令音「誰にするかも決めてあるんだ」
士道「一応聞きますけど誰ですか?」
琴里「この学校の2年4組の鳶一折紙よ」
士道「と、鳶一かよ」
令音「知っているのかね?」
士道「友達から聞いたんですけどこの学校の恋人にしたいランキング3位らしいです」
令音「それはいい練習相手になるじゃないか」
士道「はあ」
俺は令音さんからインカムを渡され鳶一の元へ行かされた
士道「はあ、めんどうだ・・うわ!」
下を向いていたため曲がり角で誰かとぶつかってしまった
士道「いてて、大丈夫か?」
といいながら身を起こすと俺は結構驚いた、そこにいたのは探していた鳶一折紙だったからだ、そしてぶつかって転んだ拍子に尻餅をついたのだろう、ちょうど俺に向ける形でM字開脚をしていた、が、さして気にしていないように
鳶一「問題ない」
と、言って立ち上がった、そして
鳶一「急いでいたようだけど、何かあったの?」
士道「いや、お前と話がしたくて探してたんだよ」
鳶一「私と話を?」
士道「ああ、迷惑じゃなかったら、少し話をしないか?」
鳶一「構わない」
この会話自体は琴里達の助けなしだった、そしてインカムをつつく
琴里『ん?どうしたのよ士道』
士道「鳶一と会ったから今から話をするな」
琴里『ずいぶん早いのね』
士道「まあ、いいじゃないか」
鳶一「どうかしたの?」
士道「いや、なんでもないよ」
鳶一「そう、で、何をはなすの?」
士道「あ、そうだったな、そういえば俺お前の事知ってるなって思ってな」
鳶一「私も知ってた」
士道「そうなのか、それはうれしいな」
鳶一「私も知っていてくれてうれしい、私はずっと貴方の事を見ていた」
士道「そうなのか、俺もだ」
そしてしばらく話をしていた、そこで俺はこんなこと言った
士道「そうだ、もしよかったら俺と付き合ってくれないか?」
鳶一「構わない」
士道「そうか、どこかに行くのに付き合ってくれるんだな」
鳶一「・・・?」
鳶一氏が首を傾げた
鳶一「そういう意味だったの?」
士道「どういうことだと思ってたんだよ」
鳶一「男女交際のことだと」
あの鳶一折紙氏の口から男女交際という言葉が出てくるとは、恐ろしく背徳的な感じがした
鳶一「違うの?」
士道「い、いや、違わないけど」
鳶一「そう」
何故俺は違わないと言ってしまったのか、それは鳶一の気迫のせいだろう・・喰種さえも恐れさせるってすごいなこの人
ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ
士道「ん?警報か」
鳶一「・・・急用ができた、また」
士道「あ、ああ」
そういって鳶一は廊下をかけて行った
士道「俺はどうすればいいんだ?」
するとインカムから声が聞こえてきた
琴里『士道、空間震よ、一旦フラクシナスで回収するわよ』
士道「やっぱりか」
琴里『出現場所は来禅高校よ』
時刻は17時20分、避難し始めている生徒達の目を避けながら、町の上空を浮遊しているフラクシナスに移動した3人は、艦橋スクリーンに表示された様々な情報に視線を送っていた、軍服に着替えた琴里と令音さんは時折言葉を交わしながら意味ありげにうなずいていたが、正直俺にはわからない、唯一わかるのは、画面左端に表示されているのが、俺の学校を中心にした街の地図ということくらいだ
琴里「なるほど、ね」
艦長の椅子に座りながらチュッパチャップスをなめていた琴里が小さく唇の端を上げた
琴里「---士道」
士道「ん、なんだ?」
琴里「早速働いてもらうわよ、準備しなさい」
士道「やっとか」
神無月「司令、もう彼を実戦登用するのですか?」
と、艦長席の隣に立っていた神無月が、スクリーンに目をやりながら不意に声を発した
神無月「相手は精霊、失敗は死を意味します、訓練は十分なのでしょうか?」
喰種をなめるなといってやろうかと思ったが必要なさそうだった、琴里が神無月に鳩尾をくらわせた
琴里「私の判断にケチをつけるなんて、えらくなったものね神無月、罰として今からいいと言うまで豚語で喋りなさい」
神無月「ぶ、ブヒィ」
なんか、俺の妹はここが楽園なんだなと、思わされた
琴里「士道、あなた、かなりラッキーよ」
士道「は?」
琴里「赤いのが精霊、黄色いのがASTよ」
士道「動いてないな」
琴里「そうよ、CR-ユニットっていうんだけど、それは狭いところでも戦闘には不向きなのよ、いくら随意領域(テリトリー)があるからって言っても、遮蔽物が多く、通路も狭いし中では確実に機動力が落ちるし視界も遮られるわ」
士道「すごいことになってるな」
琴里「精霊は校庭に出現後、半壊した校舎の中に逃げ込んだわ、こんなラッキー滅多にないわよ、ASTのちょっかいなしで精霊とコンタクトが取れるわ」
士道「なるほどな」
琴里「ん、じゃあ早いとこ行きましょうか、---士道、インカムは外してないわよね?」
士道「ああ、ちゃんとあるけど」
琴里「よろしい、カメラも一緒に送るから、困った時はサインとして、インカムを2回つついてちょうだい」
士道「ああ、ところでここのメンバーは大丈夫だよな?」
琴里「安心しなさい、ここのクルーは頼もしい人材がいっぱいよ」
士道「そうなのか?」
琴里「そうね、例えば」
そして琴里は艦橋下段にいる1人を指す
琴里「五度もの結婚を経験した恋愛マスター・〈早過ぎた倦怠期〉川越!」
士道「つまり、4回は離婚してると」
琴里「夜のお店のフィリビーナに絶大な人気を誇る・〈社長〉幹本!」
士道「金の魅力だな」
琴里「恋のライバルには次々と不幸が、午前2時の女・〈藁人形〉椎崎!」
士道「呪いかな?」
琴里「100人の嫁を持つ男・〈次元を超える者〉中津川!」
士道「Z軸ある嫁か?」
琴里「その愛の深さゆえに、今や法律で愛する彼の半径500メートル以内に近づけなくなった女・〈保護観察処分〉箕輪!」
士道「変な奴ばっかりだな」
令音「皆、クルーとしての腕は確かなのだがな」
士道「そうなんですか?」
琴里「いいから、早いとこ行ってきなさい、精霊が外に出たらASTが群がってくるわ」
疑問を言ったところで、琴里が、蹴り上げてくる
士道「なにしやがる」
琴里「大丈夫よ、士道は一回くらい死んでもニューゲームできるわよ」
士道「はいはい」
フラクシナス下部に備えられている顕現装置を用いた転送機は、直線上に隠蔽物さえなければ、一瞬で物質を転送・回収できるという代物だ、一瞬のうちに視界がフラクシナスから、薄暗い高校の裏手に変わったのを確認してから、俺は軽く頭を振った
士道「さて、まずは校舎に・・・って」
俺の前の校舎の壁には大きな穴が開いていたのだ
士道「ちょうどここから入れるな」
俺は早速移動を開始した、早くしないと精霊が外に出る可能性がある、それ以前に、俺がASTに見つかり保護されてしまうかもしれない、まあ、そうなった場合は赫子を使えばいいんだがな
琴里『さあ、急ぎましょ、精霊の反応はそこから階段を上がって3階、手前から4番目の教室よ』
士道「了解」
俺は深呼吸をし、そして近くに階段を駆け上がった、そして案外早く着いた
士道「ここ、俺の教室じゃねえか」
琴里『あら、そうなの、好都合じゃない、まだ進級して間もないけどまったく知らない所よりはいいじゃない』
士道「そうだな」
俺は意を決して教室の扉を開けた、瞬間
士道「は?」
その扉が盛大な音を立て砕けた
士道「あ、あぶな~」
???「ぬ?貴様は」
士道「ん?あれこの前の」
そこに居たのは俺が前に出会った少女だった
士道「久しぶりだな」
???「す、すまぬ、いきなり攻撃してしまい」
士道「いや、当たってないから大丈夫だよ」
???「う、うむ」
士道「そういえばどうしてこんなところに」
???「わからぬのだ」
士道「そうか」
???「そういえば、おぬしは何者なのだ?」
士道「ああ、俺はーーー」
琴里「まちなさい」
と、士道が答えようとしたときに琴里からストップがかかった
フラクシナス艦橋のスクリーンには今、光のドレスを纏った精霊の少女が映し出されていた、愛らしい顔だ、カメラの右側ーー士道の方を頭に疑問符を浮かべながら見ていた、その周りには好感度をはじめとした各種パラメーターが配置されていた、令音が顕現装置で解析・数値化した、少女の精神状態である(ちなみに好感度は30%くらい)一見、士道が訓練に使用したゲームの画面にそっくりだった、特大なスクリーンに表示されたギャルゲー画面に。えりすぐられたクルーたちが、至極真面目な顔をして顔をして向かい合っている、なんともシュールな光景だ、とーー琴里がピクリと眉が上げた
???『そういえば、おぬしは何者なのだ?』
精霊が士道に向かってそう問う、その瞬間、画面が明滅し、艦橋にサイレンが鳴り響いたのだ
「こ、これはーー」
クルーの誰かが狼狽に満ちた声を上げる中、画面中央にウインドウが現れる
1 「俺は五河士道、君を救いに来た」
2 「通りすがりの一般人です、やめて殺さないで」
3 「人に名を訪ねるときは自分から名乗れ」
琴里「選択肢ーーっ」
琴里はキャンディーの棒をピンとたてた、令音の操作する解析顕現装置と連動したフラクシナスのAIが、精霊の心拍や微弱な脳波などの変化を観測し、瞬時に対応パターンを画面に表示したのだ、これが表示されるのは、精霊の精神状態が不安定であるときに限られる、つまり、正しい対応をすれば精霊に取り入ることができる
琴里「まちなさい」
士道『なんだよ』
さすがにこうなることは予想がついていた
琴里「選択肢が出たのよ」
士道『いやいや、名前を言うだけだろ』
琴里「いいから、私の言う通りにしなさい」
士道『はあ』
???「・・・?」
琴里「これだと思う選択肢を選びなさい、5秒以内」
クルーたちが一斉に手元のコンソールを操作する、その結果はすぐに琴里のディスプレイに表示された・・・最も多いのはーーー3番
琴里「---皆、私と同意見みたいね」
琴里が言うと、クルーたちは一斉にうなずいた
神無月「1は一見王道に見えますが、疑っているこの場で言っても胡散臭いだけです」
琴里「そうね、その点3は理に適っているし、うまくいけば会話の主導権を握ることもできるかもしれないわ」
琴里は小さくうなずくと、再びマイクを引き寄せた
士道「おーい、まだか?」
???「どうしたのだ?」
士道「ああ、すまないな、もうちょっと待ってくれないか?」
???「うむ、よいぞ」
士道「ありがとう」
琴里『士道、聞こえる?選択肢が決まったわ』
士道「何になったんだ?」
琴里『名前を聞くなら自分から名乗れっていうのになったわ』
士道「この子には名前がないらしいぞ」
琴里『え?』
士道「だからその選択肢は無理だな」
琴里『な、なんですって』
士道「もう、普通に言うぞ」
琴里『え、ええ』
士道「ごめんな、俺は五河士道だよ」
???「いつか、しどー?」
士道「ああ、呼びやすい言い方でいいぞ」
???「じゃあ、シドーだ」
士道「ああ」
???「シドーはどうしてここにきたのだ?」
士道「ああ、君に会いにきたんだよ」
???「私に、何のためだ?」
士道「君と話をしに来たんだよ」
???「話?」
士道「ああ」
???「どういうことだ?」
士道「そのままだよ、俺は君と話がしたいんだよ、気にいらなかったら無視してくれても構わない」
???「い、一応聞くがお前は私の事を殺そうとはしないんだな?」
士道「当たり前だろ、俺はお前を殺そうとも思っていないよ」
???「本当か?」
士道「本当だよ」
???「本当の本当か?」
士道「本当の本当だ」
???「本当の本当の本当か?」
士道「本当の本当の本当だ」
少女は驚いたような顔をした後、少女の表情が少し和らいだ
???「そ、そうか」
士道「ああ、信じて貰えたか?」
???「うむ」
琴里『上出来よ、そのまま続けて』
士道「あ、ああ」
???「シドー、ここは一体何なのだ?」
士道「ここは学校って言って俺と同年代位の生徒が勉強するところだ」
???「おおー」
少女は驚いたように目を丸くした
???「ここに人間が入るのか」
士道「そうだよ」
少女が現れる時は、街には避難警報が発令されている、少女が見たことある人間はASTくらいであろう
士道「なあーー」
少女の名前を呼ぼうとして俺は声を詰まらせた
???「ぬ?」
俺の様子にきずいたのだろう、少女が眉をひそめた、そしてしばし考えを巡らせるように顎に手を置いた
???「そうか、会話を交わす相手がいるのなら、必要だな」
そううなずいて
???「シドー、お前は私をなんと呼びたい?」
士道「俺がか?」
???「うむ、どうせおぬし以外と会話などせぬ」
士道「そうだな、うーん」
琴里「うっわ、これまたヘビーなのが来たわね」
艦長室に腰掛けながら、琴里は頬をかいた
士道『俺が決めていいか?』
琴里「変なのじゃなかったらいいわよ」
士道『はいはい』
???「決めたのか?」
士道「ああ、十香、なんてどうかな」
???「十香、十香か、うむ、気に入ったぞ」
士道「そうか」
十香「シドー。これから私は十香だ」
士道「ああ、よろしくな、十香」
十香「ところで、十香とはどう書くのだ?」
士道「ああ、それはな」
俺は黒板の方に行き、チョークで十香と書いた
士道「こうだ」
十香「ふむ」
十香は小さくうなると、俺の真似をするように黒板をなぞった、すると、十香がなぞった跡が綺麗に削り取られた、そしてへたくそな字で十香の二文字が記された
十香「どうだ?シドー」
士道「ああ、それでいいぞ」
そういった直後、突如、校舎をすさまじい爆音と振動が襲った
士道「ん、なんだ?」
琴里『士道、床に伏せなさい』
士道「は?」
琴里『いいから』
士道「十香、伏せたほうが良いらしいぞ」
十香「む?シドーがそういうなら」
次の瞬間、ガガガガガガガガガガガガーーーッと、けたたましい音を立てて、教室の窓ガラスが一斉に割れ、まるでマフィアのようだった
士道「当たったら痛いんじゃないか?」
琴里『外からの攻撃ね、精霊をいぶり出すためじゃないかしらーーーああ、それとも校舎ごとつぶして、精霊が隠れる場所をなくすつもりかも』
士道「ヤバイな」
俺は十香の方をみた、十香には銃弾は当たっていない、だが、その顔はひどく痛ましくゆがんでいた
今回はここで終わっていいのかと思いますが、ここで終わります、次回続きを書きます