これからは後書きに避難しようかな。((え
「ふぅ。やっと帰ってこれた……」
持っていた袋を床に下ろす。長い間荷物を持っていたせいで両腕がヤバイ状態だ。うわ。腕ガクガク震えてる……。
居間から話し声が聞こえる。おそらく皆あそこにいるのだろう。もっかい持ち上げて、っと……。
「ただいまー」
居間の襖を開けると――
「「「おかえり!背中マン!!」」」
――手厳しい歓迎を受けた。
「これは何の罰ゲーム?つか、なんで皆その名前を知ってるの?」
「あんたがいない内に話しておいたのさ!」
「この腐れババアが」
「な!?」
神奈子……絶対許さない……。
ちょっと怒っていると、霊夢から追い打ちがやってきた。
「まあいいじゃない。似合ってるわよ、背中マン……ふっ」
「全然よくねえから!!そして今鼻で笑ったな!?似合ってたまるか!!」
「まあまあ影斗。そんな怒鳴るんじゃないぜ。どうせ死んだら忘れるぜ」
「魔理沙が死ぬまであと何十年何百年!?」
くそっ!もうそろそろ呼ばれるのも終わるだろうな、とか思ってたのに!!これからまたしばらく呼ばれることになるのか……。無念。
――――――――――
「ま、まあ影斗。ひとまず落ち着きなよ」
「人の平均寿命は何年なんだろうか、どこぞの偉人は『人間五十年』とか――」
「目に光がないんですけど……どうすればいいんですか、早苗さん」
「どうしましょう……このまま寝かせておきましょうか……」
「えいとー?何言ってんのー?ごじゅうねん凍らせていいの?」
「それ死んじゃうからね!?チルノちゃん、絶対ダメだからね!?」
順に諏訪子、影斗、妖夢、早苗、チルノ、大妖精が言った言葉だ。
「――はっ!?」
突然、影斗が飛び起きた。
「あ、おはようございます、いや、こんにちはですね、影斗さん」
「あれ?妖夢?ここはどこ?」
影斗は妖夢を見て不思議そうな顔をする。
「影斗さん、記憶が飛んでるんですか?ここは守矢神社ですよ」
早苗が答える。どこぞの幽霊だったら答えなかったかもしれない。
「じゃあどうして妖夢がいるの」
「忘れたんですか?えっとですね――」
「――そうだった。すっかり忘れてたよ」
「忘れないでくださいよ……」
影斗は早苗に、妖夢、それから天狗たちを呼んでくるように頼んでおいたのだった。
「話は聞かせてもらいました。いい記事を書いてみせますよ!」
と意気込んでいるのは、
――彼女は、天狗なのだ。もっと言うと、
「いやいや、ここは私に任せろ。文なんかよりもっといい記事を書いてやる!」
と、『文なんか』の部分を強調したのは
「へぇ?なかなか面白いことを言いますねはたてさん。面白いことは言えるのに面白い記事は書けないんですねぇ」
「はぁ?何言ってんの?少なくともあんたなんかよりはいい記事が書けるよ」
「あなたの記事、写真ばっかりで面白くないんですよね。もっと文章書けないんですか?」
「新聞ってのは、真実を伝えるものでしょ?あんたのは、でまかせばかりじゃない」
「時には過剰に書いた方がいいこともあるんです。普通の文章ばかりだと、つまらないでしょう?」
「写真が多い方が見やすいでしょ?文章ばかりだと、目が疲れるのよ」
両者ともに一歩も譲らず、バチバチと火花を散らしながら睨み合っている。
「じゃあこうしましょう」
睨み合っていた文が何を閃いたのか、右手の人差し指を上げて口を開いた。
「私とはたてさん、どちらもこの湖水浴場についての記事を書きましょう。そして、より良い評価を受けた方が勝利です。どうですか?」
「それで構わないよ。まあ、どちらが勝つかなんて分かりきってるけど」
はたては皮肉を込めながら文の勝負を承知した。
「そうですね。どちらが勝つかなんて分かりきってることなんですがね」
それに対し文も皮肉を込めて返す。
そしてまた両者睨み合う。
「「上等じゃぁ!!」」
そして飛び出して行った。それはもう目にも止まらぬ速さで。
「騒がしかったな……」
「いつものことじゃないですか」
「いやまあ、そうなんだけども」
「いつものことなんですか、これが……?」
早苗と影斗はともかく、さっきのやり取りに慣れていない妖夢は、少し驚いていた。
「ところで影斗さん、どうして私たち呼ばれたんですか?」
妖夢が影斗に聞いた。
「あれ、まだ言ってなかったの?」
影斗は少し驚きつつ早苗を見る。
「一応、影斗さんが帰ってきてからの方がいいかな、と思いまして。それに……」
「それに?」
「影斗さんが帰って来る前は、神奈子様が背中マンについて語っていたので……」
「…………」
影斗は、乾いた笑みを浮かべることしか出来なかった。
いい加減進もうよ。と思わずにはいられない。