[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断   作:npd writer

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今回は、紗世子、日下部兄弟が登場し検察メインの話になります。


42 テロは終わらない

警視庁の大会議室で刑事部・公安部合同の捜査会議が始まった。

 

「我々、サイバー犯罪対策課が改めて毛利氏のパソコンを再解析した結果、毛利氏のパソコンに不正アクセスの痕跡が見つかりました。どうやら、彼のパソコンは中継点に使われていたようです」

 

岩槻が報告すると、黒田と並んでひな壇に座った目暮は安堵した。

 

「それで、痕跡は?」

 

黒田の問いに、白鳥が立ち上がった。

 

「公共のWifiから足のつかないスマホでアクセスしており、辿れませんでした。しかしそのとき、毛利さんは検察に拘束されていて、アクセスポイントにいることは不可能でした。さらに今回のIoTテロの不正アクセスにも、先の事件と同様の手口『Nor』が使われていました」

 

捜査陣がざわめく中、目暮は「やはり同一犯か…」とつぶやいた。

 

コナンが電話で言ったとおりだったのだ。

 

「サーバーを特定する捜査の進捗は?」

 

黒田が鋭い目を向けると、岩槻は緊張した面持ちで手にしたタブレットに目を落とした。

 

「…どうやらそのシステムがNAZUにあることがわかりました」

 

「!!」

 

大型モニターに表示された経路図の真ん中に『NAZU』のロゴが大きく映し出され、捜査陣から大きなどよめきが起こった。

 

 

蘭とコナン、それに右京と冠城が応接セットに座り、英理がデスクのパソコンで調べ物をしていると、秘書の栗山緑が入ってきた。

 

「どうも遅くなりました」

 

「栗山さん、ごめんね。せっかくのバカンスだったのに」

 

緑は「いーえ」と手を横に振った。

 

「先生の一大事に事務員の私が遊んでいるわけにはいきませんから」

 

「助かるわ」

 

「えっと、それでですね…」

 

緑はそう言いながらショルダーバッグに手を入れて、封筒を取り出した。

 

「橘境子弁護士についての調査結果です」

 

封筒を受け取った英理は「え?」と目を丸くした。

 

「あれ?工藤新一君から頼まれたんですが…」

 

応接セットで聞いていた蘭は、コナンを見た。

 

「新一が?」

 

「へぇ、新一兄ちゃん、そんなこと頼んだんだぁ」

 

コナンはとぼけた顔で頭をかくと、封筒を前に顔をしかめている英理のそばに行った。

 

「どうして橘先生の調査なんか…」

 

「老婆心ながらよろしいですか?」

 

応接セットのソファに座っていた右京が、立って英理のデスクの前に立った。

 

「これは僕の想像に過ぎませんが、工藤くんは優れた高校生探偵です。そんな彼が調べるよう依頼していたのですから、きっと何か理由があるのではないか、と僕は思うのですかがねぇ」

 

(杉下警部、ナイスフォロー!)

「そうだね、きっと新一兄ちゃんのことだから、きっと何かワケがあるんだよ。とにかく見てみない?」

 

コナンに促されて、英理と緑は応接セットのソファに座り、緑が封筒から調査報告書を取り出した。正面に座った英理に向けて調査報告書を広げる。

 

「七年前、橘先生の事務員が事件を起こしているのが分かりました」

 

調査報告書を覗き込んでいた英理は「え?」と体を起こした。

 

「橘先生は事務所を持たないケー弁のはずよ?」

 

「七年前に、事務所を閉じたんです」

 

緑は調査報告書の該当箇所を指差した。

 

「当時、事務員だった羽場二三一がゲーム会社に侵入し、携帯ゲーム機を盗んで逮捕されたせいで…。しかも羽場は送検された後、拘置所内で自殺しています」

 

「え!?自殺?」

 

「そんな…」

 

英理と蘭が驚く中、コナンと右京、冠城の三人は調査報告書に目を落とした。

 

(自殺…)

 

調査報告書には羽場二三一の顔写真と年齢(26)、窃盗事件の詳細、そして『6月26日拘置所にて自殺』と書かれていた。

 

 

 

日下部は紗世子に呼ばれて、統括検事室に出向いた。

 

「毛利小五郎のパソコンは何者かに操作されていることがわかったの。よって彼が犯人である可能性は低い…」

 

室内を歩きながら独り言のように話し出した紗世子は、立ち止まって「はい!」と手を打った。

 

「そういうことで」

 

「…発火物にあった彼の指紋は?」

 

誠がたずねると、紗世子は「ああ」と面倒くさそうに言った。

 

「焼きついた指紋ってのはね、転写しやすいものなの」

 

それはまるで最初から分かっていたような言い方だった。小五郎を犯人に仕立てるため、何者かが事前に採取した小五郎の指紋を格納扉に転写したのだ。

 

「…それが、公安警察の結論ですか」

 

「毛利小五郎は不起訴にして」

 

「不起訴の判断まで、公安警察の言いなりですか」

 

誠が険しい表情で追及すると、紗世子は「しつこいわね」と日下部をにらみつけた。

 

「地検の公安部は、公安警察の言い分を聞いていると省内では噂になっていたが、まさかこれほどとはな」

 

誠と紗世子が驚いて振り返ると、いつのまにか統括検事室の扉の前に日下部彌彦が立っていた。

 

「こ、これは事務次官…。何か私ごとに御用でしょうか?」

 

先程まで誠に見せていたあの傲慢な態度とは打って変わり、借りてきた猫のように紗世子は縮こまってしまった。

検事なら誰もが目指す、検事総長。そして検事総長になった者は最終的に上部組織である法務省の事務次官へエスカレーター方式に進んでいける。

 

紗世子にとっては、今目の前に立つ人物こそ、正に自分が目指す目標であり同時にここにいる誠と日下部彌彦は兄弟のため、会話には気をつけなければならないと瞬時に考えた。

 

「たまたま検察庁に用事があって、廊下を歩いていると君たちの声が聞こえたものでね。気になって聞かせてもらったんだよ」

 

「なるほど…」

 

「公安警察の言い分を聞くのは分かるが、今回は聞くというより、言いなりになっているようではないか。君たち、公安部はーー」

 

彌彦が紗世子に言っている時、紗世子のジャケットの胸ポケットから煙が出ているのに気付いた。

 

「きゃああ!!」

 

胸元のスマホから火が噴き出して、紗世子は床に倒れた。必死にジャケットを脱ごうとすると、パァン!と小さな爆発が起きて、火花がセミロングの髪に燃え移った。

 

「ひいいい!!」

 

ドア付近にいた誠はソファを飛び越え、転げ回る紗世子からジャケットをむしり取った。彌彦がスマホで一一九番をかける中、誠は激しくわめく紗世子の髪をジャケットではたいた。

 




これから、色々なことがあってまた投稿ペースが遅くなります。

それども何とか書き上げるつもりです。
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