東方漆風録   作:零霧

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どうも、零霧です。
vs西行妖です。


第25話 精気を吸う妖怪桜

 桜――西行妖が弾幕を放ってきた。弾幕というより、桜の花自身を飛ばしてきている。

 桜の花が何枚かで集まり、球体となり、どこか怪しいような桜色に光りながらこっちに向かってくる。

「はぁ……」

 戦闘中ってことは分かってる。だけど、これだけは言わせてくれ。すごい綺麗でs――

「ボーっとしてるんじゃないぜ!」

「ふぁっ!?」

 魔理沙に襟首を思い切り引っ張られた。変な声出ちゃったよ。

「全く……ヒーローでも見るかのようなキラキラした目をしてる場合じゃないぜ。自分の目の前にある弾幕に気付かないなんて……」

 俺ってさっきそんな目をしてたの?俺みたいな人間でもそんな目が出来るの?弾幕目の前に来てたの?全然気付かなかったよ。

「ご、ごめん」

 自分に非はあることは確かなので謝っておく。今桜に見とれてる場合じゃないよな。この異変が終わったら、飽きるほど見れるはずだ。

「あの桜、一枚一枚にかなりの力があるぜ。一発でも当たれば、ただじゃ済まないぜ!」

 何それ怖い。その桜が何枚も集まって弾幕になってるんでしょ?つまり……やめよ。考えたら恐怖に染まるかもしれない。

「当たらないように頑張るよ」

「避けられるのか?」

「魔理沙にずっと引っ張ってもらうよりマシでしょ。なんとかなるよ。多分」

 実際魔理沙に引っ張ってもらっていた方がいいだろう。でも魔理沙にずっと荷物を背負わせる訳にもいかないし。

「……気をつけろよ」

「そっちもね」

「ああ。来るぞ!」

 避けるのには地味に自信がある。避けきれると保障は出来ない。

 弾幕――正確には花――が西行妖から放たれる。

 スピードがそれぞれ違う弾幕。ゆっくりな弾幕の後ろから速い弾幕が出てくる。避けづらいが、なんとか避けることが出来た。

 それを避けたと安心している暇もなく、間髪入れず、回るように放たれた弾幕が襲い掛かってきた。

 それをジグザグに避ける。もちろん終わりではなく、その後前までの弾幕の五倍くらいの大きさの弾幕が襲ってきた。

 最初、全方位に一個ずつだと思っていたのだが、近付いてくると三つに分裂した。分裂したと言っても、最初と弾幕の大きさは変わっていない。

 次は、最初と同じスピードが違う弾幕が放たれた。これの繰り返しか?

 次の瞬間、俺の視界が光で染まった。

 そしてどういう訳か、俺は吹っ飛ばされていた。

「が……!?」

 どうなってんだ?今、何が起きた?

 そんなことを考えていた俺の目の前には、三つの特大弾があって――

 

 ――俺の意識は、そこで途絶えた。

 

 

――――――――――

 

 

「な……影斗さん!?」

 影斗さんは地面に落ちてからピクリとも動かない。体のあちこちから弾幕が当たった後の独特な煙が出ている。

「あいつ……言ってるそばから!!」

 魔理沙さんが緊迫した表情で言う。

 スピードが違う弾幕、回るように放たれた弾幕、特大弾の順に避けた後、またスピードが違う弾幕が出てきたので、これの繰り返し?とか思っていました。ですが、同時に赤と青の光線が出てきて――影斗さんはその射程上に居たらしく、被弾してしまった。

 そして、落ちていく影斗さんに特大弾が当たり――今に至る、という訳です。

「生きてますよね……?」

 一応弾幕だから死にはしないと思いますが……。でも、この弾幕、かなりの力が込められていますから……。

 とりあえず、安全な場所に避難させなければ。あそこだと、流れ弾に当たってしまうかもしれません。

 怒涛の勢いで放たれる弾幕を避け、たまに相殺しながら影斗さんの元へ向かう。

「う……」

 苦しそうな顔をして呻いている影斗さん。どこか、安全な場所は……。

 そばにあった桜の木――当然西行妖ではない――にもたれかからせる。ここならおそらく流れ弾も来ないでしょう。

 影斗さんを連れてくるのは、やっぱり危険だったんですかね……。

 

 

――――――――――

 

 

 くそっ!こんなことになるんなら、無理にでも引っ張っておけばよかったぜ!!

 しばらくして、早苗が戻ってきた。

「影斗はどうだった!?」

「大丈夫です!少し怪我してましたけど……。安全な場所に置いてきました!」

「そうか……くっ!」

 気が付けば、すでに目の前にまで弾幕が迫っていた。もう避ける余裕は無い!

「恋符【マスタースパーク】!!」

 目の前にある弾幕を打ち消す。目の前だけではなく、その一直線上の全ての弾幕を打ち消した。

「これ……いつになれば終わるんだ……?」

 

 

――――――――――

 

 

 見た感じ、残りの桜はあと半分ってところかしら。

「夢符【夢想封印】」

 目の前に来た弾幕を打ち消す。

「避けるだけって、つまらないものね」

 でも、避け続けて花が散るのを待つしか道は無いわけで。

「はぁ……面倒ねぇ」

 

 

――――――――――

 

 

「はぁ……はぁ……」

 残りの桜は、約三割くらい。

「ようやく、ここまで……」

 だからといって、油断は出来ない。西行妖の弾幕も、かなり激しくなっている。

 弾幕のスピードも上がり、光線の数は二倍近くに増えた。

「あ……」

 これまでに何回か被弾した。そのダメージが溜まっているのか、一瞬体が動かなかった。すでに弾幕は目の前にある。

「秘術【グレイソーマタージ】!」

 周りに星型に集まった弾幕が何個か集まり、形を崩しながら進む。

 私の弾幕と西行妖の弾幕が打ち消し合う。なんとか被弾せずに済みました。

 次の弾幕に備えようと体勢を立て直す。弾幕が打ち出された瞬間、西行妖が光り始め――

 

 ――桜が、一気に散った。

 

 桜が弾けたように舞い散る。弾幕としてではなく、普通の桜として。

 その光景は、とても美しくて、幻想的でした。

「この景色、影斗さんにも、見せたかったですね……」

 桜色に光っている西行妖の真ん中、そこに影があるのに気付いた。西行妖を覆うように光っている光の真ん中で、人影が浮いている。

 しばらくその影を見ていました。が、一枚の桜が私の視界を一瞬埋めた。桜が視界から消えた後、そこには何も居ませんでした。すでにもう、西行妖も光ってはいませんでした。

「何だったんでしょう……」

 

 

 




~影斗がログアウトしました~
何でだろう、最初は、影斗ここでは最後まで闘わせる(避けさせる?)予定だったんだけどな……。何故か負けさせたくなる。
多分次回の更新も一週間後くらいになります。申し訳ございません。憎きテスト……!
それでは、また次回。
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