[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断 作:npd writer
久しぶりの投稿です。
コナンから電話をもらった阿笠博士は、自宅の屋上で改造したドローンの試運転をした。8つのプロペラが回り出し、ドローンが垂直に上昇していく。
「さすがじゃのう。こんな作戦を思いつくなんて……」
一気に舞い上がったドローンは、あっという間に夜空に消えた。屋上に続くらせん階段に腰を下ろした灰原が、ノートパソコンを開く。
「これでコードが聞き出せればいいけど……。
「さらなるスピードアップに成功したんじゃぞ?」
夜空を見上げた博士は、得意げな顔でコントローラを操作した。すると、灰原のパソコンにドローンの空撮映像が映った。上空から撮った阿笠邸が映っているものの、ぶれて画像が不安定になっている。
「博士、映像がフラフラしてる。これじゃあうまくいかないわよ」
「ん〜、夜の飛行は初めてじゃからのぉ……」
阿笠博士がぼやきながら操作していると、テレビを見ていた子供たちがらせん階段を上ってきた。
「あ!夜のドローン、オレもやりてー!!」
「博士たちだけでずるいですよ!」
「テレビ、〈はくちょう〉うつらないんだもん!」
パソコン画面を見ていた灰原は、ニコッと笑った。
「そうね。じゃあお願いできる?博士の操作じゃ不安で」
「やったー!」
「楽しみですね〜!」
子供たちは歓声を上げながら屋上に出てきた。
「そーじゅーこと言うの……」
阿笠博士が不満げに見ると、灰原は涼しい顔で微笑んだ。
「ここはあの子たちに任せて、私たちは準備を進めましょう」
子供たちは嬉しそうに3つに分かれたコントローラをそれぞれ持ち、ポーズを決めた。
「ボクたち!」「ドローン!」「飛ばし隊!」
防衛省の中央指揮所では、新たに緊急災害対策本部が設置された。大型スクリーンには緊急連絡システム、気象情報システム、中央防災無線システム、それに都庁の緊急対策本部から配信された映像が映し出され、各大臣と担当政務官がずらりと並ぶ。
「……規制空域内の航空機、及び東京湾と太平洋近海の船舶に、以上の緊急命令を発しました。羽田空港及び東京湾周辺の港湾施設は無期限封鎖とし国際線は関空に、国内線は伊丹、船舶等は下田、名古屋、並びに港湾施設が整備されている東北地方に進路を変更させました」
柳原国土交通大臣の発言に、口火を切ったのは金井国家公安委員長だった。
「防衛省に聞きたい。外国からの武力攻撃でなくとも、イージス艦やパトリオットの使用は可能なのか?」
「警戒管制レーダーの使用は可能です。しかし正確な情報なしに大気圏突入後の迎撃は不可能です」
花森は直前まで隣に座る財前統合幕僚長と話し込んでいたが突然話題の矛先が、自身に向けられても戸惑うことなく冷静に述べた。
「総理、現在都内各地にある避難所では残念ながら20万人を避難させることは不可能です。ここは防災施設としても機能し、避難設備が十分な〈エッジオブオーシャン〉に避難させるべきかと」
大臣たちが対応を協議している中、佐藤は隣に座っている総理大臣の大河内に非公式に提案するが大河内は渋い顔をするばかりで否定的な答えを返した。
「仮に避難させるとして『レイブン』についてはどうする気だ?あそこは警視庁が厳戒体制を敷いている危険な地域だ。聞くがね、一体何人を避難させる気だ?」
「およそ5万人と私どもは考えています」
「5万人もの国民を君は危険な目にあわせる気か!?」
「総理。恐らくこの事態は『レイブン』にとっても想定外のはずです。各地の避難場所のキャパシティが限界を迎えている中で、〈エッジオブオーシャン〉は外せない避難施設です。それに彼らの標的は日本人選手団です。既に文科大臣からパレード中止の要請を現場に通達していますから、その指示が現場に行き次第選手団を避難させるよう警察庁には連絡済みです。ですから、総理の仰る心配はない、と考えてください」
佐藤はこの場には似合わない自身に満ち溢れた顔で断然と言い、これには大河内も首を振らざるおえなかった。
東京湾に架かる東京ゲートブリッジでは、避難者を乗せた大型人員輸送車が何十台と連なって走っていた。
蘭と園子、小五郎と英理は目暮が添乗する輸送車の座席に並んで座っていた。
「これからおよそ5万人が東京湾の埋立地にある〈エッジオブオーシャン〉に避難します」
運転席のそばに立つ目暮が言うと、乗客は不安そうに顔を見合わせた。
「どこだっけ?」「わかんない」並んで座った小学生の女の子が首を横に振る。
園子が「あの!」と手を上げた。
「そこって今、パレードをやってるんですか?」
「いかにも。我々はカジノタワーに避難します」
「カジノタワー……?」
蘭が首をかしげると、園子は「ああ、アレよ」と窓の外を指差した。
海の向こうに見える埋立地には、ひときわ高いらせんのモチーフがデザインされた建造物が建っていて、その最上部からまばゆい光を放っている。
「そうだ。新一に連絡しなきゃ」
ふと思いついた蘭は、携帯電話を取り出した。
コナンと安室は警視庁の近くまで来ていた。
路肩のあちこちに停まっている大型人員輸送車には続々と人が乗り込み、その周りには何台もの車が乗り捨てられている。
「コナンくん!!」
コナンがスケボーで走っていると、警視庁の方角からコナンを呼ぶ男性の声が響いてきた。コナンがスケボーをスライドして止まると、警視庁の方角から、走っているはずなのにスーツが一向に乱れない右京と、若干汗が額に滲んでいるものの大して疲れていない冠城の姿が見えた。安室も路肩に車を止めコナンの横で待った。
「安室さんも、無事で良かった」
「ええ。途中でIoTテロに遭遇しましたがコナンくんのお陰で無事に」
冠城が安室の無事を確認する一方で、右京はコナンに犯人の心当たりについて尋ねていた。
「コナンくん、君の考えでは犯人はもう決まっているのですね?」
「それを言うんだったら杉下警部も、もう分かっているような顔してるね。多分僕と同じだろうけど」
「まだ僕も確証は持っては言えませんがねぇ」
右京、冠城、コナン、安室の4人は検察庁を目指した。
建物からはスーツ姿の人々が大量に流れ出てきて、4人は人波に逆らうようにロビーへ入った。スマホを切った安室が前を走るコナンと右京に告げる。
「NAZUはコードを送り続けているが、やはり探査機にアクセスできないようです!」
(どうやら早くコードを聞いたほうがいいようですねぇ……)
4人は走りながらすれ違う人々を確認した。
すると、冠城が何かに気付いたのかふと、ある人物に向けて歩き出していくのをコナンは見た。
冠城の歩いて行くその先には押し寄せる人波の中、1人スマホを見ながら歩いている人物がいた。誰もが一目散に出入り口へ走る中、その行動は冷静に見れば誰が見ても不審なものだった。
コナンと冠城はそのまま歩き続け、その人物とすれ違う瞬間ーー冠城は腕を伸ばして、スーツの袖をつかむ。
持っていたスマホがカシャーンと音を立てて床に落ちた。
安室は落ちたスマホを拾うと、その画面をコナンたちに向けた。
真っ黒な画面に数字とアルファベットが羅列し、その中央には大きく『ERROR』の文字がある。
「それは、NAZUの地上局で見られるデータだよね。テロの犯人さん」
「『獅子身中の虫、獅子を食らう』とはよく言ったものですよね。
ねぇ、ーー日下部検事」
ようやく犯人の正体が分かりましたがどんな展開になるのか皆様、どうぞご期待ください