ネギドラ!~龍玉輝く異世界へ~   作:カゲシン

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67話のサブタイの誤字(×真→〇新)を一月にわたって放置、お恥ずかしい


第68話 援護だヤムチャ! 躍れ、特大の繰気弾 

「な、何?何なのよこれ……」

「アスナさん!古菲さん!」

「おお!ユエ、来たアルか!」

 

 大地が、震えていた

 原因が何か、それは地下の様子を映し出すモニターによって分かっている

 しかしアスナは、ひどく動揺していた

 天津飯は言った、『そう易々と殺されるつもりはない』と

 その答えが、これだというのか

 

 すると、古菲と共に地上に残った彼女達のもとに、夕映が姿を見せる

 

「集まった皆さんが二手に分かれたようでしたので、事情を伺おうと思いまして……アスナさん?」

 

 自身が戦いに赴ける戦力でないという自覚があってか、初めの集合の時には向かわなかった夕映

 しかし地上にアスナ達が残ったこともあり、あの場で何が話し合われたか聞こうとやって来たのだ

 

「天津飯さん、私との修行ではあんな技一回も……」

「……あれは楓さんとの試合でも見せなかった、天津飯さんの一番の技ですからね」

「っ!夕映ちゃん、あれを知ってるの!?」

 

 そして肝心の目的を差し置いて、アスナに迫られる

 自分は知らず夕映は知っている、天津飯に限って言えばアスナは我慢ならなかった

 

「私もアックマンさんや占いババさんからの又聞きなので、どこまで正確かはわかりませんが……あの技は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!!!はっ!!!はっ!!!」

 

 新気功砲は、文字通り命を削る攻撃だ

 だからこそ、実力からして分不相応な自分でも彼らを止めることが出来る

 五人掛かりでは悟飯と言えど、数の力で窮地に追い込まれることは想像に難くない

 誰かが、買って出なければならなかった

 そして天津飯は、迷うことなくその役目を請け負った

 

「天さん!」

(餃子か、さっきはよくやったぞ……)

 

 上空で撃ち続ける天津飯に近付く、一人の男

 天津飯の新気功砲へ繋ぐ陽動という大役を果たした餃子が、攻撃の邪魔にならぬよう背後からゆっくりとやって来た

 超能力によるテレパシーを送りながら、天津飯の背中に手を当てる

 

(天さん、僕の気を少しでも足しに……)

(いや、気遣いはいらん。この後撤退する時に備えて、温存しておくんだ)

 

 ゆっくりと気が流れ込むのを感じたが、天津飯はテレパシーを送り返しそれを止めさせる

 気功砲一発に用いられるエネルギーは、クリリンやヤムチャが放つかめはめ波一発の比ではない

 天津飯より力の劣る餃子の全エネルギーが与えられたとして、それが果たして気功砲何発分になろうか

 それよりも有意義な使い道がある、それに使うんだと、天津飯は餃子を諭した

 

「はっ!!!はっ!!!」

(天さん……分かった。けど、せめて天さんの傍にいさせて。天さんが力を使い果たした時は、僕が天さんを抱えて逃げる!)

(ああ、頼んだ。それに例え気を貰わずとも、お前が傍にいてくれるだけで俺の力になる!)

 

 未来の我が身を餃子に託す一方、三つ目は全て眼下の銀河戦士達を捉え続けていた

 一人でも取り逃がしてしまえば、作戦は破綻する

 一年前のあの時以上に、一発一発に神経を集中

 両手の五指で形作った菱形に気を瞬時に込め、その中に収まる敵四人目掛けて新気功砲を途切れることなく放った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、二人とも大したダメージは無さそうだな。じき、目を覚ますだろう」

「良かった……」

「しっかし、四人まとめて引き受ける言うてたからどんな攻撃するんかと思ったら……なんちゅう威力や」

 

 その様子を、ヤムチャ達三人は初めいた場所から少し離れつつ見ていた

 離れたのは新気功砲の余波を食らわないようにしているからで、舞空術で浮上もして広範囲を見渡している

 並行してトランクスと楓の容態も診て、大事には至っていないと判断する

 

「けど気の消耗が、普通の気功波を撃つのと比べて尋常じゃないよ。あれだと何発撃てるか……」

「だからこそ、俺達があいつを目いっぱい援護してやらなきゃいけな……っ!」

 

 コタローは威力、ネギは気の消耗にそれぞれ驚愕していたが、それに時間を奪われている場合ではない

 三人の中で一番に注視していたヤムチャが、何かに気付いたようだ

 抱えていたトランクスを、コタローに託す

 

「コタロー、トランクスを頼む」

「え?どないしたんや、ヤムチャさん」

「天津飯の新気功砲から、抜け出しそうな奴がいる」

「「え!?」」

 

 考えれば、無理もない話だ

 新気功砲による押さえ込みは、その場で完全に動きを止められるわけではない

 一発一発の間に僅かだが動くことは出来、しかもそれが四人

 相手が一人なら次発の狙いを移動先に合わせれば済むが、全員がバラバラに動けばそうはいかない

 

「ほ、ほんとや!アカンてこれは!」

「そのために俺達がいるのさ、外から攻撃して奴らを天津飯の攻撃範囲内に戻す!」

 

 両手が空いたヤムチャは、左手で反対の手首を握りながら右手に気を込め始める

 しかしすぐには攻撃に移れておらず、その間にもボージャックの部下四人はじりじりと脱出を図っている

 

 そんなヤムチャに先んじて、ネギとコタローが攻撃を仕掛けた

 楓とトランクスをそれぞれ抱えているため、片手での攻撃

 

魔法の射手(サギタ・マギカ) 光の17矢(セリエス・ルーキス)!」

「空牙五連弾!」

 

 狙いの先は、こちら側の近くにいたビドー

 四人の中ではパワー型の戦士なのもあってか、あと僅かで脱出に手が届くかという位置取り

 新気功砲に抗うのが精いっぱいな今なら、当たりさえすれば普通以上に効くはず

 

 

 しかし二人の攻撃は、当たらなかった

 

 

「嘘っ!?」

「掻き消されたやて!?」

 

 そう、コタローの言う通り掻き消されたのだ

 新気功砲が周囲に発生させている衝撃は、尋常ではなかった

 並の気功波や攻撃魔法では、内側にいるビドー達へ届かない

 

「そんなんじゃ駄目だ二人とも。あいつらに当てるなら、このくらい……うおおおおおっっ!」

 

 その間に、ヤムチャがついに攻撃の準備を完了させる

 右掌に収束する、高密度の気

 並々ならぬそれに思わず視線を向けたネギとコタロー、バレーボールほどの大きさの気弾の出現をその目で捉えた

 

(なんやそれ!?そんなの、俺との試合じゃ一度も……)

「繰気弾!!」

 

 右腕を鞭のようにしならせ敵へ向けて振るい、繰気弾を一直線に飛ばす

 途中で衝撃が襲い掛かるが、多少弾道はぶれつつも進行は止まらない

 突き出されたヤムチャの人差し指と中指、二指の向く先のビドーへと猛進

 

「ぐあっ!?」

 

 ビドーの脇腹に当たり、押し戻す

 ダメージは殆ど無い、押し戻しただけ

 だが、それでいい

 

「はっ!!!」

「ぐおおおおおっ!」

 

 横からの繰気弾へ新たに注意が向いた所へ、再び上からの新気功砲

 初撃で空いた大穴の奥へ、もう一度ビドーは叩き込まれた

 

「おおっ!」

「やったで!」

「まだだ!はああああいっ!」

 

 ネギとコタローは歓喜の声を上げるが、まだ終わっていなかった

 手元に戻していた右腕を、改めてヤムチャは前方へ振るう

 

 繰気弾は、まだ生きていた

 操作性に優れたこの技は、ビドーを押し戻したのちギリギリで新気功砲の攻撃範囲外へ脱出

 他の敵三人に狙いを定め直し、再び飛んだ

 

 いつも以上の精密な操作、ヤムチャの消耗は激しい

 しかし集中は決して切らさない、覚悟が顔に明確に表れていた

 

(分かってるさ、普通ならあいつらに俺の攻撃はここまで効かないってことくらい。天津飯がああして攻撃してくれてるからだ。俺がそれに応えられないで、どうする!)

 

 続いてゴクアに繰気弾が命中、押し戻したのちすぐさま戻す

 直前まで繰気弾があった場所に新気功砲が降り注ぐ、これまたギリギリの動き

 

「もう、一発!」

 

 鬼気迫る表情のまま、三度腕を振るう

 

「コタロー君、僕達も!」

「ああ!」

 

 ネギ達もそれに続かんと、先程より魔力や気を入念に込めた攻撃の準備に入る

 繰気弾の操作に集中せねばならずその様子を直接は見れないが、ヤムチャは僅かに笑みを浮かべた

 

(いいぞ、これならこいつらをもう暫く足止め出来るかもしれん。だから悟飯、なんとしてもその間に……頼む!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ちっ、あいつら……四人揃って雑魚を相手に、随分手間取ってやがるじゃねえか)

 

 悟飯とボージャックの戦いは、場所を大きく移していた

 再び天津飯へ攻撃されることを危惧した悟飯が、序盤にダメージ度外視でとにかく遠くへと押しやったのだ

 少なくともここまで来れば、戦いながら片手間に天津飯を狙って気弾を撃つのは難しい

 超サイヤ人の変身は既に完了させた悟飯による連撃、それがボージャックへと襲い掛かる

 

「だだだだああぁっ!」

 

 咄嗟の足止めで放った通常形態での攻撃とは比べるべくもない

 左足を軸にしての、右足での蹴り攻撃

 鍛えられた体幹は軸足を微塵もぶれさせず、何発放とうとも乱れがない

 

「ぐっ……」

 

 対してボージャックは両腕を前方に構え防御態勢、顔や身体には蹴りを届かせない

 しかし一発一発が腕を、そして腕を伝って全身を痺れさせる

 地を踏みしめていた両足が、僅かに下がった

 

(今だっ!)

 

 そこを好機と見た悟飯は更に攻め立てた

 右足を勢いよく下ろして地につけ、新たな軸足に

 そして左膝を飛ばし、突き刺す

 一点集中のこの攻撃はボージャックの防御を掻いくぐり、懐に潜り込んでの一撃をついに決めた

 

「ぬっぐぅあっ!」

「かめはめ……波ぁっ!」

 

 ぶっ飛ばされたボージャックは、石造りの建物にその身を飛び込ませる

 飛び散る瓦礫や粉塵のせいで、姿をすぐさま目にすることは叶わない

 しかし好機には違いないと悟飯は判断を下す、とにかく今は時間がなかった

 これで決めんとばかりに、その建物目掛け悟飯は特大のかめはめ波を放つ

 

「どう、だっ!」

 

 建物を丸ごと飲み込んだかめはめ波、威力は相当のものと自負している

 倒せたか、そうでなくても深手を負わせたか

 かめはめ波を放ったその先を、悟飯は注視する

 

 

 

 

 

 そんな悟飯の真横から、さっきのお返しとばかりに気弾が一発叩き込まれた

 

「!?」

「おいおい、どうした小僧」

 

 飛んできた方を見やると、やはりいた

 悟飯の腕を掴んで動きを封じ、不敵な笑みを見せる彼がいた

 

「随分と、焦った真似するじゃねえかよ!」

「ぐあああああっ!」

 

 これまで与えてきた攻撃を、この一撃で全て返される

 ボージャックの右拳は悟飯の腹を抉り、突き出した勢いそのままに殴り抜いた

 

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