戦え! けものフレンズvsトランスフォーマー【第1部完】   作:大きさの概念

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第11話 ジャパリ・ダカール・ラリー!! Part.2

 前回のけもフレvsトランスフォーマーは!

 

 ジャパリパーク一周、ワイルド・ラリー・グランプリ“かばんカップ”が開催されることとなった次第!

 フレンズ達とサイバトロン・カーの親善レースにデストロンも参加して……どうなってしまうのか!?

 

 さあ、参加チーム全22組の中で、優勝カップの栄光に与かるのは誰だ!?

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

【Episode 11: Japaris-Dakar Rally Special Part.2 (ジャパリダカ・ラリー・スペシャル後編)】

 

 さあ、サバンナの地平線に雄大な朝日が昇ると同時に、全車一斉にスタートッ!

 

 1stステージ、さばんなちほー!

 

 サバナ気候の「ジャカ=ンニャクサ大平原」(アフリカの言葉で「まばらに草を見かける地域」という意味)を走る、TFビークルとフレンズたちによる、激走オフロードレースの開幕だ!

 

 トップを走るのは誰だ! おおっと、これは意外! ゼッケン18番「送りオオカミ陸送隊」第一走者「タテガミオオカミ」である!

 

 日本では上野動物園でしか見られないタテガミオオカミは、イヌ科タテガミオオカミ属に分類されるオオカミの近縁種で、単独行動で狩りをするキツネに近い生態をしている! スラリと伸びた長い脚が特徴で、アフリカ・サバンナのスーパーモデルがサーバルなら、南米・パンパ(熱帯草原)のスーパーモデルはタテガミオオカミである!

 

 その超スーパーロングな美脚による類稀なるスピードはイヌ科でも最速! 野生動物の中でも最高時速120kmのチーターに次ぐ速度、なんと時速90km以上に達するという! だが、持久力で優れるイヌ科ゆえ、マラソンの総合力では野生動物最速であろう! セラードのイヌ、強烈スプリント! 同じ側の前脚・後脚を同時に前に出して走る「側対歩」という走法を常時行うが、これは肉食動物では珍しく、ゾウ・キリン・ラクダ・ロバなどが行う走り方である! これは、ヒトでは「ナンバ」と呼ばれる、古武術に端を発するとされる歩法で、上体を捻らないために疲労しにくいと言われ、陸上競技や伝統武術の分野で研究・応用されている!

 

 フレンズのタテガミオオカミはこの疲労を最小限に抑える「ナンバ走り」を無意識に行い、まばらに生える背の低い草藪や低木、沼地などの障害物の多いサバンナの大地を、ものともせず走るではないか! いかなるラリーカーや4WDにも無理な芸当!

 

『くそっ! 草地や水場が多くてスピードが出せないぜ!』

「すごく、シノビっぽい走り方でござるぞぉ……」

 9番「インビジブル・ミラージュ」のF1カーに変形するリジェも、未舗装の大地では思うように加速できない! 伝統武術の優れた走法を目の当たりにして、感嘆の声をあげるパンサーカメレオン!

 

「これが私の“普通”の速さよ!(チラッ)チーターにだって負けないんだからっ!(チラチラッ」

 一定距離走ると後方確認する習性を、なるべくがまんしつつ走るタテガミオオカミ!

 

「コケーッ! すっごーい! 私よりはやぁーい!」

 このスピードには、20番「バンドオブブレーメン」のニワトリも竦み上がった! 現地の民話ではニワトリを睨み殺すと伝えられるタテガミオオカミに、ニワトリはすっかり萎縮してマイスターの車内に引っ込んでしまったのである!

 

 だが!

 

「むむむ……タテガミオオカミさん、お気を付けください。わたくしの占いによりますと、健康運に難ありと出ていますよ」

 ダチョウによる、タマゴのような水晶を用いた今日の運勢占いだ!

 

「ぐぐ……ぽんぽん冷えてきた……フルーツ食べ過ぎたかな……あ~! おなかごろごろする~! もうだめぇ~!」

 へそ出しルックのお腹を押さえながら、大きな古い蟻塚に駆け込むタテガミオオカミ! 蟻塚を「お花摘み」いや「おアリ摘み」の場所に使う習性を持つ! 小さい方ではないので、ロスタイムは長そうだ! ここで大きく順位を落としてしまったぞ!

 

 

 

 さて、順位が繰り上がりトップに躍り出たのは、この占い師フレンズのダチョウ、19番「ロードランナー・エクスプレス」のファーストランナーだ!

 

 地上最大最速の鳥類、ダチョウ! 立てば230cm、座れば130kg、歩く姿は最高時速70km! ライオンより、はやーい!

 

 この最高速度を保ったまま1時間走行可能な驚異的スタミナと、5km先まで見渡せるという抜群の視力! サバンナを走る際の土ぼこりを防ぐ瞬膜と長いまつ毛! さらに、100平方cmあたり4.8tのキック力ぅ、ですかねぇ……これはヘビー級プロボクサーの右ストレートや、スモウ・レスラーのブチカマシ・ヘッドバット・タックルの数倍の威力と言われている! 最強すぎるだろ……。

 

「私たちを代表して頑張ってください! ダチョウさん!」

「がんばれがんばれー、ダチョウちゃんがんばれー(ジャパリまん食いながら」

 ダチョウに声援を送る走鳥類、エミューとアメリカレア! ダチョウよりひと回り小さいエミューと、南米に生息する近縁種アメリカレア! その応援を受けて、草原を独走するダチョウだが!

 

「ああ……喉が乾きました。ここでちょっとQKしましょう。おや、この石、キレイですね。ぺろぺろ(ゴクン……」

 道ばたの手ごろな石を胃石として飲み込み始めた! これは、砂嚢の石でエサの消化を助けるための、歯が無い鳥であった頃の習性!

 

「ぺろぺろ……んん? 水晶タマゴのお告げが……私も健康運が大凶と出てまs……(ベゴッ)……ごぼぁぅ゛っ!!」

『ぐわぁーっ!! トランスフォームッ!!』

 

 おおっと、ここで追突事故発生!!

 

 ナンバーゼロゼロマシン「ダブルオー・スクリーム」ジープのスウィンドルが、かがみ込んだダチョウに高速で突っ込んでしまった!! 吹っ飛ばされて、全身を強打するダチョウ! TFしてかろうじて受け身(バンプ)を取るスウィンドル! 双方ともかなりのダメージだが!!

 

『このバッキャローめが! そんな所で道草、いや道石なんか食ってんじゃねぇぜ、目玉より小さい脳みその鳥公がァ!』

「あ、人身事故、発生。ダチョウ、ケガ、大丈夫ですか? 救援を要請、リタイア?」

 

「す、すみません……ゲボぉっ(吐石)……この程度のケガなら、私は平気です。ちょっと休めばすぐ治ります」

 

 ダチョウの仲間は高い免疫力を持っている! 知能が低いために不注意で、ケガや病気によくかかるが、短時間での急速回復が可能である! 危険で不衛生な野生環境でも平均寿命は50年以上! その生命力の逞しいこと! 「ダチョウ抗体」利用のための調査研究も行われているほどである!

 

「これ、きれいな宝石。すっぱい臭い、しますけど」

『おお! コイツが吐き出した中にダイアモンドがあるぜぇ!! 人間どもに売りさばけば、いい金になるじゃねえか、なぁ~!!』

『バカ野郎! そんなもんジャパリパークじゃ、なんの意味も無えだろうがっ!』

 怪我人のくせに欲張るスウィンドルをたしなめる、スタースクリーム!

 

『B・B、スウィンドルの破損部分をちゃっちゃと修理して出発するぞ!』

「ラジャー」

 

「ご迷惑おかけしました……わたくしは……休みませてもらいます……ちょっとだけ……」

 

 ケガにより順位を落とすダチョウ!

 

 

 

 さらに!

 

「ううぅうぅー……ぎもぢわ゛るい……です……おえっぷ……」

『えマジか? ウソおっ!? おいお前、大丈夫かよ! 中でするなって! シートを汚すんじゃない!』

 13番「ロンリーロードスター」のスーパーカウンタックのサンストリーカーに搭乗するアードウルフが、ハードなラリーにより体調を崩してしまった! 悪いと思って黙っていたのだが、もう我慢の限界!

 

「「ぎゃあーっ! どくのけむり! ウエェヘッ、ウェヘッ!」」

 アードウルフが常食するシュウカクシロアリに含まれる毒素が生物濃縮し、サンドスター毒ガス「シロアリどくどくミスト」となって放たれたではないか! 迷惑をこうむる後続車のフレンズたち!

 

『ちぇっ! 足手まといになってェ! これだからフレンズを乗せるのはイヤだったんだ!』

「……うぷっ……めいわ゛ぐがげて……ほん゛とに……ごめ゛んな゛ざい……」

 怒るサンストリーカーと、謝るアードウルフだが!

 

『まあいい、これで後ろの連中は、しばらく追ってこれないだろ! 少し休んだら出発するぞ! 仕方なくヌルい運転で勘弁してやるから、我慢しろよな!』

「ずびばぜん……あ゛りがどうござい゛ま゛す……ザンズドリ゛ーカーざん……」

 

 大波乱のトラブル続きのラリーは、順位が目まぐるしく入れ替わる!

 

 

 

 そして! ジャパリラリーの一行は大きなワジ(涸れ川)に差し掛かったぞ! 現在のさばんなちほーは乾季! 土手の整地された車道だけではなく、水無川となって干上がった川底をショートカットとして走ることもできる! さあ、どちらの道を選ぶのか!?

 

「よーし、私たちは下へ行きましょう!」

「ほほほ! 川はわたくし達の“ほーむ”ですことよ!」

『分かったぜ!』

 

『オレ、グリムロック。ダレもいない、水の無い川、走りやすいと、思う』

「よぉーし! 行くのだ、グリムロック! アライさんもがんばるのだ! うおおおおーっ!(キコキコキコ」

「がんばれー。ふたりともー」

 

『私にいい考えがある! ライバルの少ない川の底を走ろう』

「おっ、いいねぇ~、りょーかーい!」

 

 さあ、3番「ひっぽーライダー」のハーレー、6番「ダイノベース・ちぇいさー」の恐竜牽引ばすてき車と、8番「オプティマス・プライム」のコンボイ司令官トレーラーが、川底の道を進むルートを選択! 残りは土手の道を走る!

 

 

 

「みんなやるわね~! こうなったら、私にいい考えがあるわ! ロスチャイルド、ケーキプリン、例の物を!」

 16番「サバンナ・ロングラック」の司令塔は、クレーン車のグラップルに乗り込んだのアミメキリンである! 今回の彼女は一味違うぞ、迷彩服ルックに着込んだ軍装コーディネートで、探偵としてではなくレースチームのリーダー、アーミーメキリン!(ヒゲじい要素)はたして、そのサバンナ色の脳細胞に思いついた、いい考えとは!?

 

「おっけー“ほうすいぱーつ”装備!」

「いくわよ~“うぉーたーほーす作戦”開始!」

『妨害作戦か……私は気が進まないんだがねぇ……』

「何言ってるのよ! サバンナの掟は、勝つためにはなんでもあり(バーリトゥード)よ! よーし準備完了、みんなをびっくりさせてやるんだから! お水、発射ぁーっ!」

 

 なんと、キリンたちが、クレーン車のグラップルに装着したのは消防車の放水用のパーツだ! グラップルの同型機である消防車「インフェルノ」との共通パーツである予備の放水装備をあらかじめ借りてきたというわけだ!

 

 さあ! アミメキリンの頭脳プレイ! 弱肉強食のサバンナ・スタイル! 手段を選ばぬ、放水によるレース妨害作戦なのだ! 他のチームに振りまかれる水! 暴徒鎮圧の技として最も効果的とされる放水攻撃の威力のほどは⁉

 

 だがしかし!

 

「おほほほ! 全然効きませんことよ! アミメキリンったら、カッコつけた毛皮をつけても、相変わらずおバカさんね!」

「カバの私たちには水なんか全然平気なのにね。ゾウさんの赤ちゃんのシャワーの方がまだ気合が入ってますわ」

 

「およよ? フタコブちゃん、川が降ってきたよ。ごくごく」

「ごくごくごく。ひゃーおいしー」

 

『なんだぁ、サイバトロンのマヌケめ!? ありがたいぜ、砂ぼこりで汚れたボディをわざわざ洗車してくれるってのかぁ!?』

『はははっ、この愚か者(アミメキリン)めが! “大キリン、総身に知恵が回りかね”かな? 首が長すぎるのも困りものだな、フハハハッ!』

 

「ぐぬぬぬ……ど、どういう意味かしら……バカにされている気がするけど……」

 

 アミメキリンの奥の手「放水攻撃」は全く効果が無かった! いや、むしろそれどころか、逆効果! 炎天下と乾燥が支配するサバンナを走るフレンズとTFに、貴重な水分の潤いを提供するという結果に終わってしまった!

 

 だが、この放水がこの後思いもよらぬ事態を巻き起こすとは、誰もが知る由も無かった!

 

 

 

 ドドドドド……!

 

 何なのか! 見えない巨象の大群が唸り声を上げて押し寄せてくるような、この不気味な地響きの轟音は!

 

「あ! まずいよ、まずいよ、この音は!」

「みんな、川底から早く逃げませんとっ!」

 サバンナ暮らしの長いサーバルとカバが、この水無川の異変をいち早く察知するっ!

 

 ドゴゴゴゴゴォーーッ……!!

 

 だが、時すでに遅しであった! 怒涛の如く涸れ川に押し寄せる、鉄砲水! 雨季の涸れ川では、突然上流から鉄砲水が押し寄せることが知られているが……だが、乾季であっても涸れ川近くには地下水脈が存在する、それをグラップルの先ほどの放水が刺激し、呼び水となって、水源が地上へ浸透してきてしまったのであろう!

 

『オレ、グリムロック、手が短くて、犬かきも、できない。がばばば……』

「アライさん、自分が洗われるのはゴメンなのだ~っ! ぐぶぶぶ……」

「あ~、私たち、沈んじゃうよ、アライさん……ごぼぼぼ……」

 

『フォッサ、君は早くジャンプして土手へ逃げるんだ……ホッ、ホアァァーーッ!』

「あーっ! コンボイが流されちゃう! 誰かぁ、コンボイを助けてぇっ!」

 

 カバとゴルゴプスカバは持ち前のパワーで、バイクのグルーブをかついで無事に川岸へ上がったのだが!

 グリムロック、アライグマ、フェネック、コンボイが、大洪水に流されてしまった! 絶体絶命!

 

「推理しなくとも……これは私のせいね! グラップル、みんなを助けてあげて!」

『もちろんだとも! さあ、クレーンを伸ばすから、司令官たちを引っ張り上げてくれよ!』

 

 グラップルのクレーンからさらに、お互いにマフラーを結んだキリンたち3人が急流に入って救助活動を行う!

 

『それっ! アンカーワイヤーだぞ! これに掴まるんだみんな!』

『空中も水上もバッチリの俺っちにお任せだい!』

「皆さん、しっかりして! さあ、この水に浮く“けもヴィトンのトランク”を使って下さい!」

 

 さらに、マイスター、シースプレー、リョコウバトなど、救助が得意な者たちが救命活動と車両の回収に尽力した!

 その中には、なんとあのデストロン破壊大帝メガトロンの姿もあった!!

 

ハンマー(かなづち)かな、コンボイ? まるでフレンジーやランブルの仲間ではないか』

『……どういうつもりなんだ、メガトロン! 敵である私を助けるとは……!』

『どういうつもりも何も、このレースを皆で楽しみたいと思っているだけだ。そうに決まっておろう……フフフ……』

『く……』

 

 

 

「アライさん達、助かったのだ~! ありがとうなのだ、みんな~!」

「ありがとう~……でも私たちの“ばすてき”が壊れちゃったよ~。これはもう走れないかな~……」

『オレ、グリムロック! ばすてき、直せばいいと、思う!』

「そうだね、グリムロックさん。がんばろう、きっと直せるよ。アライさんも手先が器用だし」

「任せるのだ!」

 

『フフフ……及ばずながら、このワシもお手伝いさせてもらいたいのだが……?』

 鉄砲水で大破した「ばすてき」の修理を申し出るのは、メガトロンだ!

 

『オレ、グリムロック! サイバトロンの敵、デストロンのリーダー、メガトロン、信用できないと、思う!』

『まあまあ。そこの原始的な恐竜の短すぎる手よりかは、役に立つ自信はあるぞ?』

『オレ、グリムロック、すごく、馬鹿にされた! オレ、一緒に修理する、イヤだ!』

「そう言わないのだ、グリムロック! 今日のメガトロンさんは、みんなとレースを楽しみたいだけなんだぞ~!」

『そういうことなら、しょうがないな。オレ、グリムロックも、手伝うぞー』

 

「んー……ふたりはああいうけどねぇ……メガトロンさん?」

『フフフ……フェネックちゃん、そう怖い顔をしないで欲しいものなんだがね……ワシは、みんながこのジャパリパークラリーを完走できることを望んでおるのだ。そう、この島を一周することをな……』

 

 

 

『本当にすみません、コンボイ司令官……グリムロック、アライさんとフェネックも。まさか、このような事態になるとは……』

「みんなを傷つけるつもりはなかったの……」

「うわぁあ~ん! ごめんなさぁ~い~!」

「泣かないで、ケーキプリン……私が全部悪いのよ、謝罪するわ……優秀な推理力を持つ私でも、時には予想できないことがあるのね……」

 

「大丈夫なのだ! アライさん、あんなのへっちゃらなのだ!」

「暑かったし、ちょうど水浴びしたかったんだよー。気持ちが良かったねえー」

『オレ、グリムロックも、気にしない。あんなの、水泳の練習』

『皆のいう通りさ。あれは事故、気にすることはない……それよりも、私が気になるのはメガトロンの奴の不気味な動向だ……』

 

 

 

 さあ、さばんなちほーの大地の終わりが見えてきたぞ! 謎の壁画洞窟を通過する1stステージ最終コースだ!

 

 洞窟壁画といえば、アルジェリアのタッシリ・ナジェール国立公園の洞窟壁画や、リビアのタドラルト・アカクスの岩絵遺跡などが、ユネスコ世界遺産になっており有名である! 8千年以上前の先史時代に描かれた壁画にはキリンやゾウの姿が見られ、今は不毛のサハラ砂漠が、当時は緑豊かなサバンナであったことがうかがえる!

 

 さばんなちほーの端に位置する「スウェンガ・シュキ壁画洞窟」は、壁や天井をキャンバスに、背景として鮮やかな青や緑などの顔料を塗り、特徴的な平面的画風のアニマルガールの姿が描かれた謎の洞窟! 頭・胴体・腕・脚など体を部分部分に分けた、意味不明な洞窟絵(腕と脚は何故か1本ずつである場合が多い)も描かれており、特別な儀式用の壁画という説もあるが真相は定かではない! 

 

「右手に見えますのはー、たくさんのフレンズの絵でございます。すごいですねー」

「Oh! ミステリアスなピクチャー、メニーメニー、ウォールにもルーフにも描かれてマース! マカフシギ! キョーテンドーチ! ショーキのサタではありまセーン!」

「旅の思い出に、写真とりましょっ(パシャパシャ」

「こんなファンタスティーックで、キテレツダイヒャッカなブツを見られるなんてー、陸のジャーニーも捨てたモンじゃねーデース!」

『やれやれ、呑気なもんだ。すっかり観光旅行気分かい』

 

「うほォーホホホぁー!! なンだくぉれェわ、スゲーェ!!」

「わあーきれーい……」

『これは大変興味深いね。ジャパリパークは火山活動により最近になって隆起して現れた火山島だと聞いていたが、これはまるでヒトの新石器時代の壁画だ。顔料となった鉱物を成分を採取すれば、描かれた年代を割り出せるぞ』

「う゛えぇえッ!! TFってンなコトまでできるのかァ!!」

「まあ、そんなにさわぐ程でもないです……」

 

 2番「わたりツーリスト」のリョコウバトとキョクアジサシ、5番「ジャパリパーク探検隊」のツチノコとビーチコンバーはすっかり不思議な壁画に魅せられて、順位を落としてしまうのだった!

 

 

 

 涼しげな洞窟の出口付近が最初のCP(チェックポイント)となる! 水・食料・燃料の補給や、次のじゃんぐるちほーに備えてチューンナップやマラソンランナー交代を行う!

 

「やあ~、サーバル~。ジャパリまんの他にも、バオバブの実をたくさん持ってきたよ」

「水を飲みたければ、バオバブのうろに前の雨が降ったのが溜まってますし、向こうには“たびびとのき”が生えてます」

 補給部隊を買って出たトムソンガゼルとサバンナシマウマだ!

 

「ふたりとも、ありがとう! かばんちゃん、これは“たびびとのき”って言って、ツメで突っつくと、お水がたくさん出てくるんだ!」

「ごくごく。うわぁ、おいしい! 旅をするフレンズを助けてくれるから旅人の木なんだね!」

『“タビビトノキ”ハ、バナナノ仲間ダヨ。葉ノ根元ニハ、雨季ノ雨水ガ、タクサン溜マルンダ。ソレニ、太陽ノ照ル南ヲ向クタメニ、葉ッパガ東西方向ニ開クカラ、旅人ガ方角ヲ知ル、助ケニナルンダネ』

 

「あついー、ボクもうやだ。ここ涼しいからごろごろしてる」

「もう! やる気出しなさいよ! 毛皮を脱げばちょっとは涼しくなるわよ」

『現実のラリーはたまらないぜ! 全く、大人しくゆきやまちほーでゲームだけしてりゃよかったよ!』

 

 過酷な走行に疲れ果てたラリーチームに訪れる、ひと時の休息!

 

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 さあ! 2ndステージはじゃんぐるちほーだ! ここでは曲がりくねった見学用ジャパリバス車道を進んでいくのが本来のルートだが、生い茂る熱帯雨林の中を直進してショートカットすることもできる!

 熱帯雨林では、樹木の樹冠(上層部の枝葉)の集まる林冠が日光を遮り、陽の当らない地上部には木が生えず、枯れ葉や枯れ木ばかりで比較的歩きやすい! が、山火事や倒木などで、ひとたび太陽の光が差し込むようになれば、ツル植物や低木がみっしりと密集して繁茂し、植物の壁となり行く手を阻むのだ! この下草が、ちほーの呼び名の由来ともなっている「ジャングル」である!

 

「せっいやァッ!」

 前蹴り……だったと思う。キック一発で樹木を打ち倒すのは、19番「ロードランナー・エクスプレス」の第2走者ヒクイドリ! 170cm、60kg(メス)と、ダチョウに比べて体格は小ぶりだが、時速50kmで走れる強靭な脚力と、出刃包丁のように鋭利な刃渡り12cmのツメによる前蹴り(ティープ)は一撃必殺! 大木も指先ひとつでダウンさせる! まさに現代を生きる恐竜の末裔だ!

 とある実験によると、成人男性のパンチ力が819ニュートンに対して、ヒクイドリは1,274ニュートンのキック力をたたき出したという!(「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」より)ヘビー級のダチョウに対し、ウェルター級のヒクイドリ! ダチョウをパワーとスピードのマイク・タイソンに例えるならば、ヒクイドリはスピードとテクニックとメンタルのモハメド・アリと言ってもいい!

 

『トランスフォームッ! 邪魔な木を切り倒していくぞ!』

 コンボイ司令官の光の戦斧、エナジー・アックス! 木こりパワー炸裂だ!

 

『危険ダカラ、ドイテテネ。樹木ノ伐採ノタメニ、水圧レーザー、作動スルヨ』

「わー、ボス! お水で木が切れてるよー、すごーい!」

 サイバトロンに改造されたLB、テレトランBのパワーを見よ! 作業用・医療用のウォータージェットカッターだ! 水源が近くないと使えないが、引火の心配がなく、精密な裁断加工も可能! 緊急時には武器にもなるのだ!

 

「カーット! カーット! カットの鬼よ!」

 ミス・辻カッターこと、15番「クリフジャンパーズ」所属、ユキヒツジの華麗な剪定!

 

『木を切り倒してオレ様の道を作れッ! B・B!』

「ラジャー、スタースクリーム様。ぎこぎこ」

 こちらはノコギリザメのパワーを持つキメラ・フレンズ、B・Bの帯刀している、チェーンソー・サーベルによる森林伐採だ! このノコギリの歯は、破損してもサンドスターを消費してサメの歯のように再生するのだ!

 

『よし、ワシも手伝うぞ、B・B!』

「ありがとうございます、メガトロン様」

 メガトロンの左手から発射される電動丸ノコギリ!

 

「すぱん、すぱん! うごごごごご! ぐいいいーーん! がりがりがり!」

 これは……紛らわしい! 電ノコの声帯模写をする一般通行フレンズ、コトドリの鳴き声であった!

 

「ぢャッ! ちぇりャァッ!」

 皆に負けじと、目にも止まらぬキックコンビネーションを繰り出すヒクイドリ! これぞフレンズの技「キックの千手観音」だ!

 

「あいつ木を蹴り倒して進もうとしてるぞ。野蛮だねぇ、乱暴だねぇ」

「おお、ナムアムダブツ、ホトケ! ありがたや、ありがたや、なむなむ……」

 ウシのフレンズ、ジャージーとガンジーだ!

 

「ううぅ……わ、私は、らんぼうでもオオボケでもないから! 普通のトリの子だぞ! うっ……うわあぁーん!」

 なかないで。

 

 

 

 さて、残りのチームは遠回りながらも、かつての車両専用道を進むぞ!

 

「ミーはディスウェイ! こっちのロードをチョイスるホウが、よりクイックなのネ! セいてはコトをミステイク、イソがばゴーアラウンドがアイアンルールなのヨ!」

 インドやインドネシアの森林地帯に生息するオオカミのフレンズ、ドールだ!

 

『ジャングルはむしむししていて、気持ちがくさくさするねえ。こうなったらイマいBGMを一丁頼むぜ、ブロードキャスト!』

『オッケー♪ マイスター副官! ミュージックON! ノリノリでいくぜ~♪』

 20番「バンド・オブ・ブレーメン」ラジカセに変形するブロードキャストの奏でるナウい音楽!

 

「くっくるーッ! 音がにぎやかで楽しいね! ニワトリ―、がんばってー!」

「熱帯雨林を代表して、このワタシ、ジャングルキャットが応援するよー! 頑張れ、イエネコ!」

「「応援ありがとー!」」

 仲間に声援を送るセキショクヤケイとジャングルキャット!

 

 さて、森を切り開いて近道を進み、1位に躍り出たのはスタースクリーム率いる00マシンだ!

 

『サイバトロンとフレンズどもを驚かせてやれ! B・B! 妨害作戦開始だ!』

「ラジャー。もぐもぐ」

 

 ジャングルには、ジャパリまん製造用のバナナ農園があり、その栽培種の多くが野生化している! 道端から採取した野生バナナを食べて、なんと、その皮を車道にバラ撒くB・B! 植物性の油分を多く含むバナナの皮で滑るというのは、19世紀の文学に歴史を遡り、20世紀初頭のサイレント映画でお馴染の光景! 使い古された陳腐な作戦のようで、泥と落ち葉で元々滑りやすい熱帯雨林の路面ではシンプルながら効果的!

 

「B・B、胃容量、97%使用中。もうおなかいっぱい、満腹です」

『バカ野郎! 別にわざわざ中身を食べる必要はねえんだ!』

 

 この脅威のバナナ・スキン作戦に対し、スリップする後続車が続出だ!

 

「うわーうわー! すっごいすべるわよ! キタキツネ!」

「くおー、ぶつかるー。ここであくせる全開ー、はんどるを右にー」

 

 キキーッ、ガシャン! スリップによる接触事故だ! ゼッケン7番「スーパー赤いきつねカート」の4WD(ギアーズ)と12番「ジャングル・ビューティ」のシボレー・コルベット(トラックス)の衝突!

 

『ボンネットがっ! オレの美しいボンネットがぁっ……!』

「タッケテー! タッケテー!」

「大変! トラックスとシロクジャクが“うつぼかずら”セルリアンに飲まれちゃった! 毛皮を溶かされちゃう!」

「どれ、助けてやるとするかな。我も病み上がりで調子が出んと言うのに……全く、このかけくらべは災難続きじゃのう……」

 インドクジャクの蹴爪での踵蹴りと、アカクジャクのバーミリオン・ファイアーブレスによる救助活動!

 

「あーもう! ひどいことするわね! あのスタースクリームとB・Bったら!」

『だから俺は最初からラリーなんてイヤだったんだ!』

「これは、復帰に時間かかりそう……バナナ強すぎなんだよ。どこでも生えててすぐ補充できるのに、回復あいてむとして使用後のぐれねーど攻撃のでばふ効果も威力高いし。これじゃ、バナナげぇ~じゃん。ばらんす悪いよ~、かほうしゅうせいして」

『ジャングルなんて、俺はもうTVでも見たくもないぜ! クソォ!』

 ギアーズを修理するキツネコンビ! 幸いなことに、頑丈なオフロード4WDのために損傷は軽微!

 

 

 

『はっはっは! ざまあみろ、サイバトロンとフレンズのマヌケどもめ!』

『やめんか! この大バカ者めが!』

 勝ち誇るスタースクリームを張り倒すメガトロン! 軽い金属音を響かせて倒れるスタースクリーム!

 

『な、なにしやがる! メガトロン! バナナのカドに頭ぶつけたか!?(Have you gone bananas?)

「そんな馬鹿な(バナナ)

「お呼びに与かりましたわたくしは、馬のフレンズ、ヒラコテリウムと申します」

「呼ばれて呼び出たあたし、アクシスジカ!」

『帰れ! (うま)鹿(しか)のフレンズなら、このB・B……ウマシカ頭のワン公(Banana-head Bitch)一匹でたくさんだ!』

「私、トリ頭のワン公(Bird-head Bitch)ですよ」

 

『愚か者どもが! このラリー、皆がゴールを目指して走らなければならないのだ! 余の深遠なる秘密作戦、サル向けのパズル(one-banana problem)すら分からぬお前たちの、未熟なオツムでは理解できんだろうが……よいか、キーマン(Top Banana)はワシだ! 貴様ら、ワシの言う通りにしておればよいのだっ!』

そう言って、走り去っていくメガトロン!(Megatron made like a banana and split.)

 

 にしてもさっきからバナナのせいで、サイバトロンたちはタイヤが滑って、デストロンたちはカイワが滑っていますぞ~(ヒゲじい要素)

 

『チェッ! メガトロンめ、バカにしやがって! きっと、オレ様が1位になってデストロンのニューリーダーとして認められるのを怖がっているに違いねえ! なんとしても優勝して、オレ様を認めさせるんだ! B・B、スウィンドル、気を取り直して出発するぜっ!』

「うっぷ、ラジャー」

『大人しく、メガトロン様に従ってりゃあいいと思うがねぇ……』

 

 

 

 さあさあ突然、密林が開けて目の前に現れたのは、大きな川!

 ここはじゃんぐるちほーの「アンイン橋」……!

 

 だが、橋などどこにも無いではないか!?

 

「こ、これはどういうことかしら!? グラップル!?」 

『パークに“架橋戦車”が残っていたから――架橋戦車ってのは、川に道をつくれるバスさ。動物の名前をしてたっけ――それを修理して、今回のラリーに備えて橋を作っておいたハズなんだが……数日前の増水で流されてしまったのだろうか……?』

 

 トラブル発生、橋が無い! 大問題! どうする!

 

『ノープロブレム! こうして飛んでいけば良いのさ! トランスフォーム! 吾輩、少しなら飛行できるんやで~!』

「ホイルジャック! やりますねぇ!」

「やるです! 隠し芸ですね!」

 1番「フォレスト・フィロソファーズ」のランチア・ストラトスのホイルジャックは、空を飛んで川を越えていこうというのだ! 一部のサイバトロン戦士には飛行能力が備わっている!

 

『空を飛べるのはお前だけじゃないぜ! トランスフォーム!』

「すげぇな! お前も飛べるのかよ! ん? もしかして鍛えれば俺も飛べるのか!?」

「ええ~、どこの筋肉鍛えれば、背中から火が出るんですか~? 火ッ出ィング・マッスル?」

 

『トランスフォーム! しっかり掴まってろよ、弱虫フレンズ! 落ちても助けてやらないからな!』

「きゃあっ! は、はいっ! よろしくお願いしますっ!」

 

『水溜まりやバナナの皮で、タイヤと神経をすり減らすのはもうたくさん! 泥にまみれて川遊びもゴメンだね! 僕トラックスも、空を行かせてもらうとするか!』

「わあ、すごーい! 下から翼が生えてきましたよ!」

「へぶしょっ! 毛皮無しのあられもない姿で寒がる私も、また美しいですねぇ……」

「おお、トラックス、やるではないか! 人間どもの乗っていた車より高性能じゃのう!」

 

 カウンタック兄弟ランボル・サンストリーカーと、戦士トラックスの飛行能力!

 

「こんな川、パフィンちゃんやエトピリカちゃんや私の故郷、北極海の荒波に比べたら、潮だまり(タイドプール)みたいなものです!」

『おーし! 俺たちもいくぞぉ!』

 17番「ポーラスター・ウィンドジャマー」のオオウミガラスたち海鳥フレンズと、ホバークラフト・シースプレーにとっては、氾濫する川などトラブルの範疇にすら入らない!

 

「ハト型ジャパリバス、潜水モード起動です! 防水隔壁、クローズ!」

 

『それっ! ワイヤーアンカーだ! みんなこれに掴まって進むんだ』

 

「うらぁーッ! 見さらせや! これぞエリマキトカゲの水上ダッシュじゃぁい!」

 

『トランスフォーム! 俺たちのジャンプ力を見せてやろうぜ!』

「「「「おー! ヤギフレンズ・パワー全開!」」」」

 

『オイラ、水中だってへっちゃらさ! かばん、トランクから潜水用パーツを!』

「はい、バンブルさん!」

「かばんちゃん、私も手伝うよ!」

 

 他のフレンズとTF達も、各々が渡河する手段を見つけて、レースを続行!

 

 

 

 ジャングル・リバーのクルージングを満喫した後は、バリ島のジャティルイを思わせる風光明媚なライステラス(棚田)地帯の農道を一気に走り抜けて、密林の奥地「けもブドゥール遺跡群」の大回廊を進む! 

 

『自然では見られない完全円形の沼や、強い力で崩落した建物、さび付いた不発弾、土壌中の枯葉剤の痕跡……。ここで、はるか昔に戦いがあったようだね』

「そうなのか……そんなことが……ここは平和そのもので、とてもそうは見えないけどな……」

『爆弾や化学兵器を使われても、パークの大自然の回復力が、過去の醜い傷跡を治してくれたのさ。当たり前だけど、自然の力と言うのは、本当にすごいね、この世で最も尊いもののひとつだ』

 自然の脅威に感銘を受ける、ツチノコとビーチコンバー!

 

 さあ、じゃんぐるちほーのCPだ! 寺院の境内で、屋台で食べ物をふるまうジャガーや、ジャグリングでおにぎりをつくるコツメカワウソ! TFにはエネルゴン・トロピカル・ジュースが振る舞われる!

 

「おこめ……まんぞく……」

「ごはん、おいしいでーす。もぐもぐ、パフィンちゃんも大満足なのでーす」

 

 次の難関ステージ「こうざん」越えするため、皆は英気を養うのであった!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

 3rdステージ、ジャパリパーク山岳部、通称こうざん! TFとフレンズたちは、車両用に設けられた険しい登山道を一心不乱に走る!

 

「はあはあ……きついですね……日頃の運動不足が祟りましたわね……」

 

 ペースが苦しそうなのは「送りオオカミ陸送隊」第3走者のイタリアオオカミ! イタリアを縦断するアペニン山脈やアルプス山脈西部の山岳地帯に500頭ほどが棲息すると言われている! ローマ建国神話において、初代ローマ王ロムルスとその双子の弟レムスを育てたオオカミだ! その授乳シーンをあらわした有名な中世イタリアのブロンズ(フィギュア)「カピトリーノの雌狼」は、母性(バブみ)溢れる傑作彫刻である!

 

「イタリアオオカミ、だらしないアルよ! 山頂のジャパリカフェに、好物のジャパリ中華まん、タクサン用意したのコトね! 根性出すアル!」

「お・かぴーと!(×:オカピだぞ~ 〇:りょうかーい!) がんばるよ! ついでに“ぷったねすか・すぱげてぃー”も作ってよね!」

「アハハ、呆れたアル、ホント食い意地張ってるネ! それじゃあ頑張るヨロシ!」

 仲間のチュウゴクオオカミ(チベットオオカミ)の叱咤激励を受けて、闘志を燃やすイタリアオオカミである!

 

 

 

 さて、そのライバル、「ロードランナーエクスプレス」走者のライチョウの様子は!

 

 キジ目キジ科ライチョウは他のキジ科のなかま同様、めったに飛ばないと言われる鳥! とくに冬の山は歩くことを優先して、体力の温存を図るのだ! 飛行は思ったよりカロリーを消費する!

 ユーラシア大陸や北アメリカの北極海沿岸のツンドラに生息するほか、アルプス山脈、ピレネー山脈、日本の本州中央部の山岳部に分布する! これは氷河期に日本にやってきたものの、氷河期が終わり気温が上昇したため高山帯にのみ取り残されたグループである!

 

「あーん、やだぁ! こんなに走ったら、脚に筋肉がついちゃう!」

 だが、イマイチやる気が無いライチョウ!

 

「走るのは筋肉にいいぞ! こうざん、さーいこぉー!」

「太ももばっきばきぃ、ですよぉ! 高地とれーにんぐぅ、さーいこぉー!」

 ライチョウの意見に、異論を唱えるオーロックスとガウル!

 

「やあねー、ウシさんたち。頭まで鍛えちゃって。あたし、脚が太くなるなんてイヤよ。楽しちゃおっと!」

 コンボイ司令官の変形するトレーラーコンテナに飛び乗ったではないか!

 

「あ、いんちきしてる! ずるいんだ! 自分で走らないとダメだろ!」

「ちぇっ! ちょっとくらい、いいじゃない」

 さっさと追い払われるライチョウ!

 

 だがその時!

 

『よーし! メガトロンめ! 思い知らせてやる! 落石作戦だ!』

「ラジャー」

 

 アクセル全開でトップに立ったゼロゼロマシン、スタースクリーム、スウィンドル、B・Bの3人が、銃撃で岩を撃ち崩し始めたのだ!

 

 後続車に襲い掛かる落石の五月雨! 山の神の怒りにも等しい、大岩の絨毯爆撃!

 

『ハァーハッハッ! コンボイ! この落石で地獄へ落ちろ! いや、天国へ登りなァ! ちょうど雲の上まで近いようだしな!』

『スタースクリームめ、汚い手を! ホォッ! ホアアアーッ!』

「あ! コンボーーイ!」

 

 ジャンプして離脱するフォッサだが、落石の直撃により、谷底へ転落してしまうコンボイ!

 まばたく宇宙(うちゅう)のデスティニー そめて……崖を横転して落下していく!

 

『司令官がやられて落ちてくる! 今、助けます! トランスフォーム!』

「みんな! 登山で鍛えたパワーを見せるぞ!」

「んめぇー! ド根性なんじゃーい!」

「ケガ人発生! ただちに現場に急行! ジャコウウシ、あなたの編み物を借りるわ!」

「んあ?」

 

 コンボイを救出せんと行動を開始する15番「クリフジャンパーズ」の戦士クリフとヤギのフレンズたち!

 なんと、ジャコウウシが自分の毛で編んだ毛糸の救助ネットにして、コンボイをキャッチしたではないか!

 

 それを可能にしたのは山羊(やまひつじ)と書いてヤギ、彼女たちのパワーだ! シロイワヤギ、ユキヒツジ(シベリアビッグホーン)、マーコール、ジャコウウシ!

 クジラ偶蹄目のヤギの、2つに分かれた(ひづめ)(ヒトだと中指と薬指にあたる)は、固い外側とくぼんだ柔らかい内側によって、急斜面の岩場の凹凸に引っ掛けやすくなっているのだ! かかとにあたる部分には、副蹄と呼ばれる小さな爪(人差し指と小指)があり、これを下ろすことでさらに接地面積を大きくして、摩擦力による滑り止めが可能! 断崖絶壁でも、ほんのわずかな取っ掛かりを見つけて、巧みに移動! さらに、ジャンプ力ぅも高く、種類によっては1.5m以上の高さを飛ぶこともでき、着地の際には足関節が優秀なクッションとなる! ヤギの足は、まさに生物進化が編み上げた高級登山靴!

 

 ヤギの仲間は皆、本能的に崖に登りたがる、生まれついてのイワトビ野郎たちばかりなのだ!(女の子やぞ) ロッククライマーだぜ! 「ヤギ 崖」で、画像検索してみてくれ! どこぞの、ウマとシカなフレンズが言っていた「高い所に登る習性」は本当だったのだ!

 

「へぶしょっ! うぅ~、こうざんは寒いわねー……」

「大丈夫? アミメキリン? カゼひいた?」

「グラップルちゃんに診てもらっては?」

『ええっ! 僕はTFの修理が専門だから、フレンズのことはちょっと……』

「ありがとうみんな! でも私は平気よ! 名探偵はカゼひかないって言うでしょ! さあ、みんなの司令官として頑張らなきゃ!」

 

 

 

 一方、クリフとヤギ軍団の尽力により無事に救助されたコンボイだが!

 

『大丈夫ですか、司令官? TFできますか?』

『あ……ああ……大丈夫だ……』

「マーコールに診てもらっては?」

『大丈夫だと言ってるだろうが!』

「きゃっ!」

 

『はっはっは……自分の部下とレディに八つ当たりとは、みっともないぞ。何を苛ついておる、コンボイ? もっとも、泳げない、飛べない、走るのも遅いじゃあ、同情もしたくなるがな……』

『貴様! メガトロン!』

 

『この野郎! 正々堂々とか言っておきながら、この落石もお前の差し金だろう、メガトロン! 今この場で、貴様を八つ裂きのスクラップにしてバラ撒いて、登山道の目印(ランドマーク)にしてやるぞ!』

『おっと、それは濡れ衣だ、全くとんでもない! あれは愚か者のスタースクリームの独断……ヤツは血気盛んで、ワシでも抑えられないところがあってな。コンボイ、お前にもそんな部下、無能のくせに口先だけは達者な弱小ウジ虫が、すぐそばにおるではないか?』

『なんだと貴様!? 言うに事欠いて!? 今すぐお前の心臓(オイルポンプ)を引き抜いて、アステカ文明の生贄のように――』

『ぐ……やめろ、クリフ……』

『でも!』

『フハハハ! ワシの考えていることが分からず、焦っておるようだな! だが、最初に言った通り……余は、皆がこのレースを完走することが望みなのだ! では、お先に行かせてもらうぞ!』

 モーターマスターのTFする大型トレーラーで走り去っていくメガトロン!

 

『悔しいが、ヤツの言うとおりだよ、クリフ……ヤツは何を考えているのだ……ただフレンズ達とラリーを走りたいわけでもあるまいが……』

『司令官……畜生! メガトロンめ! 何度血祭りにあげても物足りないくらい憎いですよ!』

 

「よく分からんけど、クリフも大変なんだなあ! そんな悩み事は、気持ちよく山に登って忘れよう!」

「そうだよ! レースを続けよう! 運転ならあたしに任せてね、コンボイ!」

 シロイワヤギとフォッサの励ましを受けて、いくらか気が楽になるコンボイとクリフの両名!

 

 

 

 ラリーチーム一行は、高度2000mを超えるCP、ジャパリカフェに到着だ!

 

「いらっしゃあぁ~い! ほんどよぐ来たよぉ! みんなが来るのをぉ、待っでだんだからぁ! 紅茶もコーヒーもたくさんあるゆぉ! のんでげのんでげぇ! からだ、すんごくあっだまるんだからぁ! あ、この毛皮はにぇ~、“きもの”ってゆんだぁ、博士に教えでもらっだの~!」

「チベットスナギツネとは自分です。あ、今回は私“うぇーとれす”ですよ。TFの方には“えねるごんてぃー”があるので、ゆっくり飲んでいけばいいと思いますよ」

『オレ、グリムロックも、ウェートレス、したい。オレにも、エプロンと蝶ネクタイ、くれ』

 

「はやくカレーよこすのです。カフェにはカレーなのです」

「火が使えないお前ら、“れとるとぱっく”の“ゆせん”でかんべんしてやるです」

 

「西洋峠茶屋“かふえー”であるな。ハイカラじゃのー。懐かしいのう。うむ、くるしゅうない、我にも緑茶を一杯頼むぞ。え、西洋紅茶しかないのか?」

「わたくしは、サソリの黒焼きをお願いします」

「茶を飲むのも久々じゃな……って、熱っ!」

「あはは、アカクジャクさん、火を吐けるのに猫舌なんて、へんなのー」

 

「ビントロングとハクビシンじゃない! なにしてんの?」

「あ、フォッサ!」

「私たち“こぴるあく”を……」

 

 さあ、各自補給を済ませて、少し走ったところにある廃墟となった飛行場でジェットパックを装着し、いざゆかん空の旅へ!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

 レースも後半戦に突入! この後も過酷なラリーは続いた……!

 その様子を一部、ダイジェストでお伝えしよう!

 

『砂漠でオープンカーは暑すぎるぜ! B・B、お前なんとかしろ!』

「ラジャー。高級車、デストロン・ハイヤーは、ワンタッチ・ルーフでございまーす」

 着ていた黒地のケープを脱ぐB・B! じつはコレ、ドイツ軍のツェルトバーンのように、広げれば三角形の天幕(テント)にもなる、レーダー探知を防げる優れモノなのだ!

 

『アチッ! 暑ゥッ! おい、なんだこれは!』

「うごご……黒色は、高い熱吸収率……オーバーヒート、思考回路ダウン……強制終了します(ばたんきゅー」

『このバカ!』

 

 

 

 砂漠地下の迷路で迷う「マッスル・オックス」のオーロックス・ガウル・ランボルの、地図の読めない3人組!

 

「ええっと……武器を持つ方が東だっけ、太陽が右でしょ? 自分に北の風が吹くと、上が西で、下が東で……目の前が南だから、右の3つは真ん中が横になって……左に回って4回進むと、風が吹く場所は東から南に変わって……」

「武器を持たないさうすぽうが南で左の、後足だから……右にじゃぶじゃぶすとれーとで真っ直ぐ進むと、左にくろすして曲がって、東の方がおーそどっくすだよ」

『前のゲートにトラの絵があって、後ろのゲートがオオカミで……ウシとトラだと北東で……ウマの耳に東風が吹くから、ウマの方角にフェニックスの絵が……全然わからん! まあいいや、穴を掘ってまっすぐ進むのが一番の近道さ……うぎゃあ! 落盤だ!』

 

「お、お前らァアーッ! 貴重な遺跡をぉ壊しやがってェエッ! ゆ゛る゛さ゛ん゛!! ツチノコキック!!」

 

 

 

 しんりんちほーの温帯林地帯でも、インドクジャクたちにトラブルが!

 

「わたくしにいい考えがあります! あの原っぱを走って近道しましょう!」

『アカクジャク! 草地を焼き払って、通り抜けていこうぜ!』

「お主ら……我が“天来浄化の業火”を“農家さんの除草用バーナーか何か”だと思うてないか? ……まあよい、我が力、思う存分見せようぞ!」

 

 しかし! まさかこれが思わぬ事態になろうとは!

 

「あ、あるぇー……草の焼けるケムリがぁ……吸うと気が抜けますぅ……らぶあんどぴーすぅ……」

「はっしぃしゅー……気持ち良いよう―……とにかく、きく……」

『サ、サンドスター色のガス……多幸感で、感情回路がおかしくなる……ゴッキゲェ~ン……』

「ふにゃ……妙じゃ……この五色の煙は心をうつけにするのぅ……ぐぁーんじゃあー……」

 

「素敵ぃ……美しい私が、さらに鮮やかに美しく……美しすぎ……あっ、あっ……空の青と海の青は、私の羽から流れ出るのね……」

「や、やだぁ……あなた、私の心の中、触ってるでしょ……んんっ……身体の中には白い羽毛が詰まって? ……きもちいいよぅ……私の心、もっと触って……」

『なんだ、あの空の排気管(エグゾーストパイプ)は? ああ、あれは太陽から生えてる尻尾。ジャパリパークでは、太陽もフレンズになるのか……ああ、俺が尻尾が揺らすと空に風が生まれる。ヒュー、ヒュー。俺が風だ』

「セイリュウ、ビャッコ、ゲンブ……タヌキにキツネ、カラスにオロチも! 我は独りで寂しいぞ! この世は、(すがた)は同じでも、皆違うフレンズなのじゃよー……え? 他の者もおるのか? おお! みな、肉体のなかに隠れておったとは! ははは、こやつら、いじわるしおってー、このー! ……現世の体など、所詮は遺伝子(きおく)の方舟に過ぎぬ……いやー、みんな、本当に懐かしいのう……」

 

「あーっ! あいつら“おうごんのはらっぱ”の“おばかになる草”を焼いちゃったのです!」

「あそこの”じゃぱりふぁな”は、吸うと頭が“ぱっぱらぱー”になっちゃう草なのです!」

 

 博士たちが気付いた時には、時すでに遅しであった!

「しあわせの草」の煙の影響を受け、バッドトリップする後続のフレンズとTFたち!

 

『見ろ! ゾウさんだ! ピンクのゾウさんだ! ピンクのパンサーもいるぞ』

 

「あ~ボクもピンクの仔馬(リトルポニー)になっていく……ロイヤルペンギンはどこ? シュービドゥ、シュシュビドゥー」

『俺もマスターピースになったり、実写版に出たいよ~……ギャー! 監督に殺されっちまう!』

 

「右手に見えますのは……大群のわたくしでございまぁ~す、あは、当機はこれよりわたくしの乱気流の中にはいりま~す、シートベルトをお締めに、きつく締め、絞めっ……あはは……」

「苦しい……た、卵の、子だけは……お願い……助けて、下さい……」

 

『あの空にいるのが、ダイアモンドでいっぱいの、アウストラロピテクスのルーシー』

「スナネコ、これ俺の絵だけど、どうだ?」

「うわーきれーい(焦点の合っていない目」

 

『な、なんだここは……サイバトロンが悪で、デストロンが善の世界……』

『なんでオイラのボディが赤いのさ!?』

 

「空を飛びすぎて……身体が溶けちゃいマース!」

「パ、パヒンちゃん自身がお菓子! パフィンちゃん、パフィンちゃんを食べないでくださーい!」

 

『頭が……メガトロン……コードが……俺の頭に……』

「いやぁ……セルリアン……触手はやめてぇ……」

 

『愚か者めが! でくのぼうの分際で、2人に増えおってからに!』

『アンタこそ! 胸のマークがサイバトロンじゃねーですかよう、この裏切り野郎!』

「スタースクリーム様、どこかで、私、見かけませんでしたか? どこにも、私がいないんです。どこを探しても、いないんです」

 

「みんみ(例の顔」

「ボクのかばんの中にいる、君は誰? どこから来たの?」

『僕ノ頭ヲ開イテネ。中身ハ、ナニモ無イ、カラッポダヨ。カラッポナンダヨ』

 

「……ああ、こまったものなのです。みんな悪い夢を見てるのです」

「まあ、ほっとけば治るのです」

 

 

 

 みずべちほーの田園地帯の片隅にあるジャパリ・コンポスト!

『くそ……このオレが、こんなひどい目にあうとは……』

 ラッキービーストの管理により、ジャパリまん工場の生ゴミや、動物たちの排泄物を再生利用して肥料を作る装置だが! 堆肥発酵槽に落ちてしまったサンストリーカー!

「待っててください! 今助けます!」

『馬鹿っ! アードウルフ! はやく離せ! お前まで沈んでしまうぞ!』

「イヤです! 誰かを独りぼっちでさびしく死なせるくらいなら、私も一緒に!」

『アードウルフ……』

 

 だが! 引き上げようとする努力空しく、肥溜めに滑り落ちるアードウルフ!

「あっ!(ズルッ! ボチャン!)んあ゛ーっ! あ゛づっ! 熱いですぅっ!」

『誰も、死ぬなんて言ってないだろ……底が浅くて足がつくから、平気なのに……』

 肥溜めの発酵熱というのは70℃にも達し、寄生虫や細菌が死滅するほどなのである!

 

 

 

 ゆきやまちほーの亜寒帯林を爆走する、ジャイアントモアのフレンズ!

「さむいわぁ! でもこのくらいの寒さで私の走りを止められると思ったら、大間違いなのよぉ!」

 ダチョウは灼熱のサバンナだけでなく、シベリアの大地でも生存可能、そのダチョウより遙かに大きな、体長3.6m・体重250kgの巨体のジャイアントモアの適応力はさらに凄まじい! 風速が1m/s増すと体感温度は1℃下がると言うから、時速70kmで走行すれば体感温度は19℃以上も下がるが……それをものともせぬ、ジャイアントモアの胸部の皮下脂肪! 存分に見てくれ!

 

「あいつ、揺れますね。我々は、全く揺れませんが……」

『そりゃあ吾輩、安全運転を心がけておるからね!』

「そういう話じゃねーのです……しかし、胸骨に“竜骨突起”を持たないダチョウの仲間は“平胸類”と呼ばれるくせに……」

「あいつこそ“胸峰類”。いや、胸豊類なのです。ヒトは嘘つきです、キライなのです……」

『どないしたんやぁ、おチビちゃん達ぃ、いったい何の話かね?』

「うっ、うるさい!! うるさいのです!!」

「ダレのドコがおチビなのですかぁ!?」

『おやまあ……この大天才の吾輩でも、フレンズの心だけは分らんわぁ……』

 

 ラリーでは、他にも色々な出来事があった。湖畔の山火事の大事故からTFとフレンズ達を救うコンボイの「ローラー」と「コンバットデッキ」の大活躍……リジェとカメレオンのコンビネーションで全員を透明化して太古の時代から復活した恐竜から逃れ……流れる流氷をピンボールのように動かして窮地を逃れるキタキツネとギアーズのビデオゲーム・テクニック……。

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 さて、一団はとうとう最終ステージ「ゆうえんち」の、廃墟となった居住区に差し掛かる! この街路を走り抜ければ残すところは、遊園地のゴーカート・サーキットのウィニング・ランのみ!

 

 だがこの時、思いもよらぬメガトロンの罠が、フレンズとサイバトロンを待ち受けていたのである!

 

『ホォッ!! な……なんだ!? 一体あれは!?』

 

 突然! ジャパリリパークキョウシュウ島の中央にそびえ立つ「サンドスター火山」から、金属的な唸り声を上げて虹色のサンドスター・エネルギーが立ち上り、渦を描いて上昇していくではないか!? まるで、2つの螺旋を描いて空へと登る光の樹である! 一体この自然現象は何なのか!?

 

『驚いたか? これは、パークの全ての命の原初の根源! 砂の星が天へと登る道! 余が作り上げた“生命の樹”(ジャパリ・ツリー)だ! コンボイ!』

『なんだとメガトロン! どういうことか説明しろ!』

 

『ふふふ……今回のお友達ごっこは、莫大なエネルギーを解放する“儀式”だ! 10の地に、22の駒を動かすこと! 我々が島中を巡ることが発動の“鍵”となっていたのだ!』

 

「10の地と言うのは、パークの5つの気候帯をさらに細かく分けた10の場所のこと! そして、我々ラリーチームが22組の駒……22とは、タロットカードなど、ヒトのオカルトや黒魔術で扱われる神秘的な数! つまり私たちは、メガトロンさんの掌の上で、ジャパリパークというゲームテーブルで、魔術的な“すごろく遊び”の儀式をさせられていたのですね!」

「あ、ダチョウ。お前、いつの間にいたのですか?」

「何ですかそのトンデモオカルトオモシロ世紀末滅亡論は? 非ぃ科学的なのでーす」

「キタキツネ~、“たろっとかあど”とか“すごろく”って何?」

「げぇむの1種だよ。ボクたち、ぷれいやーのメガトロンのげぇむの中のえぬぴーしーだったんだよ」

「はぁ? 何それ?」

 

「ええー! 全然わかんないよー!」

「つまり、ボクたちがひとりも欠けずにラリーを走り切ることで、火山からエネルギーを引き出すのが、最初からあなたの計画だったんですね!」

『ぐぬぬ! 完走することに意義があるとか言ってたのはそういうことか、おのれメガトロン!』

「はじめっから分かってたわ、やはりメガトロン、あなたが犯人だったのね!」

『このエネルギーは……大地の記憶だ。46億年の地球環境を“保存”して“再現”する、サンドスターの2重螺旋……』

「うわぁ……きれーい……」

 

「この“らりぃ”の走者と道順を見ただけで嫌な予感がしておったが……メガトロンめ、どうやって調べたのか知らんが、大昔の儀式を復活させおって……“ぱわぁ”が失われた我に、どこまでできるかのう……もし“あやつ”なら、こういう時どうする……?」

 

『フハハハッ! この膨大なエネルギー波は、ジャパリパーク上空、宇宙空間を飛行する人工衛星が受け止めるぞ! 米軍が“スターウォーズ計画”で残していた衛星に、サウンドウェーブやレーザーウェーブが待機しておるわい!』

『さ、さすがメガトロン様! なんという壮大な計画! 俺にも教えてくれればよかったのに……』

『さあ、スタースクリーム、モーターマスター、スウィンドル、フレンジー、B・B! ワシらも宇宙衛星へ向かうぞ! さらばだ、愚かなサイバトロンとフレンズ諸君!』

 

 宇宙へ飛び去るメガトロン一味! これに追撃を加えようとするサイバトロン戦士たちだったが! そこへ、宇宙から降り注ぐ謎の麻痺エネルギー放射線! バリアに守られるデストロンに対して、サイバトロンのみならずフレンズまでもが行動不能に陥ってしまった!

 

『うう……なんだこの宇宙線は……オイラ、指の先まで動かないよ~』

『吾輩たちサイバトロンだけじゃない……フレンズ達も……』

「この筋トレは凄すぎるぜ! 鍛えぬいた俺の筋肉でも全然動けねえぞ!」

「ア、アライさぁん……なんだかー、すごいことになっちゃってるよー……」

『オレ、グリムロック、ダイノボット・パワーでも、全然ダメ』

『コンボイ司令官……このままでは……何か、パークを救う手立ては無いのでしょうか……?』

『くっ……そんないい考えがあるなら、私の方が教えて欲しいよ、マイスター……』

「か、かばんちゃん……苦しいよ……」

『アワワワ……』

「うぅ……この麻痺光線をどうにかしない限り……」

「うぐぐ……昔のチカラさえ取り戻せば、こんなへなへな光線など……あ~、全身が筋肉痛じゃよー、歳は取りたくないもんじゃの~!」

 

『はっはっは……今日は大変楽しいお遊戯会だったからな……これはそのお礼だ。どうだ、宇宙衛星からのパラライザー・ビームの味は? 上空から眺めると、貴様らは虫ピンで張り付けた昆虫標本のようだぞ、ウジ虫どもめが! 貴様らサイバトロンとフレンズには、大変手を焼かされたからな……そのみじめな姿のままもっと苦しむがいい、あわれな虫ケラども!! 余に反抗できる力を全て奪い尽くしたあと、全てのサイバトロンとフレンズは、我が奴隷と家畜になり果てる! ジャパリパークは今日からは、デストロンの千年王国“メガトロンパーク”になるのだぁっ、ワァッハッハッハッ……』

 

 勝ち名乗りを挙げるメガトロン! 絶体絶命! パークのサイバトロンとフレンズは、悪のデストロンの支配下に落ちた! この日がジャパリパーク終焉の時、デストロン黙示録(アポカリプス)の日なのか!? けものたちの自由と平和のユートピアは、メガトロンの独裁と圧制によるディストピアとなってしまうというのか!

 

 

 

 ジャパリパークの上空……雲の上よりさらに上の宇宙空間の、かつての米軍の「スターウォーズ計画」の名残り……ヒトが残した軍事衛星では!

 

『ヤリマシタ、メガトロン様。サンドスター火山ヨリ放出サレル、2重螺旋情報記憶放射線“生命ノ樹”ノ、エネルギーヲ、順調ニ吸収中』

『そのエネルギーを電力にして、私が開発しました強力麻酔エネルギー光線を、リフレクターのレンズで増幅して、地上のサイバトロンとフレンズの奴らに照射中です。地中だろうが海中だろうが、パークのどこに隠れていても、逃げられっこありませんよ』

『いやあ、ご苦労だったな! サウンドウェーブ、レーザーウェーブ!』

 

『流石です、メガトロン様! サイバトロンのみならず、あの厄介者のフレンズどもも一網打尽とは、たまげました! ホント気分がいいですぜ~、ナハハハ~』

『アイツらと一緒にレースをするなんておっしゃった時は、俺も驚きのあまりヒューズがブッ飛びそうでしたが、このような深遠なお考えがあるとは、思いもよりませんでしたよ』

『ククク……トランキライザー・ビームを防ぐバリア発生装置は我が手の中……サイバトロンとフレンズの連中は全く打つ手なしというわけだわい! 余に逆らうものは誰一人としておらんわけだ! 余がこの野生の王国の帝王である! ふはははっ!』

 

 だが! ここにまだ、メガトロンに反旗を翻そうという者がいたのだ!

 

『おおっとぉ……自分一人で成し遂げたみたいな言い方をしますが、誰かのことをお忘れじゃありませんかね、メガトロン様? 今回の“生命の樹”作戦が上手くいったのも、わたくしのサポートぶりが優れていたからというもの!』

『何を言うかと思っておったら……この愚か者めが! お前は、姑息な妨害工作をして、ラリーの進行を妨げただけではないか! 全く余計なことをしおって! レースチーム22組がラリーを完走できなければ、あの不思議なエネルギーは出現することはなかったのだぞ!』

『ぐぐぐ……それはアンタが前もって、俺にこの計画を教えなかったからでしょうがぁ!!』

『妨害を止めろと言ったのを、無視しおってからに……簡単な命令1つまともにきけない者が大口を叩くな!! このバカモノが!!』

『うるせえ!! いい加減にしろ!! デストロンのニューリーダー、ジャパリパークの王になるのは、このスタースクリーム様だぜ!!』

 

 スタースクリームの反逆! なんと、レーザーウェーブにナルビームを放ったではないか!

『ぐわぁっ! な、何をする! スタースクリーム!』

『どきな、レーザーウェーブ! てめえの作った麻痺ビームのターゲットを、この人工衛星にしようってのよぉ!』

『ハッ! ワシらに麻痺光線を食らわせる算段だろうが、ワシにはこのウルトラバリア装置があるのだ! お前の考えなどお見通しだ! お前はもう100回はワシを裏切っておるのだからな!』

『だが、101回目は違うぜ! こっちには味方がいるってことだ! B・B!』

「ラジャーッ!」

 

 なんとB・Bがメガトロンからバリア発生装置を奪ったのだ! そして、スタースクリームによって、ステーション内に放たれる麻痺エネルギー照射光線! 瞬時に身体の自由を封じられるデストロン軍団!

 

『き、貴様ら……』

『ハァーハッハッハ! 今回はオレ様の勝ちのようだな! デストロン軍団の天下はオレ様のものよ! お前も笑え、B・B!』 

「笑います。はっはっは」

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 そして、地上のサイバトロンとフレンズ達は!?

 

『おや? オイラ動けるぞ! 麻酔光線が止まりましたよ、司令官』

「おー! 助かったのです、動けるのです!」

『一体、どういうわけなんだ!?』

『どうせデストロンの作るポンコツのことでっせー。おおかた故障でも起こしたんとちゃいます?』

『だが、このデストロン台風の“目”はいつまで続くかわかりません! 早く奴らの計画を阻止する行動を起こしましょう!』

 

『しかし、連中は今は雲の上の、空の上……宇宙だ……!』

「え、えー! すごーいっ! 空の上ぇ!」

「スカイのジャーニーならミーやリョコウバトに、と言いたいところデスが……そこまでハイなプレイスはインポッシブルなのデース……」

『うーん、吾輩やランボル君など、空が飛べるサイバトロンはいれど、宇宙進出となるとねぇ……』

 

 このままでは、成す術無し(ナス)です、と思われたその時!

 

「皆の衆、我に良き考えがあるのじゃ」

『キミは確か……トラックスのチームの“アカクジャク”!』

「だが、はるか昔には、こうも呼ばれておった……南の方角と紅蓮の炎を司る聖けもの! 守護けもの・四神が一柱“スザク”と!」

「ええ! それは本当なのですか!? あぶない草を吸って、昔の思い出に泣いてたお前が、あの守護けもののスザク!」

「やばい葉っぱの煙で、鼻水とよだれをダラダラ垂らしてむせび泣いていたお前が、あの四神のスザクだったとは、オドロキなのです!」

「や、やめんか、お主ら……人様の過去の過ちを蒸し返すのは……長く生きていると“のるたるじー”に浸りたいコトだってあるんじゃよー……長命な“さいばとろん”どもは、我の気持ち、分かってくれるじゃろ?」

『そんなことはいいから、早く君の考えを言ってくれ!』

 

「……うおっほん……我の守護けものたる所以の、聖なるあにまるがーる・ぱわぁのしるし、“スザクの印”を、けものの誰かに与えようという試みじゃ! さすれば、強力な力を身につけることが可なり! だが、そやつは空の上の“ですとろん”のいる“くず鉄星”まで飛んでいける、申し分の無いチカラと勇気と、稀有な“ふれんずのわざ”を持ったけものでないといかんのじゃ!」

 

『それなら、オイラ、ぴったりのフレンズを知ってるよ! 敵と戦う力と、仲間を思う勇気と、すっごーいジャンプ力を持ったフレンズ……サーバル、キミのことさ!』

「うみゃあ! 私、雲の上の、空の上までジャンプしちゃうんだから!」

「サーバルちゃん……」

「かばんちゃん、心配しないで! 大丈夫だよ! 私、みんなのために頑張るんだから!」

「うん……生まれたばかりのボクに、木登り、教えてくれたよね。この大きな“生命の樹(ジャパリツリー)”だって、かんたんに登れちゃうに決まってる!」

「みゃっ! かばんちゃんがそう言ってくれたら、私、元気いっぱい! やる気まんまんだよっ!」

 

『私にもいい考えがある! サーバルに掴まって一緒に私も行くぞ! ランボル、お前のロケットブースターを貸せ! 命令だ!』

『ロケットブースターを!? まさか、止めて下さい、コンボイ司令官!』

『そうです! リーダーのあなたが、そんな危険な任務をするなんて! ここは副官の私が!』

『いや……軍事衛星に乗り込み、デストロン軍団と単身で戦い、生きて戻れるのは、私しかいない! これは私の役目だと、胸の中の“マトリクス”が私に囁くのだ!』

『司令官……もう覚悟を決めているのですね……ご武運を……!』

『ふふふ……サイバトロンの宇宙船が初めて地球に来た時のことを思い出すな……だが、今度は、無様にやられたりはしないぞ! 必ず戻る!(I'll be back.)

 

「サーバルちゃん! ボクらで何とかして、あの“生命の樹”のエネルギーの放出を抑えてみせるよ! そうすれば、あの動きを止める光も使えなくなるはず!」

『地上ハ、カバント、サイバトロン戦士達ト、僕“テレトランB”ニ、任セテ。サーバル』

『よぉーし、情報員のオイラも頑張るぞ! “生命の樹”のデータを探るんだ!』

『こんなこともあろうかと持ってきといた、吾輩の発明品の出番やでぇ!』

 

『よし、サイバトロン&フレンズ戦士! トランスフォームして、出動ォーーーーッ!』

 

 けものフレンズvsトランスフォーマー!

 さあ、戦いだ!

 

 

 

 その問題の宇宙衛星では!

 

『グッ……スタースクリームッ!! 貴様ッ、この期に及んで、この裏切り者めが!!』

『ハァッハッハッハ……唯一麻痺していない口で、何とでも言いな、メガトロン! おい、B・B、お前頭は悪いが、なかなか忠誠心ってヤツがあるし、生まれは下等有機生物のフレンズだが、No.2に取り立ててやるぞ。光栄に思え』

「はぁっはっはっは。ありがとうございます、スタースクリーム様。これからも、あなたの為に尽くします」

 

『さて、サイバトロンとフレンズの連中はどうしてやがるかな……デストロンの奴らのエネルギーはもう切れかけで、メガトロンも動くエネルギーすら残ってねえ。そろそろ麻痺ビームを地上に照射して、奴らの動きを止めなければ……』

 

 デストロン軍団へ向けられていた麻痺光線を解除するスタースクリーム。それを地上へ発射しようとした、その刹那!

 

「うみゃああーーっ!!」

『ホアアアアーーッ!!』

 

 人工衛星の床をウルトラジャンプとロケットブースターで突き破って現れた、サーバルとコンボイだ!

 

 ジャンプ力ぅ……ですかね、衛星軌道までスッとジャンプできる動物になりまして。四神スザクの飛翔パワーを一時的に手に入れたので、軽々と1000km、2000kmは余裕でキノヴォリ・ジャンプしてくれます。

 

 コンボイvsスタースクリーム! サーバルvsB・Bの一騎打ち!

 

 落ちていた鉄パイプで応戦するスタースクリームだが、怒りに燃えるコンボイの類稀なる白兵戦能力と、光学戦斧「エナジーアックス」の威力に押されつつあった!

 

『ハンサムな顔だな、スタースクリーム……私の斧で、誰かも分からぬ醜く潰れたくず鉄の塊にするには惜しい』

『く、くそぉっ! 何チンタラしてんだァッ、B・B! 早くコッチに加勢してくれぇっ!!』

『なあに安心しろ。ボディのほうもちゃんと始末する。バラバラに切り刻んだスクラップはゴミ袋(ボディバッグ)に入れて、燃えない宇宙ゴミ(スペースデブリ)の曜日に捨ててやる……さあ、早く私に、星クズの悲鳴(スタースクリーム)を聞かせろ』

『サーバルをさっさと始末して“麻痺光線”のスイッチを入れるんだよぉっ!』

 

 スザクの炎のチカラを得たサーバルの「熱風のサバンナクロー」の、ケニアに吹く南風(オウラリ)コンビネーション! イヌ・トリ・サメ・飛行機のキメラ・フレンズである陸海空重爆兵B・Bは、黒のケープを片手に巻いて盾とし、帯刀するノコギリザメ(ソウシャーク)サーベル「ヘルスクリーマー(地獄の金切り声)」を引き抜き、サーバルを迎え撃つ構え!

 

「うみゃみゃみゃっ!! みんみっ!!」

「サーバル、私のデータより何倍も、いや何十倍も強力。原因不明。防戦一方」

「あなた、ビービー、どうして悪いコトするの!?」

「質問への回答。生みの親であり上官である、スタースクリーム様の、命令だからだ」

「あなたもフレンズ、私の友達なのに!! どうしてフレンズやサイバトロンと戦うの!? どうしてデストロンの味方をするの!?」

「質問その2へ回答。ある朝目覚めた時に、戦う相手を、決められていたから。質問その3へ回答。私はデストロンの心(スピリット・オブ・デストロン)と一緒に行くからだ」

「うみゃあーっ!! もう!! 何言ってるのか、ちぃっとも分かんないよぅっ!!」

 

 フューザー・フレンズB・Bは、ノースロップ・グラマンB-2爆撃機のパワーも持っている! そのステルス性でサーバルの視覚を誤認させ、イヌと猛禽類の身のこなしで戦闘から離脱! “麻痺光線”のスイッチのあるコンソールへと忍び寄る!

「ポチッとな」

『でかしたぞ! サイバトロンとフレンズども、地べたにキスしなぁ!』

 

 万事休すか! コンボイ! サーバル!

 

 だが!

 

「あらー。麻痺ビーム、作動しません。原因は不明」

『な、なぜだぁ!!』

 

「やったぁ! かばんちゃんとボスのおかげだよ!」

『マイスター、バンブル! やってくれたのか!』

 

 

 

 そうなのだ! マイスター副官率いるサイバトロン&フレンズ地上部隊、それに火口に続々と集まった武闘派のフレンズ達の活躍により、サンドスターエネルギー軌道エレベーター「生命の樹」の、根元が攻撃されて切り倒されていたのである!

 

『ネットワーク接続中ダヨ』

『テレトランBの“生命ノ樹”の情報、オイラが解析するからね』

「バンブルさん! 生命の樹が地球の“遺伝子”なら、切り離せる弱い部分があるはずです!」

『サイバトロン戦士! 脆弱部を狙って一斉射撃! 撃って撃って、撃ちまくれ!』

 

「えぇ……全然分からん! けど、このでっかい光る木を切ればいいんだよな?」

「はっはっは……自慢じゃないが私も全く分からないぞ! とにかく突撃、突撃、突撃あるのみぃーっ!」

「おうちでゴロゴロするためにも~……がお~っ! 喰らえっ! こんにゃっろ~っ!」

 

 

 

『ワ……ワシの……余の“生命の樹(ジャパリツリー)”が倒れてしまった!』

『ち、ちきしょうめ! せめてコンボイとサーバルだけでも! B・B!』

「ラジャー。白兵戦は、不利と判断。有効攻撃は、ミサイルとガトリングと予想」

 

 さあ、B・Bは自身のサンドスターを限界まで消費して、ありったけの数のミサイルを具現化! そして、 チェーンガンをバッグから! 機銃弾200発とチェーンガンをフルパック! それでも生きていられる動物はいないはずだ! ましてあの距離では!

 

 B・Bの全火力一斉掃射!

 

 ところが!

 

『バカヤロウ! こんなところでミサイルやレーザーを使ったら……!』

「あ、やば。それは、いわゆる、副次的災害(コラテラルダメージ)というもの」

 

 軍事衛星の内部は、疑似重力用に高い圧力がかかっており、内側からの爆撃に耐えうる構造ではないのだ! 爆撃により内壁が破壊され、「生命の樹」から受け取って貯蔵されたエネルギーに反応・引火・誘爆! そして、当然の帰結である、軍事衛星の大爆発!

 

「うみゃああーーーっ!」

『ホッ、ホアアアアァーーーッッ!!』

『おわあああーーーーっ』

 

『うわあああーーっ! やっぱりテメエは大馬鹿野郎だああーーーっ!!』

「すんません」

 

 戦いは終わった! メガトロンの「生命の樹」は破壊され、ジャパリパーク上空を周回する軍事衛星も大爆発を遂げたのだが!

 

 

 

 遙か下の地上では……!

 

『あれは司令官だ!』

『やったんだ!』

『でも落ちてくる!』

 

 デストロンの軍事衛星は破壊されたものの、宇宙空間からの墜落を余儀なくされるコンボイとサーバルだが!

 

 しゅたっ。

 

「ほいよっと! とやー!」

『ありがとう、サーバル! 私だけなら、墜落していたところだ!』

『コンボイ司令! よくぞご無事で!』

今戻った。(I'm back.)心配かけたな、みんな』

 

『ネコ科だけに見事な着地だ! サーバル選手、ウルトラC!』

『審査員のオイラ、満点の10.0をつけちゃう!』

「かっこいい! サーバルちゃん」

「いやぁー、そんなことないよー! こんなことができたのも、スザクのチカラのおかげ……」

 

『スザクはどうした?』

「そう言えば、いないですね。さっきまで、ボクらといっしょにいたんですが……ケガでもしたんでしょうか?」

 

 

 

「あっ! そういえば!」

「どうしたの、かばんちゃん?」

「ラリーの続きだよ! ボク達、まだゴールしてないじゃない!」

「わ、忘れてたー!」

 

『よーし、ここからゆうえんちとヒノデ港まで競争と行こうぜ!』

『ゴッキゲンな勝利のBGMを流しながらね♪』

 

 

 

『フレンズとサイバトロン戦士! トランスフォーム・アンド・スタート・ユア・エンジン!!』

 

(やれやれ。フレンズたちもTFたちも、まったく世話が焼けるのう。さて、そろそろ我はまたひと眠りするとするか……)

 

【おわり。次回に続く】

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

※※第1回ジャパリ・ダカール・ラリー「かばんカップ」レース結果※※

 

【オート部門】

 

[1st] 09 インビジブル・ミラージュ / リジェ・JS11レースカー(リジェ)/ パンサーカメレオン エリマキトカゲ

 

[2nd] 13 ロンリーロードスター / スーパーカウンタック(サンストリーカー)/ アードウルフ

 

[3rd] 11 マッスル・オックス / ランボルギーニ・カウンタックLP500S(ランボル)/ オーロックス ガウル

 

[4th] 20 バンド・オブ・ブレーメン / ポルシェ・935ターボ(マイスター)/ ニワトリ イエネコ イエイヌ ロバ ブロードキャスト

 

[5th] 01 フォレスト・フィロソファーズ / ランチア・ストラトスターボ・レーシングGr.5(ホイルジャック)/ アフリカオオコノハズク ワシミミズク

 

[6th] 15 クリフジャンパーズ / ポルシェ・924ターボ(クリフ)/ ユキヒツジ シロイワヤギ ジャコウウシ マーコール

 

[7th] 14 デザート・キャラバン / 三菱・J59ウィリスジープ(ハウンド)/ ヒトコブラクダ フタコブラクダ

 

[8th] 07 スーパー赤いきつねカート / 4WDピックアップトラック(ギアーズ) / キタキツネ ギンギツネ

 

[9th] 21 フライト・オブ・ザ・バンブルビー / フォルクスワーゲン・タイプ1(バンブル) / かばん サーバル テレトランB

 

[DNF] 12 ジャングル・ビューティ / シボレー・コルベット3代目C3型“スティングレイ”(トラックス)/ クジャク シロクジャク スザク(※搭乗者スザク行方不明)

 

[DNF] 00 ダブルオー・スクリーム / FMCクライスラー・XR311コンバットバギー(スウィンドル)/ スタースクリーム B・B(※車両・搭乗者全員行方不明)

 

 

 

【カミオン部門】

 

[1st] 16 サバンナ・ロングラック / 三菱ふそう・T951クレーン車(グラップル) / アミメキリン ロスチャイルドキリン ケープキリン

 

[2nd] 02 わたりツーリスト / 後輪1軸アメリカントラック(ドラッグ)+ ハト型ジャパリバス / リョコウバト キョクアジサシ

 

[3rd] 08 オプティマス・プライム / フレートライナー“コンボイトレーラー”(コンボイ総司令官)/ フォッサ

 

[DNF] 04 ロード・メガトロナス / ケンワース・K-100エアロダイン“コンボイトレーラー”(モーターマスター)/ メガトロン フレンジー(※車両・搭乗者全員行方不明)

 

 

 

【モト・クアッド部門】

 

[1st] 03 ひっぽーライダー / ハーレーダビッドソン・ツアーグライド・ポリスバイク(グルーブ)/ カバ ゴルゴプスカバ

 

[2nd] 05 ジャパリパーク探検隊 / デューンバギー(ビーチコンバー)/ ツチノコ スナネコ

 

[3rd] 10 ホイール・オブ・ザ・ラクーンドッグ / タイヤ(タヌキ)/ ※なし

 

[4th] 17 ポーラスター・ウィンドジャマー / ホバークラフト(シースプレー)/ ニシツノメドリ エトピリカ オオウミガラス

 

[DNF] 06 ダイノベース・ちぇいさー / Tレックス(グリムロック)+ 脚こぎ4輪車(ばすてき)/ アライグマ フェネック(※無茶な走りにより、応急処置した「ばすてき」が分解四散)

 

 

 

【マラソン部門】

 

[1st] 19 ロードランナー・エクスプレス / ダチョウ(1) ヒクイドリ(2) ライチョウ(3) オオミチバシリ(4) ブラウンキーウィ(5) ジャイアントペンギン(6) ジャイアントモア(7) ディアトリマ(8)

 

[2nd] 18 送りオオカミ陸送隊 / タテガミオオカミ(1) ドール(2) イタリアオオカミ(3) コヨーテ(4) ニホンオオカミ(5) ホッキョクオオカミ(6) ツンドラオオカミ(7) タイリクオオカミ(8)

 

 

 

運営委員長・アフリカオオコノハズク博士からのコメント:

やれやれなのです。記念すべき第1回ジャパリダカラリーは、本当にトラブル続きなのでした。特にデストロンのせいで、ゴール直前に、もうすっちゃかめっちゃか。完全にゴール直前の市街地のレース性能だけで、順位が出てしまったのです。まあ、それでも何とかレースの体裁を保つことができたのは、ひとえに我々、博士のアフリカオオコノハズクと助手のワシミミズクの、スカウト&プロモーション能力の高さの賜物なのです。ラッキービースト映像でレースを見ていたフレンズたち、パークの長である我々の偉大さをこれからも称えるのですよ。あ、ちなみに次回のラリーの予定は未定なのです。

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

『「PPP&デストロン予告っ!」』

 

「むむむ、今回のレース結果は、1・2・3着を、タロットで表すならば、“9 隠者”、”13 死神”、“11 力”。これは、これからのパークの行く末を暗示しています!」

「あなたは、ダチョウね。それって、“占い”でしょ。このコーナーは“次回予告”だし、ちょっとちがうわよ」

「どっちも似たようなモノですよ」

 

「さあ、次回予告をするわよ! それにしても、ラリーの終盤に凄いことになってたみたいね……」

「私達はずっと冷凍車にいたから、全然わからなかったんだけどな……」

「聞いた話ですと、デストロンさんは空の上で爆発して、みんな行方不明になってしまったみたいですよ」

「ぐっばい・めがとろん・せっと!」

「あのしつこいメガトロンやスタースクリームが、そう簡単にやられるハズはないと思うぜ~」

 

 

 

『くくく……その通りだとも……ワシらデストロンがそうそう死んでたまるものか!』

『全くその通りですぜ。我々はしぶといのが取り柄。なにしろ日本じゃあ、1年半かけて総集編込みの74話もサイバトロンと戦ったんですからねェー』

『うるさい! バカモノめが! 反逆の罪は重いぞ! 貴様とB・Bは、この即席の宇宙艇の動力として、最低限の休息とエネルギーで、たっぷり強制労働してもらうからな! ジャパリパークまでまだまだだぞ、もっとペダルを漕がんか!』

 

『けっ、今に見ていろ、メガトロンめ! くそっ! それもこれも、今回の失敗は、全部お前のドジのせいだぞ、B・B!』

「イエス。B・B、ほんとドジです。反省中」

『まあ、今回はすんでのところで失敗したが、また近いうちにリーダーの座を奪い取ってやるからなぁ! B・B、もっとペダル漕げ!』

「ラジャー。デストロンのためなら、えんやこら」

 

次回、【第12話 メガトロンのアニメ制作会社!!】

「生命の樹」作戦が失敗したメガトロンは、再び邪悪な大計画に着手した!

それは、パークのフレンズを洗脳しデストロンの味方にするプロパガンダ・アニメの制作!

アンチ・サイバトロン・ヘイト・アニメに対し、どう戦うのか、サイバトロン!?

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