[未完]名探偵コナンX相棒 首都クライシス 探偵たちの最期の決断 作:npd writer
警視庁本庁舎 大会議室
『FBI 捜査官 ジェイ・ノリス氏殺害事件捜査本部』が置かれていた警視庁にある大会議室には内村 刑事部長や中園 参事官、黒田 捜査一課管理官、目暮 警部らが集まり、捜査本部に集められた各証拠を検証していた。
そこへコナンからの緊急連絡を受けた高木が慌てて入室してきたのは証拠の確認や防犯カメラの映像の分析結果を行なっていた時であった。
「た、大変です!東京都港区にあるショッピングモールで、多数の民間人が倒れているとの報告が入りました!」
「何!?本当か?それは!」
内村は驚いたように立ち上がり、驚愕の表情を浮かべていた。内村はジェイ・ノリス氏の殺害を『バーズ』に起こされたことで、警察庁からこれ以上の犯罪を許すな、と御達しが来ていたのにまた面倒ごとに巻き込まれたことに、自分の立ち位置が危うくなるのではないかと危惧していた。
「大規模食中毒の可能性もある。生活安全部にも協力要請をし、直ちに原因分析を判明させよ」
「「「はい!」」」
黒田の冷静な指示に集まっていた、高木や佐藤といった刑事らは一斉に動きだし、刑事部の鑑識課を中心に多くの捜査員が現場であるショッピングモールに向かった。
黒田は側にいた捜査員にある指示を出した。
「警察庁に連絡を。どうやら、この事件何か裏がある気がしてならないのだ…」
中央合同庁舎第二館 警察庁 長官室
「大規模食中毒事件?東京でそんな事が起きるなんてねぇ…」
ルームランナーに乗りながら、部下の報告を受けていたのは金子 文郎 警察庁長官であった。以前、田丸 警視総監と対立していた彼は『警視庁篭城事件及び小野田 警察庁長官官房室長殺害事件』で田丸 警視総監や内村 刑事部長らの更迭を目論んでいたが、小野田が死亡したことによりそれが暗礁に乗り上げ失敗していた。しかし、それで諦めるわけではなく密かに再び巡ってくるであろうチャンスを虎視眈眈と狙っていた。
「まだ詳細は不明ですが、多数の民間人が巻き込まれたとの情報が入っています」
長官室にはもう1人、男性がいた。その男性は甲斐 長官官房付きであった。甲斐は今でこそ長官官房付きであったが、かつての警察庁次長の際の権力は未だに絶大で、金子 長官とも親しい仲だった。
「まぁ、警視庁は都民の安全を守る事が第一だから、庁内の管轄で起きたことなんだから向こうでケリを付けさせなければならないと。何せ、警視庁こそ首都を守る組織らしいからねぇ」
金子 長官は、ルームランナーから降りて上着を着て髪を整えると肘掛け椅子に深々と座った。責任はあくまで警視庁内で取らせろ、その事を回りくどく彼は言ったのだった。かつての『警視庁篭城事件』でも同じ対応をとったように。
ショッピングモールの周辺には通報で駆けつけてきた警視庁の職員や、消防庁の救急車が集まり被害者の搬送を行なっていた。
被害者らは皆、識別のための名札を手首に付けて救急車を待つ列に並んでいた。その中には右京に抱えられたチンや救急隊員に抱えられた阿笠博士もいた。
救急車にチンを運んだ右京は、阿笠博士を運ぶ様子を見ていた子供たちを偶々目撃した。
「君たち、大丈夫ですか?」
「う、うん。あなたは?どうして僕たちを?」
「あー、これは失礼。先ほど君たちを見かけた時、保護者と思われたのは白髪の男性のみと思いましてね。そしてその男性は先ほど救急車で病院に運ばれており今、君たちは保護者がいないためどうやって帰るのか、気になりましてね」
元太らは突然話しかけてきたスーツ姿の男性に驚いていたが、先ほど元太がぶつかってしまった男性の連れである事をコナンは気付いていた。
「おじさん、誰?」
「これは失礼。私は警視庁特命係の杉下と申します」
英国風のスーツを着た男性は警察手帳を子供たちを見せた。その警察手帳を見たコナンは、ここに来てようやくあの雑誌に載っていた刑事と目の前にいるスーツ姿の男性が一致した。
(そうか…。この人が、和製シャーロックホームズと呼ばれた杉下右京 警部か…。こんな所で会うなんて…)
右京は子供たちを一瞥すると、自らの車に乗るのに勧めた。
「君たちの保護者は、今病院ですか?」
「うん。そうだよ」
「ならば被害者が搬送された病院に行きましょう。君たちもあの男性の様子が気になるでしょうからねぇ」
警察庁長官は金子 長官のままです。
一様、オリジナル登場人物にしようとも思いましたが、一番印象深かった宇津井健さんが演じる金子 文郎警察庁長官にそのまま続投しました。