[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断   作:npd writer

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お待たせしました。遅れながらの投稿でございます。


48 調査

冠城と、別行動を取る右京とコナンは多数の鑑識課の警察官を引き連れ、騒動が起こったショッピングモールへ向かっていた。

 

目的地へ向かう途中、右京の車の助手席に座るコナンは右京と話し込んでいた。

 

「……杉下警部。時間の証拠が残っていればいいんだけど…」

 

「僕の推理が正しければ恐らく証拠は残っているでしょう。しかし、『レイブン』がいつ犯行を決行するか未だに分からない今、いつどこで彼らが行動を起こすか分かりませんからねぇ。証拠が見つかり次第、速やかにその場を後にするようにしましょう」

 

 

ショッピングモールにたどり着いた一行は、そのままエントランスを直進し、事件の被害者がほとんど利用したエレベーターホールに向かった。

 

 

事件があったにも関わらず、ショッピングモールにはサラリーマンの集団や若者のカップルなど多くの人で混雑していた。

 

そんな中を右京とコナンを先頭に鑑識課の奇妙な一行が押しのけるかのように進んでいく。周りの人は怪訝そうに見つめるものの一切、話しかけずに無視をする。あまり事件に関わりたくない一心からだった。

 

既にエレベーターホールの規制線は解除され、一般人も出入りしていたが問題のエレベーターの所だけは特別に封鎖されており、警官が立ち入りを規制していた。

 

「ちょっと調べたいことが」

 

警察手帳を見せた右京の事を予め知っていた警官は仕切りを開けてエレベーターへ右京らを案内した。

 

 

 

一方、冠城は右京からの指示を受け首都高速を走り、トロピカルランドへ向かった。

 

駐車場に車を停め、車外に出た冠城を6月の蒸し暑い空気と、太陽の熱に温められたアスファルトが発する熱の2つが、彼を覆う。

ポケットに入れたハンカチで額を流れる汗を拭った冠城は、パークのエントランスに行き、そこでアルバイトの大学生らしき男性に声を掛け、警察手帳を見せる。

 

男は警察手帳を見せると怯えた表情ですぐに携帯で上司を呼ぶと、しばらく休憩室で待機するよう冠城に言った後、すぐに別の場所へと消えていった。

 

やがて、責任者らしい30代後半の男性が冠城がいると休憩室にやってきた。男性は走ってきたのか汗ばんでいた。

 

「警視庁の冠城さん、でしたね。本日は、一体どの様なご用件でしょうか?」

 

丁寧な口調だが、警察の前で緊張しているのか身体が硬くなっている責任者に、冠城は事前に用意した新一の写真を見せる。

 

「今日、ここを伺ったのはですね。この少年について少し聞きたいことがあったんです」

 

上着の内ポケットから帝丹高校の生徒手帳に記載されている新一の写真のコピーを取り出し、男性に見せる。男性は写真を見ると納得した表情で頷いた。

 

「あぁ!高校生探偵の工藤新一くんじゃないですか!懐かしいなぁ。彼、最近世間に姿を見せていないものですから、どうなっているのか心配だったんですよ!また工藤くんの事件でここが鍵になるんですか?」

 

興奮した様子で写真を見つめる男性に、冠城は疑問に思ったことを口にする。

 

「あの…今、“また”と仰いましたが以前、起こった事件が『トロピカルランドジェットコースター殺人事件』ですよね?」

 

「えぇ。その事件です。あの事件も工藤くんが解決したんですけどねぇ。あれを最後に工藤くんは突如として姿をくらまして…」

 

『トロピカルランドジェットコースター殺人事件』は工藤新一が行方不明になる直前に、彼が解き明かした事件でありこの事件を最後に新一は行方不明となっていた。右京はこの同時期にコナンが現れ、更に毛利小五郎が『眠りの小五郎』として世間を賑わすようになったのも同時期である事が偶然では解決できないと、考えていた。

 

「その事件の時に、何か気になった事とかありましたか?」

 

男性はしばらく考え込んだ後、何かを思い出したように言った。

 

「そうだなぁ。気になる事といえばあの日の夜、頭から血を流して倒れていた男の子がいたっけなぁ。何やら建物の裏影に倒れていて服がダボダボだったとか。僕もこの職場の同僚から聞いた話なので、詳しくは聞けませんでしたけどね」

 

「なるほど。そしてその男の子は、迷子センターとかに保護されて無事、親御さんに引き取ってもらえたと?」

 

今まで、冠城の発言に対して何も反論してこなかった男性がここは首を横に振って答えた。

 

「いや、何でもその男の子。急に姿を消しちゃって。トロピカルランドの警備員が血眼になって探しても遂には発見できなかったとか。だからその子はきっと園内で親御さんを見つけて無事、退園できたとして園側は処理したって聞きましたけど」

 

「血だらけの子供が勝手に居なくなって、それを放置すんなよ…あ、いえいえ」

 

冠城は園側の雑な対応に嫌気がさし、毒吐いたが慌てて否定する。

 

「あと、その日の入園者の中に黒いコートを着た銀髪で長髪の男性と、サングラスをかけたがっしりとした体つきで同じく黒い、スーツを着た男性はいませんでしたか?」

 

「えぇ、いましたとも。確か、事件の際に同じコースターに乗っていた二人組で工藤くんのすぐ後ろに乗っていたとか。その二人、妙なオーラを放っていたと、後輩が怯えたように話していたんで覚えてますよ」

 

冠城はもう一つ、聞きたかったことを聞いた。それは前夜、右京が言っていたもう一つの内容で新一の失踪に関わっていると右京が睨んでいた二人組だった。

 

「怯えていた?」

 

「特に、銀髪の方の男性にひどく怯えていまして。まるでハイエナのように鋭い眼光、凍てつく氷河のように冷たい目線、そして海の底のように暗く表情を感じさせない瞳、そんな冷徹な目はまるで裏社会の人間のようだった、と」

 

「それは流石に誇張しすぎな気がしますね。それだったら刑事にも似たような人はたくさんいますし」

 

冠城は手を横に振って、冗談めかしいと否定する。しかし、男性は真剣な表情を崩さず、静かに言った。

 

「しかし、その二人組。まるで雲のように消えたんですよ。正面から出るところが防犯カメラに記録されてなかったんです。不思議だとは思いませんか?」

 

「なるほど…。今日はお手数をおかけしてありがとうございました」

 

冠城は一言、男性に御礼を言ってそのままエントランスを抜け駐車場に停めてある自分の車に向かった。必要最低限の報告を右京に済ませた冠城は再び高速を走り右京との待ち合わせ場所に向かった。

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