東方漆風録   作:零霧

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どうも、零霧です。
今回は番外編となっています。時間が進んでます。
一回物語をリセットして見ることをおすすめします。本編とこの番外編では季節が真逆なので……。



番外編 メリークリスマス!

 

「ん~、今日もよく寝たー」

 起き上がって体を伸ばす。

「今日も寒いな……」

 そう言って外に出ようとする。したのだが、俺の足元に何かがあることに気づいた。

「ん?」

 しゃがんでそれを見てみる。それは、赤色の袋だった。昨日俺が寝る前は、こんなものはなかったはずだ。

「なんだこれ?」

 手で持ってみると、中に何か立方体のものがあるのが分かった。箱だろうか?

「開けてもいいのか……?」

 誰かが落とした、というのはないと思う。俺の部屋にいちいち入ってきてそれを落とした、なんて……ないよね?

 つまりこれは、誰かが俺にくれた、と考えていいはずだ。……うん、いいはず。

 恐る恐る袋を開けてみる。その中にあったのは、案の定箱だった。結構大きい。

「…………」

 そしてその箱も開ける。そこには――

「こ、これは……!?」

 

「うおぉぉぉい!!」

 台所に駆け込んだ。文字通り駆け込んだ。

「わっ!?どうしたんですか影斗さん?」

 早苗が驚きながらも聞いてくる。

「これだよこれ!!」

 そんな早苗に例の物を見せる。例の物とは、あの箱の中にあった物のことだ。

「……なんですかそれ?」

「ドラクエだよドラクエ!!」

 ドラクエとは『ドラゴンクエスチョン』の略であり、主人公がドラゴンの謎を探る旅の物語を書いた本のことだ。前々から面白そうだな、とは思っていたのだが、今全20巻あるので、買うべきかどうか迷っていたのだ。

「へぇ。それがどうかしたんですか?」

「朝起きたら置いてあったんだよ!しかも全巻!」

 そう。今俺が手に持っているのは1冊だけだが、箱の中には全巻――つまり20冊入っていたのだ。

「ってことは、サンタクロースでも来たんですかね?」

 早苗がそう言った。サンタクロース、ねぇ……。

「サンタっているのか?」

「何言ってるんですか、いるに決まってるでしょう?」

 まあ、そう思ったほうが楽しいよな。

「とりあえず、ご飯にしましょう」

「お、そうだな」

 

「さあ、食べようか」

「朝からこれですか……?」

 今食卓には、七面鳥のチキン、ピザ、ハムなどと、朝にしてはなかなかボリュームがある食材が置かれている。

 神奈子は何事もないかのようにいつもと変わらず『さあ、食べようか』なんて言っているが。

「いいじゃないですか。今日はクリスマスなんですから」

「まあそうかもしれないけど……」

 こういうのって夜にするもんじゃないの?食材が晩ご飯だよ?

「別に、去年もそうだったじゃないか。今更何言ってんだい」

「去年は晩だったじゃないか」

 去年は晩にパーティをしたはずだ。なんだって今日は朝から……。

「いいじゃないか、たまには朝から騒ぐのも悪くないだろう?」

「……まあ、それもいいか」

 せっかくのクリスマスだ。楽しまなきゃ損だよな。

「それじゃ、かんぱーい!!」

「酒!?」

 酒もだと!?まあいいや!食べるぞ!!

 まず七面鳥のチキンに齧り付く。口の中で肉汁が散る。噛みごたえのある肉がうますぎる!!

 お次はハム、そしてハンバーグと、がつがつ食った。

「なんだ。影斗もめちゃくちゃ食ってるじゃないか」

「美味いので」

「その調子で酒も一杯どうだい?」

「丁重にお断りさせていただきます」

 神奈子と諏訪子には悪いけど、酒なんて飲んだら死ぬわ。

 

「ごちそうさまでしたー」

「「「ごちそうさまでしたー」」」

 食った食った。こりゃもう昼飯いらないな。

「晩もやるよー」

「おうともさ!」

 神奈子と諏訪子がなんか言ってるよ。結局晩もするんだこれ。

「晩にはケーキもありますからね!」

 今食材の話を聞きたくないと思ってるのは俺だけなのだろうか。胃にくるんだが。

「にしても、雪がよく降るな」

「そうですね」

 外には雪が降り積もっている。綺麗な雪景色だ。

「ちょっと掃除してきます」

 早苗が立ち上がってそう言った。

「大掃除ならまだ早いと思うけど」

「違いますよ。いつもの境内の掃除ですよ」

 そっちか。

「何か手伝おうか?」

「そうですねぇ……買い物に行ってきてくれますか?」

 ……マジかよ。ちょっと言わなきゃよかったと後悔してる。

「冗談です。今日は特に買うものはないですから」

「なんだそりゃ」

「手伝いはいいですよ、ってことです」

 じゃあ俺はドラクエでも読んでるかな。

 

「あー!」

 早苗の大声が聞こえた。そして早苗が走って俺の部屋にやってきた。

「影斗さん影斗さん!!見てくださいこれ!!」

 興奮気味に話す早苗の手には、ロボットのプラモデルが握られていた。

「ダンプラですよダンプラ!!しかも二つ!!」

 早苗は本当に嬉しそうにプラモデルを持っていた。こんなに喜ぶものなのか……。

 そんな嬉しそうな早苗に、こう返した。

「そうか。サンタクロースでも来たんじゃないか?」

 

 




皆さん、メリークリスマス!
もう今更感半端ないですけどね。それ言っちゃダメです。
皆さんは、良いクリスマスが送れましたか?
それでは、また次回。
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