主人公「・・ココは・・・・」
主人公が目を覚ましたすとそこは暗闇の中だった。周囲を見回すが光が一切なく、自分の姿を確認できるくらいで後は全て暗闇の中だった。
主人公「どこなんだココは?俺は確かゲームをやってたはずだけど・・・・」
部屋でゲームを起動した所までは覚えていたが、何故かその後の記憶がスッポリと抜けて思い出せなかった。
主人公「う~ん・・・。まあ、ココは二次小説のお約束として、周囲を探検してみるとするか!」
自分が何でこんな場所に放りこまれているのか分からなかったが、考えてもしょうがなかったので、とりあえず暗闇の中を探検することにした。
コツッ コツッ コツッ
暗闇の中は静かで自分の歩くだけが暗闇の向こうまで響く。本当に何もない所だなと思って歩いて行くと・・・・・・
『タスケテ』
主人公「ん?」
一瞬、女の子の声が聞こえたので後ろを振り返ってみるが、誰もいなかった。
主人公「あれ?女の子の声が聞こえた気がしたんだけど・・・・」
気のせいかな?と思いながら歩きを再開させて前を振り向くと・・・・・
ガン!
主人公「あだ!?」
いつの間にか現れた鉄製のドアに頭からぶち当たってしまった。
主人公「痛った~!・・・なんでこんな所にドアがあるんだよ!?さっきまではなかったのに・・・・」
強くぶつかって赤くなってジンジンと痛む額を押さえながら、突然現れたドアを憎々しげと睨みつけた。
主人公「ココにドアがあるってことは、どっかに繋がってるのか?」
ドアノブを回して引っ張って見ると、ギギギギッと軋む音を立てながら開いていった。そして、中を覗いてみると、そこは別の空間に繋がっていた。
主人公「ここは・・・ずいぶんと古そうだけど、遺跡か何かかな?」
中に入って見ると四つの松明が四方に置かれており、下の階に続いている階段があった。
バタン
主人公「あ!?」
開けっ放しのドアが勝手に閉まり、透明になって消えてしまった。
主人公「消えちゃったよ。奥に行けってことなのかな?」
一応周囲を警戒しながら長い階段を下りて通路を進んで行く。特に何か危険な生物とか罠に遭遇しなかったが、時に道を間違えて行き止まりだったり、天井が崩れて通路が塞がって通れなかったりして道に迷っていたが、やがて謁見の間らしき場所に出た。
主人公「一番奥みたいだけど、何にもないな」
あるとすれば玉座と後ろの壁に刻まれている壁画だけだった。
主人公「それにしても、なんか目玉みたいで気持ち悪いな・・・・・」
中央に大きな目玉の形をした絵があり、その左右には小さな翼が彫られているという悪趣味すぎる壁画であった。
ゴゴゴゴゴゴ!
主人公「うお!?」
眺めていると突然、壁画が音を立てながら地面に沈んでいき奥に続いている通路が現れた。
主人公「今度は隠し扉か?本当に俺をどこに連れていこうとしてるんだ?」
『オクニキテ』
主人公「また聞こえた・・・おーい、誰かいるのかー!」
暗闇の中で聞えた幻聴がまた聞こえたので辺りをキョロキョロ見渡してみたり声を上げたが、主人公以外の人はいなかった。だが、少なくとも気のせいではないことが分かった。
主人公「本当にどうなってるんだ?遺跡に謎の女の子の声・・・・・いったいこの場所に何があるんだ?」
俺を何所に連れて行くんだ?と思いながら隠し通路の中に入り、途中から地下深くまで続いている長い階段を降りていき、降り切ったらまた長い洞窟の通路が・・・・・・
主人公「だー!いつまで続いてるんだこの道は!?ココを作った責任者出てこい!!」
いつまで経っても最深部にたどり着けないことにイライラして文句を言う。だが、奥に進むにつれて『女の子の声』が徐々に大きく聞こえてくる。しかも、分かれ道でどっちに行こうか迷っていたら『ミギダヨ』と親切に教えてくれるので、導かれるまま進んで行くと・・・・・・
主人公「あ・・・」
長い洞窟の道を抜けると、かなり広い場所にたどり着いた。地下水脈から地下水が溢れ出し湖になっており、その奥には祭壇らしき物が建てられていた。しかも、謁見の間で見た目玉模様のオマケつきで・・・・・
主人公「こんな地下深くに神殿なんか建てて何があるんだ?」
橋を渡り近くまで近寄ってみると・・・・・・・・
主人公「なんだコレ?」
そこで主人公が見た物は、祭壇に人が一人が入れるような大きさのガラス玉のような球体が置かれており、その中に十歳前後の女の子が入っていた。
主人公「女の子?眠ってるのか?」
液体が入っている球体の中でユラユラと漂っている金髪の女の子は、穏やかそうに眠っているような感じだった。
『キテクレタ』
眠っている女の子を見ていると、また『声』が聞こえた。来てくれたってことはこの子が俺を呼んだのか?いったいなんの為に・・・・・
『オネガイ、アノヒトタチヲ・・・・』
あの人たち?いったい誰のことを・・・・・
その時、俺の頭の中に映像と音声が流れこんできた。その映像は四人の男女が遺跡の中に入ってくる所だった。
主人公「これは・・・この子の記憶なのか?」
そう思っていると走っていた四人が急に止まった。
???「どうだ、ティオ?」
栗色の髪をした少年は猫耳?をした蒼色の髪をした少女に話しを掛けていた。ティオと呼ばれる少女は目を瞑り何かを感じとっているようだった。
ティオ「悪い予感が的中です・・・・。時・空・幻の上位三属性が働いています。」
ばつが悪いように報告すると、それを聞いたもう一人の青灰色の髪をした少女は溜息を吐いていた。
???「そう、やっぱり・・・・・・」
???「って事は、あの得体の知れない化け物どもが徘徊してるってことか。」
最後に赤毛の青年がいう言葉に俺はゾッとした。もしあの時、女の子の声に逆らって別の道に進んでたら化け物に遭遇していたかもしない。俺はとても危険な場所を歩いていたことを自覚した。
少年「そうか・・・分かった。当然、敵による待ち伏せもあるはずだ・・・・」
少年達は何の目的で遺跡に入ったのかは分からないが、それぞれの瞳には固い決意が宿っていた。
少年「みんな、気を引き締めて行こう!」
少女「ええ!」
ティオ「はい・・・!」
青年「おおっ!」
少年の呼び掛けに応じて全員が応じて遺跡の奥に駆け出した。そこで次の映像に切り替わり、それを見た瞬間俺は絶句した・・・・・
主人公「な、なんだよコレ・・・」
先ほどの映像に映っていた四人組が無残に死んでいたのだ。少年は血溜まりの中うつ伏せに倒れており、ティオと靑灰色の少女は重なり合うように倒れていて、赤毛の青年は槍みたいな武器を支えにしてたち上がろうとしていたみたいだが、途中で力が尽きたみたいに座り込んで絶命していた。
主人公「いったいどうなってるんだ!?お前は、この映像を俺に見せて何をさせようとしてるんだ!!」
『・・オネガイ・・・』
初対面の俺に何をお願いしようとしているのか分からなかった。ただ・・・・
『アノヒトタチヲ』
女の子の声はとても・・・・・
『タスケテ』
悲しみに満ち溢れる声だった
②
ガラガラガラ・・・・・
主人公「・・ん・・・」
体がガタゴトと揺れている感覚にゆっくりと覚醒して重い瞼を開いていく。なんか夢を見てたような気がしたが思い出せない。
主人公「・・ここは?」
とりあえず上半身だけ起こして周囲を見回すと、俺は馬車の荷台の中で寝かされていたみたいで、周りには果物が入った木箱がいっぱい積まれていた。
???「目が覚めたか、若いの。」
主人公「え?」
声がした方に顔を向けると、御者台で馬の手綱を握っている80代くらいの御爺ちゃんが座っていた。
主人公「あ、あの、あなたは・・・・?」
???「儂はガルザスだ。リーベル王国のあちこちで商売をしている唯の何でも屋じゃよ。」
リーベル王国?どこかで聞いたことがあるような・・・・・・
ガルザス「道端で大怪我をして倒れておるお主を見つけた時は驚いた。」
主人公「怪我・・?」
自分の体を見ると体中に包帯が巻かれており、ところどころに血が滲んでいた。
ガルザス「体中のあちこちに擦り傷や打撲があったが、胸に付けられた傷が一番深手だったわい。」
主人公「胸に傷・・・・」
包帯が巻かれている所を触ってみると、微かにだが痛みがあった。
悪魔『ハアァァァァァ・・・・・』
主人公「っ!?」
思い出した。悪魔に遭遇して逃げ出そうとしたら、褐色の女性に変な薬を飲まれたんだ。それで、自分の体があの化け物と同じになって・・・・・
主人公(そうだ、俺の体っ!?)
慌てて体をペタペタと触って確かめてみたが、自分の体は深い藍色をした異形の化け物ではなく、変わる前の人間の姿に戻っていた。
主人公(戻ってる・・・・?)
元の自分の姿に内心ホッとしたが、同時に疑問が浮かび上がってきた。
あの惨劇からどうやって生き延びたんだろうか?
あの悪魔は一体何だったんだろう?
俺の体はどうなったんだ?と考えれば考えるだけ疑問が溢れるように出てくるが、今は生き延びたことを素直に喜ぼう。
ガルザス「所でお前さんの名前は何て言うんだ?」
主人公「あ、はい。俺の名前は・・・・・・」
ガルザスさんに名前を聞かれたので答えようと思ったが、自分の名前がどうしても思い出せなかった。
主人公「分かりません・・・・・」
ガルザス「分からないじゃと?」
主人公「はい。自分のことがまったく分からないんです・・・・・・」
憶えているのは雨が降った森の中で悪魔に会った事だけで、それ以前の記憶は一切思い出す事が出来なかった。主人公の言葉を聞いたバルザスは顎に生やしている白い髭を撫でながら「ふむっ」と考えている様子だったが、次にバルザスさんが言った言葉に自分の耳を疑ってしまった。
ガルザス「行く当てがないなら、儂の養子になって見る気はないかの?」
主人公「は?」
その日から俺はカルザスさんの息子になった。