[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断 作:npd writer
時間には少し余裕ができたと思うので、ゆっくり書いていきたいです。
右京とコナン、それに冠城の三人は昼食を食べに行くため警視庁ホールにいた。受付でもらったビジターカードを胸につけてエントランスホールに向かって歩くコナンが冠城に言った。
「小五郎のおじさんのパソコンが、誰かに操られた可能性を警察では調べているんだよね?」
「あぁ。いくら起訴を推し進める警視庁公安部や衣笠副総監でも、事件を担当する検察庁の日下部検事の要請だから、応じないわけにもいかないんだ」
「そのようですねぇ。仮に拒否しても法務省が動く可能性もありますし、仕方のない事かもしれませんねぇ」
コナンは今までの会話や行動から、特命係を一応は信頼できる人たちと仮定し小五郎を助けるための助力を得ていた。対する右京や冠城もコナンを小学生にしては頭が切れる少年として、興味があることから協力していた。
「法務省って、どういうこと?」
「コナンくんは知らないはずだよね。実は日下部検事にはお兄さんがいるんだ。そのお兄さんがさっき右京さんが言っていた、法務省が動く可能性を生み出す人物、日下部彌彦法務省事務次官。法務省の歴史の中で、唯一検事ではない事務次官で俺が昔、お世話になっていた上司でもあるんだ。まぁ、今はとある一件でかなりぎくしゃくした関係なんだけどね」
コナンが知らない法務省の内実を語る冠城。法務省にパイプを持つ彼だからこそ知れる情報であった。
「杉下警部、言える範囲で教えて。新一兄ちゃんが小五郎のおじさんを助けるために、どんな情報でもいいから欲しいってーー」
「毛利先生がどうしたって?」
コナンが驚いて前を向くと、目の前にビジターカードを胸につけた安室が立っていた。
「…聞いてたの?」
「おや、君は『喫茶店ポアロ』で働いていたあのウェイターさんですね?」
コナンが警戒する中、右京が興味深そうに安室に目線を送ると、安室はわざとらしい驚いたような表情で返した。
「あぁ。毛利先生が逮捕された日に、ポアロに来ていた方ですね。あなた、警察官だったんですね!見た目がとてもお洒落だったのでてっきりファッション会社に勤めていると思っていましたよ」
その横で安室と面識のない冠城は、安室との会話が一段落した右京にそっと声をかけていた。
(右京さん?あの人は誰なんですか?)
(君も会っていると思いますよ。毛利さんが逮捕された際に、我々はポアロを訪れていましたね。その時のウェイターが今我々の目の前にいる人ですよ)
右京に言われ、冠城は数日前の記憶を遡り褐色の肌をした若い男性ウェイターがいたことを思い出した。
「僕は毛利先生が心配で、ポアロから差し入れを持ってきただけだよ」
と安室は手にした紙袋を見せる。
「あぁ、毛利さんならここにはいませんよ」
「送検されたら原則、身柄は拘置所に行く。安室さんが知らないはずないよね」
右京の後にコナンが皮肉めいた言葉を投げかけると、
「へぇ、そうなんだ。君は相変わらず物知りだね」
安室は感心したような芝居を打ち、踵を返して歩き出した。その後ろ姿に向かって冠城は言った。
「それから、拘置所にこういったものは差し入れできませんので。仮に持って行っても、返されるのが現実ですよ」
「分かりました」
安室は振り返らずに右手を軽く上げ、正面玄関に向かった。コナンと右京、冠城の三人はその姿を目で追い続ける。
(何が狙いなんでしょうねぇ…)
その時、正面玄関から入ってくる人の中に、見覚えのある人物がいた。それは風見だった。
正面玄関から出ようとした安室は、入ってきた風見とすれ違った。
「『2291』、投入成功」
すれ違ざま、風見は前を向いたまま小声で言った。互いに足を止めることなく、反対方向に進んでいく。
安室の姿を目で追っていた右京とコナンは、二人がすれ違う瞬間、風見の唇が動いたのを見逃さなかった。
(なんだ?安室さんに何を話した!?)
コナンは、エントランスホールに入ってきた風見に駆け寄った。その後を右京と冠城も追う。
「ねぇ、刑事さん!おじさんちから持ってったパソコン返してよ!ボクの好きなゲームも入ってるんだから!」
ジャンプして風見の手をつかみ、ぶらんぶらんとぶら下がりながら、風見のスーツの袖裏にシール式発信機を仕込む。
「だから、ねー?おねがーい!」
「あれは証拠物件だ。まだ返せない」
「コナンくん。警察はまだ捜査中なのですから、返せませんよ」
駆け寄った右京がコナンの両脇に手を入れ持ち上げると、風見はコナンに引っ張られたスーツを直しながら歩き出した。
「博士が作ってくれたソフトなのに〜!」
コナンは残念がるふりをしながら、去っていく風見を見つめた。