闘いに入りそうで入らない回。
翌日。俺は珍しく早起きをした。なんか寝付けなかったからだ。
「あー…まだ眠い…」
昨日の夜はあまり寝ていなかったからな…。ぐっすり眠ろうと思ってたんだけど…。
「さすがにまだ誰も起きてないか…」
今が何時かは分からないが、まだ太陽は昇っていないのでまだ早いだろう。皆がいつもどれくらいに起きているのかは知らないが、まだ起きてはいないと思う。
「しょうがない。二度寝だな…」
二度寝をすることにした。さっきやろうとしたけどなかなか眠れなかったんだけど。目を瞑っておけば多少はすっきりするんじゃない?そう思い自室に戻ろうとした時、
「あれ?影斗さん?」
「はい!?」
声をかけられた。びっくりした…。
「どうしたんですか?こんな時間に起きるなんて珍しいですね」
「いや…なんか目が覚めてな…」
そこには早苗が居た。まさかとは思うがいつもこの時間に起きてるんじゃないだろうな…?だとしたら凄いぞ。素晴らしいぞ。
「早苗はいつもこんな時間に起きてるのか?」
「いや、それが私…」
なんだ、そうなのか。やっぱりなんか目が覚めたんだな。今日は目が冴える日なんだな。
「いつもより遅く起きちゃいまして…」
「……」
負けたよ、あんた最強だよ。
―――――――――――
「ご飯が出来ましたよー」
至福の時間だ!俺は今日早く起きたせいかやけに腹が減っているのだ!台所に近付くといい匂いがしてきた。そして俺は長い旅路を乗り越えて、今、台所にゴールイン――
「おっ…?」
何かに躓いた。そのまま転がる。気付けば俺は倒れていた。
「いてて…」
頭をさすりながら起きあがる。そしてここが台所の前だと気付く。
「…え」
おそるおそる前を見る。そこには三人がぽかんと口を開けていた。
「えっとぉ…そのぉ…おはよう…」
「…影斗、あんた、何やってんだい?」
神奈子が呆れた顔で聞いてきた。さて。なんと言おう?
「……重力に打ち勝つ挑戦」
「本当は?」
「重力に勝てませんでした…!」
「そりゃ残念…じゃなくてこけたんだろう?単純に」
「はい(キリッ)」
「なんで得意顔なのよ…w」
神奈子?口元がにやけてるよ?ってあとの2人は後ろ向いて口押さえてるし。
「あんたはw本当にやってくれるねえwww」
神奈子が限界を迎えたようだ。盛大に大爆笑し始めた。よく今まで耐えました。
「あーもうw緊張がほぐれたよ。ありがとね」
しばらく大爆笑した後神奈子にそう言われた。まだ地味に笑ってたけど。
「まさか影斗に空気を和まされるとはね…私はてっきり早苗が変なこと言ってくれるのかなー、なんて思ってたんだけど…」
「ちょ、諏訪子様!?それどういうことですか!?」
ん?なんか俺いいことした?ならよかった。
「さて…影斗がやらかしてくれたおかげで空気も和んだし、飯と行きますか!!」
「「オーッ!!」」
いつも「ちょ、神奈子!それ私の!」より騒がしい「ふん!早い者勝ちよ!」朝飯になった。でも「お2人とも!落ち着いて下さい!」案外楽しかった。って本当うるさいわ。
…そうか。もしこのまま完全に信仰が無くなったら、こんな騒ぐのも出来ないのか。…いやいや、やめろやめろ。今は騒ぐ時だ!俺も食料戦争に加わることにした。推して参る!
――――――――――
「何で…飯食ったのに疲れなきゃいけないんだ…」
「ちょっと…騒ぎすぎたね…」
「早苗~…ご飯まだー?」
「もう作りましたよ…」
4人ともボロボロですよ、ええ。何やってんだか…。
「じゃあ、私たちはそろそろ…」
早苗が俺を連れてどこかに行こうとした。
「どこ行くの?」
「博霊の巫女を迎え撃ちに、です」
ああ、そうか。とうとう来たか。
「そうだったな。行くか」
「あ、ちょっと2人とも」
諏訪子に呼び止められた。
「どうした諏訪子?」
「その…無茶はしないでね」
「もちろんそのつもりだ」
「分かりました!無茶はしません!」
早苗はどうか分からないが、俺は割とマジでしないつもりだ。
「じゃあ、気を付けて」
「そっちもな」
なんか死にに行くような会話になったな。死にゃしないっての。…死なないよな?
――――――――――
早苗は境内で霊夢を待つらしい。実際守矢神社は大きいので、神社との距離はそれなりにある。まあ神奈子の側近だしそこら辺が妥当だよね。
「さて、じゃ俺は行くか」
俺が飛ぼうとしたとき、
「影斗さん、頑張りましょうね!」
早苗に声をかけられた。また少し緊張しているのか、声が少し震えていたような気がした。
「ああ。頑張ろうな」
俺も実際緊張していたので声をかけられるのは結構助かった。
「諏訪子様も言ってましたけど、気を付けてくださいね」
「へいへい、了解」
今度こそ、俺は飛び出した。
――――――――――
「この辺かな…?」
俺が降りたのは天狗のところと守矢神社の中間くらいのところだ。ずっと飛んでいると霊力が持たない気がしたので木に降りた。
「いつ来るかなぁ…いや、来ないのが一番か」
あとは博麗の巫女が来るのを待つだけだ。待つのは嫌いだが…。というか来ないのが一番か。
――――――――――
どれくらいここに居るだろう。暇つぶしに弾幕の練習をやっていたのだが、いざという時に使えないと困るからやめて、ずっとボーッとしていたのだが全く来る気配が無い。
「暇だなぁ。もしかして、帰ってくれたのか?」
それならハッピーエンドだ、なんて思っていたとき、
「――!!」
人影が見えた。しかも2つ。博麗の巫女と…誰だ?
厄介だな、2人相手とか俺瞬殺されるぞ?1対1でも危ういってのに…。
「よし、やるか」
うだうだしてても仕方がない。
覚悟を決め、俺は、二人の前に飛び出した。
どうでもいいけど、昨日体育会だったんですよ。
まあ楽しくないな、なんて思ってたんですけど、楽しかったんですよ。綱引きが。結局負けちゃいましたけどね。「負けたのに楽しいとかおかしい」?すいません、そういう奴です…。
それでは、また次回。