やっぱり主人公は霊夢ですね!
――時は、影斗一行が妖夢と出会った頃まで遡る。
「こんにちは霊夢。ごきげんよう」
スキマを開いて博霊神社に来ると、氷の妖精の襟首を掴んでいる霊夢がいた。
「なんだ、紫か。何か用?」
「なんだとは何よ。ちょっとね」
いつものように軽口を叩く。でも、今日はそんなことをしている場合じゃないのよね。
「……あの子たち、敵の本拠地まで辿り着いたそうよ」
「……あぁ、そうなの」
氷の妖精を開放してから霊夢がそう言う。
「それでね、今ちょっと危ない感じかもしれないのよ」
影斗には悪いけど、影斗が妖夢に勝てるとは思えないのよね。たまに遊びに行く時によく見るけど、あの子はいつも稽古ばかりだったし。元から才能もあったしね。
「別に、あいつらがどうなろうと知ったこっちゃないわ」
そう言って顔を背ける霊夢。無性にいじりたくなったが、残念ながら今はそんなことをしている場合ではないのよね。
「伝えることは伝えたわ。それじゃあね、霊夢」
「帰るんならとっとと帰んなさい」
「ふふふ。またね」
スキマを閉じる。さて、あの子は動いてくれるかしら?
――――――――――
「…………」
私は行くべきなのかしら。
「……あ」
あの馬鹿はいつの間にか消えていた。紫と話しているときに逃げたのだろう。別に構わないけど。あれ以上言うことも無かったし。
「さて――」
あの馬鹿が開けっ放しにして行った
「――行きましょうか」
――――――――――
――そして、現在。
「あなたが……博霊の巫女」
「あれ……霊夢?」
影斗が信じられないようなものを見るような目でこっちを見てくる。何よその目は。本当に私が異変解決に来ないとでも思っていたのかしら。
「私の名は博霊霊夢。能力は【空を飛ぶ程度の能力】」
「……私の名は魂魄妖夢。能力は【剣術を操る程度の能力】」
異変解決は私の専売特許。誰にも譲るつもりは無いわ。
「じゃあ、早速始めましょうか」
――――――――――
「覚悟!」
振り下ろされた刀を横に躱す。
「はぁっ!」
そのまま水平に斬られた刀を跳んで避ける。
着地した後弾幕を放つ。
「くっ……」
相手――魂魄妖夢がうっとうしそうに弾幕を切り裂く。へぇ。弾幕斬れるのね。影斗にも出来るのかしら?や、無理ね。あいつまず刀の使い方なってないし。
「剣伎【
刹那、妖夢が消えた。否、後ろにいた。
そして次の瞬間、桜色の剣閃が迫ってきた。
「っ!」
横に跳ぶ。だが、完璧には避けきれず、左腕に被弾してしまった。
「へぇ……中々やるのね」
影斗よりも速かったんじゃない?そういえばあいつはどこまで速く動けるのかしら。
「そろそろ終わらせてもいいかもね」
そう言ってカードを取り出す。
「夢符【
カードが四散し、お札が妖夢の周りを取り囲むように動く。
そして自分も弾幕を放つ。
妖夢はお札を斬ったり避けたりをしている。たくさんのお札があるのでおそらく私は見えていない。お札の間を
「!?」
妖夢が驚いたのか一瞬体が止まった。その隙を見逃さず、お祓い棒を腹に突き刺す。と言っても、棒だから刺せないんだけど。
「う……っ!?」
妖夢が吹き飛んだ。受け身も取れなかったのか横転したまま地面を転がった。
そしてそのままピクリとも動かなかった。
「ふぅ……まあこんなもんね」
――――――――――
「ふぅ……まあこんなもんね」
手を打ち払いながら霊夢が言う。妖夢動かないんだけど……大丈夫かな?生きてる?
「おい霊夢!来るのが遅いんだぜ!」
魔理沙がそう言った。口調こそ怒っているものの、どこか嬉しげな顔をしている。
「しょうがないじゃない。寒かったんだから」
あのさ、そんな腋なんか出してるから余計に寒いんじゃないの?早苗もそうだけどさ。
「それで――この異変の首謀者はこの先にいるのよね?」
霊夢が打って変わって真面目な表情になった。
「ああ、そうだぜ!早く春を返してもらわないとな!」
頷きながら言う魔理沙。
「よいしょ、っと」
もたれていた木から腰を上げる。完全に立ち上がったところで、
「影斗はここにいた方がいいんじゃないか?」
と魔理沙に言われた。
「なんで?」
「お前さっきまで闘ってたじゃないか。疲れてるだろ?」
あれは闘いと呼べるのか。もしそう聞かれたら「ノー」と即答するだろう。
「実際あんまり疲れてないんだけど……」
「そうなのか?じゃあ行くか?」
どうしようかな~。もう実際面倒事には関わりたくないな~。……何さっきの。すごい殴りたくなったよ。殴らないけど。
「行きたいと思います」
「そうなのか。じゃあ行こうぜ!」
歩き出す魔理沙。それに霊夢、早苗、俺と続く。
「影斗さん、本当に大丈夫なんですか?」
「大丈夫だ、問題ない」
「ならいいんですけど……」
なんかすごい早苗に心配されてるけど、大丈夫だから。酷いけがしてないから。どちらかといえば妖夢にちゃんと脈があるか心配なんだけど。
「それにしても、でかい家だなぁ」
家とどっちが大きいんだろ?とかどうでもいいことを考えていると、
「あら……よく来たわね」
と声を掛けられた。
そちらを見ると、少女――いや、お姉さんが浮いていた。髪は桜色。服装は、主に水色のもの。桜色の頭の上には、紫が被っているような帽子(?)を被っている。
「あんたがこの異変の首謀者かしら?」
霊夢がお祓い棒で手を叩きながら言う。もう出してるのね。
「ええ、そうよ」
うっすらと笑みを浮かべながら言うお姉さん。
「一応聞いておこうかしら」
「何かしら?」
「何故、私たちの春を奪ったの?」
鋭い眼光で睨みつける霊夢。こえぇ。
「知りたい?それはね……」
お姉さんは自分の右を指差し、
「あの木を満開にさせるためよ」
そう言った。
そちらを見てみると、一際でかい木があった。他の木は既に満開なのに、あの木は多少咲いてはいるが、満開とは言い難い。
「あの木に何かあるのかしら?」
「どうやらあの桜……
「それがどうしたっていうのよ」
「人の話は最後まで聞きなさい。それでね、西行妖を満開にするとその封印が解けるらしいのよ。だから……ね」
「そんなどいつかも分からないような奴を復活させるためだけに、この異変を起こしたの?」
「ええ、そうよ」
「……いい度胸じゃない」
霊夢がお祓い棒を構え直す。
「悪いけど、手加減は無しだぜ」
魔理沙はミニ八卦炉を取り出す。
「もう寒いのはごめんです」
早苗は霊夢とは違うお祓い棒を構え直す。
今回は一対一ではなく全員で闘うのか?異変起こした張本人には容赦しないと。おそらくそう言う訳なので刀を取り出す。
「私は
「『死』?」
魔理沙がお姉さん――もとい幽々子に聞く。
「そのままの意味よ。私は『死』を操ることが出来るのよ」
「そうか……厄介だな……」
下手したら死ぬってことかな?いや、下手しなくてもポックリと死んじゃうんじゃない?
「まあいいぜ。私は霧雨魔理沙!能力は【魔法を使う程度の能力】だぜ!」
「普通私が先じゃないかしら……。私は博霊霊夢。能力は【空を飛ぶ程度の能力】」
「私は東風谷早苗です。能力は【奇跡を起こす程度の能力】です」
「俺は月宮影斗。能力は【加速する程度の能力】。頑張りますんでよろしく」
なんかこれ口癖になってない?頑張らないくせに何言ってんだ俺、っていつも思ってるんだけどな。
「かかってきなさい」
余裕そうな幽々子。霊夢と魔理沙と早苗の三人が相手だよ?少しは怯んでくれたっていいんじゃないかな? 俺?論外だね。
「言われなくても、そうするわよ」
霊夢が弾幕を放ちながら接近する。魔理沙と早苗もそれぞれ動き始めた。俺もとりあえず動こう。
幽々子が、おびただしい量の弾幕を展開した。
今日、熱が出ました。いや、出ていました。
確か昼頃に全快しました。お粥、美味しかったです。
更新、遅くなってしまい申し訳ございませんでした。