[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断   作:npd writer

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何が発見されたのか、それは本編で分かると思います。


53 発見

翌朝、冠城が登頂すると既に右京が紅茶を飲んで過ごしていた。今日は〈エッジオブオーシャン〉にて、日本選手団のパレードが行われる日であり、なおかつ無人探査機で火星での任務を終えた〈はくちょう〉の帰還する日であり、朝からテレビ各社はその話題で持ちきりだった。

 

「今日ですねぇ…」

 

「確かに、今日無人探査機〈はくちょう〉が地球に帰還します。右京さん、気になってるんですか?」

 

冠城が聞くと、右京は椅子から立ち上がりティーカップを持ったまま答えた。

 

「それもありますが、僕には気になっていることがもう一つ。今日、6月26日こそ、7年前に自殺した羽場二三一氏の命日です。この人物は捜査本部でマークこそされていないものの、僕には一連の事件と関係している気がしてならないんですよ。無論、彼は自殺して死亡届も出されておりその事を追求する事はできませんが、仮に橘弁護士が今回の事件に何かしら関与していたと仮定した場合はどうでしょう?」

 

「何故、そこで橘弁護士が出てくるんです?彼女は弁護士ですよ?自殺した事務員の1人にそんなに関与しますかね?」

 

「彼が務めていたのは橘弁護士の事務所です。この橘弁護士は偶然かそうでないか分かりませんが、現在毛利さんの弁護を務めています。そして日下部検事、彼は羽場さんが拘留中に何度も彼、つまり羽場さんの元を訪ねています。先日も言いましたがこれだけ一つの事件に関わっている人物たちがこの一連の事件に関わっているとは、偶然で片付けるにはいささか無理があるような気がしましてね」

 

冠城はしばらく考え込んでいたが、ふと何かを思いついたかのように口を開いた。

 

「今回のテロには羽場さんの遺族も絡んでる?」

 

「遺族かどうか分かりませんが、羽場さんの関係者がこの事件に関わっていることは間違いないでしょうねぇ」

 

右京はティーカップを持ったまま、ホワイトボードに新たに貼られた、日下部検事と橘弁護士の写真を見つめた。

 

 

 

 

午前9時を機に、捜査本部から派遣された捜査員が町田市に現れる。何台もの車に分乗した捜査員が各ポイントに向かい、そこから徒歩で地図で確認した線路沿いの空き家の捜索に入る。

 

そんな中、一通りが少ない路地に一台のシルバーのスカイラインが静かに停止する。車内にいるのは右京と、サングラスをかけている冠城の2人。

 

「右京さん、あれブルーのセダンですよね?」

 

冠城が指差す方向には周りを塀と木で囲まれた空き家があり、錆れた門の奥にはブルーのセダンが一台、忘れられたかのように停車していた。

 

右京が車の周辺をくまなく捜索する中、フェンスが開いているのを確認した2人は玄関の扉を開くと、中へ突入する。

 

中は2階建てで吹き抜けとなっており、入り口から下に続く階段に通じる廊下から一階を一望できる。

 

2人は警戒しながら一階に降りると、それぞれ個別に分かれて捜索する。右京が入った分室は鷺沢瑛里華の動画が撮られたと思われる部屋の風景と一致する部屋で、椅子と時計が置かれている以外、家具類は撤去されていた。

 

冠城はそのまま吹き抜けの広間の捜索を続けていた。すると、そこにソファから落ちた状態で手足と唇をガムテープで拘束されている少女を発見した。

 

冠城は奥にある右京を大声で呼ぶと、少女のガムテープを剥がしていく。右京も手伝ってガムテープを剥がしていると少女の目がゆっくりと開かれた。

 

「もう大丈夫ですよ、外しますから」

 

唇のガムテープを剥がした瞬間、突如少女は立ち上がり自分のベットから拳銃を取り出すと、容赦なく2人に銃口を向けた。

 

冠城は驚いて身を引くが、右京は冷静に左手を挙げて制止させる。

 

「安心してください、僕たちは…」

 

「警察でしょ!『レイブン』を逮捕させたりなんかしない!」

 

少女はゆっくりと移動して右京、冠城と対比するように向かい合う。冠城は相手を刺激しないようゆっくり両手を挙げて移動すると、少女を宥めようとする。

 

「落ち着いて…。君は、育ててくれた人を大事に思ってる。でも、仮にその拳銃を撃てば、ここら一体を捜索している警察官たちが銃声を聞いて、ここに突入してくる!第一、君にそんな物は撃てない」

 

少女は銃口に近くにあったペットボトルをつけ、サプレッサーの代わりにすると、冠城の近くにあるサンドバッグに向かって発砲する。銃弾はペットボトルを吹き飛ばしてサンドバッグに命中し、開いた穴からは砂が流れ出る。

 

「前言撤回。君なら撃てる」

 

「私は本気よ。何人も殺してる」

 

少女は改めて両手を挙げる冠城から右京に銃口を向ける。

 

「えぇ。7年前、鷺沢参事官以下、あなた以外の屋敷にいた人達全員が毒殺された事件。その時に毒物が混入されていたお茶、そのお茶に毒を仕込んだのは鷺沢瑛里華さん、あなたですね?」

 

少女、いや鷺沢瑛里華は右京に銃を向けたまま僅かに身体を震わせた。

 

「僕は事件のあった屋敷の図面を見ましたが、ラウンジとキッチンにあった来客用と使用人用の2つのティーポットに、部外者が怪しまれずに近づくのは困難です。それが出来るのはあの屋敷の者だけ、そして屋敷の中で生き残ったのは瑛里華さん、あなただけです」

 

「しかしあなたはあれが毒だとは知らなかった。あなたを騙して毒を入れさせたのは事件後に射殺死体となって発見されたこの男、デニス・コナーですね?」

 

瑛里華は右京が懐から取り出したコナーの写真を見て、静かに告白した。

 

「私の最初の友達…、会ったのはロンドンの美術館だった」

 

「コナーは、あなたを何と言って騙したんですか?」

 

「『願いが叶うシロップ』、コナーは生まれた日に願いを込めて飲ませれば、必ず願いが叶うと言ったのよ!」

 

「君は…何と願ったの?」

 

冠城は両手を挙げたまま、瑛里華に聞いた。銃口を向けたまま、瑛里華は苦い過去を語り出した。

 

 




いよいよ、〈はくちょう〉が地球に帰還する日となりました。しかし、ここはコナンと相棒のクロスオーバーの世界。何が起こるのかは今後のお楽しみということで。

今後もよろしくお願いします。
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