[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断 作:npd writer
右京とコナンが見た、外務省のホームページは内容こそ変わっていないものの強制的に動画が再生されるようにプログラムされており、無論削除ボタンもないため最後まで強制的に見せられるシステムになっていた。
動画はカラスが鳴きながら羽ばたく場面から始まっており、黒い羽と対照的な白い目が不気味さを醸し出していた。
カラスが羽ばたきながら消えた後、次に場面に現れたのは無機質な鉄筋コンクリートの壁に覆われた室内にいる白いシャツを着た10代後半の少女であった。
その少女は「国際競技大会 閉幕』と報じられた帝都新聞の朝刊を持ち上げながら静かに言った。
『私は、7年前にイギリスで誘拐された 鷺沢 瑛里華です』
その時、2人の名探偵を始め多くの人々がこの映像を見ていた。人が多く見るこの時間を狙ったのも『バーズ』の計画なのではないかと右京とコナンは考えていた。続けて、英文で『バーズ』からの要求が表示された。
[We demand that the Japanese government pay a ransom of 7 million Euro.]
「我々は日本政府に対して身代金700万ユーロを要求する、ですか」
「約9億円…ですね」
右京と冠城は特命係の部屋にある右京のパソコンから『バーズ』の映像を見ており、その後ろには角田もおり興味深そうに見ていた。無論、いつもの通り、大木と小松は特命係の部屋の窓から食い入るように見つめていたが。
[You have until 12 midnight.]
「期限は今夜0時。つまりあと半日ちょいか…」
同じ時、阿笠邸で同じく映像を見ていたコナンも突然、姿を現した彼女に驚きつつ『バーズ』がついに行動したことに神経を尖らせていた。
続けて、メッセージは流れた。
[7 years ago, the Japanese government ignored demand.This time, if our demand is not met, be assured that as a multitude of people watch,
Japan's pride will be completely shattered.]
「7年前、日本政府は我々の要求を拒否した。今回拒否すれば、大勢の人々が見守る中で日本人の誇りが砕け散るだろう…だと!」
「江戸川くん…!まさか、これって…」
「あぁ…。国際会議場爆破に続いて、これからも日本人がテロの標的になるっていうメッセージだろう。だが、『バーズ』は金を払えさえすれば人質は返すって聞いた。そうだろ?博士」
コナンの横から覗き込むように見つめていた阿笠博士は、コナンの質問に一瞬驚いたがすぐに頭の記憶を探って『バーズ』の記憶を思い出した。
阿笠博士は、ショッピングモールでの異物混入事件でチンと同じ、比較的軽症で済んだため今日朝一で自宅に戻っていたのだった。
「あ、あぁ。彼らは人質を獲ってから24時間以内に金を受け取り、人質を解放するっていうのがビジネスルールらしいしのぉ。だが、その『バーズ』が関連した事件の中で一度だけ、身代金が払われなくなった時があって、その時の被害者が今この画面に映ってる鷺沢 瑛里華さんじゃよ。それにしても、これがあの瑛里華さんなのかのぉ?」
続けて、瑛里華さんと思われる人物は画面に手を近づけると指紋の跡を残した。
「彼女が指紋を残すということ、それは彼女が瑛里華さんだということの証明でしょう」
「瑛里華さんが持っていたのは、今日の朝刊ですよね?」
「えぇ、つまり。『レイブン』と瑛里華さんは日本にいるということです」
冠城の脳裏には、先ほど瑛里華さんと思われる人物が持っていた新聞の朝刊が映っていた。あれは帝都新聞の記事で日本語で書かれていることから日本で撮られたことは間違いなかった。
そう考えた右京の目はキリッと、光った。
「出ました!」
警視庁の捜査本部では、先ほど上げられた動画の指紋を警視庁のデータベース、科警研、ICPOなどの各警察機関に問い合わせを行い、そこに保存されているであろう、7年前の鷺沢 瑛里華の指紋と照合していた。
その結果が捜査本部のパソコンに届いたため、白鳥が大声で叫んだ。
「動画の指紋!スコットランドヤードに保存されていた、鷺沢 瑛里華さんの指紋と一致しました!」
捜査本部の大型モニターには7年前と現在の瑛里華の写真と指紋が表示され、各指紋の要点をまとめた項目のところに[MATCH]と大きく表示されると捜査本部にはどよめきが起こった。
「マジかよ…」
伊丹も目を厳しくし、大型モニターを睨んだ。目暮や黒田といった幹部陣は背後にあるモニターに背を向けると周りを見る捜査員たちに向かって次の指令を目暮が言った。
「瑛里華さんは『レイブン』によって強制的に日本に連れてこられた可能性がある。空港・港を洗い、彼女と共に入国した人物を割り出せ!」
捜査本部はけたましく動き、多くの捜査員が空港や港に向けて車を走らせたり、各都道府県の警察に問い合わせを行い始めた。
今回の『バーズ』の犯行声明を受けて、流石に政府も黙っておけず首相官邸には関係閣僚が集められ、緊急の国家安全保障会議〔NSC〕が開かれようとしていた。
その中の1人、7年前外務大臣を務め現在は副総理兼内閣府特命担当大臣を務める佐藤 健作は後ろから自らの後を追う、記者たちに追われていた。
「副総理、7年前身代金の要求を無視したのは誰の判断ですか?」
「当時の総理ですか?官房長官ですか?それとも副総理、あなたの判断ですか?佐藤さん!」
しつこく追ってくる記者たちを警備員たちが警備しているエントランスで追い払い、エレベーターに向かう途中佐藤は顔見知りであった警察庁の金子長官と、甲斐官房付きと出会った。
「副総理!警察としても7年前の経緯を知っておきたいと思いましてね?」
和やかな口調で話す甲斐に対して、佐藤は空中を仰いで考えると笑顔で甲斐に返した。
「あぁ〜。高度な政治的判断がなされたと了解しています。あぁ、それよりも。我々は早急に今回の脅迫に対する協議を始めなければ。後ほど」
笑顔で金子と甲斐の2人を見回した佐藤はそう言うと、2人の秘書と共に会議室の中に姿を消した。扉が閉まるまで金子と甲斐はじっと佐藤が入っていた部屋を見つめていた。
コナンと右京さんが違うところから見てるとはいえ、同じように考えていると思って書いてみました。
そろそろ右京さんとコナンくんとを相棒らしく2人で捜査する内容を書こうかなぁと考えています