東方漆風録   作:零霧

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どうも、零霧です。
二人の魔法使いとはもちろん、魔理沙とあの人です。


第19話 二人の魔法使い

 

 

「ところで魔理沙」

「なんだぜ?」

 俺たちは今、森の上を飛んでいる。久々に外に出たけど、寒いね。って別に俺が普段家に籠ってることはどうでもいいんだ。俺と早苗は今、魔理沙の後を付いて行ってるのだが……。

「異変とは言うものの、何か手がかりはあるのか?」

 俺が思うに、どうも魔理沙は手がかりがあるわけでは無さそうに見えたのだ。そう思ったのは、「異変を起こしてる奴らはどこなんだろうなー?」と言っていたからだ。

「聞きたいか?」

 なんだか不敵に笑う魔理沙。あれ、もしかしてあった?

「ああ、ぜひとも」

「無いぜ」

「3グラムでも期待した俺がバカだったよ」

「単位がおかしいです、影斗さん」

 はぁ……結局無かったのね。フッ、と不敵に笑ってるから何かあるのか、とか思っちゃったよ。

「お、あれは……」

 魔理沙が口を開いた。何か下の方を見ている。見てみると、そこには、一軒の家がひっそりと建っていた。

「こんな森の中に、珍しいな」

 見たところ、この家以外に他の家は見当たらない。森の中だからか、それが無性に寂しく見えた。いやまあ、守矢神社(うち)も山奥なんですけど。

「私、ちょっと行ってくるぜ。二人は先に行っててくれ」

 魔理沙がいきなり進路を変えた。どんどん高度を下げてるところを見ると、どうやらあの家に行くつもりらしい。『先に行っててくれ』とは言われたものの、行く宛も無いので付いて行く。ふと後ろを見てみると、早苗もちゃんと付いてきてくれていた。そういえば早苗って腋出してるけど寒くないのかな……。まあいずれ聞いてみよう。聞く機会があれば。

「あら、魔理沙じゃない。どうしたの?」

 俺たちが魔理沙のちょっと後ろくらいに着地する寸前、そんな声が聞こえた。

「特に用は無いぜ。たまたま通りかかっただけだぜ」

 魔理沙が答える。

「あら、あなたたちも?」

 俺たちに気付いた魔理沙と話していた少女が声を掛けてきた。短めの金髪に、その上にヘアバンド(?)を付けている。服装は、青を基調とし、ちょくちょく白が入っているものを着ていた。いつぞやの宴会での戦友(被害者)、アリス・マーガトロイドだった。

「よお、アリス。久し振りだな」

「こんにちは。アリスさん」

「こんにちは。早苗、影斗。久し振りね」

 最初に合った時は緊張していたのかビクビクしていたアリスだったが、何回か会って話しているうちに仲良くなれた。いやはや、コミュニケーションって素晴らしい。

「なんだ、結局お前らも来たのか」

 魔理沙が言う。だって、行く宛が無いし。

「どうする?少し上がっていく?お茶くらいなら出せるけど」

 アリスがありがたい提案をしてくれた。それは行くしか道は無――

「いや、今はいいぜ」

――魔理沙が断った。なんで!?

「今は異変を解決している途中なんだぜ。だから、異変を片付けたら貰うぜ」

 そうだった。今は異変解決の途中だった。物欲退散!

「そうなの?」

「そうだぜ!」

 驚いたような顔をするアリスに、魔理沙がどん、と胸を叩いて答える。……いや、何もツッコむところは無いよ?

「へぇ……魔理沙が異変解決ね……」

「どうした?」

 アリスが面白そうなものを見つけた、みたいな感じでにやっ、と笑う。魔理沙がそんなアリスを見て不思議がる。

「いえ、なんか似合わないなぁ、と思ってね」

「なんだ?私の異変解決の腕を知らないのか?」

 先ほどのにやっ、からクスクス、と楽しそうな笑い声に変わる。なんだろうね、この空気感。早苗も暇なのか、ぼーっ、としていた。俺もそうしようかな。

「――なら、私にその異変解決の腕というものを見せてくれないかしら?」

 アリスがいきなりそんなことを言い出した。え?

「お、やるか?」

 どうやら魔理沙も乗り気のようだ。これは言っても止まらないだろうな。

「じゃあ、早速始めようぜ?」

「言われなくてもそのつもりよ」

 アリスが答える。それと同時に、どこからかアリスの周りに人形が出てきた。っと、ちょっとここは近すぎるかな。そう思い、ぼーっ、としていた早苗の意識を起こし、その場を離れる。森なので、木ならいっぱいある。とりあえず、適当な木に登って枝に腰掛け、二人の闘いを見ることにした。そういえば、魔理沙の弾幕もアリスの弾幕も見るのは初めての様な気がする。楽しみだなぁ。

「それじゃ行くぜ!」

 魔理沙が攻撃を仕掛けようと突進していった。アリスも迎え撃とうと人形を操りだす。

 二人の魔法使いの勝負が始まった。




アリス戦は無しにして会話だけにしておこうかな、とか思っていたのですが急に書きたくなったので書くことにしました。後悔はしていません。反省はしています。
それでは、また次回。
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