽傷だった他の患者も含めて4人がいた。
「博士!大丈夫か?」
「大丈夫なの?」
「あぁ。先生によるとワシらの他にこの部屋にいる患者さんらは軽傷で済んだったらしい。そのお陰でワシもこの通り、みんなと顔を合わせられるほど、体調は大丈夫じゃぞ」
コナンや灰原が駆け寄るとベットで寝ていた阿笠博士は身を起こした。笑顔で話せているため、容体はさほど危険なものではないとコナンも考えた。
続けて、阿笠博士はコナンらをここまで運んでくれた右京に礼を述べた。
「どうも、初めまして。ワシは阿笠 博士です。ここまで子供たちを運んでくれた事、感謝します」
「こちらこそ。私は警視庁特命係の杉下と申します。よく少年探偵団と共に行動しているそうで」
右京が自らのスーツの懐の名刺入れから名刺を取り出し、阿笠博士に渡した。阿笠博士は名刺を読むとびっくりしたように右京を見つめ、どうして少年探偵団の事を知っているのか聞いた。
「どうして、少年探偵団の事を?」
「コナンくんたちが、話してくれましてね。よく、事件を名推理で解決して下さるそうで。私も拝聴してみたいものですねぇ」
阿笠はそのうちに、と言うと名刺を改めて読みそして不思議そうに右京を見つめた。
「失礼ですが、杉下さんは現場に戻らなくてよろしいのでしょうか?ワシらの事よりも、事件解決に力を注ぐべきとワシは思いますが…」
「既に、現場には鑑識や生活環境課の捜査員が駆けつけて食物やレストラン街の捜査を行っているでしょう。それに、もうすぐ同僚が到着しますので」
阿笠博士と右京が話している一方で光彦らは阿笠博士の隣にいた白髪の老人、チンと話していた。光彦らは先ほど元太がぶつかってしまった老人と目の前にいる人が同じ人物であることを知って改めて詫びようと声をかけたのだった。
「お前、さっき俺とぶつかった…」
「ははは。そうだったな、私はエドワード・チンだ。よろしく」
「俺、小嶋 元太っていうんだ」
「僕は、円谷 光彦といいます。よろしくお願いします」
「私、吉田 歩美っていうの」
子供たちの挨拶にチンは笑みを浮かべながら見ていた。子供たちを見ていたチンの目は、どこか羨ましさと昔を思い返しているようにも見え、右京とコナンはそれを察していた。
チンが元FBIの所属の捜査官でICPOの理事も務めていた事を知ると、光彦らは仰天し尊敬の眼差しでチンを見つめた。
「ICPOって、あの銭形警部も所属しているあの組織ですよね!凄いです!」
「エドワードってなんかカッコいいな!じいちゃん!」
「歩美、とっても感激してる!」
「いやぁ、子供に言われるとなんだか照れるな」
その時、搬送車を探すため警察庁から分かれていた冠城が仕事を終え病室にやってきた。冠城は思っていたより病室に大勢の人がいた事とその部屋の中にいる患者の1人と右京が話している事に少々驚いていた。
「僕たち、ちょっといいかな」
側にいる光彦らを退けた冠城はベットで寝ていたチンに声をかけた。チンは寝ていた体を冠城の方へ向けて答えた。
「チンさん、大丈夫ですか?」
「ん?あぁ、私なら大丈夫だ。寧ろ、以前より調子良いくらいだ」
そう言うチンもまだ痛みが残るらしく、腕を上げた際には痛みを堪えているような表情をした。無理をしないように言った冠城は続けて阿笠博士の元にいた右京の元へ向かった。
「右京さん、この方は?」
「こちらは阿笠博士さん。この子たちの保護者で君がいない間、少々話をしていましてね。発明家だそうです」
「なるほど。あ、初めまして。私は右京さんと同じ、警視庁特命係の冠城 亘といいます」
右京と同じように名刺を取り出してそれを受け取った阿笠博士は、納得がいったように右京と冠城を見た。
「あー、あなたが杉下さんが言ってた同僚ですかな?」
「まぁ、そんな所ですね」
阿笠博士と話し込んでいたその時、懐に入れていた右京の携帯が鳴った。右京がスマホを出し通話相手を見ると相手は社からだった。右京が通話を開始すると、電話の向こう側では何か騒動が起きているようだった。
『社です。至急、警視庁に戻ってください。捜査員が不足しているため、特命係にも協力を仰ぎたいのです』
「どうかしましたか?」
『今、公安部からの緊急連絡が捜査本部にありました。どうやら、国際会議場が爆発、炎上しているようです』
右京は電話の向こう側で起きていた騒ぎの正体をここで分かった。右京も事態の重要さに気付き、直ぐに警視庁に戻る趣旨を社に伝えると電話を切り冠城に言った。
「冠城くん、社さんからの緊急連絡でどうやら国際会議場が爆発炎上しているそうです」
「え?本当ですか?」
「僕たちも直ぐに警視庁に戻らなくてはなりません」
右京と冠城はチンに要件を言うと、慌ただしく病室を後にし警視庁に戻っていった。一方、コナンも右京らが急に病室を出ていったのを不審に思い携帯で調べ、国際会議場が爆破された事を知った。
それを知るとコナンは病室に置かれていたテレビを急いでつけ、国際会議場爆破のニュースを食い入るように見つめた。
如何でしたか?前半は殆どが右京さんの会話で終わりましたね笑
こんな感じだったかな、と振り返りながら書いていました。一様、個人的には右京さん風に書けたと思います