[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断   作:npd writer

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なかなかタイトルが思いつかなかったので一番長く書いた昼食のシーンに倣ってこの題名にしました。


06 昼食

ショッピングモールは休日ということもあり、多くの人でごった返していた。その中を迷子にならないように慎重に行動していたコナンと灰原であったが、3人の子供たちはスタスタと歩いていってしまっていた。

その中でも特に行動が早かったのは、食い意地が張っていた元太だった。

 

「おーい、コナン!灰原!早く行こーぜー!」

 

「おい!待て、元太!」

 

コナンは元太が走っていく方向に男性2人がいることに気付いた。彼らは上にあると思われる液晶の大型モニターに釘付けで、元太には気づいていなかった。途中で阿笠博士も気付いたが、人が多く大声で叫ぶのは迷惑になるため、走って追いかけた。

 

コナンは元太を止めようとしたが、コナンの足でも食物の事で夢中の元太は止められず前にいる男性2人に向かっていった。

 

「うわぁ!いってー!」

 

元太はモニターを見ていた男性らのうち、白髪の老人とぶつかってしまい、手に持っていた手荷物を盛大にぶちまけた。

 

「坊や、大丈夫かい?」

 

「だから、言っただろう?あまり迷惑をかけるなって。すみません、おじさん」

 

白髪の老人は、元太が落とした商品を集めてくれて声をかけながら丁寧に渡してくれた。その老人の気遣いをコナンは有難く感じていると後ろから灰原と阿笠博士が急いで来ている事を感じた。

 

「いやぁ、すみません。お怪我はありませんでしたか?」

 

「いえいえ、そちらこそ怪我なくてホッとしました」

 

「ほら、小嶋くんも謝りなさい…!」

 

走って来たのか息が少々荒れている灰原であったが、鋭い目つきで元太を睨んだ。その睨みにタジタジになった元太はそのまま言われるように、男性らに謝った。

 

「いえいえ、気遣いは無用だよ。杉下さんもそう思いませんか?」

 

「えぇ。次からは、ちゃんと気をつけるんですよ」

 

元太、光彦、歩美は元気に返事をしていたがコナンはふとある事を思い出していた。

 

(まさか、この人。前に東京都の雑誌に掲載されていた杉下 右京っていう警部じゃないか?顔つきや上等なスーツを着ている事からまさかとは思うが…。でも、さっき連れの人は“杉下”って言ってた。確か、そこに掲載されていた名にはこうも載っていた。『和製シャーロックホームズ』とも。まさかな…)

 

コナンは顎に手を乗せて考えていた。大抵の人は考え事か探偵ごっこをしていると側からは考えるが、白髪の老人の隣にいる杉下右京と思わしき男性はコナンの動きに眼鏡を光らせ密かに着目していた。

 

やがて彼らは別々の方向に歩き始めた。互いに目を光らせながら交錯した時、和製シャーロックホームズと呼ばれた杉下右京、平成のシャーロックホームズと呼ばれた工藤新一 現在は江戸川コナン、この2人の運命がついに混じり合った瞬間であった。

別れた彼らは右京とチンはエレベーターホールへ、コナンらは洋菓子店のある別フロアのエレベーターホールに向かった。

 

 

 

右京とチンはエレベーターホールへ向かうとそこにやってきたエレベーターに乗り、日本料理店がある19階のボタンを押した。

エレベーターの扉が閉まり、上に上がっていくと1人の男がエレベーターホールに姿を現した。男は右京とチンが乗ったエレベーターを一瞥すると、出入り口の方向に歩き出した。

 

黒い帽子とズボン、白いシャツとスニーカーという至って普通の格好をした男は出入り口を出ると、そのまま路肩に停まっている一台のバンを目指した。中には運転手の他にも数人の男があり彼らは今、車に向かっている人物を待っていたのだった。

 

「予定通りです」

 

帽子を脱いで車内に入った男はボスと思われる人物に報告した。その男の首元には黒いカラスのタトゥーが入っており、つまりその事からジェイ・ノリスを殺害した犯人『レイブン』らしいという事が分かる。その事を知っているのはバンにいる者のみであるが。

 

ボスらしき男は直ぐに車を出すように命令し、路肩に停めてあったバンはゆっくりとその場を去って行った。

 

 

「チンさんは香港にお住まいだそうですが、やはり国籍は英国ですか?」

 

「えぇ。返還前に英国籍を取りました。元は貿易の方を…」

 

予約時間より少し早めに来た右京とチンだったが、客が疎らな事もあり直ぐに店内に通された。港湾施設や海が見渡せる窓際の4人テーブルに案内され、運ばれて来たお刺身や漬物を食べながら右京とチンはゆっくりと最近の事件や日本の情勢などについて語っていた。

 

チンが巻物を口にした途端、顔を顰めたため右京は不安になったが、チンはどうもわさびが苦手らしくそのために顔を顰めていたのだった。

また、右京はチンが日本人も顔負けに箸の使い方や食事のマナーをマスターしている事に密かに驚いていた。

 

「ICPO勤務時代は、よくヨーロッパに?」

 

「ノリスと知り合ったのもICPO本部でした。『レイブン』の事で時々連絡を取り合っていたんですが…。こんな事になってしまって…」

 

「随分長い間、『レイブン』を追ってらっしゃるようですが?」

 

右京が聞くと、ノリスは昔を懐かしむように遠くの方を見つめながらしみじみと語った。

 

「どうも、諦めがつかないもので…」

 

「『レイブン』にとってチンさんは天敵ですね」

 

「ノリスが残した『あまだ しゅうすけ』という名から何か分かると良いのですが」

 

ご飯を食べながら『レイブン』の事について語り合っていると突然、チンが喉元を抑えて顔を顰め始めた。その表情もわさびの時とは違う、切羽詰まったものだった。

 

「チンさん?」

 

右京が心配そうに話しかけるとチンは答える代わり、右京の手に握られていた箸を弾き飛ばした。箸は湯呑みに当たり乾いた音と共にテーブルに落ち、それと同時にチンも椅子から床に転げ落ち苦しみ始めた。

 

「うぅ…う…」

 

「チンさん!大丈夫ですか?」

 

店員が駆け寄ると、なんとそのすぐ斜め後ろに座っていた客も同じように椅子から転げ落ち、苦しみ始めた。更に、他の席でも客が倒れ始めたのだった。

 

ただ事ではない事態に右京は他にも店内に客が倒れていないか、確認しに入口へと向かった。入口には倒れている男性と声をかけている女性のカップルがいたが、事態はもっと深刻だった。店外からも叫び声や騒めきが聞こえたのだった。不安に駆られる右京は外へ確認に出向いた。

 

吹き抜け空間から下を見ることが出来るため、下を覗いた右京であったが何とそこには同じ様に倒れている人が各フロアにいたのだった。

右京は持っていた携帯電話で直ちに消防庁と警視庁に電話をかけ、この非常事態を連絡した。




毎回、右京さんは無茶な事をたくさんすると映画を見てて思いました。

銃で撃たれたり、爆発寸前の倉庫の中でどうにか地下の貯水に逃げ込んだり。勇気ある行動なのか、無謀すぎる行動なのか、自分はちょっと無謀すぎると思ったりもしています。
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