[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断   作:npd writer

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あれ?なんか自分が想定していた構想より遅い…。俺氏、地団駄踏んでる?


66 忍び寄る不穏な足音

右京と冠城が警視庁の捜査本部にて事件の進捗を見守っていると、右京のスマホが振動し、右京が画面を見ると、そこには『江戸川 コナン』と表示されていた。

 

「杉下です。コナン君、どうしました?」

 

『杉下警部!まだ警視庁の中にいる?』

 

いつもの余裕はなく、切羽詰まったコナンの声に右京もただ事ではないことを察して、緊張感を高めた。

 

「えぇ。今、〈エッジオブオーシャン〉で起きようとしているテロを防ごうと刑事部が現場に急行しており、我々も捜査本部で進捗状況を随時確認しているところです」

 

『杉下警部!僕の推理が間違っていなければ犯人の復讐はまだ終わってない!多分、犯人はNAZUに不正アクセスして落とすつもりだよ!』

 

「落とす、ですか…」

 

一方、右京の側で電話をさりげなく聞いていた冠城は右京の話し方に変化が生まれ、口調が固くなっているのに気づいた。

 

「右京さん。その電話って……」

 

「コナン君からです。どうやら、国際会議場を爆破しIoTテロを起こした犯人はNAZUに不正アクセスを試みているそうです。おそらく、犯人は……」

 

「NAZUってことは……。まさか、〈はくちょう〉ですか?」

 

「えぇ。彼の狙いは今日、地球に帰還する〈はくちょう〉、正確にはそのカプセルでしょうねぇ」

 

そこまで言うと、右京はコナンとの通話に戻った。

 

「コナン君。君がその推理を組み立てるに至った、考察を聞かせてくれませんかねぇ」

 

『今日は、7年前に死んだ〈羽場二三一〉の命日!そして日本人選手団のパレードの日と、〈はくちょう〉が帰還する日だよ!今、警視庁に向かってるんだけど再び、IoTテロが起きてるんだ!しかも車やトラックといった自動車を中心に!』

 

『IoTテロ』と言う言葉を聞いた瞬間、右京は目を見開いて普段のポーカーフェイスを思わず、崩した。そしてコナンに礼を言い電話を切って、山崎や衣笠らがいる方向に振り返った。

 

「参事官、大至急交通部と指令センターに連絡してこの2時間弱に都内にて発生した交通事故の数を調べるようお願いできますか」

 

「杉下、どう言うことだ」

 

中園の反対側に座っていた内村は怪訝そうに聞いた。せっかく、右京の推理通りに動いているのにここでまた計画の変更をされては、たまったものではないからだった。

 

「現在、都内でIoTテロが再び発生しているとの連絡がありました。しかもそれは自動車が中心になっているとのことです。僕の推理が正しければそれは23区内、それも千代田区を中心に発生していると考えられます」

 

「杉下警部の仰る通りだと、我々としても現状を把握する必要があります。大至急、情報を集めるよう働きかけをお願いします」

 

右京の推理を聞いていた黒田も同様に中園らに促した。中園は判断に困り、内村や山崎に助け舟を出してもらおうと顔を向けるが内村の答えは判断を濁したものだった。

 

「それは中園参事官、お前が判断しろ。もしも、失敗したら全てはお前の責任だ。いいな?」

 

あくまで自分は干渉しないという、自身のスタンスを取り続ける内村に中園は戸惑うが、他の幹部も同様の反応を示したため仕方がなく中園は全責任を負う覚悟を持ち、頷いた。

 

「至急、指令センターに連絡して都内各地で今から2時間前まで起こった全ての交通事故を捜査本部に送信するよう伝えろ!」

 

それを聞いた捜査員は指令センターに連絡して、至急情報をこちらにも回すよう伝える。案外情報の送信は早く、中園が指令を出してから僅か3分でその詳細はモニターに表示された。

 

 

 

 

「指令センターより情報が来ます!」

 

その言葉のすぐ後にモニターに都内で起こった交通事故の件数、起きた場所、死傷者数が調べられた範囲ではあるが表示された。

 

すると表示されたモニターには世田谷区、それも霞ヶ関・永田町に繋がる道を中心にまるで首都を囲い込むかのように事故が多く発生しており、それもこの1時間の間に多く起こっていた。

 

「これは……」

 

「『レイブン』の狙いは東京サミットじゃなくて、このIoTテロだったのか?」

 

再び都内で起こっているIoTテロに対して、幹部たちも戸惑い困惑の声を上げていた。

 

「大至急、交通部に連絡して交通整理を行うよう伝えろ。また、霞ヶ関・永田町に繋がる道路を規制して新たに侵入する車を止めろ」

 

山崎の指令に捜査員は交通部に連絡して、道路規制を行うように働きかけた。一方この情報は警察庁、東京都公安委員会、そして首相官邸にも届き、霞ヶ関周辺の交通規制を認可するよう根回しをした。

 

 

 

 

一方、警察庁では山崎が不在の中、金子や官房室長、小田切ら上層部が集まり緊急会議を開いていた。

 

「現在、再び都内でIoTテロが起こっているとの情報が警視庁に入った。しかも霞ヶ関や永田町を周辺に、起こっているそうだ。日本人選手団のパレードに加え、このIoTテロだ。この2つがたまたま同じ日に起こるなんて、偶然で済ませられるかね?」

 

金子は怪訝そうに顔を顰めながら、周りに座る幹部たちを見回した。他の幹部たちもどうしたら良いか分からないようで顔を右往左往するだけで対して良い返答が来るわけではなかった。

 

「長官、直ちに霞ヶ関に繋がる道を封鎖し交通規制を行うべきです。仮にIoTテロが警視庁周辺で起こった場合、それ以上の事件に我々が迅速に対応できなくなる可能性があります」

 

「私も小田切君に賛成です。我々の対応が遅れれば、非難を浴びるのは警視庁と我々です。そうならない為に、迅速に行動ができるようにするためにも交通規制を行うべきかと」

 

小田切と甲斐は意図は違えど、早急に規制を行うべきと主張した。他の幹部も頷くばかりで特に反対の意見もなかった。頷いた金子は会議が終了した後、公安委員会に連絡を取り交通規制を行うように通達した。

 

 

 




なかなか、進まない…。次回こそは大きな動きに持っていきたい。

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