ネギドラ!~龍玉輝く異世界へ~   作:カゲシン

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第44話 選手入場!予選開始、波乱の予感

「そーいや悟飯、今の今まで聞きそびれとったんやけど、なんで今日はいつもと違う道着なん?」

 

 天下一大武道会、その開幕及び予選開始の時は近い

 

 殆どの選手は控え室に集まっており、悟飯達もその例外ではなかった

 

 夕映やのどかとの再会後、その場にいた大会参加組は揃って移動

 

 二百を越える参加者を収めるため控え室は二室に分けられており、彼らが入ったのは第二控え室

 

 周りでは他の選手が試合に備え着替えていたり、スクワットで身体を温めていたり、中には瞑想に入る者までいたり

 

 一方で悟飯達は始めから試合用の格好で会場まで来たため、特に着替える必要は無し

 

 控え室でやることといえば精々、時間が来るまで備え付きのドリンクサーバーで喉を潤すか雑談するかくらい

 

 オレンジジュースを片手に、コタローは思い出したように悟飯へ今着ている道着について尋ねていた

 

「あれ、まだ話してなかったっけ」

 

 二週間前の邂逅から昨日までの間、悟飯は修行中一貫して同じ服装をしていた

 

 上下紫の道着、補足すれば上はノースリーブで帯は青

 

 彼の師匠であるピッコロと同じ服で、遡れば五歳くらいから同じタイプのものを使い続けているらしい

 

 しかし今回はそれとは大きく異なり、上下オレンジ色に紺のアンダーシャツだ

 

「これは僕のお父さんがいつも着ていた、亀仙流っていう流派の道着でね」

 

「あー、そういや前に写真で見たな」

 

 初見ではなくどこか覚えがあった道着だったのだが、悟飯に言われコタローは前に悟飯宅で見た写真のことを思い出した

 

「この大会の元になったのが天下一武道会っていう大会で、お父さんは何度も出場して腕を磨いていったらしいんだ。僕が生まれる前の話だけどね」

 

 もし生きていれば、この大会にも出たがったに違いない

 

 ならば父の分まで自分が目一杯戦おう、自分も父のように大会を通して腕を磨こう

 

 悟飯が今着ている亀仙流の道着は、そんな自身の意志を形にしたものだった

 

「まあ、俺も悟飯の本気が見れるんは楽しみやわ。ピッコロさん、ないしは……」

 

 コタローが視線の向きを変え、談笑する二人を見る

 

 一人はネギ、そしてもう一人は悟飯の本気を引き出せるであろう戦士

 

「あのトランクスさん相手なら見せてくれるんやろ?悟飯の本気」

 

 今日まで片鱗すら殆ど見せなかった悟飯の全力、来訪初日の襲撃からやはりコタローは興味を持ち続けていた

 

 トランクスが悟飯やピッコロに並ぶ実力者だということは、過去に悟飯から聞いた話で知っており、なおかつ先程対面した時も内に秘めた力を肌で感じ取っている

 

 無論自分が悟飯と戦うことを諦めたわけではないが、大会中ぶつかり合ってもおかしくない両者の勝負にはコタローも期待していた

 

 さてそのトランクスであるが、先述の通りネギとの会話の最中である

 

 初めはのどか達についての話で、これはのどかや夕映との再会から移動までの時間があまりなく互いの現状についてあまり話し込めなかったため

 

 といってもトランクスがのどかやハルナらと生活を共にしたのは一週間にも満たない、これについては軽く話すだけで終了

 

 むしろ本題はこの次で、超と同様に彼が経験している時間渡航について

 

「うーん、確かに移動先の座標がズレて目的地と違う場所に着くことはありえないわけじゃないけど……ネギ君達のようなケースは僕も経験がないし、何より方法も全然違うからね」

 

「そうですか……すみませんトランクスさん、突然こんなことを聞いたりして」

 

「気にしなくていいよ。『魔法による時間渡航』については僕も、母さんやのどかちゃんから話を聞いて興味があったんだ」

 

 ドラゴンボールを使えば元の世界へ帰れると悟飯から言われはしたが、なら良かったで済ます程ネギは単純ではない

 

 今回起きた異世界転移という大騒動、原因そのものはまだ詳しくは分からないまま

 

 超との合流の目処が立っていない現在、ネギとしては自分で可能なだけ情報を集めておきたかった

 

 成果は決して多くなかった、とはいえこの世界の者から話を聞けたのは収穫に違いない

 

 ネギは既に、間もなく行われる大会予選へ向け気持ちを切り替えていた

 

『皆様、長らくお待たせいたしました。只今より天下一大武道会を開始いたします!』

 

 控え室含め、会場全体に放送が流れたのはその直後のことであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいヤムチャ、もうすぐ予選だぞ。荷物くらい片付けたらどうだ」

 

「……ああ」

 

 場所は移り第二控え室、残りの男性選手は既に集結済み

 

 トランクスより先に受付を済ませていたヤムチャ、他にクリリンや天津飯、餃子が予選の開始をそこで待っているところだ

 

 各控え室には巨大モニターが設置され、会場内の様子を見ることが出来る

 

 現在は開会式の最中で、予選開始までもうじきといったところか

 

「しかし天津飯だけじゃなく餃子まで出るなんてな……ってあの、ヤムチャさん、ホントどうしたんすか一体」

 

 天津飯、餃子、それにクリリンは準備万端

 

 ただ唯一ヤムチャだけが、三人の誰が見ても分かるほどやる気のなさを露わにしている

 

 それは十数分前に三人のいるこの控え室に入ってきてからずっとで、理由を聞いても

 

「……予選が始まりゃ分かるよ」

 

 こうしか答えない

 

 クリリンは追求を諦め、開会式を映すモニターへ目をやった

 

 そろそろ終わったかなと思って見てみると、さっきまで挨拶をしていたスポンサーのマネー氏の姿が見えなくなっている

 

『それでは、出場選手の皆様に今大会の予選について説明いたします』

 

 そして次の瞬間画面が切り替わり、青色をバックに白い数字が無数に並ぶ映像が映し出された

 

 また、音声も切り替わったようで控え室内に限定して男性のアナウンスも流れ始める

 

「ん?何だこれ」

 

『予選は八つのグループに分かれてのバトルロイヤル形式。八つのバトルステージでそれぞれ最後まで勝ち残った選手のみが、準決勝戦へと進むことができます』

 

「天さん、この数字……」

 

「ああ、どうやらそのようだな」

 

『各バトルステージへの振り分けは、モニターに表示された通りです。受付時にお渡ししたカードの番号を確認し、係員の誘導に従って移動してください』

 

 モニターの数字はよく見ると、白線で八分割された四角形の中に同じように収まっていた

 

 各上部にはA~Hの文字があてがわれ、アナウンスの言う通りバトルステージの振り分けが表示されているというわけだ

 

(俺は4番だから……ステージCか。天津飯達は1番から3番、古は5番で……お、みんなバラバラに別れたな)

 

「ヤムチャ、お前は何番だったんだ?」

 

「……102番」

 

(ヤムチャさんも違う、これで予選での潰し合いはなくなったか)

 

 毎度毎度上手くバラけるな、とクリリンはかつての天下一武道会のことを思い出していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ルールは天下一武道会に準じ、武器の使用・急所攻撃は反則です。もちろん、相手を殺してもいけません。また、ステージから海へ落ちるか気絶、もしくは本人のギブアップをもって失格といたします』

 

「あ、良かったー。天津飯さん達とは被ってないわね」

 

「楓達はどたたアルか?」

 

「拙者はステージEで刹那殿はH、古やアスナ殿とは別でござるよ。ただ……」

 

 予選で自分の身内と当たるか否か

 

 やはり他の者も気になるようで、アスナ達のいる控え室でも番号を教えつつの照らし合わせが行われていた

 

「おーほっほ!思いのほか実現は早かったようですわね!」

 

「げっ、いいんちょまさか……」

 

(……流石に、全員バラバラとはいかないか)

 

 一番積極的に他に訊いていたのが古、楓はそれに答えるが直後に横であやかの高笑い

 

 アスナは顔をこわばらせ、刹那は神妙な面持ちでモニターを眺めていた

 

 誘導のための女性係員が入室してきたのは、このすぐ後である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまんな、遅くなった」

 

「あ、ピッコロさんや!」

 

「予選のグループ分けが発表されて、今から移動するところです」

 

「僕がA、コタロー君がBにネギ君がG、ピッコロさんは――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それでは、今回出場する選手達の登場です』

 

 開会式が終了し、数分が経過

 

 屋外の観客席はついに完全に埋まり、そこに座る観客達は会場内に絶え間なく声を響かせる

 

 予選の開始を待ちわびる一同へ、それが秒読みで迫っていることをアナウンスによって告げられた

 

 小さな島内に作られた会場ということもあり、予選のバトルステージは主に柱状となって海上にそびえ立っている

 

 そこの中央からスライドして床が大きく開き、ぞれぞれ下から数十名の選手達が内部のリフトによって上がってきた

 

「えっと、ネギ先生は……」

 

「あ、おったで!」

 

 どの選手がどのステージに振り分けられたのか、観客達には知らされていない

 

 ネギは何処かと探すのどかの横で、先に発見した木乃香が指をさした

 

 ネギと別れた後にのどか達は木乃香と合流しており、木乃香と同行していたチチやカモも同じく

 

 カモは木乃香の肩に乗り、チチはブルマの隣に座っている

 

「悟飯ちゃーん!頑張るだぞー!」

 

「んーと、トランクスは……あ、いたいた!」

 

「えっ、どこです?」

 

 ブルマはトランクスの場所をほどなくして見つけ、ハルナに対して指し示す

 

「ほら、あそこよ。あとついでだけどヤムチャも見つけたわ、その一つ隣のところね」

 

 どれどれとハルナもそこへ視線を向けた

 

 一番の応援はもちろんブルマ同様トランクスだが、ベジータの件はともかく相当の交流があった以上ヤムチャもやはり気になっていたようだ

 

「あ、ホントだ。うわー、ヤムチャさん全然やる気無さそ……あっ!」

 

 間もなく始まるというのに、背を丸めたままで顔も上げようとしない

 

 おそらくチチのようにエールを送っても、気付かずにスルーしてしまうだろう

 

 こんな遠目から見ても分かる彼の落胆っぷりを確認すると、ハルナは周囲の他の選手達にも目をやり始めた

 

 トランクスとは別になったようだが、もしやネギ達の誰かと当たってしまったんじゃないか

 

 そんな予感がしていたようだが、的中

 

 ヤムチャのやや後方に立っていたのは、間違いなくハルナの知る人物

 

「ありゃりゃりゃ、こりゃくじ運悪かっ……」

 

「ハ、ハルナ……」

 

「のどか?どしたの?」

 

「トランクスさんの、ところ……あれって」

 

「……ええええっ!?」

 

 発覚した自身の知り合い同士の組み合わせ

 

 加えてのどかの指摘により、もう一組

 

 更に……

 

『では、予選開始ーーーー!』

 




 結局遅れました。
 次回から戦闘描写入れて文字数が増えるため、さらにペースが遅れそうです。
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