[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断 作:npd writer
台風絶対、来るんじゃねぇ!
その夜。赤坂にある料亭の前には黒塗りの高級車が何台もやってきては要人を下ろしていた。
ここは明治時代から営業している老舗日本料理店で、過去には岩崎弥太郎、伊藤博文、東郷平八郎を始め、明治という激動の時代を生きた偉人たちを始め、多くの政財界の関係者や著名人が多く訪れていた。
「ようこそいらっしゃいました。お連れ様は奥でお待ちになっておいでです」
料亭の女将に案内され、縁側を歩くのは日本政府の高官の一人で佐藤副総理や山崎警備局長とは違う見方を会議で述べていた、折口内閣官房副長官(政務担当)であった。
折口は政府の方針とは別に独自に調査を進めており、今日この料亭にはその協力者に会うために来ていたのだった。
「どうも、時間を取らせてしまって申し訳ない」
折口が案内されたのは料亭の中でも奥まった場所にある6人ほどが入れる座敷部屋だった。この部屋は主に政治家や財界人が秘密会議をするのに利用されており、過去には大規模汚職事件の際、金の受け渡しの場所にもなっていたと噂されているような部屋だった。
襟を正した折口は、先にいた先客たちに詫びの挨拶を入れた。
「いえ。我々も今しがた着いたところですので、お気になさらず」
柔らかな物腰で折口を座敷の上座に案内したのは、警察庁の金子長官だった。
「この度、皆さんに集まってもらったのは他でもない今起こっているあの事件についてです」
すぐ裏にある日本庭園をよく眺められる位置にこの部屋はあり、窓からはライトアップされた庭園が美しく見える。窓側の上座に座った折口はおしぼりで手を拭いた後、集まっている面々に挨拶した。
この秘密会合に集まっていたのは、先述した金子長官、甲斐官房付、社警視庁広報課長、黒田捜査一課管理官、そして小田切敏郎警察庁刑事局長 警視監であった。
「この事件では容疑者として名探偵、毛利小五郎が逮捕・起訴されていますが、これは公安警察の思惑が絡んでいるのではないかと私どもでは考えていましてね」
上座に座っていた甲斐が報告すると、下座にいる小田切が口を開いた。
「私は以前、毛利くんととある事件で知り合っているが彼は職を辞しているとはいえ、元警察官だ。正義感に溢れる彼がそんな愚かな真似をするとは思えない、と考えている」
「しかし現場からは彼の指紋、彼のパソコンからは国際会議場の見取り図及びサミットの予定表が出てきています。彼が犯人という見方は警察を始め、検察内からも出ていると聞きます。毛利氏の勝算はかなり薄いかと」
小田切と社の話を聞いた折口は彼らと同じ下座に座り、折口から一番遠くにいる黒田にも聞いた。
「黒田管理官、あなたの見解も聞かせてもらえませんか?」
「官房副長官、私はごく普通の管理官です。特に何の才能を持たない老人であり、私ごとの意見は参考程度に聞いてもらえると嬉しいのですが…」
「想定で構いません。思うところがあったら言ってください」
黒田は事前に出されていたビールを飲み干すと、折口の問いに答えた。
「私は捜査本部の陣頭指揮をとるものです。その立場上、ある一点の立場を言うのは職務上、問題があるかもしれませんが言わせてもらいます。私は、毛利探偵の推理を見た過去があり彼の人柄からも考えた結果、小田切警視監の仰る通りそのような真似をするはずがないと考えています」
黒田の意見に頷いた折口は個室電話で前菜を持って来させ、食べながら会合を続けた。折口は重要な話をするため、料理は全てこちらから指示があった時に運ぶよう、オーダーしていた。
同じ頃、安室は喫茶ポアロの従業員の梓と大型スーパーに買い出しに来ていた。
ショッピングカートを押す梓と二人で、通路の両側にある大きな冷凍ショーケースをチェックする。
「ないね〜、あの大きなアイスクリーム」
「ですねぇ」
すると、梓が前方に店員がいるのを見つけた。
「あ、私、店員さんに訊いてくるから、安室さんは小麦と卵をお願い」
「梓さんはいいお嫁さんになりそうですね」
安室が何気なく言うと、梓はビクッと肩を跳ね上げ、「シッ!」と人差し指を口に当てた。
「軽はずみな言動は避けて」
「え?」
「安室さんはウチの常連のJKに大人気で、この前も私が言い寄っているってネットで大炎上だったんだから!」
梓はすばやくスマホを操作して、炎上したというSNSの画面を見せた。
「今の時代、どこで誰が聞き耳を立てているかわかんないですからね!」
そう言って周囲をキョロキョロと見回すと、店員の方へ走っていく。
「ですね…」
苦笑いした安室はショッピングカートを押して、小麦粉の棚に向かった。
まるで倉庫のような広い店内には天井近くまで商品が積み上げられていて、小麦粉もたくさんの種類があった。
今月の9日からしばらく関西に滞在しますので、コナンの名所を見て行こうかな、と考えたりしています。