戦え! けものフレンズvsトランスフォーマー【第1部完】 作:大きさの概念
今から少しだけ先の未来……人の住む場所を遠く離れた太平洋のどこかに、南海に浮かぶ絶海の島々をまるごと一つのサファリパークにした超巨大自然動物園「ジャパリパーク」が存在するっ!
そこは彩り豊かな自然の宝庫であり、野生さながらに生きる動物たちに加え、不思議な生き物「フレンズ」たちが仲良く暮らす、まさに地上の楽園であった!
そのジャパリパークの不思議な火山から、フレンズたちと超ロボット生命体トランスフォーマーたちの物語を始めよう!
【Episode 1: The Friends More Than Meets the Eyes (姿かたちも十人十色友人たち)】
莫大なエネルギーを持つという謎多き物質「サンドスター」……ジャパリパークの「キョウシュウ」エリアの本土の中央部にはそのサンドスターを噴出する特別な火山が位置していた……。
さあ、ご覧いただこう! ビスマス結晶にも似た、あでやかに虹色に輝く半透明の鉱物、サンドスター・クリスタルの噴火口から吹き出す様子を!
その最後の噴火は、つい今しがたのことであった! サンドスターが細かい粒子となってきらめき、あたり一帯に漂っているではないか!
さて、その噴火から間もない火山の、火口へと続く険しい山道を歩くふたりの少女!
「びっくりしたー。大きな音だったからまだ頭がクラクラするよ」
「だいじょうぶ? サーバルちゃん?」
見よ! このふたりこそが、只今皆さんにお話しした超アニマル生命体、その名も「フレンズ」である。
一見、動物を模した衣装を着た人間に見えるのだが、その実、彼女たちは、超物質サンドスターの持つエネルギーにより動物がヒトへと変身を遂げた、不思議な生き物なのだ!
かたちを変えた秘密の動物、人呼んで「アニマルガール」である!
「噴火はもう収まったみたいだね」
「またあの大きな黒いセルリアンが出てきたら、どうしよう……?」
「“ししん”のフィルターがあるから、もう大丈夫なはずだけど……」
「あ! かばんちゃん! 何だろう、あれ!」
「サーバルキャット」のフレンズ「サーバル」!
「ヒト」のフレンズ「かばん」!
噴火を目の当たりにしたふたりは、その調査のため火山に赴いたというわけだ!
「……これは……バス、かな……?」
「すっごーい! バスがたくさんいるよ!」
思いがけないものを発見したかばんとサーバルが、驚嘆の声をあげる! 何しろ火口付近でフレンズたちが見つけたのは、3台の自動車であったからだ!
バスではない自動車に対して、ふたりは口々に「バス」と言っているが、未開さながらの自然生活を送るフレンズには、当然、車種の区別がつくはずも無かった!
『カバン、コレハ“バス”ジャナイヨ。3台マトメテ“クルマ”ト呼ブノガ適切カナ?』
車を知らぬフレンズたちに解説を行う、姿を見せぬ謎の声! その声は、かばんの腕に光る腕時計のようなもののレンズから発せられたのだった!
「ふーん。“バス”じゃなくて“くるま”って言うんだね」
「バスと比べて角ばってる?感じかな?」
「バスとは何が違うの? この大きい“くるま”はバスそっくりだし、こっちのふたつは
「色が黄色じゃないのが“くるま”なんですか?」
『後部ニ、人ヲ乗セテ運ブ種類ノ車ノコトヲ“バス”ト呼ブンダヨ』
彼女らフレンズに説明しているのが、パークの解説ロボット「ラッキービースト」である!
今は理由あって、本体パーツであるレンズのみだが、本来はその名の通り動物の姿のロボットなのだ!
「え、えー!? “くるま”と“バス”が同じって、どういうことー!?」
「こういうのがみんな“車”で、特別な車が“バス”ってことかな?」
「難しくて全然わかんないよ! かばんちゃん!」
「うーん……簡単に言うと――サーバルちゃんやジャガーさんやスナネコさん、
マーゲイさん、ライオンさん、みんなを“ねこ”の仲間って言うようなものかな……?バスは車の仲間みたいなもので――」
「ボスの言ってることがすぐ分かって、かばんちゃんはすごいねー。私にはちょっと難しいよぅ……」
近代文明の産物を目前にして、頭をかかえるサーバルの姿をご覧あれ!
『データベース検索中……コレラノ車両ハ、フレイトライナー・コンボイトラック、ポルシェ・935ターボ、ランチア・ストラトスターボ、ノヨウダネ』
「それぞれの車の細かい種類ですね……不思議な名前だね」
「長くて難しくて、まほうのじゅもんみたい。“くるま”は“くるま”じゃダメなのかな?」
ご覧いただいた通り、ラッキービーストの解説を的確に理解し、車の分類の概念を正確に把握したのが、かばんである!
彼女は、霊長類「ホモ・サピエンス」由来の頭脳明晰な判断能力を持ち、計算や思考、創造を得意とするフレンズなのだ!
予想だにせず登場した車に対し、思い思いの感想を述べるフレンズたち……突然、彼女らの注目するところの車から、発せられる声があった!
いち早く反応したサーバルの耳が向けた方向から、聞こえてきた声の主は!
『ううっ……マイスター、ホイルジャック、ふたりとも無事か……我々は……気を失っていたようだが……』
『大丈夫です、コンボイ司令……お怪我はありませんか……』
『どないなっとるんやぁ~……一体ここは……?』
そして!
「うわああっ!? たっ、食べっ!?」
「く、くるまが、しゃ、しゃべったぁー!?」
『アワッ、アワワワワ……』
3匹が面食らったのも無理はない! ただの車かと思われていたものが突然、人語を発したのだ!
そう、彼らは普通の車ではない!
知性と感情を兼ね備え、乗り物や道具からロボット形態へとトランスフォームする不思議な超ロボット生命体! 「トランスフォーマー」である!
『おや、あの声は……? 現地の住民がいるようだが……』
『“
『よし、ここはひとつ、まず私が彼らに話しかけて、敵意がないことを示しましょう』
『『トランスフォーム!』』
そう言って、特徴的な電子音とともに、フレンズたちの前で次々と「ロボットモード」に変形するトランスフォーマーたち!
驚かせてしまったフレンズたちに、初対面の挨拶に歩み出たのは、トランスフォーマーの一派「サイバトロン」に所属する特殊工作員“マイスター副官”だ!
ポルシェ・935ターボに変形するトランスフォーマーで、コンボイの秘書。クールだがフレンドリーな一面もあり、何よりも音楽が大好きという、お茶目なサイバトロン戦士なのだ!
「わわわ……」
「く、車って喋れるだけじゃなくて、大きくなれるんだーっ!?」
『ケンサクチュウ……ケンサクチュウ……該当データ無シ……ケンサクチュウ……』
驚愕するフレンズたち! 想定外の状況に対応できずフリーズするラッキービースト!
さあ、フレンズとトランスフォーマー、ふたつの異なる種族の邂逅の瞬間、たあっっぷりとご覧いただこうっ!!
『やあ、おふたりとも、初めまして。喋る車にたいそう驚いてるようだね。自己紹介が遅れたが、私の名前はマイスター。我々はサイバトロンといって、べつに怪しいものじゃないさ』
「は、初めまして! 私はサーバルキャットのフレンズ、サーバルだよ!」
「ボ、ボクはかばんと言います……ヒトのフレンズ、らしいです」
『ふたりともよろしく! こちらは私の仲間のサイバトロンたちだよ』
『よろしく。私はコンボイ司令官、正義のサイバトロンのリーダーだ』
「よろしくお願いします、“こんぼいしれいかん”さん」
大型トレーラーからロボットに変形したのは、正義の戦士サイバトロン軍団の司令官、コンボイだ!
トランスフォーマーたちの中でも、人一倍に知恵と勇気と仲間への愛を備えた、頼れるぅサイバトロン司令官である!
動くものに強い興味を持つネコ科のフレンズであるサーバルは、どこへともなく去っていくコンテナに気を取られて、そっぽを向いていたのだが!
『吾輩はホイルジャックだよ~、おふたがた、よろしゅう頼んます。アンタらはこの辺の人かね? えらいケッタイな格好しとるそっちのお嬢ちゃんは、猫の耳に尻尾……まるで動物ソックリときたもんだ!』
サイバトロン技術者ホイルジャックが話すたび、その耳が点滅する! 彼はアリタリア・カラーのランチア・ストラトス・ターボからトランスフォームするサイバトロン戦士だ!
トランスフォーマーきって科学力を誇り、関西弁を流暢に操るユーモアも持ち合わせる発明家なのだ!
『サーバルちゃん……と言ったかい、君は今流行りのコスプレイヤーなのかな? ニッポンのセントラル・トーキョーのハルミ・チホーのあたりの漫画市場ではよく見かけるらしいが……』
人間の文化に詳しいマイスターだが、この発言は的外れであった!
だが、無理もあるまい! 彼らトランスフォーマーは、過去のアメリカ合衆国から、フレンズのいる異世界へとやってきたのだから!
「うーん……よく分からないけど……私は動物のサーバルキャットからフレンズになったんだ! 3人は車のフレンズなんだよね?」
「“さいばとろん”の皆さんは、サンドスターに当たってフレンズになったんじゃないんですか?」
『さっきからしきりに自分のことを
『……もしかして君らは、我々の知る“ヒト”じゃないってことかい?』
『どうやらアンタがたは、吾輩らの知らない種族みたいだねぇ~』
『“フレンズ”というのも
『ハハッ、私たちトランスフォーマーは、君たち
「え、えー!! フレンズじゃないー!!」
「ほ、本当ですかー!?」
『いやぁ~
『おっと、君の言うとおりだな、ホイルジャック』
「全然わかんないけど、すっごーい!」
【トランスフォーマー解説:01】
ID:01 サイバトロン 総司令官 コンボイ / Optimus Prime
トランスフォーム:フレイトライナー社製COEトレーラー
主兵装:コンボイガン(レーザーライフル)
副兵装:エナジーアックス / スペシャル高射砲 / 小型走行車ローラー
体力:10 / 知力:10 / 速度:8 / 耐久力:10 / 地位:10 / 勇気:10 / 火力:8 / 技能:10 / 爆発力:10 / 人事力:10
座右の銘:「
コンボイはですね、基本的には地球のアメリカという地域のサイバトロン基地に過ごしていまして、
若干ゃ草が生えているところなので、そういったところで走りやすいように、コンボイ、がっしりした個体で。
フレイトライナーのCOEトレーラー、通称コンボイトラックにトランスフォームするロボットでして、だからコンボイという名前に。
COEというのは、「キャブ・オーバー・エンジン」型の略で、運転席の下にエンジンがある車両、キャブはトラックや重機の「運転席」って意味の。
フレイトライナー、アメリカで、一番見かけるトレーラーだと言われています。
あと米国版では、オプティマス・プライム。むしろ最近は、実写版やアニメでこっちの名前ですので、馴染み深いって人も多いんじゃないかと。
ロボット変形部分の「本体」、コンテナから展開して対空砲での自律射撃も可能な「コンバットデッキ」、偵察や陽動に利用できる小型バギー「ローラー」の3パーツに分離できて、これは玩具のギミックが元ネタです。
アニメでも、使われる頻度は少ないですが、印象的な活躍をしていますよね。
元々はタカラの玩具「ダイアクロン」シリーズ出身で、カーロボット移動基地「バトルコンボイ」、ハスブロがアメリカで発売して、日本に逆輸入されたのがトランスフォーマーシリーズで。
トランスフォーマーは群像劇作品なので、正義の味方のサイバトロンが悪役のデストロンを倒すために、主人公のコンボイが、全話に登場していつもかっこよく大活躍、とか、そういうわけでもなくってぇ――
トランスフォームが可愛いですよね、コンボイは。こう、バンザイ!みたいな姿勢が。
あと、出たり消えたりするコンテナ、いい味を出していて、あれは瞬間移動できるっていう設定があって。
人事力ぅ……ですかね。部下のトラブルなんかをスッと解決できる総司令官でして。けっこう、指導力が優れているので、作戦の立案以外は、フットワーク、軽々と、いい考えを出して、余裕で適切な判断をしてくれます。
『私にいい考えがある!』
『……ってコトは……何も考えてないってコトですかぁ~!?』
『ホアアアーーーッ!!』
はいけい:ぽーとらんど ふれいとらいなー・とらっくす(あめりか おれごん)
こえ:げんだてっしょう おにいさん
「ええー! “くるま”に、“トランスフォーマー”に、“サイバトロン”……名前がいっぱいあって覚えられないよぅ~」
『なあーに、これから覚えていけばいいのさ。僕らはもう
『君たちのこと、もっとよく知りたいからね。悪の“デストロン”軍団のこともゆっくり話してあげるよ』
「その“ですとろん”というフレンズさんは、どんな方たちなんですか?」
『「デストロン」共は
かばんの質問に対し、打って変わって語気を強めるコンボイと、うんうんとそれに同意するサイバトロン戦士。
その返答には怒りや憎しみといった、ジャパリパークでは珍しいといってよい感情が含まれており、友好的な態度のサイバトロンたちが、突然そのような感情を見せることに、かばんとサーバルは面食らったのも無理はない……。
その時である!
困惑した空気を切り裂くかのように突然、轟音が鳴り響き、まばゆい閃光があたりに降り注いだ!
この特徴的な電子音の意味するものは、光学兵器による奇襲である!
さあ、このビーム攻撃の主は一体!?
サンドスター火山の上空を飛行するものがあった! それは3体のトランスフォーマーたち、しかし彼らはサイバトロンではなかった!!
『フッフッフ……おかしな時空の歪みが起こって、どこにワイプしたかと思ったが……サイバトロンめ、連中もこの不思議な島に飛ばされてきたとはな……』
『奴らを攻撃する絶好のチャンスです、メガトロン様! そばにいる未開の原住民ともども総攻撃で全滅させちまいましょう!』
『お前に言われんでも分かっている、スタースクリーム。だがな、うかつに攻撃してはならんぞ。スキャニャーで探査したところ、あの火山は今、とてつもないエネルギー源に満ち溢れた、エネルギーの火薬庫のようなものだと分かったからな……』
『火山内部ニ、莫大ナエネルギー反応ヲ感知。ミサイル・ビーム兵器ノ使用ハ誘爆ノ危険性ガ高イ』
『サウンドウェーブの言うとおりだ。うっかりアタックを仕掛ければ島ごと大爆発、ワシらも爆発に巻き込まれ、全てが失われてしまうというわけだ……なんとしても、あの無限のエネルギーを我ら“デストロン軍団”の手中に収めなければ……』
『数ノ上デハ、3対3。ダガ向コウニハ、アノ“コンボイ”ガイル。白兵戦デノ勝率ハ低イ』
彼らは悪のトランスフォーマー軍団「デストロン」の「メガトロン」「スタースクリーム」「サウンドウェーブ」である!
『分かったか、スタースクリーム。無謀な格闘戦を仕掛けてはならん。ここは一旦退却し、体制を整え、改めてこの地にデストロン軍団を編成してから、あのエネルギーを利用する算段を練るのだ』
『しかし今火口を攻撃すれば、エネルギーの暴発で奴らは木っ端微塵ですぜ!』
『だから、そうなれば無意味だと言っておるのだ、馬鹿者めが! ワシの話を聞いていたのか? あの膨大なエネルギー源を無駄にするという考えは、愚かすぎるぞ!』
だが!
『うるせえっ! いつも人を馬鹿呼ばわりしやがって! みすみすサイバトロン共をオダブツにするチャンスを逃すって手があるかよ! 俺様得意のミサイル攻撃でも食らいやがれっ!!』
『やめろ!! この
――というやり取りが火山上空で行われていた!
デストロンの航空参謀スタースクリームが破壊大帝メガトロンの静止を振り切って放ったビーム攻撃が、サンドスター火山の火口に降り注ぐ!
「危ないっ! かばんちゃん!」
刮目せよ! サーバルキャットのサーバルのジャンプ力ゥ!
トランスフォーマーのセンサー以上の聴力により危険を素早く察知! 野生の反射神経! 軽々とかばんを抱えるその腕力! 目にも止まらぬしなやかなこの跳躍!
ネコ科のフレンズであるサーバルならではの、危機的状況での素早い判断で、五月雨のようなビームの爆撃を鮮やかに緊急回避! 余裕のジャンプだ! 馬力が違いますよ!
「あ、ありがとう! サーバルちゃん」
『大丈夫か! かばん! サーバル! ホイルジャックとマイスターも無事か!』
『はい! コンボイ司令!』
『サイバトロン戦士! 散開して迎撃態勢を取れ!』
『司令官! 吾輩のデータバンクによると、このナルビームはスタースクリームの奴です!』
『やっぱりデストロンのしわざか! おのれぇ!』
ビーム掃射奇襲アタックの難を逃れたサイバトロンとフレンズたちであったが、その光線がサンドスター火山火口部に結晶化したエネルギー・クリスタルのひとつに直撃していた!!
『ああ! クリスタルのエネルギーが!』
『司令官、このままでは周りのクリスタルに引火して大爆発! 島全部が一帯が吹っ飛んでしまいます!』
「ええっ! 火山が爆発しちゃうの!?」
「サーバルちゃん! 早く逃げないと!」
『ダメだ! とても逃げ切れない! すぐにでも爆発してしまう!!』
見よ! 目前のサンドスター・クリスタルは、目も開けられぬ程まぶしいばかりに虹色の輝きを増し、いまにも爆発しそうではないか!
フレンズの身体ほどの大きさのクリスタルであるが、その化学結合には、火口もろとも地形を吹き飛ばす威力のエネルギーが秘められていた!
大爆発まで、あと何秒か!?
どうする!? フレンズ!? サイバトロン!?
「爆発は、上に向かって起こるハズです! 姿勢を低くしたほうが安全です! うつ伏せになって頭を守り、出来るだけ爆風を防ぎましょう!」
「こ、こう? かばんちゃん?」
『よーし、我々の
『全員、爆発の衝撃に備えるんやぁ~!』
緊急時に冷静・的確な状況判断を下すかばん!
身を挺してフレンズを守る決意を固めるトランスフォーマーたち!
さあ~! どうなる!
『私にいい考えがある!』
コンボイのいい考えとは!?
『マイスター! ホイルジャック! フレンズを頼む! 爆発は私がなんとか食い止める!!』
勇敢にも爆発寸前のクリスタルの前に飛び出すコンボイ司令官!
覆いかぶさって爆発を最小限に留め、連鎖反応による誘爆を防ごうというわけだ!
この命をかけたいい考えは功を奏するのか!?
『止めてくださいっ! コンボイ司令官! それではあなたの身体が!』
『ダメだっ! もう間に合わん! みんな下がれ!』
逃げ場を失った強力なエネルギーが、とうとうサンドスター・クリスタルの中から大爆発を起こす!!!
地獄の業火のような爆風がコンボイの身体の下で爆裂する――!!!
『ほっ、ほあああああーーーーっっっっ!!!!!!!!』
「コ、コンボイさーん!」
『しっ、司令官っ!』
「コンボイちゃん!」
『コッ、コンボイ司令ーーっ!』
『アワワワ……ハッ!』
さあ、一体どうなってしまうのか!?
サンドスターの大爆発の直撃を受けとめたコンボイは!?
そして、火山上空のデストロンたちは!?
フレンズたちとトランスフォーマーの運命やいかに!?
【続きは次回に! お楽しみに!】
『「PPP&デストロン予告っ!」』
「今週は“トランスフォーマー”について予習するわよ!」
「だぁーっ! “さいばとろん”とか“ですとろん”とか、名前がたくさん出てきて覚えられねえぜ!」
「平和を愛する正義の戦士たちが“さいばとろん”で、残忍で暴力的な悪の軍団が“ですとろん”……らしいぞ」
「そもそもトランスフォーマーって何の動物なんでしょうね? ボスの仲間だって聞きましたけど……」
「私たちフレンズとは違う“ちょうろぼっとせいめいたい”らしいけど……“バス”の姿から大きくなって、フレンズのような見た目になるみたいね」
「ばすてきなひとたち……」
「でもあの“トランスフォームッ!”ってのは、ロックでカッコイイよな」
「真似してみてよ、コウテイ」
「……と、とらんすふぉーむっ……ぎごがごごっ、コウテイペンギン、びーくるもーど……」
「イヤ、それ、フードを被って寝そべっただけじゃないですか……」
「とぼがん……」
『まったく……愚か者のスタースクリームのせいで、ワシの計画が台無しになるところだったぞ。しかしだ、あのお人好しのコンボイの尊いの犠牲のおかげで、火山全体の爆発は食い止められそうだがな……』
『へっ……コンボイは独り、犬死にってわけだ! “フレンズ”とかいう生命体をかばって自分だけが死ぬなんて、とんだお笑い草じゃねえか!』
『ダガ、見タカ、“フレンズ”ノアノ凄マジイジャンプ力ゥ……相当ナ身体能力ノ持チ主ダ……』
『けっ、腰抜けの臆病者め! あんな未開種族の野蛮人! 恐れるに足らない連中だぜ!』
『いや、サウンドウェーブの言うことは最もだぞ、スタースクリーム。確かにフレンズどもは侮れない奴らよ。我々の世界の人間どもに勝るとも劣らぬ頭脳と身体を持っているようだ。だがな……優れたものほど上手く利用してやればよいのだ。このメガトロン様のやり方でな、ふふふ……』
『あの原始的なフレンズどもと手を組もうだってぇ? メガトロンめ、耄碌したのか、とうとう電子頭脳の回路が動物並みになっちまったみたいだな! そうなりゃあ、やっぱりデストロンのニューリーダーはこの俺、スタースクリーム様よ!』
次回、【第2話 サンドスター・エネルギー強奪計画!!】
ぶっちぎるぜ!!