[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断 作:npd writer
右京と別れた冠城は警察庁を出た後、搬送車の捜索をしていた江東警察署管内に向かっていた。
歩道橋を渡っていた冠城は橋の反対側から江東署の刑事と思われる人物たちと遭遇し、少々の会話を行なった。
「搬送車、この辺りで目撃情報が出たんだって?」
「一足遅かったな。もう、この先で見つかったよ。運転手は行方不明だったが、ご遺体と遺品はそのままだったんで急いで斎場まで運ぶってさ」
大抵の情報を喋った江東署の刑事たちは歩道橋の反対側に向かって行き、去って行った。無駄足に終わった自分の行動の無意味さを噛み締めながらもこれが特命係だ、と割り切っている冠城はそのまま刑事たちと反対方向、搬送車が見つかったとされる場所に急いだ。
搬送車が見つかった場所には、江東署の警察車両と刑事たちが大勢集まっていた。警察手帳を翳し、中に入った冠城はそのまま一直線に搬送車に向かった。
搬送車に着いた冠城は、突如後部トランクを開けて遺体が入った桶を出そうとした。だが、江東署の刑事はそれを拒否しさっさとトランクを閉めると護衛のための警察車両と共にその場を去って行ってしまった。その去って行く姿を冠城は無言のまま、見つめていた。
『アメリカのサンフランシスコで開催されていた4年に一度のスポーツの祭典、国際競技大会が今日、閉会式を迎えました。閉会式は、現地時間の20時に盛大に行われ、アメリカ選手団を先頭に190を超える国と地域が…』
右京とチンは、警察官が巡回している湾岸地区にあるショッピングモールを訪れていた。ノリスと昼食を摂る予定だったこの建物の19階にある日本料理店を訪れるためであった。
「相変わらず、日本選手団の活躍は素晴らしかったようで」
「えぇ。同じ、日本人として選手団の皆さんに敬愛と感謝の念を送りたいものですねぇ」
1階にある巨大なスクリーンにはニュース映像が映し出され、国際競技大会の閉会式の模様をダイジェストで放送していた。それを眺めていたチンと右京であったが、ふと前から歩いていた膨よかな体型をした男の子とぶつかってしまった。
「坊や、大丈夫かい?」
「だから、言っただろう?元太。あまり迷惑をかけるなって。すみません、おじさん」
ぶつかってしまった男の子は買い物をしていたらしく、袋に入れてあったものが散乱してしまった。それを集めたチンは声をかけながら丁寧に渡した。その後ろから保護者と思われる太った体型で頭部が禿げかかった白髪頭の男性が駆け寄って来た。
「いやぁ、すみません。お怪我はありませんでしたか?」
「いえいえ、そちらこそ怪我がなくてホッとしました」
「ほら、小嶋くんも謝りなさい…!」
その男性の後ろからやって来た赤味がかったウェーブ状の茶髪をした可愛いと言うよりは美人の女の子が睨みつけるように言ったため、小嶋と呼ばれたその男の子も謝った。
「いえいえ、気遣いは無用だよ。杉下さんもそう思いませんか?」
「えぇ。次からは、ちゃんと気をつけるんですよ」
前にいたおかっぱ頭にカチューシャを付けた女の子も含め、子供たちは元気よく返事をした。残りの眼鏡をかけた少年と茶髪の女の子は苦笑いをしていたが、右京は眼鏡の男の子が自分の名前をチンが言った時、密かに表情が動いたのを見逃さなかった。
眼鏡を鋭く光らせた、右京をよそに彼らと自らは別の方向に歩き始めた。その子供たちの中にも1人、目鏡を光らせていた者がいたが。
和製シャーロックホームズの杉下右京、平成のシャーロックホームズと呼ばれた工藤新一、現在の江戸川コナン、この2人の運命が遂に交わった瞬間であった。
「今日は、博士に何を注文してもらいましょうか?」
知人の阿笠博士から、新たにオープンした洋菓子店への来店の権利を得た元太、光彦、歩美の3人はノリノリでショッピングモールの中へ入っていった。それに対し、阿笠博士は何なら暖かない表情だった。
「トホホ…。わしの財布が…」
「ははは…,どっかの誰かさんのせいで行く羽目になったり、ドローンのリモコンの改造をお願いされたり、博士色々と不幸だな…」
「さて、誰のせいでしょうね?」
後ろを歩いていたコナン、灰原は財布の残高が減っていく阿笠博士を可哀想に見つめていた。が、灰原はそんな事を気にしていない素ぶりを見せていた。何故、彼らがこのショッピングモールにいるのか、それは数十分前に遡る。
『いよいよ、火星の探査を終えた『はくちょう』が6日後、地球に帰って来ます!この『はくちょう』は遠隔操作の元、カプセルと本体を切り離し、本体は大気圏に突入し燃え尽きますがカプセルはチタン合金などの合金金属を使い、耐熱性は抜群だそうです!カプセルは誤差200m以内に収まるように設計されより安全な着水が可能になっています!目標落下地点は東京湾沖約20キロの沖合で…』
コナンが『はくちょう』帰還のニュースに見入っていた頃、庭では子供達が博士にあるお願いをしていた。
「しかし、この1つのリモコンだとみんなが操縦できませんよ!」
「えぇー!歩美、操縦したいよー!」
「俺も!俺も!」
3人は、1つしかないリモコンでは1人しか操縦できず、不平等だと感じていた。そのため、開発者である阿笠博士に3人がドローンを操縦できるよう、機能を3分割するよう頼んでいた。
「じゃがのぅ…。このドローンは元々1人で操縦するもので、3人で操縦する用には設計できておらんのじゃ…」
そこで、博士はふと思いついたかのように相槌を打つと3人に言った。
「よーし!そこまで言うならばクイズで勝負じゃ!君たちが解ければドローンのリモコンを3分割するのを約束しようではないか!」
この博士の高らかとした宣言に子供たちはテンションが下がっていってしまったが、それでも博士は続けた。
「問題!次の行で最もスケールが大きいのは次のうちどれ?1、あ行。2、か行。3、さ行。4、な行」
子供たちは頭を抱えていたが、そこに灰原がフォローに入った。不満を言う、阿笠博士を他所に灰原は、『みんなが知っているもの』、『近日、帰ってくるもの』の2つをヒントに出しその結果、光彦が『はくちょう』と言う答えを出し、見事正解にこぎ着けた。
更に、博士が洋菓子店の新改装オープン記念の券を隠し持っていた事から、灰原がみんなを誘い、これもまた博士の考えは何処かは行ってしまい、結果博士の愛車でこのショッピングモールに直行したのだった。
今回は、この辺で切って次回はコナン側から見た右京との出会いを中心に書いていこうと思います