東方漆風録   作:零霧

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どうも、零霧です。
特訓回。


第10話

 

「…そういえば…影斗は、弾幕を撃てるのかい?」

帰ってきて早々、神奈子にそんなことを聞かれた。

「いや、打てないよ」

「そう…じゃあ、早苗に教えてもらいな…」

いや待て、撃てる撃てないじゃなくてそもそも弾幕って何だよ。

「いいかい?早苗」

「もちろんです!」

早苗は神奈子の頼みを快く引き受けた。

「じゃあ、いつから始めますか?」

ええい、もう分からないなりにやってやろう。

そうだなぁ…博麗の巫女がいつやって来るか分からないし…。

「今からやってもらっていいか?いつあいつが来るか分からないし」

「分かりました。じゃ外に出ましょうか」

 

――――――――――――

 

「じゃあまずは、弾幕を撃ってみてください」

「え?どうやって?」

いきなり撃てなんて言われても…ねぇ?弾幕の『だ』の字も知らないよ。

「まず、どこでもいいのでそこに霊力を集めてください」

どこでもいいのか。自分が何かを撃ちだしやすそうな部位がいいよな。うーん…なら、手かな。

「次に、そこから弾を打ち出すようにイメージしてください」

弾を打ち出すように…弾を打ち出すように…

「あっ」

なんか出た。青白いような色をした球型の弾が。それはふよふよ、という効果音が似合いそうな速さで空中を漂い、5秒ほどで弾けて消えた。

「それを連続で出せるようにイメージすれば沢山出てきますよ」

と早苗が教えてくれたので早速試してみることにする。

一気に…沢山…

「おっ」

さっきの球型の弾が沢山出て来た。青白い弾だけではなく、赤や緑など色とりどりの弾が出てきた。

「おぉ、綺麗だなぁ」

「そうですねぇ…」

なんて少し感慨にふけっていたのだが、また5秒ほどで弾けて消えてしまった。

「あーらら」

「練習すればもっと出せますよ」

へぇ。なんか楽しいな。弾幕打つの。楽しんじゃいけないだろうけど。

「さて!ちょっと心もリフレッシュしましたし、次は弾幕を避ける練習です!」

そう言って早苗は俺とは比べ物にならないほどの弾幕を出してきた。そしてそれを

――全部打ってきた。

えぇ!?分けて打ってくれるんじゃないの!?こんなの無理だろ!!

「当たっても痛くない程度ですから、安心してください!」

「いや、そういう問題じゃな――うぉぉ!?」

喋ってる間に弾幕が一気に目の前まで迫っていた。ギリギリ右に躱す。次は左。次はしゃがんで避ける。次はひだ――いてっ。

左に避けたらすぐ左にあった弾幕に当たってしまった。確かにあんまり痛くはないけど。

なんだかんだで、『弾幕避け【初級編】』――早苗曰くまだ初級らしい――は終わった。

 

――――――――――――

 

「あー疲れた…」

「お疲れ様です、影斗さん」

気付けばもう太陽が沈むくらいになっていた。上級編ではスペルカード――必殺技みたいなもの――まで使われた。もろに喰らった。死ぬかと思った。

「付き合ってもらって申し訳ないけど、まだ実際闘えるレベルじゃないなぁ…」

まだ弾幕なんて全然打てない。弾幕を打つのは霊力の消費が半端ないのか、すぐに打てなくなってしまった。だから、最後の方はずっと避ける練習だった。絶望的とも呼べるかも…。

「始めたばかりにしては凄いと思いますよ?」

なんて早苗がフォローしてくれた。ここまで付き合わせたのに…申し訳ないな。

「じゃあ特訓は終わりです。ちょっと山の皆さんに会いに行きませんか?」

「え?…あぁ、分かった」

理由を聞く元気はもうなかった。

 

――――――――――――

 

俺たちは、山の皆に、もし博霊の巫女が来たら追い返してくれるように頼みに行った。皆引き受けてくれた。断られたらどうしようかなんて思っていたのだが、その心配は杞憂に終わったようだ。

「皆引き受けてくれて助かったな」

「そうですね。私たちだけだと神社まで一気に来られてしまいますしね」

俺の勘だが、博麗の巫女はおそらく明日来るだろう。あくまでも勘だけど。

明日。明日神社の存亡を賭けた闘いが始まる。実際に勝てるなんて思ってはいないけど、俺だってそれなりに特訓はしたはず。体力の消耗くらいはさせたいなぁ。後ろにいる早苗とか神奈子の負担が少しでも軽くなるように。

まあ、明日は頑張るか。




いつも思うんですけど切りどころって難しくないですか?いつも最後どうやって終わるか迷うんですよね…。え?俺だけ?そうですか。
次回は、ちょっとシナリオが違う風神録!お楽しみに。
あっ、浅はかな予告…(;゚д゚)
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