[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断   作:npd writer

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今回も前回に引き続き、捜査本部の続きです。


12 犯人の正体

「報告します!」

 

「ん?なんだ、貴様は!」

 

「所属と名前を言え!」

 

警視庁本庁 大会議室に置かれた捜査本部にて、合同捜査会議が行われているところに1人の公安部の捜査員が飛び込んできた。その人物は国際会議場爆破に巻き込まれ、顔に傷を負った風見であった。

 

公安部が捜査に介入してくるのをよく思っていない内村は、いきなり入ってきたことも含め風見を怒鳴りつけたが当の風間はどこ吹く風、と言わんばかりに内村を無視した。

 

黒田に言われた風見は、緩やかな階段になった中央の通路を歩きながら答えた。

 

「警視庁公安部、風見裕也です」

 

胸を張って歩く風見を高木や伊丹ら刑事部が不審そうな顔で追う。

 

「ガスを爆発させた発火物の件は?」

 

風見の質問に黒田は「まだだ」と答えると、佐藤が素早く立ち上がり風見に言った。

 

「刑事部で電気設備を調べています」

 

「その発火物ですが、『高圧ケーブル』かもしれません」

 

黒田や内村に向かって立ち止まった風見が言うと、公安部長は「続けてください」と一言、風見を見上げて言った。

風見は大型モニターに映し出されたレストラン街を指差した。

 

「このレストランの壁の向こう側、左隅に揚水ポンプがあります」

 

「水道をビル全体に回すポンプですね」

 

立ち上がった高木が補足説明をすると、モニターに揚水ポンプが拡大されて表示された。ポンプの横には高圧ケーブルの格納扉がある。

 

「そのポンプに『高圧ケーブル』が繋がれています。『高圧ケーブル』は送電で熱を出すため、『油通路』に冷却の油が通してあり、そこに何かの拍子で火花が出ると、油に引火して燃え上がるという例が過去にあります」

 

モニターには『高圧ケーブル』が拡大され、さらにその断面図が表示された。ケーブルの中心には電気を通る導体があり、さらにその内側に油が流れるパイプがある。

 

「まさか、工事ミスが見つかったっていうことか?」

 

中園の問いに、風見は「いえ」と首を振ったが続けてこう言った。

 

「しかし、『高圧ケーブル』の格納扉に焼きついた指紋がありました」

 

「つまり、爆破前についた指紋か」

 

黒田に聞かれて、風見は「はい」と静かに答えた。内村や中園、公安部長は犯人が見つかるのではないかと安堵した表情をしていたが次に言った風見の言葉に騒然となった。

 

「現場に入ったのは工事関係者と、今朝、警備点検した我々公安部だけ。よって、工事関係者の指紋及び警務部に保存されていた警察官の指紋をデータベースで照合した結果、

 

かつて、警視庁捜査一課に在籍していた、毛利小五郎の指紋と一致しました!」

 

大型モニターに『毛利小五郎』の写真と経歴が載っているデータが表示され、会議室内は一斉にどよめきが起こった。白鳥、高木、伊丹は思わず立ち上がり、遅れて千葉も腰を浮かして叫んだ。

 

「嘘でしょ…」

 

佐藤も信じられないという顔をして立ち上がり、伊丹はまるで親友をいきなり失ったかのように呆然と立っていた。

 

「毛利が…。嘘だろ…」

 

「先輩?大丈夫っすか?」

 

隣に座っていた芹沢に促され、席に座った伊丹は気持ちを抑えつつ芹沢に言った。

 

「あいつは…、毛利はそんな事はしない奴だ…。確かに、あいつの捜査は粗雑なところもあった。だが、警察官として正義を全うしていた奴が犯罪なんか、犯せるわけねぇんだ。しかも、あいつは今『眠りの小五郎』って呼ばれてる名探偵なんだろ?なら、名探偵が犯罪を犯すなんて、あるはずがないだろ…」

 

小五郎と伊丹は、警察学校の同期であった。それはまだ亀山と伊丹が敬遠の仲になる前の話だったが、当時2人のいざこざは庁内では有名で上司であった目暮も頭を抱えていた。しかし2人ともお互いを心配していたのか毛利が警察官を辞める時、伊丹は憎まれ口を叩きながらもしっかりと見送っていた。

 

切っても切れない縁で密かに結ばれていたかつての友が犯人かもしれない、という知らせは伊丹から平常心を奪い去るのに十分だった。それは目暮や黒田も同じで、モニターに映し出されてた小五郎の写真を見つめていた。特に上司で今も交流が絶えない目暮にとっては衝撃的な事実であった。

 

「まさか、警察関係者、しかも刑事部出身の奴が犯人かもしれないとは…」

 

「おやおや、まさか刑事部から今回の爆破の犯人が出てくるとは…。世の中、狭いものですねぇ」

 

唖然とする中園を他所に公安部長は冷ややかな目線を内村らに向けていた。内村はまさか刑事部の出身者から犯人が出るとは思ってもいなかったのか、唖然としていたが自らの責任が問われかねない面倒ごとになると分かった時、内村は苛立ちながら公安部長に言った。

 

「ふん!まだ、決まったわけではない!それに今回の件は毛利小五郎の犯行だ!刑事部は一切関係なかろう!」

 

内村はそれを言ったきり、椅子を背後に向けて押し黙ってしまった。中園は慌てて内村の機嫌をとっていた。

そんな2人のやりとりを他所に、捜査会議は毛利小五郎の情報に騒然となっていた。




すみません、今回も右京さんとコナンの会話はありませんでした。

次回こそ右京やコナンの会話を入れます。
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