[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断 作:npd writer
京極さん、半端ないって!
右京、冠城は何百枚にも及ぶ資料の中で目的の項目を探すとその資料に目を通し始める。やがて、資料を読み終えた右京は資料を読んでいた顔を上げると、神戸に言った。
「神戸くん、この資料にある『ネズミの死体』ですが、これは?」
「それは杉下さんが発見した『レイブン』と思われるアジトで発見された数匹のネズミの死体の事です。今のところは鑑識にて保管されていますが必要性が無いと判断され次第、処分される筈ですけど…何か?」
神戸は右京が何かを聞く時にはそれは彼がその対象に興味を持った、或いは手がかりに繋がる何かかもしれないという事を身に染みて感じており、今回もその"右京アンテナ"に引っかかったのだと神戸は考えていた。
「この死体についてですが、処分する前に科警研に分析するよう依頼してくれませんかねえ。なぜこれを分析するのか、君はこう考えているでしょうから説明します。僕が調べて欲しいのはネズミの身体及び推定される死亡原因についてです。この推理が正しければ恐らくマウスにはショッピングモールで使われたのと同成分の毒物が検出されるはずです」
「分かりました。大至急、科警研に連絡して1時間以内に結果を報告させるよう手配します」
そう言うと神戸は該当する書類を携えて特命係の部屋を飛び出して行った。
「右京さんの仮説通りだとして態々、現場に毒物の痕跡などを残しておく、いわばリスクを負う事をしますかね?」
冠城はもしかしたら我々は『レイブン』の手の平で自由に踊らされているだけではないのか、これは警察を撹乱する為の罠ではないかと危惧していた。
「僕もその可能性がある為、未だに確証を持って罠ではないと言えませんがもはや手がかりはあれのみです。この道にかけるしかありませんよ」
右京はそう言うと残る資料に手をつけつつ、神戸からの連絡を待った。
右京が神戸から興奮した声の連絡を受けたのがそれから50分後だった。
「神戸です。杉下さん、科警研にお願いして緊急案件を除いて最優先でやってもらって今、結果がようやく出ました!」
「どうもありがとう。それで結果の方は?」
『あぁ、はい。ネズミの死体を解剖に回した結果、一体からは致死量を超える毒物が検出されたようです。そしてもう一体のネズミからは致死量を超えない範囲ではありますが、毒物を摂取した痕跡が残されておりこちらの死因は毒物摂取後の不十分な処理によるものだそうです』
「なるほど。毒物の成分について何か分かりましたか?」
右京の冷たい対応に苛ついたのか、神戸は電話口の向うにいるであろう、右京に向かって大きく地団駄を踏むが右京はそれを受け流す。
神戸も一回地団駄を踏んだだけですぐに所持している封筒から別の書類を出した。
「毒物の成分ですが、ショッピングモールにて使われた毒物と成分型が一致したようです。つまり杉下さんの推理は的を得ています」
「そうですか。神戸くん、ご苦労様でした」
そう言うと右京は電話を切った。右京が電話を切った姿を見て冠城と亀山は側に近寄る。
「神戸さんからの連絡の内容は?」
冠城が結果を右京に尋ねると、彼は銀縁眼鏡を光らせながら静かに答えた。
「僕の推理通り、あのネズミの死体からはショッピングモールで使われたのと同成分の毒物が検出されたそうです。どうやら『レイブン』があの事件に関わっているのは間違いないようですねぇ」
「これで決まりっすね。右京さん!すぐに会議を開いて頭の固いお偉い爺さんたちを動かしましょうよ!」
亀山は昔の癖なのか、すぐに行動する自らの正確に則りそそくさと会議室に行こうとする。
「亀山くん。会議を開くといっても幹部の皆さんに出席してもらわないと行けません。それに君は元警察官とはいえ今は部外者、仮に君が会議室に乗り込んだとしても部外者ということでそれこそ全く意見は聞き入れられませんよ」
「それは…そうですけどね…」
「僕たちはこれから警察庁に出向いて臨時会議を開くよう要請しなくてはいけません。よって…」
「なら俺も行きます!」
ここで亀山が大きく手を挙げて叫んだ。これには隣の大木や小松といった組対5課のメンバーや冠城、右京も驚いた。
「亀山さん。行くって…?まさか警察庁へ?」
「当たり前だろ!右京さんが危機的な時にのんびり観光なんかしてられっかよ!聞けば最近の警察は毛利や多くの探偵を捜査に加えているそうじゃないか!右京さん、頼みますよ!!」
右京は紅茶を飲み干すと半分ため息混じりに亀山の方向へ向いた。
「君のそのまっすぐすぎる性格は昔のままですねぇ。分かりました、君も来てください」
そうと決まれば早速行動に起こすのが亀山薫。椅子に掛けてあったジャージを羽織ると支度を始めた右京と冠城を急ぐように促す。
準備を終えた3人が警察庁へ向かう時、冠城はふとした疑問を亀山にぶつけた。
「亀山さん。さっき仰ってた毛利とは、名探偵毛利小五郎の事ですか?」
「ん?あぁ、奴と伊丹、それに俺は警察学校が同期な仲でね。奴が突然、探偵としての才能を開花させ『眠りの小五郎』だっけ?あんな名推理を披露することになるとは思いもしなかったからビックリしたさ」
「では毛利宅に居候している江戸川コナンくんについて亀山くんは何も知りませんよね?」
「江戸川コナンってあのキッドキラーの?俺、毛利が子供を預かるなんてそんな事しないと思ってたんで、意外でした。でも、あいつが活躍したのって、その江戸川コナンっていう子が居候した時期とほぼ同じですよね?なんか、裏あると思いません?」
亀山の感は時に右京をも凌駕する事があるがこの発言が的を得ているとは無論、本人も知らない。しかし亀山薫の言葉通り『眠りの小五郎』のカラクリにコナンが一枚噛んでいたのだった。
とうとうこの小説を書き始めて一年が経ちました。
ここまで続けてこれたのも応援してくださる皆様のお陰です。完結目指して頑張りますので応援よろしくお願いします!