今回も読み飛ばしてくれたって何の問題もない気がする……。
「う~ん……よく寝た~」
ちょっと寝過ぎたかもな……。西行妖に吹っ飛ばされてからずっと寝てるんだよな、俺。夜少しだけ起きたけど。
「とりあえず……」
体を動かしても大丈夫か確かめるために、右腕を動かしてみた。
「…………」
少しだけ痛んだが、動こうと思えば動ける。よし。
「ふぅ……」
起き上がって体を伸ばす。ポキポキと関節が鳴る。
次の瞬間、背中に猛烈な痛みが走った。
「……」
言葉を発することも出来ず膝立ちになる。膝がひどく震えている。
「背中痛ァァァァァ!?」
俺には、その場を転がり、背中の痛みに悶絶することしか出来なかった。
「皆さん……おはようございます……」
あれからなんとか痛みを克服した俺は、あれから部屋を這うようにして出て、いい匂いが漂ってくる方へと向かった。今日は宴会らしいし、宴会の準備なんじゃないか、と思ったのだ。ちなみに今は二足歩行だ。
「あ、影斗さん?」
「おお……早苗か……」
「目が覚めたんですね。よかったです。体の方は大丈夫ですか?なんだか、顔色が優れないみたいですけど……」
「まあ……なんとか……」
実際のところはボロボロなんだけど。主に背中が。というか背中だけが。
「あ、そうそう。今日は宴会みたいですよ!それで今、皆で準備しているところなんです」
「おぉ……知ってる」
昨日、あの幽霊に教えてもらった。今は寝てるのかな?「朝苦手~」とか言ってたし。
「あれ、そうですか。まあ、まだ準備中なのでゆっくりしてていいですよ」
「何か手伝うことありますか?」
「うーん……いえ、今はないです。また後でお願いしますね」
「了解です」
じゃあ今は部屋に戻って背中をなんとかしよう。
「……!!」
「どうしました影斗さん?何かありますか?」
「いや、何も……」
適当にぼかしておく。そんなことより重大な問題が発生したぞ。
部屋、どこだっけ……。
――――――――――
料理をしていると、霊夢さんと魔理沙さんが帰ってきた。
「あ、お帰りなさい」
「はぁ……こんなに材料が多いと運ぶのが大変ね……」
「そんなこと言ってるけど、お前途中から全部私に持たせたじゃないか!」
「少しくらいいいじゃない。ケチケチせずにさ」
「お前にだけは『ケチ』呼ばわりされたくないぜ……」
確かに、霊夢さんのケチ度は異常だ。ケチりにケチって犬のご飯買おうとするくらいだ。私が見たときは必死で止めたのだが、私がいなかったらどうするつもりだったんでしょうか。
「うるさいわね。って、あんたこそ荷物はどうしたのよ?少ししか持ってないじゃない」
「荷物なら、あいつに任せたぜ」
というやり取りを聞いていると、妖夢さんが帰ってきた。大量の荷物を持って。
「ああ、そういうことね……」
霊夢さんがなるほど、という風に呟く。
「よお、遅かったな」
「誰のせいだと思ってるんですか!?ほとんどの荷物を私に渡してさっさと帰るなんて……」
「いい特訓になったろ?」
「確かになったのかもしれませんが……」
妖夢さん、そこまで特訓したいんですか。その精神、少しうちの影斗さんにも分けてくれませんかね?外にも出ないんですよ、あの人。
「でもな、こんなに買った理由はお前が『これだけじゃ絶対足りません!』とか言うからだぜ?なら、お前が多く持って当然じゃないか?」
「確かにそうかもしれませんけど!!いくらなんでもこの量は酷くないですか!?霊夢さんに至っては、もう何も持ってないじゃないですか!!」
「私はいいのよ」
「なんでですか!?」
あまりに理不尽な物言いだと思ったが、あえて何も言わないことにする。妖夢さんは「うう……理不尽です……」と
「ははは……」
「早苗さんも笑わずに何か言ってくださいよ!!」
妖夢さん、申し訳ありません。こればかりはどうしようもないのです。現実を受け入れてください。
「あ、そういえばですね、さっき、影斗さんがここに来たんですよ」
「あぁ、起きたの?あいつ」
「ってことは宴会には出られるんだよな!!いっぱい酒飲ませてやるぜ!!」
それは本当勘弁してくれませんかね魔理沙さん?絶対それ私も巻き込まれるパターンじゃないですか。
「それはさすがに……」
「さすがにダメかー……」
魔理沙さんは渋々といった様子で納得してくれた。本当に納得してくれたのかは知りませんけど。
「じゃあちゃっちゃと準備を終わらせて宴会にするわよ。ほら、いつまでもへこんでないで立ちなさい」
「うう……あんまりです……」
頭を垂れていた妖夢さんを霊夢さんが引っ張り上げる。
「……お互い、頑張りましょうね」
「ええ……そうですね……」
私と妖夢さんは苦労人同士、密かな友情を結んだ。
――――――――――
「もう……いいんだ……」
俺は今、背中をどうにかしようと頑張っている。背中に極力刺激を与えない立ち方を模索している。だが、『立つ』という動作には嫌でも背中が動いてしまう。というわけで俺は挫折して布団の上に寝転がっている。
「影斗さーん、どこですかー?」
早苗の声が聞こえた。どうやら俺を探しているようだ。床をゴロゴロと転がり、襖を開ける。
「おーい、ここ、ここ」
「わっ、普通に出てきてくださいよ」
早苗は俺の部屋の二つ横の部屋の前にいた。
「ごめん。でもね、俺、もう動かないって決めたの」
「何言ってるんですか、宴会ですよ、宴会。始まりますよ」
そうか。宴会か……。そういえば、俺は何食食ってないんだ?昨日の夜、今日の朝……あ、二食か。
「よし、行こう」
先程の挫折はどこへ行ったのか、俺は立とうとした。背中に痛みが走ったが、この際無視だ。
「あの……大丈夫ですか?やっぱり無理はしない方が……」
「いやいや、全然大丈夫だ、行こう」
早苗が心配そうに見てくるが何の問題もない。背中?いやいやゼンゼンイタクナイデスヨアハハ。
「お、来た来た。おーい!こっちだぜー!」
魔理沙が手を振って居場所を示してくれた。ありがたい。
「遅かったわね。もう少し遅かったら先に始めちゃうところだったわよ」
「ごめん。色々あって」
「別にいいわよ。――それじゃ、全員揃ったことですし……カンパーイ!!」
「「「カンパーイ!!」」」
宴会引っ張るなぁおい……(書いてるの自分)。
というわけで次回は宴会です。明日書けるといいなぁ……。
それでは、また次回。