戦え! けものフレンズvsトランスフォーマー【第1部完】 作:大きさの概念
今夜の「けものフレンズvsトランスフォーマー」、あなたのハートにはいったい何が残るでしょうか?
【Episode 4: Headmaster Megatron (メガトロン校長のフレンズ洗脳教室)】
「あいはう゛あないでぃーあ」
今日のけものフレンズvsトランスフォーマーは! 昼下がりのさばんなちほーから物語を始めよう!
「わんしゃるすたぁんど、わんしゃるふぉーう」
太陽が高く昇り気温が最も高くなる時分、その暑さにより多くのけものたちが休憩するなか、勉学に励むフレンズとTFの姿があった!
『イヤー、オイラびっくりしちゃった! 始めたばかりで、もうこんなに覚えるんだもの! かばんは凄く頭が良いんだね!』
「いえ、“えいご”ってすごく難しいですね。まだまだ分からない所がたくさんあります……次の授業も、よろしくお願いします」
『なんのなんの、おやすいご用さ! フレンズのみんなには、エネルギーを分けてもらってるからね!』
かばんに勉強を教えていたのは、サイバトロン戦士の「バンブル」である! 黄色のワーゲン・ビートルにトランスフォームする偵察員で、小柄なボディに人一倍の知恵と勇気を秘めた戦士なのだ!
不思議なエネルギーにより、過去の世界からワープしてきたトランスフォーマーたち。サイバトロン戦士たちは、博士と助手により利用可能なエネルギーの提供を受け、そのお礼としてフレンズの活動に協力を約束したのである。
さて、この勉強の様子を、木の上から眺めていたフレンズがひとり。サーバルキャットのサーバルだ!
「かばんちゃん、まほうでも教えてもらってるの?」
『あはは、サーバルには難しいみたいだね……おっと、もう時間だよ、かばん』
「それじゃあね、サーバルちゃん。これから、博士に本を借りに行く約束なんだ」
『君はお昼寝でもしてなよ~。オイラたち、としょかんまでひとっ走りしてくるからさ! トランスフォーム(ギゴガゴガゴ)!!』
(“べんきょう”は難しくて分かんないや。でもかばんちゃん、すごく楽しそうな顔してるから、きっと面白いんだろうな。あーあ、私がもっと頭が良かったら、一緒にべんきょうできるのになぁ……)
だが、その上空を飛来するTFが1体! デストロンの空中攻撃兵、コンドルである!
サバンナの青空を飛行し続けながら、紙のようなものを散布するコンドル!
「んみゃ……何これ? ちず、かな?……このマークの場所、何だか分からないけど、行ってみようかなー」
そして、その地図に記された悪の紋章、デストロンマークの場所では!
『スタースクリームよ、ユニークな能力を持つフレンズどもは、まったく侮れぬ存在だ』
『ですが脳みそのほうは、まさにけもの同然。お人好しを絵にかいたような連中ですぜ!』
『フフフ……そのフレンズの性格を、ワシ好みに変えてしまおうという作戦よ。例のものはまだ出来んのか? サウンドウェーブ?』
『ハイ、メガトロン様。タッタ今“デストロン根性注入棒”ガ完成シタ』
何なのか!? この新発明は!
『よくやったぞ、サウンドウェーブ! フフフ、こいつがあれば……』
『いったいぜんたい何なんですゥ? この面白パーティグッズは?』
『これは人間どもが“ジャパニーズ・ケンドー・フェンシング”で用いる道具をフレンズ用の洗脳装置にしたものだ。これで衝撃を与えることで、フレンズの脳内の善と友好の精神を打ち消し、悪と破壊の精神を流し込むのだ!』
ジャイアントパンダのフレンズから盗んだ竹を使い、洗脳用のヒュプノ・チップを埋め込んだ「デストロン根性注入棒」! なんと恐ろしい兵器であろうか!
『コンドル、バズソー、リタァ~ン。さばんなちほー広告散布、任務カンリョウ!』
『じゃんぐるちほービラ配り任務から、サンダークラッカー、只今帰還しました! まったくジャングルの蒸し暑さときたら、サーモスタットのヒューズがブッ飛びそうですよ!』
『ご苦労だったな、お前たち』
「メガトロン様! スカイワープ、只今帰還しましたァ! “ミーアキャット”先生をお連れしやしたぜ!」
『おお~、先生、遠路はるばるよく来てくれましたな』
「貴方ですわね、パークに“がっこう”を作りたいとおっしゃるのは」
ネコではなく、マングースの仲間であるミーアキャット! 「ヘルパー」と呼ばれる「教育」を専門に行う個体を群れに持つ動物なのだ!
『ワシは是非ともこのパークに学校を復活させたいのだ!』
「はるか昔……“ジャパリ女学園”というのがあったそうですから、その復活ってわけですわね」
『着の身着のままのフレンズたちだが、彼女らが真の幸せをつかむためには、「教育」が必要不可欠だとワシは考えておる。先生には、そのために遠くからご足労願ったというわけだ。どうか、お力を貸して頂きたい』
「か、感動いたしましたわ……“きょういく”の素晴らしさが分かる方がパークにいるなんて! 理想の『がっこう』設立の為なら、わたくし、何でも致す所存ですのよ!」
『では、宜しくお願いする! フフフ……余のデストロン・フレンズ育成学校! “
『やれやれ、天下のデストロン軍団のすることが、女の子チャンの学校とはねぇ……あきれたモンですなぁ……』
そして! 好奇心により集まったフレンズたちに対し、全員が正座するなかで学校説明が行われた!
『やあ、ワシは
「“ですとろん”は悪いひとたちだって、博士たちが言ってたよ!」
『いやいや、それは誤解だとも! 我がデストロン・スクールでは、誰もが“なりたい自分”になれるのだ! その為には我々は協力を惜しまん! さあ、サーバルちゃん、これを見てくれ』
かつての生徒と偽って、同種別個体のフレンズの写真を見せるメガトロン!
何なのか、この比較写真は!?
(以前はクールすぎてワイルドで、鋭く尖ったナイフのような眼光の、近寄りがたい雰囲気だった、哺乳校のイヌ科に通うCさん。メガトロンさんのおかげで、色白だった肌もこんなに小麦色に日焼けして、親しみやすい明るく元気なフレンズになりました!)
「わっ! すごーい! まるで別人みたい! ホントに理想の自分になれるんだね!」
これは詐欺である!
「なくぁまぁ~っうぉ~~さがしぃてぇ~~るぅぅぅ~~~っ!!」
これはトキである!
フレンズたちの能力や性格は、元の動物の生態や習性に基づいている部分が大きい。動物だった頃は、当然自分のこと客観視して考えることはなかったのだが……フレンズ化した今、自分と他者との違いを気にかけてしまうフレンズも存在するのも致し方ない! その心の隙間を突く、メガトロンの卑劣な野望!
「じゃあ自己紹介するね。私はサーバル! よくドジーとかゼンゼンヨワイーとか言われるも! つよくてかしこくなって、友達のかばんちゃんと勉強したいんだ!」
「アードウルフです。私、すごく臆病で、弱くて、ちょっと前にもセルリアンに食べられそうになったり……そんな自分を変えたい、です」
「わ、私、ミナミコアリクイ! 気が小さくて、すぐ威嚇しちゃうのを治したい!」
「あ~私“ジャングルキャット”って名前ですけど……あ、やっぱり何でもないです……」
「私はアミメキリン! パークいちの名探偵よ! 私自身は何の欠点もないのだけれど! 友達のナマケモノの怠け者を治してほしいの!」
「わたしはぁ~ナマケモノ~……無理やり連れられて来たよ~……あ~、でも帰るのも面倒だな~……」
「あとは、みんなに“名探偵ギロギロ”の素晴らしさを教えてあげるわね!」
生徒たちは、さばんなちほーと、隣接するじゃんぐるちほーの出身者が多かった!
「私は先生のミーアキャットです! さあ生徒のみなさん、お勉強を始めましょう!』
さあ、勉強のお時間だ!
そして、数十分後……!
「デストロン、バンザイ!」
「メガトロン様、バンザイ!」
「おーる・はいる・メガトロン!」
デストロンの栄光を称える悪魔のような洗脳教育の成果だ! デストロン学歴社会の奴隷と化したフレンズたち!
「フレンズの心が炎なら、デストロンの血は氷!」
「メタル・ボディは冷たいけれど、ファイトは熱いデストロン!」
洗脳授業の熱が極まり、デストロン校歌を熱唱するフレンズたち!
スゥー……バシィー! バシィー!……バシィー!
なんと唾棄すべき光景であろうか! 戦慄の「デストロン根性注入棒」で、お互いに尻尾を叩きあうフレンズたち!
『よし、作戦は大成功だぞ! フレンズの生徒諸君、エネルギーの採掘に取り掛かれ!』
『下等なフレンズども! どんどん蟻塚を壊しやがれ! さっさと働かねぇかァ!』
『エネルゴンキューブ、作成開始スル』
エネルゴンキューブとは、様々な形のエネルギーを凝縮して保存する特殊な容器のことである!
見よ! サバンナに林立する巨大な蟻塚を! 従順な家畜と化したフレンズたちの強靭な膂力により蟻塚を破壊し、シロアリが体内に取り込んだサンドスター・エネルギーを採取しようというわけだ!
だが! 洗脳に屈しなかったフレンズがいたのだ!
「なんなのよこれ! こんな学校、推理するまでもなくバカバカしいじゃない! ナマケモノ、しっかりして! こんなところ、さっさと帰りましょう!」
屈強な精神力を誇る、我らがアミメキリンである!
『黙レ! チビフレンズ! 俺ノ“マインドスキャン”デ大人シクサセル!』
サウンドウェーブの頭部から特殊な音波とともに放たれる、脳波干渉光線! 相手の思考を読み取り精神をコントロールするのだ!
危うし! アミメキリン!
「何よ! こんなもの!」
だが、そのフレンズ洗脳効果は全く発揮されなかったのだ!
『何故ダ!? 俺ノ洗脳音波、ドウシテ効果ガ無イ!?』
「そんなの私が分かるわけないでしょ!」
『分析中……理解不能!?』
「畢竟するに……やっぱり私の鋭敏すぎる頭脳のせいかしら……ああ! 自分の推理力がすえ恐ろしいわ……」
鹿爪らしい、いや! キリンヒヅメらしい顔をするアミメキリン!
『解析完了……原因ハ……分カッタゾ……ヤギネ! ヤ、ヤ、ヤギヤギヤギヤギ……』
『げぇっ! サウンドウェーブの頭脳回路がおかしくなっちまった!』
『マインド干渉プログラムを陽電子頭脳にフィードバックさせるとは! なんと強靭な意志力のフレンズなのだ!』
「頭が良すぎるって、罪ね……」
『ただ単にバカがうつっただけじゃねーかねェ……』
「もう! この名探偵に向かって失礼しちゃうわね! こうなったら、力づくでもみんなを元に戻してあげるんだから!」
アミメキリンが叩きつけるマフラー! これは「ネッキング」と呼ばれるフレンズの技だ! 鍛えぬいた丸太のような首の筋肉の重量! ムチのようにしなやかに、高速で叩きつけ、遠心力が加わる加わる! オスのキリン同士の戦いでは、首の叩きつけで轟音が鳴り響き、敗者は死亡することさえあるという! 野生開放したキリンのマフラーの全方位回転打撃は、まるで一回転するムエタイ式ハイキックの華麗なコンビネーションのようではないか!
「後ろから来るのはお見通しよっ! “名探偵は脚が命”キック!」
『ウミャアッ!』
背後から飛びかかろうとしたカセットロンのジャガーを、カウンター後ろ蹴りアタック! サバンナで鍛えた、脚力ぅ……ですかねぇ。
「優れた探偵は脚で稼ぐものよ……サーバル、アードウルフ! 他のみんなも、さあ帰るわよ!」
自分の信じたいものだけを信じる! 本能の赴くまま、我が道を走るフレンズ、それがアミメキリンだ! それはTFの金属の身体に負けない、鋼鉄の信念! 戦うキリンは、かっこいい!
だが!
『手くせ……いや、首くせの悪い……なんとも無作法なお転婆さんだ! フレンズ生徒諸君! このじゃじゃ馬……“じゃじゃキリン”に、デストロン淑女の礼儀作法というものを教育してやるのだっ!』
「みんみぃ~」
「な、なんだよぉ~」
「あなたたちは~くさったミカンじゃありませんわ~」
「じゃ~んぐ~る~さいこぉ~」
「め~ん~ど~く~さ~い~」
「うわぁっ! み、みんな! やだぁっ……やめてっ! こんなのヒキョウよ、デストロン! 犯人めぇっ! 容疑者ぁ! 売れない作家ぁーっ!」
調教済みのフレンズたちをけしかけるという、卑劣な手段に打って出るデストロン軍団! 哀れ、仲間と戦うこともできず、捕獲され逆さ吊りにされてしまったアミメキリン!
『ワシらのトリックはアンフェアかな? 名探偵のお嬢さん?』
『へへへ……手こずらせやがって……生意気なフレンズめ、良い眺めだぜ!』
「ぐぬぬ……わ、私のアミメ色の脳細胞に……ち、血が……上っちゃう……」
このままでは、キリン特有の高血圧により、サンドスターが逆流して脳が大爆発してしまうのも時間の問題だった!
大ピンチ! アミメキリン!
絶体絶命と思われたその時! 颯爽と空を飛び現れ、間一髪キリンを救出するのは、予備ジェットパックで飛行可能となったコンボイ司令官!
「うぅ、ありがとう……死んじゃうかと思ったわ……」
『さあ君、私のボデーに掴まるんだ! ……デストロンめ! なんてひどいことを!』
同じく空中から参戦するバンブル! その車内から飛び出すかばんやカバ!
戦火に包まれるデストロン教室!
「みんみー……」
「サーバルちゃん! しっかりして!」
「あり……うま……」
「アードウルフもだらしないですわ!」
『カバ! ご自慢のパワーで、みんなをオイラの中に乗せちゃってよ!』
『デストロンのクソッタレどもには教育が必要だぜ! サイバトロン式の授業はちと手荒いぞ!』
『なんだと! サンダークラッカーアタックを食らえ!』
『怪力ゴング様の鉄拳制裁をお見舞いだ! サウンドウェーブ!』
『哺乳綱クジラ偶蹄目ウシ科ヤギ属ヤギ……』
『フレンズ戦士! 突撃ーっ! デストロンに逆襲だ!』
他のフレンズも友達も正気に戻すべく、コンボイのコンテナから現れて強襲だ!
「あ、あっちいってよぉ~!」
「オレだよ、タスマニアデビルだぞー! 噛みついてでも連れて帰るからな!」
「コアリクイ! ヒメに任せるでしゅ!」
『みんな! こいつを使え! ちぃ~っとばかり荒療治になるが、これぞ、吾輩の発明した“サイバトロン精神洗浄板”やでぇ!』
蛇腹状になった何枚もの薄い板を合わせた生体脳波振動装置! これでフレンズの頭部に衝撃を与えて悪の精神をロンダリング! 心の洗濯! 正義を愛しデストロンを憎む、健全なるサイバトロン精神を叩き込むというわけだ!
スッパァーン! スッパァーン!
「ジャングルキャット! オトナになるってイタイことなんでち! せいちょーつうーっ!」
「じゃ、じゃん……ぐ……る……」
「サーバルちゃん……ごめん! 元のサーバルちゃんに戻って!」
「うみゃみゃみゃ……」
さあ!
「ハッ! ジャングルゥー? 知らんなぁ~? 生まれも育ちも“ただのキャット”で何が悪い! 猫パンチの痛みに耐えろ! ジョフローイ!」
「あいたたっ! これ全然治ってないでちよ!」
『アカン、それどころか悪化しとるで! 皆、叩くのを止めるんや!』
だが、時すでに遅しであった!
サイバトロンとデストロン、双方の思想を短時間で植え付けられたフレンズたちの精神は不安定になり、凶暴化を促してしまったというわけだ! ジャパリパークの学級崩壊!
さあ、ご覧あれ! ミナミコアリクイ対フクロアリクイ、有胎盤類と有袋類の生存競争!
「アリ食わせろ! もっとアリ食わせろぉー!」
「私のアリ塚は渡しませんよぉ~! ペロペロ~!」
「威嚇のポーズぅ、からのツメ攻撃! ツメ攻撃ぃー!」
「いたぁい、いたいですぅ~」
南米vs豪州の世にも珍しいアリクイ対決は、みごとコアリクイに軍配が上がった!
「ふえっ、フクロアリクイをいじめてましゅ!」
「コアリクイ、やめろぉ! くぬやろぅ!」
「貴重なタンパク源! 豊富なプロテイン! もう我慢でけん!」
「空気ぃ~うめぇ~。空気はわ~た~さ~ん~」
「あなた、凶暴化してそれなの……?」
ナマケモノ、不退転の心意気! 決死の威嚇のポーズを見よ(画像検索して下さい)!
「フレンズという字は、お互いが支え合うから……触れ合うから、“触れんず”なのですわ……」
ヒゲじいは黙って。
「うみゃあ……く、苦しいよ……かばんちゃん……はいはーい主人公が通りまーす! どいてください主人公でーす!」
「サーバルちゃん!」
どうなる! 完全に精神が錯乱したフレンズたち! TFの身体で例えるなら、バランス・サーキットを解除されたも同然であった!
「みんみ」
「ああっ! サーバルちゃんが変な顔に!」
『その穏やかな笑顔は、元からだと思うけどね……』
『ああもう、すっちゃかめっちゃか……オイラ泣きそう……』
『アカン……吾輩の発明品……大失敗や……』
『落ち込んでる場合ではないぞ、ホイルジャック! 早くなんとかしなければ!』
【トランスフォーマー解説:04】
ID:11 サイバトロン ミニボット情報員 バンブル / Bumblebee
トランスフォーム:フォルクスワーゲン・タイプ1
主兵装:小型汎用レイガン
副兵装:-
体力:2 / 知力:8 / 速度:4 / 耐久力:7 / 地位:7 / 勇気:10 / 火力:1 / 技能:7 / 可愛さ:10 / 憎まれ口:10
座右の銘:「
つのが長く湾曲になっておりまして、黄色のつのの先端、鋭くなって、顔も明らかにユニクロンになってる作画があります。
そこは裸出部になっていて、マスクがない状態の白い顔です。オリジナルの玩具版では、バトルマスクを装備しています。
玩具では、赤ら顔のバンブル、ハブキャップというキャラもいます。また、黄色いクリフや赤いバンブルも製造ミスで存在したとか。工場出荷に紛れ込んだバンパーというラインナップに無かったキャラも。
アニメでも、作画ミスで車体が赤い時があるんですけど、車種がビートルなのがバンブルで、ポルシェがクリフです。かわいくて丸っこいのがバンブル、ごつくて四角いのがクリフと覚えるとよろしいです。口の悪さはふたりともどっこいどっこいです。
車内のカラーは普段はジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の、ぐろ~い卵塊色っていうか、ピンクとパープルが混ざり合ったようなビビッドな内装をしています。
ハウンドとかと違って、わりと一生、スパイクと連れ添うって言われてます。
2010ではスパイクとの絡みもなくなりまして、最終回では「ゴールドバグ」に生まれ変わります。
「トランスフォーマーレジェンズ」のバンブルの付属マンガでその辺のフォローがされております。
『やったやったー! もう最高だもんね! メガトロンのやつ自滅しやがってんのざまーみろ!』
『ハハハ! ジャガー君、そこで永遠に冷たくなってなァ!』
『これからはゴールドバグと呼んでね!』
『ハハハハ、いいともバンブル』
はいけい:ふぉるくすわーげん あうとしゅたっと(どいつ う゛ぉるふすぶるく)
こえ:しおやよく おにいさん
超! けものフレンジング! トランスフォーマー!
デストロン枢軸軍とサイバトロン・フレンズ連合軍の闘いは続く!
闘いの喧噪の中でダウンしているサウンドウェーブの思考回路は、ショートしたままだった!
『ヤギハデスネェ、紀元前7000年前ゴロニ家畜化シタト、言ワレテマシテ。乾燥ヤ粗食、悪路に強ク、若干ャ草生エテル西アジアノ山岳地帯デ――』
そして、人類の妙なる頭脳を誇るかばんは、バンブルから聞いていたSWのユニークな特徴を思い出していた!
「ホイルジャックさん! ボクにいい考えがあります! サウンドウェーブさんの発声回路を改造して使いましょう!」
『なるほどぉ! コイツの洗脳装置を利用するってワケやなぁ! あったまいい~』
「さっそく作業に取り掛かりましょう! 手伝います!」
『幸い、デストロンが発掘してくれたエネルゴンキューブでエネルギーもまかなえそうや!』
だが、これを大人しく見ているデストロン軍団ではなかった!
『メガトロン様! あいつらサウンドウェーブの洗脳音声を逆手に取るつもりです!』
『おのれぇ! ワシのサウンドウェーブには指一本触れさせんぞっ!』
『お前の相手はこっちだぞ! メガトロン!』
『サーバルを元に戻してあげるんだ! 邪魔させないぞ、スタースクリーム!』
ホイルジャックとかばんによるサウンドウェーブの改造!
「よーし! 改造完了です! サーバルちゃん、みんな、元に戻って!」
『名付けて、“友情回復装置”のお披露目や!』
フレンズたちの脳裏に、サウンドウェーブの洗脳解除音波が響き渡った!
(アナタヤギネ アナタヤギネ アナタヤギネ アナタヤギネ)
「な、なんだよぅ、んめぇー」
「めぇ~んどくさい~」
「めぇーんみぃ」
「うわぁ~! 全然治ってないですっ!」
『また大失敗や……もうこりゃアカンわ……』
フレンズの偏差値は下がる一方であった! ジャパリパークのIQ、絶体絶命! かと思われたその時、不思議なことが起こった!
なんと、サンドスターのエネルギーを保存したエネルゴンキューブが、その虹色の輝きを眩いばかりに増したではないか!?
『ぐっ……一体何だってんだよ、この光は!』
全く不思議なこともあったものである! サンドスター光線を浴びたフレンズたちは、次々に沈静化していった!
「記憶と再現」を司るという謎の物質、サンドスター! 大地に刻まれたその地球の記憶が、フレンズたちに野生のあるべき姿を取り戻させたのであろうか!?
「……な、なんだよぅ、みんな寄ってたかって! あっちいけよぅ!」
「やったでしゅ! 元の臆病で逃げ腰なコアリクイに戻ったでしゅ!」
「がぶりがぶり(噛み噛み)」(←タスマニアデビル特有の仲間同士の愛情表現)
「ぺろぺろ~! 私の蟻塚を返してよぅ~」
「な、なんだようぅ! ごめんなさいだよぅ!」
「ここはどこ? 私は……ジャングルキャット? ……ジャングルに棲んでないのに? ……ああーっ! この、せちがらい現実ゥ! 思い出したくなかったぁっ!」
「これでオトナの階段を一段昇ったでちね……ジョフも誇らしいでち……」
「息をするのもめんどくさい~」
「ナマケモノ! 元の怠け者にもどった……のかしら? あんまり変わらないわ……」
「うみゃ……かばんちゃん……」
「サーバルちゃん!」
『メガトロン様! エネルゴンキューブが全部空っぽ! デストロン教室は学級閉鎖です!』
『おのれ! サイバトロンどもめが! エネルギーのみならず、ワシのセント・メガトロニア学園の夢をぶち壊しおって……デストロン軍団、退却ーッ!!』
『なあー、おい、サウンドウェーブは相変わらずヒューズがぶっ飛んじまってるけど大丈夫かよ?』
『横長ノ、四角ノ瞳孔ガ可愛イデスヨネ、ヤギハ。アレハ視野ヲ広クシテ、天敵ヲ発見スルタメデス。アト、頭ノ角度ニ関係ナク、瞳孔ハ地面ト水平ニナッテテ、草ヲ食ベニ頭ヲ下ゲテル時デモ、周リガ見エルヨウニ――』
闘いは終わった! かくして、魔のデストロン学園は廃校となり、恐怖のジャパリ学歴社会は終わりを告げたのである!
平和になったさばんなちほーのお昼時……かばんとミーアキャットによる青空教室の様子をご覧いただこう!
「こうして、キャプテン・セーバルは、わるいかいぞくから、フレンズをまもったのでした、おわり」
「すごーいっ! おもしろかったーっ」
「次はこの“アリのくらし”を読んでよぅ!」
「わ、私も興味あります……おいしいですよね、アリ……じゅるり」
「ぺろぺろ~、あなた、オオカミのくせにアリを食べるの~? じゅるり」
「あら! この“カバとワニのおおぐちたいけつ”は、水に濡れても読めますのね!」
『みんな仲良くしなよ~。かばんほど上手くないけど、オイラも読んであげるからさー』
「バンブル! この“すいりしょうせつ”を読んでちょうだい!」
「それは“アマゾン殺人事件”ですね! ジャングルの川に浮かぶ船が舞台の! 面白いですよね!」
「そうよ! ナイフが飛んできたり、落とし穴に落ちそうになったり。主人公がジャングル特有の罠を切り抜けて、華麗に推理するんだから!」
『やれやれ、知的なレディも素敵だけど、素朴なフレンズたちには、堅苦しいお受験は似合わないからね』
『それにしても司令官。吾輩の発明、今回失敗続き……こりゃあ電子工学の初歩から復習せんといかんかなぁ……』
『そう気を落とすな、ホイルジャック。フレンズたちも、サンドスターも、まだまだ我々の理解を超えて謎が多いというわけさ。ふしぎなフレンズたちと出会った我々への宿題だよ』
『ホイルジャック、マイスター副官、コンボイ司令~。絵本や図鑑の朗読リクエストが多すぎて、オイラ発声回路がカラカラになりそう~!』
『よーしここはひとつ、みんなでフレンズとの勉強会といきましょう!』
『よっしゃ! 吾輩のデータバンクの出番やで!』
『サイバトロン・スクールの開校だ! トランスフォーム・アンド・ロールアウト!』
「みなさん、ここは教室なんですからね! 真面目に勉強するのです! デストロンの先生方よりビシバシいきますわよ!」
「えーめんどくさい~」
「もう勉強はこりごりだよぅー!」
さわやかなサバンナの青空教室に、フレンズとサイバトロンの穏やかな笑い声がこだまするのだった……。
【あなたのハートには何が残りましたか? 次回に続く!】
【けものフレンズ情報:03】
さあ! 今日のお話に登場したフレンズ紹介のコーナーだ!
新兵教育軍曹 スリゲイト / Suricata
分類:哺乳綱ネコ目マングース科スリカータ属ミーアキャット
レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/[LC(軽度懸念)]
ミーアキャットは↑の分類の通りマングースの仲間だ! アンゴラから南アフリカ共和国にかけて、カラハリ砂漠周辺の荒野やサバンナに生息している。その名はアフリカーンス語で「猿」の意、あるいは「シロアリマングース」を意味するとも言われている。ちなみに分類的には、マングース科はネコ目の中でも、とくにジャコウネコ科・ハイエナ科に近いと言われているぞ。
雑食性の強い肉食けもので、地面に巣穴を掘り、家族単位の群れをつくって生活するぞ。この家族がいくつか集まって、大きな集団を形成することもあるのだ。プレーリードッグの生態との類似点が指摘されることが多い。朝晩冷え込むサバンナや砂漠で体温を高めるために直立して日光浴をする習性も、プレーリードッグのそれを思わせるところだ。
群れの最上位のカップルのみが繁殖をして、それ以外の個体は「ヘルパー」となり、赤ちゃんの母乳係、子どもたちの子守係、若い個体のかりごっこの教育係などの専門に分かれて、共同繁殖を行うのが特徴だ。
そんな子煩悩なミーアキャットだが、肉食けものらしく鋭いツメを持ち、気性が荒い一面もあるのだ。メス同士の熾烈な争いで全滅した動物園もあるという。また、砂漠の誇る殺人マスィーン、サソリの毒に耐性を持ち、好んで食べるというマングースの仲間らしいところもあり、別名「サバンナのギャング」とも呼ばれる。まさに、私立けものフレンズ学園の「元ヤン先生」……なのかもしれない。
密林隠蔽兵 スロウス / Aerial
分類:哺乳綱アリクイ目フタビナマケモノ科フタビナマケモノ属フタビナマケモノ
レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/[LC(軽度懸念)]
中南米に生息するナマケモノは「フタビナマケモノ」「ミユビナマケモノ」の2つの科に分かれている。前足の指(ツメ)の数が2本か3本かの違いだ。ミユビナマケモノのほうが気性が穏やかで動きが遅く、怠け者度が高いぞ。
1日約20時間の睡眠をとる、哺乳類では珍しい「変温動物」なのだ! 1日多くてわずか10g(1円玉10枚の重さ)ほどの葉っぱ等しか食べない! 生態の似ているコアラでさえ1日500gの葉っぱを食べる恒温動物だ! ヨーロッパに紹介された当時は「空気を食べるけもの」と思われていたのも納得である!
どちらも完全に樹上生活に適応していて、長いツメを樹に引っ掛けてキノヴォリするぞ。年齢を重ねた個体の体は昆虫の住処となり、そのフンを栄養としてコケが生え緑色の体色を帯びるようになる。これは擬態に役立つほか、食べ物が無い時の非常食にもなるという。
ちなみにミユビナマケモノは水泳を得意とするけものだ! 雨季に川が氾濫し、木の上までも水没するアマゾンの熱帯雨林ならではの進化といえる。フタユビナマケモノのほうは、雨季でも水没しない地域に分布しているため、泳げないのだ!
ミユビナマケモノは「セクロピア属」という有毒の木など、90種類以上の南米産の木やツタの葉を好んで食べ、しかも個体によって食性を選り好みするため、南米以外では飼育が困難である! 日本の動物園で会えるのは、雑食性が強くわりと何でも食べるフタユビナマケモノの仲間なのだ! なお、静岡の日本平動物園によるコラボで新しいイラストが出たので、要チェックだ!
蟻塚防衛兵 アントスレイヤー / Antslayer
分類:哺乳綱アリクイ目オオアリクイ科コアリクイ属ミナミコアリクイ
レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/[LC(軽度懸念)]
アンデス山脈以東に棲むコアリクイの仲間は、コロンビアからアルゼンチンにかけて生息するミナミコアリクイと、メキシコからペルーの一部に棲むキタコアリクイの2種類に分けられる。
例の威嚇ポーズが有名なミナミコアリクイだが、この後ろ足で立ち上がる姿勢は、一番の武器である前足の強力なツメを誇示する立派な示威行動だ! この爪でアリ塚を壊すほか、ナマケモノと同じく、樹に引っ掛けてのキノヴォリも可能とする(仲間のオオアリクイはキノヴォリは不得意で、地上での活動が得意)! ツメだけが攻撃手段ではなく、スカンクの数倍の悪臭と言われる肛門腺分泌液を隠し武器とする!
アリクイたちが主食とするシロアリは、枯れ草や倒木の木質部のセルロースを食べ、空気中から窒素を固定してタンパク質を合成できるぞ! 菌類や細菌などの、腸内微生物との共生の賜物と言える。シロアリ食は、まさに畑の肉ならぬ、アリ塚の肉なのだ! ちなみにシロアリはゴキブリ目、アリはハチ目に属していて、共通する生態も多いが進化的には全く別の分類の昆虫だ。
なんべいちほーで進化した固有のけものたち、アルマジロ・アリクイ・ナマケモノは「異節類」あるいは「南アメリカ獣類」と呼ばれる! あふりかちほーで進化した「アフリカ獣類」、ろーらしあちほー(ユーラシア大陸・北米大陸)で進化した北方真獣類の2グループ(「ローラシア獣類」と「真主齧類」)と合わせて、哺乳類の有胎盤類の4つの大きなグループとなっているぞ!
『「PPP&サイバトロン予告っ!」』
『イェーイ♪ オレっちは80年代のアイドル・ミュージックもオマカセだぜ!』
「ブロードキャストさん、いつも“おとのでるはこ”モード、ありがとうございます」
「これぞまさに往年のエイティーズ・ロック! 最高だぜ!」
「いまぁ~い」
「今日の練習はここまでにしようか」
「さあ、次回予告をするわよ!」
「今週は――あっ! 先輩! お疲れ様ですっ!」
「「「「ジャイアント先輩! お疲れ様ですッ!」」」」
「ちぃーっすぅ~、ペパプのみんな~。おつかれさ~ん」
「今日はどうしたんですか、先輩?」
「にしし~、なんと! ひょんなことからワタシ、アイドルグループをつくることになってさぁ~」
「ええっ!! マジすか先輩!!」
「いやマジ。それがもう大マジよ~。こちらがワタシらグループの音楽プロデューサー、サウンドウェーブPだよ」
『先輩アイドルグループPPPニ、アイサツニ来タ。並ビニ、コレハ宣戦布告ダ! フハハハッ!』
「先輩! デストロンに騙されてますよ!」
「いや~、サウンドウェーブPのペンギンアイドルにかける情熱は本物だよ~」
『
『口先ダケノ、イカレサウンドガ! オ前トハ、ステージデ決着ヲ、ツケテヤル!』
「あわわ……(白目)」
「やぁやぁ、盛り上がって来たね~。ワタシを含めて5人のペンギンフレンズが、新生アイドルグループをつくるのさ~」
「フフフ……」
「ククク……」
「真のペンギンアイドルの座は頂くぞ……」
「これからは我らの時代だ……」
「ああっ! フードで顔を隠した謎のフレンズが4人!」
『ソノ名モ“デストロン・デスメタル・デバステーション”! 名付ケテ“ddd”ダ!』
「こいつぁロック……いやメタルだぜ……」
「デーデーデーかぁ、わぁ~、そこはかとなくペンギンっぽい名前ではあるね~」
次回、【第5話 ブロードキャスト対SW!! ペンギンアイドルへの挑戦!!】
黒い天使に翼はいらない!
ダークネス・ペンギンアイドルの悪徳を称える歌を聴け!