戦え! けものフレンズvsトランスフォーマー【第1部完】   作:大きさの概念

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第5話 ペンギンアイドルへの挑戦!!

 今週の「けものフレンズvsトランスフォーマー」は! デストロンが新たなペンギンアイドル・ユニットをプロデュースしようというお話だ! 夢のダブルPPPの演奏を目撃せよ!

 

の の の の の の の の の の の の

 

【Episode 5: PPP vs ddd (爆誕! ブラックペパプ!)】

 

 ジャパリパーク、キョウシュウエリア北部に広がる湿原地帯……そこには様々な固有の植物や動物が棲息しており、まさに水鳥たちの楽園である!

 そして、水上道路を走る2台の車ァ! それはジャパリパークの園内トレーラーバスであったが、客車を牽引するのはサイバトロン戦士たちなのだ!

 

「あてんしょんぷり~ず。次は~終点“みずべちほー”でございま~す。太陽の方向に見えますのが、本日アイドルグループ・PPPのライブ練習が行われる会場でございま~す。お降りの方は~、各自ジャンプしてお降りくださ~い。お忘れ物をしないよう、ご注意くださぁ~い」

 

 ぞろぞろと降車してくフレンズたち!

 

「これよりバスは回送となり、車庫行きとなりま~す。本日の運転は、コンボイ司令官さんとドラッグさん。バスガイドはわたくし、リョコウバトが務めさせて頂きました。ジャパリ交通・PPPライブバスツアー、またのご利用お待ちしておりま~す」

 

『トランスッフォーッ!』

『やれやれ、司令官。ちっちゃな島にこれだけたくさんのフレンズがいたとは、驚きですよ』

「PPPは大人気ですからね、島中からPPPのファン“フリッパー”が集まってますよ。今日は長い道のりを走って頂いて、お疲れさまでした。本当にありがとうございます」

『なんの、おやすいご用だよ。リョコウバトも長時間飛んでいて疲れただろう。帰りは乗せていってあげよう』

「いえいえ、おかまいなく。まだまだ元気ですから。動物だった頃は、もっと速い速度で何日も休まずに飛び続けたものですよ」

『そうかい。それじゃあまた何かあったら、遠慮なくお願いしてくれ』

 去っていくコンボイ司令官と技術員ドラッグ!

 

「ふふっ、やはり大人数の旅行は楽しいものですね。最後にファンの皆さんの姿を撮ってから帰りましょうか」

 キャリーケースの中からカメラを取り出すリョコウバト! だが、これがデストロンの仕掛けた罠だとは知る由もなかった!

 

「ぱっぱっぴぷっ! ぺっぺっぽっぱっぽー!」

 

「キャー! タマちゃんタマらないですぅ~~!」

「ボクらのPPPの奏でる歌は、鮮やかなる天上の調べ。紺碧の海と群青の空を彩る、虹色のハーモニー……」

「嗚呼……あなたがたの笑顔は素敵すぎましてよ……わたくしたちには眩しすぎますわ。まさに5つの小さな太陽……」

「ぺぱぷー! がんばれがんばれ! ぺぱぷがんばれ~!(笹食いながら)」」(←寝る時以外は無理して食べ続ける)

 PPPの練習風景に歓喜の声を上げるファン達!

 

 ライブ会場の写真を空撮するリョコウバト! だがしかし! そのカメラは、デストロン光学情報兵「リフレクター部隊」の3体のTFが変形合体した物だった! その映像はメガトロン達に送信されていたのだ!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 そして! デストロンのみずべちほー水中臨時基地では!

 

「空は~♪ 飛べないけど~♪」

(ピカァ……)

 PPPの映像を見て、不気味にその赤い瞳を光らせるのはデストロンのリーダー、破壊大帝メガトロンだ!

 

『PPPとかいう連中、フレンズの間ではたいそうな人気ではないか。これを利用しない手はないぞ。偶像(アイドル)を掲げての情報戦(プロパガンダ)は戦争の常套手段だ!』

『そうと決まったら、さっそく奴らを誘拐しやしょうぜ! その役目は、ぜひこのスタースクリームにお任せ下さい!』

『まあ待て、スタースクリームよ。PPPフアンの中には、クマやトラ等の猛獣フレンズが多数いるではないか。お前だけで、そう簡単に上手くいくものか』

『ヘッ……相変わらず臆病なこって! じゃ~なんか上手い作戦でもあるんでェ?』

『この愚か者にも分かるように話してやれ、サウンドウェーブよ……』

 

『俺ノ計画! デストロン・音楽バンドヲプロデュースシテ、フレンズヲ集メ、デストロンノファンヲ、大量生産スルノダ!』

『アイドルグループ作って人気取りってワケかァ! フレンズどもに媚びるのは気に食わねぇが、アイツらを従順な下僕にするってのは面白そうだぜ!』

『ウム! 入ッテ来イ、フタリトモ』

 

 さあ! メガトロンの前に現れたペンギンのフレンズたち!

「おいっす~! ワタシはジャイアントペンギンだよ~。よろしく~」

「私はオオウミガラス~。アイドルやらせてもらいます~」

 

『おお! 古代の巨大ペンギンに、初めてペンギンの名を与えられた水鳥か……まさに元祖ペンギン・アイドル・グループ結成というわけだな。この作戦の全指揮権、お前に一任したぞ! サウンドウェーブよ!』

『凶悪アイドル育成作戦、開始スル! マダアト3人、メンバーノ心当タリガアル!』

『よーし! さっそく出発だ! オレ様のコクピットに乗り込みなぁ、チビ助どもっ! 超音速でかっ飛ばして行くぜっ!』

 

「みずべちほー」のペンギン・コロニーへと飛び立つデストロン一行!

 デストロン・バンドの新メンバーのスカウトだ!

 

 野生のペンギンに混じって、会話をしているのは3人のペンギンフレンズ!

 彼女たちは、キングペンギン、ヒゲペンギン、アデリーペンギンだ!

 

「えー、その部分はふつう食べないよな……」

「なんだよ! 食って悪いか!」

「いやぁ、私も流石に残しますねー、ソコは」

「ええっ! もったいないって思わねーのかよ! お前ら!」

「まさか……逆のところも食べたりするとか……?」

「それは……ありえません……若干引きます……」

「うるせえな! どこを食おうが自分の勝手だろ!」

 

 そこへ現れる空飛ぶ超音速ジェット機と巨大ラジカセ! スタースクリームとサウンドウェーブである!

『トランスフォームッ! おうおう、ペンギンども! オレ様のバンドに入りやがれ!』

「うおおーっ! いきなり何だァッ! てめえらっ!」

「わわわわ……(白目」

 ペンギンコロニーは瞬時にして、蜘蛛の子ならぬペンギンのヒナを散らすような大混乱である!

 

「よっ! みんな、元気してるか?」

「あっ、ジャイアント先輩じゃないですか! この大きな人たちは誰なんですかぁ?」

「この人たちは“デストロン”と言って、新しいペンギンバンドを作りたがってるのさ」

『PPPニ対抗シテ、新ペンギングループ“デストロン・デスメタル・デバステーション”! 名付ケテコレ“ddd”ト呼ブ!』

 

 ddd! それは反逆のPPP! あるいは獣の数字であろうか!

 デストロン恐怖のペンギンアイドル計画!

 

「メタルバンドか! 良い趣味してんじゃねーか! ……か、可愛くないオレでも入れるのかよ?」

『ソノ、ガラスノヨウナ鋭ク尖ッタ、メタルナ感性……熱烈大歓迎ダ!』

「私、超地味です。暗いし特徴ないし無個性ですが、OKですか?」

『ムシロソノ、イブシ銀ノカラーリング! ブラック&ホワイトガ、悪ノ軍団ニピッタリダ!』

「わたし、PPPのコウテイと、めちゃくちゃキャラがカブっちゃってるんだけどな」

『下剋上ダ! 逆ニ、向コウガ真似シタノダト! 真ノ王者ヲ、皆ニ知ラシメテヤルノダ! オ前ガ神ダ!』

 

 音楽に関しては、人が変わったように饒舌になるSWの熱烈スカウト! さあ! どうなる!

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 一方その頃、PPPライブ会場では!

 サイバトロンの新メンバー、通信員「ブロードキャスト」の姿が!

 ラジカセにトランスフォームして、音楽を大音量で流しているではないか!

 

『イエーイ! みんな~! ノッてるかーい!』

「ダンスは“びぃーじーえむ”があってこそですわね! さて、本日の練習はここまでにしましょう!」

『イマいダンス・レッスンをセンキュウ! オオフラミンゴ・ティーチャー!』

「今日もありがとうございます!」

「それじゃあ私はこれで……1週間後のライブに向けて、自主練と体調管理もしっかりするのよ!」

 

「今日の練習はなかなか良かったわね!」

「うむ! みんな動きのキレが良くなっているぞ」

『さすがのPPPだ! 歌も踊りもイケイケだったぜ~♪』

「ブロードキャストのロックミュージックのおかげだぜ!」

「ふぁ~つかれた~。ジャパリまん食べようよ~」

「あーっ! もう食べてるじゃないですかぁ!」

「ぐひひ~……巨大ロボットとの異色コラボ……アイドルの可憐さがひと際強調されてたまらないですねぇ……はぁはぁ……うっ……」

 

 日々のアイドル活動に忙殺されるPPPに訪れた、つかの間の団欒の時間……。

 しかし! 耳をつんざく轟音とともに、その平穏なひと時を打ち破って現れるデストロン軍団だが!

 そう! 今回のその目的はアタックではないのだ!

 

『トランスフォームッ! お前らがPPPだな! 挨拶がてら来てやったぜ! 紅茶でも出しやがれ!』

「なっ、何なのよ! あなたたち!」

『我ラ、デストロン軍団。ペンギンアイドル・グループヲ結成シタ! フハハハハッ! ソノ名モ“ddd”!』

 

『お前はサウンドウェーブ! 新しいペンギンアイドルを作っただと!』

『……ブロードキャスト! オ前ガ肩入レシテイル、PPPヲ潰シテヤル! ソレモ、闘イデハナク、音楽デダ!』

『何を企んでやがるが知らないが、その勝負、ステージの上で受けて立ってやる!』

 サウンドシステムTF同士の因縁の対決!

 

 さらに、ペンギンメンバー達も、それぞれにライバル心を燃やしていたのだ!

「よっ! 面白いだろ~? そういうわけなんでよろしくな~」

「ジャイアント先輩! どういうわけなんですか!?」

「にししし~。一度、お前たちとはやり合ってみたかったってだけさ~」

 

「ヒゲッペ! メタラーが高じて、そんなメタル野郎と手を組んだのか!?」

「ロック野郎……正々堂々音楽で勝負だ! 久々にオレの魂のギターを聞かせてやるぜ!」

 

「まさかお前と戦うことになるとはな、キング……」

「フッ……コウテイ……なんていうか、そういう流れになってしまってな……」

 

「なんという清純派……私の親戚なのに、どうしてここまで違うのでしょうか……」

「あ、アデリーさん。お久しぶりです」

 

「むむ~! 本家ペンギンの名をかけて、負けないですよ~」

「わ~なんだか大変なことになっちゃったよ~グレープ君」

 

『7日後ノPPPライブ! ソコデ俺タチトノ、ミュージックバトル! 首ヲ洗ッテ待ッテイロ! ブロードキャスト!』

『お前らこそ、怖気づいて逃げ出すんじゃないぞ! サウンドウェーブ!』

 

『すごいわ……ダークな魅力あふれるdddもステキよ……水辺に咲いた悪の華……ああ! マネージャーの私が浮気しちゃダメなのにぃ~! でも……1週間後のライブ、“夢のダブルペパプ”が見られるなんて……あぁ~もう想像するだけで……う゛っ(鼻血』

 

 さあ! 両陣営、ライブに向けての猛練習の開始だァ!

『歌ッテ踊ル、アイドル路線ノPPPニ対シテ、我ラdddハ、楽器演奏ヲアピールスル! サア、練習ダ!』

 音楽TF、サウンドウェーブの敏腕プロデュースが光る!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 1週間、dddのメンバーの必死の練習が続いた……それを盛り上げるべく、ラジカセに変形したサウンドウェーブの流すBGM!

『オイオイ、SW、なんだよその音楽はぁ? リフレクターの奴らも、ホログラムでフレンズ共のモンタージュ映像なんか作ってやがるぜ!』

『ドウダ? トレーニングガ盛リ上ガル演出ダロウ?』

 

 さて、ここで読者の皆様には新ペンギンアイドルユニット、dddの変則的なバンド編成をご紹介をしよう!

 

・ヒゲペンギン:リードボーカル、ギター

・ジャイアントペンギン:ボーカル、ドラム

・キングペンギン:ボーカル、タンバリン

・アデリーペンギン:ボーカル、トライアングル

・オオウミガラス:ボーカル、カスタネット

 

「それにしても、先輩がドラム打てるとは……」

「しししし……長生きしてると、隠し芸だけは豊富なんだよなぁ~」

 

「わたしら3人はズブのシロウトなんだけどなぁ(シャンシャン)」

「こんな暗い私がバンドなんて(チーンチーン)」

「わ~い、友達と一緒に演奏なんてたのし~(パカラッパカラッ)」

 

『まともに演奏できるのは、ヒゲペンギンとジャイアントだけじゃねえか! 勝負はもう明日だってのに、こんなお遊戯会でホントに勝てるのかよ?』

『ムムッ! 予想以上ニ素人ダナ! ダガ、心配ナイゾ! 俺ニ大逆転ノ秘策ガアル! カセットロン達ヲ残スカラ、後ハ任セタゾ!』

 

 飛び立つサウンドウェーブ! その逆転の秘策とは!?

 

 

 

 そして! 「みずべちほー」の外れ、キョウシュウエリア中央部の山岳地帯との境目だ。切り立った山々の斜面には水路が張り巡らされ、進んだ灌漑設備によって棚田や段々畑が広がっている。その風景はまるで西日本の田園地帯、あるいはペルーの古代インカ帝国の高度な農業用水路を思い起こさせるものだった。

 

 その田んぼで水浴びをしている、3人の水鳥のフレンズ!

「私たちの羽毛、取れるのよ。ほら、こんな所まで……」

「おおっ! 本当ですけど! さあ、舐めるように見てください! この私の美しい紅い羽の下の秘密を!(ドヤァ」

「つるつる……」

 ニッポニア・ニッポン! トキ、ショウジョウトキ、クロトキだ!

 そこへ現れるサウンドウェーブ!

 

『朱鷺ノクセニ鶴鶴トハ、コレイカニ……』

「うわ、あなた誰?」

『俺ノ名前ハサウンドウェーブ! 君タチ、トキノ調査ヲシテ、ソノ歌声ニ魅セラレタ者ノ、ヒトリダ』

「むふ……つまり私たちのファンね」

「こんなに大きなお友達は初めてですね……」

「さすがこの私! ショウジョウトキィー! またひとり悩めるファンが生まれてしまいましたァ! なんて罪作りな鳥なのかしらァ(ドヤァ」

『君タチノ歌声、美シイダケデナク、凄マジイエネルギーヲ秘メテイル……。俺ノ胸ノカセットニ録音シテ、爪ヲ折ッテ永久保存版ニシタイ程ダ……』

 

 トキの歌が美しいかはどうかはともかく、とてつもなく強力な音波エネルギーを持っているのは確からしい!

 この「トキ・ハーモニー・パワー」をPPPにぶつけて対抗しようというのがSWの計画であった!

 

 さて! dddの秘密練習場では! 一向に戻らないSWにいら立ちを隠し切れないスタースクリーム!

 

『けっ、こいつらまるっきり烏合の衆だぜ!』

「呼ばれて飛び出て、通りすがりのウミウだう!(じゃじゃーん」

『うわっ、何だ! お前なんか、呼んでねえぞ!』

 

 烏合とは、漢字のとおり(カラス)の集まりのことであり、()とは関係ないのだ!

 

「何でも願いを聞いてあげるウミウだう!」

『オレ様の願いはな……お前が目の前から消えることだぜっ! さっさとどっか行かねえと踏みつぶすぞっ!』

「お呼びでないウミウは去るのみだう……(しょぼーん」

『ちっ……SWのヤロウはまだ戻ってこねえのか……ちくしょう、こうなったら強行手段あるのみだ! おい! カセットロンども、出撃するぞ!』

 

『ヨッ! 中々イケるじゃねえのよ、フレンジー』

『デストロンにピッタリの曲だと思わねえか? ランブル?』

「ロックヤローの~~イワビーには~~絶対負け゛ね゛え゛~~~!(デスメタル超低音シャウト」

「にしし……張り切ってるねぇ……」

「皆の衆! 私のタンバリンを聞け!(シャンシャン) これが王のタンバリンさばきだ!」

「コンドルさん、ジャパリまん食べませんか?」

(ピカァ……)←猛禽類の鋭い眼光。

「よしよ~し、ジャガーちゃん、いいこいいこ~」

『ウミャ~』

『てめえらいい加減にしやがれ! PPPライブ会場に行くぜっ! オレ様の後に続けッ!』

「みんなどこ行くの~?」

 

『スタースクリームよ、サウンドウェーブはdddの練習を監督していろと言っていたぜ?』

『うるせぇや! そのSWがいない今、このオレがお前らのリーダーなんだ! オレ様の命令を聞け!』

 

『ちぇっ! いばってやがらぁ!』

『ホントいけすかねぇ野郎だぜ、スタースクリームの奴!』

『……』

『ニャー!』

 上官であるスタースクリームには従うものの、その横暴さに対して憤りを隠し切れないカセットロン部隊!

 

 さて同時刻、PPPライブ会場では!

 オオフラミンゴとブロードキャストの指導の下、音楽に造詣の深いサイバトロン戦士マイスターとトラックスを加え、歌と踊りの猛練習の真っ最中であった!

「前にも増して良い調子ですわ、皆さん!」

『ゴッキゲェン♪なダンシングだぜ! オレっちもスピーカーがバリバリ最強絶好調!』

 

「なにしろ、あのジャイアント先輩が相手だからな……あの人何でもできそうだし……」

「ヒゲッペの野郎もすごい演奏テクしてるんだぜ! 油断できねーよ!」

「先輩の前で無様な姿は見せられませんよ!」

「あの子たちもアイドルやりたかったんだね~。ホント、夢がかなってよかったよ~」

「敵を応援してどうするのよ! 私達、負けられないわよ!」

 

「ぐはぁ……ライバル登場でますますアイドルに磨きをかける皆さん……青春してますぅ……」

 

 だが! そこへ突然! スタースクリームとカセットロン軍団のアタックだァ!

 

『ブロードキャスト! PPPのメンバーはもらっていくぜ!』

『スタースクリームだ! クソッ! 打ち落とせっ!』

 

 しかし多勢に無勢、強力な航空戦力、コンドルのアタックにより軽くあしらわれてしまう、マイスターとトラックス、ブロードキャスト!

 

「ちょっと! 離しなさいよっ!」

「わ~たすけて~」

 

「このこのっ! あわわ……! ペパプの皆さんが~っ!」

 

 マーゲイ得意の3次元空中殺法でなんとかジャガーを退けたものの、デストロン軍団にPPPの誘拐を許してしまう!

 どうなってしまうのか!?

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 dddのアジト! ツタで拘束されたPPPアイドルたち!

 

「しばられちゃったよ~」

「こんなひどいこと……お願いです、止めてください!」

「くっ……あなたたち! すぐにこの縄を解きなさいよっ!」

「うむ、縄が胸や下半身にやたら食い込んで苦しいぞっ!」

「ヒゲッペ! 正々堂々戦うってのは嘘だったのかよ!?」

 

『どうだぁ~、PPPの連中を捕まえてきたぜ! これで明日の音楽対決は、オレ様たちdddの不戦勝ってワケよ! 最初からこうすればよかったんだ!』

「ざけんじゃねーぞっ、この野郎ッ! なんてことしやがる!」

 スタースクリームの卑劣な行為に激怒するヒゲペンギン!

 

「そりゃあ、オレ達はシロートの集まり……付け焼刃の練習で、マジでPPPに勝てるなんて思っちゃいねー……こいつら今までメチャクチャ頑張ってきたの、知ってるからな……」

「ヒゲッペ……お前……」

 

「でも! それでもガチで真正面からやり合いたくて! この1週間必死こいて練習してきたんじゃねーか!」

「そーです! そーです!」

「やることが汚いぞー! このスタースクリームめ!」

「縛るなんて苦しくてかわいそう! ひどい!」

「dddのみんな……」

 

『うるせえっ、ペンギン・フレンズども! マネージャーの俺にたて突く気なら、容赦しねえぞっ!』

 

 さあ! 戦いだ! ddd対スタースクリーム!

 だが、数の上では勝っていても、戦いの苦手なペンギンのフレンズ達には不利な戦闘である!

 と、誰もが思っていたその時!

 

「にししぃ~、ワタシにいい考えがある!」

 長年パークに生きてきたというジャイアントペンギンの叡智が、今ここに炸裂する!

 

「長生きすると、疑り深くなってね~……デストロンが裏切ったときのために、こういうものを用意していたんだよ~!」

「わ~かわいい~。卵みたいな石がいっぱい~」

「ただの石じゃないよ~! サンドスターの原石なのさ! みんな、ワタシにどんどん石を投げてくれ!」

 

 さあ、野生開放だ! サンドスター・エネルギーを実体化させた「けものプラズム」でできたヘルメットをかぶり、バットを振りかぶるジャイアントペンギン! 強打者特有のスラッガー・フォームから放たれる、剛腕スイング! サンドスター原石の千本ノックの五月雨打ちだ! 野球は一人でもできる! ストライクゾーンはスタースクリーム! サンドスター・ボールがターゲットに当たるたびに起こる、エネルギーの小爆発ストライクの連鎖!

 

「おらおら~悪い子はお仕置きしちゃうぞ~」

『ぎゃあ! ク、クソッ! なんて威力だ! とっても耐えられねえっ! ……フレンジー! ランブル! 何ボサッと見てるんだよ! 早く助けねえか! フレンズどもを捻りつぶしちまえ!』

 

『やなこった! 俺達のリーダーはサウンドウェーブなんだぞー!』

『お前の命令を聞いてやったら、このザマじゃねえか! てめえでなんとかしな! 俺達はSWの元へ帰るぜ!』

『……(汚い物を見るような猛禽の眼光』

『ウニャア~!』

 

『まっ、待て! どこへ行く、お前ら! この裏切り者どもめ! オレ様はデストロンの次期リーダーなん……うぎゃあっ!』

「にっししし~! 顔面センター前ナイスヒット~! これでスタースクリームは永遠にGOOD☆NIGHT~!」

「せ、先輩……怒らせたらマジで怖ぇよ……」

 

 戦いは終わった!

 

 そこへ駆け付けるサイバトロンのマイスターとトラックス!

『サイバトロン戦士ただいま見参! ……ありゃ、もう戦いが終わってるじゃないか!』

『それもペンギンフレンズ・チームの、逆転ホームランみたいだぞ!』

『今日のMVPの“小さな巨人”に感謝というわけか!』

「ふぅ~疲れた~。ちょっとサンドスターの使い過ぎで、縮んじゃったかもな~」

 

「サイバトロンのみんな! もうライブが始まっちゃうわよー!」

『よーし! ペンギンのお嬢さんがた、我々に乗りたまえ!』

『レディのエスコートなら任せてくれ!』

 

 大勢のファンの待つPPPライブ会場まで急げ! サイバトロン・カー!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

【トランスフォーマー解説:05】

 

ID:17-A デストロン 情報参謀 サウンドウェーブ / Soundwave

トランスフォーム:ポータブルカセットプレイヤー・ウォークマン

主兵装:振動ブラスターガン

副兵装:エレクトリックランチャー/カセットロン部隊

体力:7.5 / 知力:9 / 速度:2 / 耐久力:6 / 地位:8 / 勇気:5 / 火力:6 / 技能:10 / 巻き添え体質:10 / 日和見主義:10

座右の銘:「泣キ叫ブ悲鳴……俺ニハ心地良イ音楽ダ……(Cries and screams are music to my ears...)

 

 角ばってマッシブなところが、情報参謀らしいところ。平たい胸からは想像できないほどの数のカセットをしまい込んでいて、とっても多くのカセットロンに慕われているTFです。セイバートロン星ではなく「音楽惑星」の出身という説があります。彼、言わばデストロンの「顔」ですよね、文字通り。

 

 元ネタ玩具は、ミクロマン・ミクロチェンジシリーズ「カセットマン」。当時大流行の携帯型ウォークマン・ラジカセに変形。手持ち武器のブラスターガンと右肩のエレクトリックランチャーは単三電池サイズで、変形時にはちょうど電池ボックスに2本収まります、余剰パーツを無くさないようにという心意気ですよね。また、ロボット時に背中に見えるバックパックのようなものは、玩具だとベルトに引っ掛けて留める用のクリップです。たいへん(ギミック)が細かい。振動ブラスターは、バネ仕掛けで銀色のミサイルが飛びます。昔の玩具らしくていいですね。

 

 音楽プレーヤーは流行り廃りが激しいせいか、最近は人工衛星やベンツや日産GTRなど、サウンドシステム以外に変形するSWが多いんですよね。

 

 エフェクトのつよい声をして、無表情がかわいいですよね、SWは。コンボイみたく、フェイスマスクがモゴモゴッって上下に動いて、喋るときがかわいらしいです。

 いつもメガトロン様の横にいるイメージ。かなりの古参らしいし、忠誠心は深いながらもタメ口だったり、二人の関係は謎が深い。ガルバトロン時代になってもDVされずに一人だけ愛されていました。抱っこされたり、手を繋いで一緒に飛んだりしていて、本当かわいいです。

 

 1つのファミリー……ってか、部隊ですけど、1体だけ合体戦士チームみたくリーダーがいて、あいつの言うことは絶対聞かなくちゃいけないとか、そういうのは、カセットロンの部隊にはなくってぇ……。

 

『コンドル、イジェ~クト!』

 

『サウンドウェーブ、頭良イ! ビルドロン皆、馬鹿バカリ!』

『なんだと! テメエみたいなゴマスリのクズ野郎なんかに!』

 

(よくゴングに倒されるSW)

 

はいけい:そにーほんしゃ そにーしてぃ(とうきょうとみなとく)

こえ:まさむねいっせい おにいさん

 

の の の の の の の の の の の の

 

 けものフレンズvsトランスフォーマー!

 

 一方その頃、PPPライブ会場では! 前座の催し物が行われていた!

 噺家フレンズ、ウグイスによる「ジャパリ落語」である!

 

「“ジャパリまん16個よこすのです” “それじゃ博士、手を出してくださいよ。1、2、3、4、5、6……ところで、今何時ですか?” “1時なのです” “ハイ1時ね……2、3、4、5、6……” オヤ、余計に勘定して渡しているぞ……どうも、おあとがよろしいようで……」

 

「……いや、わからん……どういうことか、全然わからん!」

「……う~ん、パフィンちゃん、頭を使ったらジャパリまんが食べたくなったのー……」

「……鹿せんべいならあるけど食べる?」

「ウメーウメー笹ウメー」(←実は竹や笹以外も食べる)

 

(あ、あれ……イマイチお客さんにウケないですね……定番のネタなんですが……)

(ウ、ウグイスさん。“かず”や“じかん”が分からないフレンズが多いからですよ……)

 

(ぐぬぬ……マーゲイさん、もう限界ですよ……ネタ切れです。PPPはまだ来ないのですか……他のフレンズ芸人は……?)

(漫才コンビ「ツリーボアズ」もネタ切れ。ディンゴさんの「ジャパリ手品」も「種も仕掛けも無い」です……)

(エジプトガンさんとイリエワニさんの前座「ぷろれすごっこ」の「みずべですまっち」は?)

(ヒートアップしすぎて、リングごと壊して流されてっちゃいましたぁ……)

 

(くっ……それでは、わたくしがもうひと頑張りしないとですね……俳句で鍛えたべしゃりを見せますよ!)

「ホーホケキョ~。え~ある日、真っ赤なジャパリまんのカゴを頭に乗せたボスが歩いてきました。“なんで赤いジャパリまんのカゴなんか乗せているんだろう”……と私が考えていると、突然ボスが喋りだして、こう言ったのです……“パークノ緊急事態ニツキ、話シテアゲルヨ。ナンデ僕ガ、赤イジャパリまんノカゴヲ、頭ニ乗セテルカト言ウトネ――”」

 

(もうしばらく頑張ってください! ウグイスさん! そして早く帰ってきて、PPPとサイバトロンさん!)

 

 ウグイスの小咄もネタ切れは時間の問題! とうとうマーゲイ秘蔵の「PPP秘密暴露トーク」タイムに突入か、と思われたその時!

 サイバトロン・ハイヤーの到着だァ!

 

『長らくお待たせしたね! みんなのアイドルのお出ましだ!』

「キャー! タマちゃん待ちくたびれたよぉー! ペ・パ・プ! ペ・パ・プ!」

「ルビー、ボクの心が恋焦がれて燃え尽きる前に、飛べない翼の天使たちが舞い降りたよ……下々の者がPPPと呼ぶ、夢の翼を持つ天使たちが!」

「ええ、ルター。そして可憐なる純情の堕天使たちdddの悪魔的な魅力……嗚呼! ddd! それはなんて蠱惑的な響きなのかしら!」

「うん! わかる!」

 

「みんな行くわよ!」

「にししし~。それじゃ、やりますか~」

『よ~し! みんな~! ディスコっていこうぜ~!』

 さあ! とうとう対決だ! PPP vs ddd!

 と、思った矢先のことである!

 

「お、お姉ちゃん! 何やアレ! こっちへ向かってくるで! セルリアンとちゃうか!」

「ホンマや! アレは普通のセルリアンとちゃうで! わ~! ごっつでっかい奴や~!」

 

 PPPライブの熱狂により深海から目覚めたのであろうか!? それは原始的な触手を数多く持つ巨大セルリアン「チューブワームセルリアン」だ!

 その巨大触手に捕えられたら最後、いかなるフレンズやTFといえども、捕食されてしまうのは必至であった!

 

 ジャパリパーク全滅の危機! どうなるフレンズ! トランスフォーマー!

 

『アレハ、資料デ見タコトガアル! 音楽ニ反応スルセルリアンダ!』

「あっ、サウンドウェーブ、戻ってきたのか~?」

 

『奴ノ触手ハ、パイプオルガンノ様ニ、音ヲキャッチスルノダ!』

「おい! あんなデカブツ! オレたちでどうしろって言うんだよ!」

『カツテ、パークノヒトトフレンズトデ協力シテ、陽気ナ音楽デ追イ払ッタトイウ……』

「つ、つまり、私たちの楽しい音楽で満足させれば追い返せるのね!」

「……や、やるしかないのかよ! ここで終わりたくないぜ! プリンセス!」

「イワビー! ビビッてんじゃねーぞ! テメェのロックはそんなもんなのかよ!」

「ヒゲッペ……! お前たちの(フリッパー)を、貸してくれ!」

「へっ、言われるまでもねぇな! オメーらとオレたちのペンギン魂が合わさりゃ無敵ってもんだぜ!!」

 

「ハイ、こうなったら全面協力しますよ、生き残るために。私も無理して精いっぱい明るくします」

「ししし、PPPとdddのコラボライブか~。面白くなってきたよ~」

『サイバトロンとデストロンの協同作戦だ……サウンドシステムの面汚しのお前と手を組むハメになるとはな!』

『フン……口ダケノ、イカレサウンドガ! ダガ、今ハ争ッテイル場合デハナイゾ! ブロードキャスト!』

「わわわ……土壇場での夢のコラボ実現ですぅ~。これが最後に見られるなら、私は今日死んでもいいですよ~」

「縁起でもないですよ! マーゲイさん!」

「うむ! コウテイ! 私のタンバリンでパークを救っちゃうぞー(シャンシャン」

「おう! オオフラミンゴ先生に鍛えられた歌と踊り! PPPとdddの最初で最後の合同ライブだ!」

「あ~あ、最後にお腹いっぱいジャパリまん食べたかったなぁ~グレープく~ん」

 

「なんだか私たち……(むふ」

「とんでもないことに……(ドヤァ」

「巻き込まれちゃったみたいね~~♪」

「「「私たちも~~♪ 精一杯~~~♪ 歌うわ~~♪」」」

 

『私のミュージック・スピーカーの出番だな!』

『4649頼むぜ! マイスター副官!』

『フレンジー、ランブル、ジャガー、コンドル、バズソー、ラットバット、合同ライブ設営開始セヨ!!』

 

「PPPの皆さん、ジャイアント先輩、アデリーさん、キングさん、ヒゲッペさん……」

「どうした? オオウミガラス?」

「みんなとバンドが組めて良かった……私、剥製に戻っても、ひとりじゃない……みんなのこと……」

「うるせぇ言うんじゃねえバカヤロー! オレたち最凶メタルバンドdddの伝説はこれから始まるんだからよ!!」

 

「それじゃあ、あれをやるわよ!」

「それってあの曲だよな?」

「ぶっつけ本番だぜ! みんな知ってるあれしかないぜ!」

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

【PPP・ddd・サイバトロン・デストロン 合同ライブコンサート】

♪ようこそジャパリパークへ

 

 フレンズ達は歌った。TF達も歌った。観客達も歌った。

 歌の上手な者、下手な者。演奏のできる者、できない者。踊りの得意な者、不得意な者……。

 しかし皆が今までで一番心をこめて、歌い、演奏し、踊った……。 

 

 すると、その時奇跡が起こった! 巨大セルリアンが踵を返して、海の方角へと戻っていくではないか!

 この曲は、かつてヒトがいた頃のパークのテーマソングだったという……。

 セルリアンにとってそれは、自身の故郷、母なる海の熱水噴出孔を思い出させる、子守歌の役割を果たしたのだろうか……。

 

 パークの大ピンチは去ったのだ!! ライブ観客たちの大歓声!!

 

「や、ややや、やりましたぁ~~~!! セルリアンですら満足させるなんて~! PPPとdddの大勝利ですぅ~~(大出血」

「わぁーっ! すごい流血試合だぜ! マーゲイ!」

「もう! あなたの鼻が大ピンチになってどうするのよ!」

 

「フン……PPPとの対決はまた今度だな……」

「あっ……ヒゲッペ……」

 

「にしし~。いや~面白かったな~。一度きりの人生、やっぱ面白くないとな~」

「ジャイアント先輩……勉強させて頂きました……」

 

「それじゃあ、また。私はやっぱり、薄暗いところでトライアングルの練習してるが似合います(チーンチーン」

「頑張ってくださいね!」

 

「ふははっ! さらばだ! また会おう、コウテイ!(シャンシャン」

「お前結構ノリ良いよなー」

 

「友達が沢山いるって、すごく楽しいんだね~!」

「ふふふ、そんなの動物だった頃から知ってるよ~。ねっ、グレープ君~」

 

『貴様トハ、イツカ決着ヲツケル……ブロードキャスト!』

『その時は、この命を賭けてでもお前を倒してやるぞ! サウンドウェーブ!』

 

 こうして、PPP対dddのライブコンサートは大盛況のうちに幕を閉じたのだった……。

 

 全てが終わった……ように思えたが! 気絶したスタースクリームは、その後どうなったのであろうか?

 読者の皆様には、最後にその様子をご覧いただこう!

 

『……なんでェ……忌々しいフレンズどもめ……サウンドウェーブの野郎は帰ってこねえし……カセットロンの奴らも俺を見捨てやがって……クソッ、このオレ様はいつかデストロンのニューリーダーになる男なんだぞ……ちくしょう、見てろよ、今に見返して……うわぁっ! なんだコイツは!』

 なんというタイミングの悪さ! スタースクリームは、帰路についた「チューブワームセルリアン」にばったりで出くわしてしまったのだ!

 

『うわぁぁぁ!! SW! PPP! ddd! だっ、誰でもいい! 誰か助けてくれーーっ!!』

 

【めでたしめでたし! 次回に続く!】

 

の の の の の の の の の の の の

 

【けものフレンズ情報:04】

 

 今日のけものフレンズ情報は! 昔のペンギンたちの特集をしよう!

 

潜水巨兵 ギガントダイブ / Heavydive

分類:鳥綱ペンギン目ペンギン科

レッドリスト:[EX(絶滅)]/EW/CR/EN/VU/NT/LC

 世界最大のペンギン現生種といえば、体長130cm、体重45kg、ご存知「コウテイペンギン」である!

 だが、あなたは知っているだろうか? はるか昔……数千万年前にトランスフォーマーたちが、惑星セイバートロン星でクインテッサ星人によって造られるよりも前……古代の地球に超大型のペンギンたちが生きていたことを!

「ジャイアントペンギン」は3000万年以上前……新生代新第3紀始新世の終わり頃に生きていたという古代のペンギンたちだ! コウテイペンギンより大型の種が6種類確認されており、絶滅と出現を繰り返していた! 身長160cm! 体重80kg! 生けるペンギン山脈! 一人ペンギン類大移動! 大巨人鳥、アンドレ・ザ・ジャイアント・ペンギン!

 白亜紀(1億4500万年前~6550万年前)に最初の種が誕生したと言われるペンギン類、かつては50種類もいたというペンギンたちは、現在では18種類を数えるのみである。

 かつては恐竜が映ったその瞳は、今は黒く虚ろな眼窩になり果てた……彼女に会いたければ、動物園や水族館ではなく、南半球の博物館に行くとよい。悠久の時を経て物言わぬ姿になっても、ガラスの陳列棚の中で、静かにあなたを待っていることだろう……。

 

北方極地水兵 ノースポーラ / Northpolar

分類:鳥綱チドリ目ウミスズメ科ウミスズメ属オオウミガラス

レッドリスト:[EX(絶滅)]/EW/CR/EN/VU/NT/LC

 ペンギンの本場は北半球にあった! 学名ピングィヌス・イムペンニス(Pinguinus impennis)。元祖・人鳥、真の飛べない海鳥、ジ・オリジナル・ペンギンである!

 ↑分類を見ての通り、南半球に生息するペンギンとは地理的・遺伝的に遠縁なのだが、収斂進化により、外見や生態に共通点は多数あるのだ。

 全長80cm、体重5kgのウミスズメの仲間でも大型の水鳥である。かつてはイギリス、アイスランド、グリーンランド、ノルウェー、カナダ、北米と、北大西洋から北極圏の島々にかけて、広く分布していた。

 元々は数百万羽いたとされているが、噴火や地震による生息地の破壊、1年に1つしか卵を産まないという繁殖力の低さ、そして「獰猛な天敵」に好奇心で近づいていってしまう警戒心の低さが災いしたのであろう、16世紀に発見されてから、わずか300年ほどで絶滅寸前まで数を減らしていった。そして1884年の6月のある日、最後の夫婦がその儚い命を散らし、オオウミガラスは地球上から絶滅した……。

 のちの世に遺されたものは、いくばくかの剥製や標本、そして「どんなに繁栄している生き物でもあっけなく絶滅する危険性がある」という「生きた教訓」だけである。

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

『「PPP&デストロン予告っ!」』

 

「ddd……また戦うことになるのかしらね……」

「ヒゲッペ……アイツは、口は悪いしガンコだけど、筋の通った真っ直ぐなペンギンだぜ!」

「よーし! もっと練習して“アイドルのわざ”に磨きをかけましょう!」

「キング……久しぶりに会ったら、なんだか私に似てきたなぁ~……。ヒナのころは茶色のモフモフで、似ても似つかなかったのに……」

「もぐもぐ……食べられるうちにジャパリまん食べとこ~。人生は一度きりだものね~グレープく~ん」

「もう! それは先輩の受け売りでしょ! そうでなくてもいつも食べてるくせに!」

「ふひひぃ……これからは私の楽しみも2倍ですよぉ……」

 

『ああ……死ぬかと思ったぜ。なんだよ、あのデカブツセルリアンは……海に帰っていったからいいものの……』

『お! 帰って来たな! スタースクリーム! 大バカのお前のせいで、ワシとサウンドウェーブのアイドルユニット計画が台無しになったではないか!』

『スタースクリームノ勝手ナ行動、“コンドル”ガ全テ、記録シテイタ!』

『そ、そんなぁ! や、止めて下さい! お許しを~、メガトロン様ぁ~っ! うぎゃあ~!!』

 

次回、【第6話 じゃんぐるちほー奥地!! 神秘の古代遺跡!! トランスフォーム仏像パワーの秘密!!】

いんどちほーのフレンズの大活躍にご期待ください!


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