東方漆風録   作:零霧

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どうも、零霧です。
これからは後書きに避難しようかな。((え


第32話 罰ゲーム

 

「ふぅ。やっと帰ってこれた……」

 持っていた袋を床に下ろす。長い間荷物を持っていたせいで両腕がヤバイ状態だ。うわ。腕ガクガク震えてる……。

 居間から話し声が聞こえる。おそらく皆あそこにいるのだろう。もっかい持ち上げて、っと……。

「ただいまー」

 居間の襖を開けると――

「「「おかえり!背中マン!!」」」

 ――手厳しい歓迎を受けた。

「これは何の罰ゲーム?つか、なんで皆その名前を知ってるの?」

「あんたがいない内に話しておいたのさ!」

「この腐れババアが」

「な!?」

 神奈子……絶対許さない……。

 ちょっと怒っていると、霊夢から追い打ちがやってきた。

「まあいいじゃない。似合ってるわよ、背中マン……ふっ」

「全然よくねえから!!そして今鼻で笑ったな!?似合ってたまるか!!」

「まあまあ影斗。そんな怒鳴るんじゃないぜ。どうせ死んだら忘れるぜ」

「魔理沙が死ぬまであと何十年何百年!?」

 くそっ!もうそろそろ呼ばれるのも終わるだろうな、とか思ってたのに!!これからまたしばらく呼ばれることになるのか……。無念。

 

 

――――――――――

 

 

「ま、まあ影斗。ひとまず落ち着きなよ」

「人の平均寿命は何年なんだろうか、どこぞの偉人は『人間五十年』とか――」

「目に光がないんですけど……どうすればいいんですか、早苗さん」

「どうしましょう……このまま寝かせておきましょうか……」

「えいとー?何言ってんのー?ごじゅうねん凍らせていいの?」

「それ死んじゃうからね!?チルノちゃん、絶対ダメだからね!?」

 順に諏訪子、影斗、妖夢、早苗、チルノ、大妖精が言った言葉だ。

「――はっ!?」

 突然、影斗が飛び起きた。

「あ、おはようございます、いや、こんにちはですね、影斗さん」

「あれ?妖夢?ここはどこ?」

 影斗は妖夢を見て不思議そうな顔をする。

「影斗さん、記憶が飛んでるんですか?ここは守矢神社ですよ」

 早苗が答える。どこぞの幽霊だったら答えなかったかもしれない。

「じゃあどうして妖夢がいるの」

「忘れたんですか?えっとですね――」

 

「――そうだった。すっかり忘れてたよ」

「忘れないでくださいよ……」

 影斗は早苗に、妖夢、それから天狗たちを呼んでくるように頼んでおいたのだった。

「話は聞かせてもらいました。いい記事を書いてみせますよ!」

 と意気込んでいるのは、射命丸(しゃめいまる)(あや)。黒髪で、その頭には赤い山吹風の帽子をかぶっている。白の半袖シャツに黒のミニスカートを着ている。

 ――彼女は、天狗なのだ。もっと言うと、鴉天狗(からすてんぐ)という種族だ。

「いやいや、ここは私に任せろ。文なんかよりもっといい記事を書いてやる!」

 と、『文なんか』の部分を強調したのは姫海棠(ひめかいどう)はたて。茶髪のツインテールで、その頭には文と同じような紫色の山吹風の帽子をかぶっている。薄ピンクのブラウスに黒のネクタイをつけており、黒と紫のミニスカートを着ている。

「へぇ?なかなか面白いことを言いますねはたてさん。面白いことは言えるのに面白い記事は書けないんですねぇ」

「はぁ?何言ってんの?少なくともあんたなんかよりはいい記事が書けるよ」

「あなたの記事、写真ばっかりで面白くないんですよね。もっと文章書けないんですか?」

「新聞ってのは、真実を伝えるものでしょ?あんたのは、でまかせばかりじゃない」

「時には過剰に書いた方がいいこともあるんです。普通の文章ばかりだと、つまらないでしょう?」

「写真が多い方が見やすいでしょ?文章ばかりだと、目が疲れるのよ」

 両者ともに一歩も譲らず、バチバチと火花を散らしながら睨み合っている。

「じゃあこうしましょう」

 睨み合っていた文が何を閃いたのか、右手の人差し指を上げて口を開いた。

「私とはたてさん、どちらもこの湖水浴場についての記事を書きましょう。そして、より良い評価を受けた方が勝利です。どうですか?」

「それで構わないよ。まあ、どちらが勝つかなんて分かりきってるけど」

 はたては皮肉を込めながら文の勝負を承知した。

「そうですね。どちらが勝つかなんて分かりきってることなんですがね」

 それに対し文も皮肉を込めて返す。

 そしてまた両者睨み合う。

「「上等じゃぁ!!」」

 そして飛び出して行った。それはもう目にも止まらぬ速さで。

「騒がしかったな……」

「いつものことじゃないですか」

「いやまあ、そうなんだけども」

「いつものことなんですか、これが……?」

 早苗と影斗はともかく、さっきのやり取りに慣れていない妖夢は、少し驚いていた。

「ところで影斗さん、どうして私たち呼ばれたんですか?」

 妖夢が影斗に聞いた。

「あれ、まだ言ってなかったの?」

 影斗は少し驚きつつ早苗を見る。

「一応、影斗さんが帰ってきてからの方がいいかな、と思いまして。それに……」

「それに?」

「影斗さんが帰って来る前は、神奈子様が背中マンについて語っていたので……」

「…………」

 影斗は、乾いた笑みを浮かべることしか出来なかった。




いい加減進もうよ。と思わずにはいられない。
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