「状況は?」
真紅の軍服をシャツの上から肩掛けにした少女は、艦橋に入るなりそういった
「司令」
艦長席の隣に控えていた男が、まるで軍の教本にかいてあるかのような綺麗な敬礼をする、司令と呼ばれた少女は一瞥だけして、男の脛をつま先で蹴った
「おうっ!」
「挨拶はいいから、状況の説明をしなさい」
苦悶というよりは恍惚とした表情を浮かべる男に言いながら、艦長席に腰掛ける
「はっ、精霊出現と同時に攻撃が開始されました」
「AST?」
「そのようですね」
ASTーーー対精霊部隊(アンチ・スピリッツ・チーム)、精霊を狩り精霊を捕らえ精霊を殺すためだけに機械の鎧をまとった、人間以上怪物未満の現代の魔術師たち、とはいえーー
超人レベルでは、精霊に太刀打ちできないのが現状だった
「----確認されているのは10名。現在追撃、交戦しています」
「映像出して」
司令が言うと、艦橋の大型モニターに、リアルタイム映像が映し出される、繁華街から通りを2つ位隔てた道路の上には奇妙な光景が見えた、道路の上には2人の男女がいた、そして空にはASTがいた、そしてASTがミサイルを発射したその瞬間、男の方の腰のあたりから異様なものが出てきた、そしてミサイルを片っ端から落としていった
「な、何あれ」
しばらくその攻防戦が続き、ついにミサイルが地面に着弾した、が、男女の姿は消えていた
「精霊、消滅(ロスト)しました」
「さっきの男はどこにいったの?」
「不明ですがおそらくこの近くにいるかと」
「探し出して。そして見つけたら回収して」
士道「はあああ、なんだったんだあいつら、いきなり攻撃してきて」
士道は着弾と同時に裏路地に入り身を潜めていた
士道「そういえば、琴里はどこなんだーーーーーーは?」
士道が驚いたのも無理はない、今士道の体は空に上って行っているのだから
士道「なんだこれは」
士道が着いた先は空中に浮かんだ船のようなものの中だったのだ
???「おや、君は?」
士道「こっちが聞きたいですよ」
士道に話しかけてきたのは20代くらいの軍服を着た女性だった
令音「私はここで解析官をしている村雨令音だ、よろしく」
士道「は、はあ、俺は五河士道です」
令音「そうか、ではしんたろう何か聞きたいことはあるかね」
士道「色々聞きたいですが、まず俺の名前は士道ですよ」
令音「そうか、すまない」
士道「まずは、ここはどこですか?」
令音「ここはフラクシナスの艦内だ」
士道「フラクシナス?」
令音「ああ、まあ、詳しいことは、そうだなついてきてくれシン」
士道「は、はあ」
また名前を間違われたがもうどうでもいい、そこからしばらく歩いてたどり着いたのは、司令塔のようなところだった、そこに着く前に令音さん(名前で構わないといったので)がこけたということがあったがそれ以外は何もなくついた
令音「連れてきたよ」
???「ご苦労様です」
艦長席の隣に立った長身の男が、執事のような調子で軽く礼をする
神無月「初めまして、私はここの副館長、神無月恭平と申します、以後お見知りおきを」
士道「は、はあ」
士道は一瞬、令音がこの男に話しかけたのだと思った、だがーーー違う
神無月「司令、村雨解析官が戻りました」
神無月が声をかけると、こちらに背を向けていた艦長席が、低いうねりを上げながらゆっくりと回転した
???「--歓迎するわ、ようこそラタトスクへ」
士道「・・・琴里?」
司令と言われている少女は雰囲気などに違いはあれど、その少女は間違いなく士道の可愛い妹の五河琴里であった
琴里「で、さっそくだけど士道、あんたは何者よ」
士道「呼び捨てーーか」
琴里「早く答えなさい」
士道「はいはい、司令(笑)」
琴里「ぐぬぬぬぬぬ」
士道「俺は喰種だよ」
琴里「喰種?」
令音「喰種というと人間を捕食する者もことかね」
士道「そうです、まあ、俺は半喰種ですけどね」
令音「半喰種」
士道「だから別に人間を食べる必要はないんですけどね」
令音「なるほど」
琴里「え、えっと、つまり士道は人間じゃないのね」
士道「そういう認識で大丈夫だ」
令音「だが、何故シンは人間を食べなくてもいきれるのだろうか?」
士道「わかりませんが、まあ、別にいいかって思ってますからね」
令音「不思議だな」
士道「さて、俺の事は話したぞ、次は琴里の番だ」
琴里「----で、これが精霊って呼ばれてる怪物で、こっちがAST。陸自の対精霊部隊よ。厄介なのよね、で、次に行くけど」
士道「ちょっと待て」
琴里「何よ、せっかく司令直々に説明してあげてるのに、もっと光栄に咽び泣いて見せなさいよ、今なら特別に、足の裏くらいなめさせてあげるわよ?」
士道を見下すような視線を向けながら琴里が琴里らしからぬ暴言を吐いてくる
神無月「ほ・・・ッ、本当ですか!?」
神無月が何故か嬉しそうに声を上げた
琴里「あんたじゃない」
綺麗に鳩尾に肘鉄がきまる
神無月「ぎゃぉふッ・・・!」
うん、意味不明だ・・・おもに神無月さんが
士道「まず、ここはどこだ、そして何故俺をここに連れてきた」
琴里「まずはこっちの事を理解してもらわないとね・・・まず、精霊はこの世に本来存在していないわ、そしてこっちに来ると己の意志とは関係なく、あたり一帯を吹き飛ばしちゃうの」
両手を開き爆発を再現していた
士道「つまり、空間震は精霊が来る予兆だと」
琴里「あら、理解が早いわね、ご褒美に踏んであげるから四つん這いになりなさい」
士道「は?、冗談はいいから」
琴里「あら、冗談なんかじゃないわよ、だって士道踏まれると喜ぶじゃない」
士道「は?」
琴里「朝だって怒ってないじゃない、ということはうれしいんでしょ」
士道「・・・・・」バキッ
琴里「ほら、黙ちゃっ・・て・」
神無月「こ、これは」
令音「赫子だね、喰種の最大の武器だね」
士道「なあ、琴里、冗談だよな」ゴゴゴゴゴゴ
琴里「はい、ふざけてしまってすいません」
神無月「し、司令が」
士道「じゃあ、続きを話してもらおっか」
琴里「ま、まず、何で士道はこの警報の中外に居たのよバカなの?死ぬの?」
士道「それはお前のせいでもあるな」
琴里「どういうことよ?」
士道「この空中艦にいたなら納得だがGPSに引っかかってるからな」
琴里「つまり、私を探しに来たと」
士道「ああ」
琴里「どれだけ私をバカだと思ってるのかしら」
士道「まあ、俺の中には無垢なお前しかいなかったからな」
琴里「でも、盲点だったわ、まさかケータイの位置で調べられるとわね。不可視迷彩(インビジブル)と自動回避(アヴォイド)かけてたから油断してたわ」
士道「何言ってんだ」
琴里「ああ、気にしないで、そこまで士道に期待してないから、グラム当たりの値段でいったら毛蟹にまけるくらいの脳だものね」
士道「はあ」バキッ
令音「琴里、君は学習しないのか?」
琴里「え?」
令音「シンを怒らせるとどうなるか、さっき経験しただろ」
士道「なあ、琴里、死にたいならそういえばいいのに、俺がちゃんと殺して喰ってやるからさ」
琴里「そ、その、えっと」
士道「どうしたい?」
琴里「ご、ごめんなさい!」
士道「次言ったらどうなるかーーーーわかるよね」
琴里「は、はい」
士道「じゃあ、続きを話して」
琴里「ASTについて説明するわ、簡単に言ったら精霊を殺すための部隊ね」
士道「何故殺す必要があるんだ?」
琴里「簡単よ、危険だから」
士道「だからって殺さなくても」
琴里「ずいぶん精霊の肩を持つのね、もしかして惚れたの?」
士道「いや、ただな昔の俺に似てるんだよ」
琴里「・・・・」
士道「そうだ、精霊を助ける方法とかあるのか?」
琴里「助けたいの?精霊を」
士道「ああ」
あんな悲しそうな目をしてたんだほっとけるわけないだろ
琴里「そう、じゃあ、手伝ってあげる」
士道「ほう」
琴里「このラタトスク機関の総力を¥で士道をサポートしてあげる」
士道「だが何故手伝う、これは俺が決めたことだ、ここが手伝うメリットがないような気がするんだが」
琴里「ここわね、精霊を殺すための機関じゃないの、精霊を救う機関なの」
士道「そうなのか」
琴里「でね、精霊の対処法は2つあるの、1つはASTのやり方で精霊を殺すやり方、2つ目は精霊と対話して恋をさせることよ」
士道「恋を?何でだ」
琴里「武力以外で空間震を解決しようと思ったら、要は説得しかないのよ」
士道「そうだな」
琴里「そのためにはまず、精霊にこの世界を好きになってもらうのが手っ取り早いの」
士道「確かにな」
琴里「というわけで、精霊とデートして、デレさせなさい」
士道「はあ、それしか方法がないのなら俺はそれでいいよ」
琴里「ずいぶんと素直ね」
士道「方法が限られてるんだとやかくいっている場合じゃないだろうしな」
琴里「ーーよろしい、今までのデータから見て、精霊が現界に現れるのは最短でも1週間後。早速明日から訓練よ」
士道「訓練?」
士道はそうつぶやいた
書いてておかしいなと思いました
次回は訓練の話ですね、士道さんは今回は色々原作とは違いました