夢日記 作:どりーまー
4/26
また夢を忘れた。
寝起きの数分後に思考を開始し、必死に記憶に止めようとするが、意識が覚醒するにつれて薄れて行く。
記憶の底に手を伸ばしても届かない。それでも何かがあった事だけを覚えていて、筆舌し難い気持ち悪さに襲われる。自分の記憶を自分で探れない、そんな感覚。
私は諦めた。だから今日はこんな文章を書いている。
明日も私は夢を見るだろう。その夢が手から零れ落ちない事を願い、外へ出た。気温、天気共に素晴らしい環境に、違和感は押し流された気がした。
4/27
階段を下りている。何かに急かされるような、何かに追い立てられるような脅迫感に襲われながら、一段飛ばしで薄いベージュの階段を駆け下りている。
私はこの階段を知っている。小学校の階段だ。
私はこの階段がとても嫌いだった。いや、そもそも小学校という環境自体に合っていなかったと言うべきか。兎に角嫌悪感の塊であった。おそらく親に強制的に通わせられなければ、心は折れて学校を放棄していただろう。
しかし、幸か不幸か通い続ける事が出来てしまった。故に、ただの嫌悪感の塊のまま獄中の六年間を過ごした。
親を恨んでいるかと問われれば、一拍の間を空ける事もなく肯定を返すだろう。弾圧と悪意を日々受け続けるあの感覚は、時間で風化する事はない。過去に変容しても私を苦しめている。
だからこそ、私はこの階段を駆け下りている。うまく思考はできないが、しかし逆説的に、自分の根幹の部分だけは理解出来ている。
後ろから追ってくるのは、責め立てて来るのは、自分に向く悪意の目。意味もなく駆け下りるのではない。私はそれからの逃避のためだけに、ひたすらに階段を駆け下りる。
終わりの無い、無限に続く階段を下り続ける事に何の躊躇いもなかった。この無限降下する階段がいつか終わると知っていた。
階段から踊り場へ、纏めて五段飛ばして下りる。空中に身を踊らせ、慣性系の世界で重力に引かれて放物線を描く。
着地するが、足の裏から衝撃が伝わらない。違和感を覚えた。
そして、これが夢だと気付いた瞬間。
目が覚めた。
4/28
完徹という言葉をご存知だろうか。
完全徹夜の略語、まぁそもそも完全徹夜と言う言葉に違和感があるだろうが、俗語としては成立している。詰まる所、寝ずに夜を跨ぎ
なんにせよ私は完徹をし、夢見る眠りは行わず、一夜を越したと言うことになる。睡眠と言う休息の欠落した、思考の半壊した脳は物書きには向かない。
だからこの日はこれで筆を収める。
なお予定では、今夜もまた私は完徹する。
次に夢を覚えているのはいつになる事かと我ながら不安です。
夢の内容を書きたいです。切実に。