[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断 作:npd writer
一方、右京と別れたコナンはその後も暫く先ほど出会った右京のことを考えていた。
「どうかしたの?」
「いや、さっき出会った男性のうちスーツ姿で“杉下”って呼ばれていた人、何処かで見たことがある気がするんだよなぁ」
右京らとは別のエレベーターホールに向かい、そこで目的の洋菓子店がある17階のフロアに向かうためエレベーターに乗った。保護者である阿笠博士が先頭になってエレベーターに向かい、博士がフロアのボタンを押してくれたため、コナンらはただついて行くだけで良かったのだった。
目的の17階に着き、洋菓子店がある場所へ向かう途中、コナンと灰原は元太らや阿笠博士とは少し距離をとってこっそりと会話していたのだった。
「さぁ。工藤くんは事件にしょっちゅう首を突っ込むからその中の関係者にいたんじゃないの?」
「うーん。確か雑誌にも同姓同名の人物が記載されていたから、もしかしたらと思ったんだけど…。灰原は知らないか?」
「知らないわよ。黒の組織でもそんな人物はいなかったし」
灰原が知らないという事は“黒の組織”関連の人物ではないという、確証を得たコナンではあったが未だに雑誌の全容を思い出せない自分と戦っていた。確かに、コナンの脳裏にはある雑誌に記載された『和製シャーロックホームズ』と称された杉下 右京という刑事がいたという事は記憶していたが、本当に先ほど会った彼は警察官なのか、何歳なのか、何処の部署の所属なのか、など雑誌に載っていた杉下 右京と先ほどの人物を結びつける証拠が今ひとつ欠けていたのだった。
「コナンくん?おーい、コナンくん!」
考えに浸っていたコナンを現実に引き戻したのは阿笠博士の声だった。コナンがハッとして辺りを見てみるとそこはフロアの一番端にあり店内の窓からは高層ビルが一望できるように改装された店、コナンらが目指していた洋菓子店の入り口にいつのまにか着いていたのだった。
「コナンくん、大丈夫ですか?暫く、周りの事なんて放ったらかしで何か考え込んでいたようですが?」
「おぉ!?もしかしてうな重のことか?」
「元太…。お前じゃないしそれはない」
約1名を除きコナンと一緒に来ていた光彦らも心配そうにコナンの顔色を伺っていた。コナンは大した事じゃないときっぱり言って、元太らに早く店に入って美味しいケーキを食べないかと、誘った。
「今回は、博士のへそくりのお陰ね?」
「ふふふ…。そうじゃ!皆、わしに感謝するのじゃ…痛い痛い!哀くん!何を…」
阿笠博士は自分のお陰でこの洋菓子店に行けると胸を張って語っていたが、脹脛を思いっきり抓り博士を睨んでいた灰原によって、その自論は押し込められた。コナン曰く、その時彼女の顔は般若のように不気味に笑っていたそうだった。
実際、阿笠博士は券が一枚しか無いのをいいことにコナンらが学校に行っている最中に一人で洋菓子店に行こうとしていたらしく、しかもその洋菓子店は灰原のお気に入りのお店であったことが災いして、彼女の逆鱗に触れてしまい怒りを宥めるためもあって渋々博士が自費で連れて来ていたのだった。
「わぁー!すっげぇ!ケーキがあんなに!」
「それにこのお店、とっても綺麗!博士、ありがとう!」
店内に案内されたコナンらは一番窓際の席へと案内された。その席からは東京湾が一望できるため光彦はそれに見入っていた。
このお店は新装開店ということでケーキやマフィンと言った洋菓子が食べ放題という特別プランを実施していた。席についておしぼりで手を拭くよう言われた後、元太は一目散にケーキが置かれているテーブルへと向かっていった。
「そんじゃ、わしも…」
「博士は、2個まで。自分の体を考えて」
阿笠博士は、灰原から数量限定だが食べるのを許可されていたのでケーキを取りに行っていた。コナンも未だに疑問を抱きつつもその疑問を押し込め、ロールケーキを取りに行った。
「美味しいわね。流石、ベルギー発の洋菓子店ね。巷の洋菓子店とは違う味で、結構いけるわね」
チョコのショートケーキを味見するようにゆっくりと食べていた灰原は、早くも満足げに笑みを浮かべていた。一番最初にケーキやらを取り席に戻って来た元太は早くも次のケーキを取りに行っていた一方で、博士は数量制限のためにゆっくりと胃を満たすように食べていた。
この時、灰原が博士によく噛むようにメトロノームを持って来ており彼はメトロノームのテンポでゆっくりと噛むように強制されていた。
「まぁ、確かに普通の店よりは美味しいと思うぜ」
コナンも撮ってきていたフルーツ入りのロールケーキを頬張りながら感想を言った。博士には、申し訳ないがこの店に来て本当に正解だったとコナンは考えていた。
「う…うぅ…」
突如、博士が苦しみだしたのは先の会話から5分ほど経った後だった。博士は何の前触れもなく突然、喉元を抑えて苦しみだしたのだった。
「博士!?」
「しっかりしてください!?博士!」
コナンや光彦が心配そうに声をかけると阿笠博士はそのまま椅子から転げ落ちた。まだ博士は苦しいのか喉元を抑えて、唸っていた。コナンはハッとしてテーブルを見ると、周りで見ていた元太らに警告した。
「お前ら、絶対にケーキに触れるんじゃねぇぞ!?灰原、警察と消防に連絡だ!」
「え、えぇ」
灰原が自身のスマホから通報しようとすると他のテーブルでも同じように床に倒れる人が続出した。皆、喉元を抑えたり気を失っているのか動き1つしないなど症状は様々であったがコナンはこれが偶然の一貫性に片付けられないと考えていた。
状況確認のため、店を出たコナンが見たものは各フロアで次々に倒れている人々だった。最初は小さかった騒めきも次第に大きくなっていきモール内の人の動きも活発化した。
このショッピングモールで何かとんでも無いことが起きていると察知したコナンは知り合いの高木刑事に緊急連絡を入れた。
今回は、阿笠博士がチンさんと同じように犠牲になってちゃいました。
阿笠博士のファンの皆さん、すいません!
話は変わりますが、今日アベンジャーズ インフィニティーウォーを見てきて、とても衝撃を受けました