[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断   作:npd writer

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そろそろ右京さんをブチ切れさせたい欲求が高まっております(笑)。


いい加減、コナンの映画でも右京さんを怒らせないと……。

理不尽た理由で犯罪を起こす犯人がコナンには多いからなぁ。
毎回のように右京さん、キレてそう(笑)。


73 トレード・オフ

7年前のことを思い返していた日下部は、法務省旧館の向こうにそびえる警視庁を再び見上げた。あの建物を見るたびに、羽場が自殺した日のことが日下部の脳裏にじわじわと蘇ってくる。

 

「羽場を自殺に追いやったのは……いや、殺したのは小野田!そしてお前ら公安警察だ!!」

 

「それで警視庁に探査機を落とす計画を……?」

 

安室の質問に、日下部は膝をついたまま「ああ」とうなずいた。

 

「小野田が殺され、〈はくちょう〉の帰る日が、羽場の命日だと知ったときから……」

 

「IoTテロは?」

 

目の前に立つコナンに訊かれて、日下部は顔を上げた。

 

「計画にはなかったが、検事として無実の人間を起訴させるわけにはいかなかったんだ!」

 

「つまりあなたは毛利さんが犯人ではないために、IoTテロを企てたんですね?」

 

右京が訊くと日下部は「ええ」と力なく答えた。

 

「だが、とっさのことで、被害の規模は予想を超えていた」

 

「もうこれ以上罪を重ねちゃダメだ。不正アクセスして変更したコードを教えて!」

 

「公安検察は正義を守るプロだ。羽場のような正義が失われちゃいけない!」

 

日下部が立ち上がるって訴えると、安室は背後から日下部の肩に手を置いた。

 

「コードを言うんだ」

 

「私を逮捕すればいい!取り調べでは一切を黙秘する。だが今は、あの場所が破壊されていく様を目に焼き付けておくがいい!」

 

「日下部検事」

 

安室の手をはねのけて警視庁を指差す日下部に、コナンは取り出した新一のスマホ画面を見せた。

 

画面には、上空から撮られた屋上ヘリポートが映っていた。Hマークの辺りに誰かが立っていて、その人影がどんどんクローズアップされていく。

 

『日下部さん』

 

大きくハッキリと映ったその人影が、こちらに向かって呼びかけた。

 

「バ……バカなっ!?」

 

日下部は目を疑った。屋上ヘリポートに立っているのがーー自殺したはずの羽場だったからだ。

 

「なんで羽場が……!!」

 

「警視庁のライブ映像だよ」

 

スマホを見せたコナンはニヤリと微笑んだ。

 

「ど……どういうことだ」

 

ワケがわからない日下部は思わず後ずさりして、安室を見た。

 

「拘置所で彼を取り調べた公安警察は、官房長が()()()()に発案されたあるシステムを使い、彼が自殺したことにして、これまでの人生を放棄させたんだ。公安警察が『協力者』を使っていたという事実を隠蔽するために。そして、公安検事が二度と『協力者』を作らぬよう、その事は官房長以下、警察庁の金子長官やシステムの開発のアドバイザーだった瀬戸内米蔵元法務大臣、それに開発担当の法務省職員以外に知られることのないよう厳重に管理された。無論あなたにも伏せられていた」

 

愕然とする日下部に、安室は続けて言った。

 

「自らした違法作業は、自らカタをつける。あなたにはその力がない。公安警察が、いや官房長がそう判断したんだ」

 

日下部はうつむき、悔しそうに顔を震わせた。スマホを向けたコナンがゆっくりと近づく。

 

「羽場さんは、自分こそ裁判官になるべきだと思い込むほど、強い正義感を持ってたんだよね?だからこそ司法修習生を罷免され、行くあてのない彼を『協力者』にした」

 

『そうです』

 

スマホの画面に映っている羽場が顔を上げた。

 

『日下部さんが私を人生のどん底から救い上げてくれた。たった2年間の関係でしたが、日下部さんはお前のおかげで公安検事として戦えると言ってくれた。だから私は今も、こうして戦えるんです』

 

気づいたら日下部は涙を流していた。とめどなく涙があふれてくる。

 

 

 

 

思えば、司法研修所の修了式でわめきながら排除されていく羽場を見たのが始まりだった。強すぎるほどの正義感を持つ彼が、どことなく自分に重なって見えて、放っておけなかったのだ。

 

『日下部さん。変更したコードを教えてください』

 

コナンが持つスマホから羽場の声がして、日下部はハッと顔を上げた。

 

「これ以上、あなたが罪を犯す理由があるのでしょうか?それをして果たして一体、誰が喜ぶというのでしょう。あなたが今、しようとしていることは今まで法に挑戦した愚かなテロリストと何も変わりありません。犯罪者を起訴し法の下で裁くべきであるあなたが、法を犯した。あなたは今、公安検事でも検察庁に仕える人間でもない、正義の皮を被ったテロリストそのものですよ!」

 

日下部を指差し怒りに震えながら言い切る右京に日下部は、クッと唇を噛んだ。

 

「しかし、杉下警部なら知ってるはずだ。公安警察の力が強いままでは……」

 

『日下部さん!』

 

羽場が呼びかけると、安室は警視庁を親指で指した。

 

「あそこに落ちれば、羽場も無傷じゃいられない!」

 

その言葉に、日下部はハッとした。

生きていた羽場を警視庁の屋上ヘリポートへ連れ出したのは、コードを聞き出すためだったのかーー。

 

「…汚いぞ。これが公安警察のやり方か!!」

 

 

 

その頃。官邸機能が移管され、緊急災害対策本部が置かれた防衛省中央指揮所は緊迫した局面を迎えていた。

 

大型スクリーンには防災マップやNAZUのデータ画面、そして〈はくちょう〉の映像が映し出され、各大臣や担当政務官が焦燥した表情で見つめている。

 

「まもなく〈はくちょう〉大気圏突入!」

 

担当参事官が告げると、金井国家公安委員長は「コードはまだなのか!?」と声を荒げた。

 

「そ、総理!駐日米大使からです。大気圏突入までに〈はくちょう〉の軌道が修正できない場合、第7艦隊のイージスシステム及び横田に配備された対空ミサイルで〈はくちょう〉を迎撃する用意があるそうです。尚、爆破の際の被害の算出は間に合わず予測が不可能とのこと!」

 

「いけません!国民に被害が出ることだけは絶対に阻止しなければ!総理!至急、ホワイトハウスに攻撃中止の打診をお願いします!!」

 

後ろに控えていた外務省北米局員の報告を聞いた国平は驚愕した表情のまま、マイクで会議室の全員に伝えた。

すぐに国平の対面に座っていた花森は語気を荒げ、大河内に強く迫った。大河内もすぐに、ホワイトハウスと大使が避難している横田に対して攻撃中止の要請を伝え、今にも動き出しそうなアメリカの押さえ込みにかかった。

 

「総理!このままですと探査機へのアクセスができなくなります!」

 

担当参事官の言葉に、一同が一斉にざわめく。

 

 

 

 

『降谷さん、もう時間が……!』

 

耳に差し込んだワイヤレスイヤホンから風見の緊迫した声が聞こえてきて、安室はチッと舌打ちをした。

 

「日下部検事、早くコードを言わないと手遅れになりますよ!」

 

「早くコードを言って!」

 

冠城とコナンに急き立てられた日下部は、グッと言葉を詰まらせた。

 

「しかし……」

 

日下部の心の中では激しい葛藤が沸き起こっていた。

コードを教えれば、公安警察を失墜させる計画が全て無駄になる。しかし、探査機が警視庁に落ちたら、羽場の命がーー。

 

 

 

 




今回出てきたシステムというのは相棒12の最終回に出てきた、あの証人保護プログラムです。

開発に加わった法務省職員というのは……









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