[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断   作:npd writer

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投稿が遅くなり、本当に申し訳ありません。

約3週間ぶりの投稿です。今回も新キャラが登場します。


43 かつての相棒

その後、妃法律事務所を出たコナン、右京、冠城の三人は病院で治療を受けたチンを伴い、警視庁に戻った。

 

IoTテロで混乱が終息していない警視庁内を歩いて特命係の部屋に向かうと、すぐに角田が駆け寄ってきた。

 

「おい、お前ら。どこへ行っていたんだ?今、ここじゃIoTテロっていうものに振り回されて俺らの部署からも人が駆り出されているところなんだぞ!」

 

角田の言うとおり、普段は人がいる組織犯罪対策第五課も多くの人員が対応に回されているらしく今は角田、角田の部下である大木、小松以下数名の部下しかいなかった。

 

「我々もそのIoTテロの混乱に巻き込まれてしまいましてねぇ。そちらのエドワード・チンさんを病院に送っていたりしていたものですから」

 

「そう…。それにしても今回はものすごい大事だ。今、都内各地で火災が発生してて既に消防庁の回線はパンクしているらしい。関東各県から応援を頼んでも、道路交通システムもダメージを食らってろくに動けないらしい」

 

角田は自身が愛用しているパンダが取手に付いたマグカップを手にしたまま、深刻そうな表情で言った。

 

「んで、この子は誰よ?」

 

「僕、江戸川コナン。今は、杉下警部と冠城刑事について行っておじさんの無実となる証拠と『レイブン』のアジトを探しているんだ」

 

角田が興味深そうにコナンに聞くと、コナンは和かな表情で角田に自己紹介をした。続けて、右京が説明する。

 

「この子、江戸川コナンくんはあの名探偵、毛利小五郎氏の家に居候しているそうで、『キッドキラー』、『眠りの小五郎の知恵袋』等で活躍、そして高校生探偵、工藤新一くんの親戚のようです」

 

「へぇ…なるほどな〜。あの、高校生探偵とね〜。ところで、あんたらどこ行ってたの?」

 

「我々は『レイブン』が潜伏していると思われるアジトを警察学校の友人と発見しました。ですが、残念な事に我々は今、捜査本部への立ち入りを禁止されているものですから、せっかく情報を手に入れても情報提供が出来ないものですからねぇ」

 

右京は上着をかけると、棚からカップを取り出し紅茶を入れた。

 

「そこで右京さんは助っ人をお呼びしたんですよね?」

 

「えぇ。間も無く現れると思いますよ?」

 

 

右京の言葉の通りに、その数分後、ある男性が特命係のあるフロアに現れた。

ここに通い慣れているのか、迷わずに真っ直ぐ特命係の部屋まで来たその人物に角田の部下である小松と大木も会釈する。

 

黒いスーツに身を包み、ワックスで黒髪を固めた顔立ちの整った男性は笑顔で右京たちに挨拶した。

 

「お久しぶりです」

 

「お久しぶり。君、仕事の方は抜けても大丈夫なんですか?」

 

右京の問いに、皮肉を感じたのか男性は苦笑いしながら答える。

 

「お言葉ですが、そういうことは呼び出してから聞いてもあまり意味がないかと」

 

「相変わらずですねぇ」

 

男性は右京との会話を終えると、冠城がその男性の隣まで行った。

 

「神戸さんに、右京さんと付き合うコツ、教えてもらったので僕はとても感謝してますけど」

 

「杉下さんがこういう時は要注意、とか色々話しちゃいました」

 

神戸と呼ばれたその男は、かつての右京の相棒の神戸尊警視だった。

元々、警備企画課に所属していた神戸は、警察庁からのスパイとして特命係に送り込まれたが、すっかり馴染んだ彼は帰還命令を無視して、特命係に留まった。

彼は右京とともに多くの事件を解決し、『警視庁篭城事件』の解決にも尽力したがその後、警察庁長官官房付に追いやられた事件当時の警視庁副総監兼警務部長である長谷川宗男の手引きにより、結果としてある事件で右京を裏切る形で警察庁に戻った。

しかし、右京がその際も事情を分かって双方の信頼を損なわなかったこと、神戸が亀山や甲斐とは違い警察を辞めていなかったことなど、様々な要因が重なり、今も右京の捜査に協力することがあった。

 

「コナンくん、チンさん。こちらは元特命係の神戸尊くんです。神戸くん、こちらにいらっしゃるのがエドワード・チンさん、そしてこの少年が江戸川コナンくんです」

 

チンに会釈を終えた神戸が右京が示す方向に顔を向けると、神戸とコナンは目を合わせて挨拶をする。

 

「初めまして。僕、江戸川コナン。よろしくね」

 

「君が江戸川コナンくんか…。『眠りの小五郎の知恵袋』って警察庁内でも噂されているから、どんな感じの子かなって思っていたけど確かになんだか違うオーラを感じるね。僕は、神戸尊。よろしく」

 

目線をチンに戻すと、神戸は右京の連絡を受けチンを捜査本部に招く手はずが出来ている、と告げた。

 

神戸とチンが捜査本部に向かおうとすると、不意にチンは後ろの三人を振り返り、自身が感じている事を言った。

 

「ああ、杉下さん。それに冠城さんとコナンくん。レストラン街の事件と国際会議場の爆破事件、この二つに『レイブン』が関係しているような気がしてならないんですが」

 

「僕もそう思っています。それは、これから。よろしくお願いします」

 

右京が軽く頭を下げると、チンは神戸に従い特命係の部屋を去っていった。

 




皆さま、本当に投稿が遅くなってしまい申し訳ありません。

様々な行事や、やる事が重なってしまい、書く暇がなかなか無かったのでかなり遅くなってしまいました。これからは少しは忙しくなくなるので投稿ペースを早めたいと思います。

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