一週間最低一話投稿とは何だったのか……。
これからは出来るよう頑張ります。下校時間早くなったので……。
「腹が減った……」
昼時。それは昼ご飯の時間。そのまんまだな。
最初は元気に泳いでいた人たちも、今は休憩として焼きそばやかき氷、焼き芋などを食べている。
「すみません、芋一つください」
「はーい。……って、あんたか」
焼き芋屋の店主、
「あげない」
「客としてきたんですけど!?ほら、お金もありますよほら!!」
腹が減ったのだ。このままじゃ空腹で倒れてしまう。……そういえば、あの時も空腹じゃなかったか……?
「はい、あげる」
「焼き芋の匂いだけでも堪能して帰るか……でもそれ逆に腹減――え?くれるの?」
まさかくれるとは思ってなかったので、変な声が出てしまった。
「後がつっかえてるから、早く行って」
「あ、はい。すみません」
睨まれた。怖いので、そそくさと芋をもらって列を抜ける。
「あつっ、あつっ」
包み紙越しでも充分熱かった。ちょくちょく持つ手を変えながら芋――正確には芋を包んだ紙――を持つ。
しばらくして普通に持てる程度の熱さになったので、食べることにする。袋を開けると、中から焼き芋の匂いが飛び出てきた。
「いただきます」
まず一口。焼き芋の甘みが口一杯に広がる。しばらく味を堪能してから飲み込む。
「……芋うま」
ぶっちゃけこの時期に焼き芋ってどうなのかなー、とか思ってたけど、意外といけるね。結構繁盛してたみたいだし。よかったよかった。
「さて、またぶらぶらしますか」
――――――――――
「お待たせしました!たこ焼きです!」
机の上にたこ焼きを置く。
今はあまり食べ物を注文する人は少なく、大体の人たちが湖で遊んでおり、少しの人たちが席に座って休んだりしている。
ピークの時はすごかったです。止まっている時がありませんでした。足が棒になるとはよく言ったものです。そういえばこれって一週間続くんですよね?
足の心配をしていると、目の前の空間がパックリと割れ、中から紫さんが出てきた。
「はぁい、早苗。調子はどうかしら?」
「あ、紫さん。いらっしゃいませ」
「今、空いてるかしら?」
空いてる?何のことでしょう?
「席なら空いてますよ、どうぞ」
「席の話じゃないわ」
席のことではない。では何のことでしょう?
「手が空いてるかしら?」
「えーと……」
改めて周りを見渡してみる。今席にいる人はそんなにいない。ちょっとだけいなくても大丈夫でしょう。
「はい、大丈夫です」
「そう?なら、ちょっとこっちに来て」
そう言って、紫さんはスキマから出た。そしてスキマを閉じ、傘をさし、上品に歩き始めた。その傘をどこから出したのかを聞くのはいいんでしょうか。スキマから出てから出しましたよねそれ。
何があるのかは分かりませんが、とりあえずついて行くことにしましょう。何が待っているんでしょう。巨大ロボとかですかね……!!
――――――――――
「そこー、飛び込みはまだいいけどそこから蹴り入れちゃダメだよー」
二、三人の子供たちが飛び蹴りしていたので注意する。飛び込みも本当は禁止だけど。それはプールか。とりあえず飛び蹴りはダメです。
「こんにちは、影斗」
「あぁ、こんにちおわぁぁぁぁぁ!?」
思わず二歩くらい後ずさり、バランスを崩して尻餅をついてしまった。
「……そんなに驚かなくたっていいじゃない」
「それは謝る。ごめんなさい。だけど、いきなり真横から出てくるのはやめてもらえますか、紫さん」
いきなり俺の横に現れたのは……紫だった。
「こんにちは」と声をかけられて、そっちを向いたら目の前に人がいました、なんて誰でも驚く場面だと思うんだけどな。
「まあ、いらっしゃいませ。更衣室ならあちらになっております」
「あら、ありがとう。じゃあ、行きましょうか。さ、入って」
「へ?」
「スキマに入って」
えーと……スキマに入ったことは幻想郷来てこの方無いわけですが……。
「大丈夫なの?」
「何が?」
「スキマの中」
「大丈夫よ。何も心配することはないわ」
「いきなり変な化け物出たりしない?」
「出るわけないじゃない。さ、入って入って」
安全は紫が保証してくれるらしいので入ってみようか。
「……うへぇ」
「なによ『うへぇ』って」
「うへぇ」と言いたくもなるわ。外から見えてた目玉だけでも気味悪かったのに、中に入ると360度見渡す限りの目玉。しかも眼球がギョロギョロとせわしなく動いている。
「紫」
「なに?」
「よくこんなところにいれるね」
「快適なのよ、ここ」
たとえ快適でもここにはいたくないと思うのは俺だけなんだろうか。
「あなたもスキマを使えるようになれば分かるわよ」
「そうなのかね……」
まあテレポート的なのが出来るのはいいかもしれない。いいかもしれないけど……っ!
「そうよ。ほら、ここから出て」
紫がスキマを開いた。出来るだけ早くスキマから出る。
「マジで更衣室じゃん」
出てきた場所は、更衣室の前だった。
「ほら、入って入って」
紫に促されるまま更衣室のドアを開け、左に曲がる。だが、紫に襟首を掴まれた。
「影斗、そっちじゃないわ」
「え?男性用更衣室はこっちだぞ?」
「いや、そうじゃなくて」
もしかして、間違えてる!?咄嗟に上を見上げ、看板を確認する。その看板には、『男性用更衣室』と書かれていた。
「こっちに来てほしいのよ」
そう言いながら紫はぐいぐいと俺の襟首を引っ張る。
「そっちは女性用更衣室だと思うんですけど」
「大丈夫、今誰もいないから」
「そういう問題じゃない気がするのですが!?」
ダメだよね!?たとえ誰もいなかったとしても俺には無理だ!!
待てよ!?もしかしたら、紫はそう言いながら俺を女性用更衣室に入れた途端「覗きよー!」とか言うつもりなんじゃないか!?
「くそ!離せ!!」
「ちょっと、落ち着いて影斗」
「俺は『覗き野郎』という不名誉な称号を獲得する気はないぞ!!離せ!!」
「落ち着きなさいって言ってるでしょ」
「うお!?」
俺の顔すれすれに弾幕が放たれた。あぶなっ!
「まあ確かに、
「当たり前だよ」
「じゃあ、ここで少し待ってなさい」
そう言って、紫はスキマの中へ消えた。
一体、紫は何がしたいんだろう?今のうちに逃げてもいいが、紫に後で何をされるか分かったもんじゃないから、おとなしくしておこう。
突然、ガチャガチャ、とドアノブを回す音が聞こえた。それも、女性用更衣室から。
ヤバくないか!?女性用更衣室の前にいる男!めちゃくちゃ怪しいだろ!!紫のバカ!人いるじゃねーか!!
とあたふたしている俺のことなど露知らず、無常にもドアは開く。
「本当にこんな格好で出るんですか……?」
「大丈夫、似合ってるわよ」
「こんなの似合っても嬉しくないです……あ、影斗さん……!?」
出てきた人物は、紫と――早苗だった。
「…………は?」
俺の口から生きてきた中でおそらく一番間抜けな声が出た。
「ち、違うんです!!この格好はっ、その、紫さんが……」
あたふたと状況説明を始める早苗。だが、俺の耳にその言葉は半分、いや八割がた入ってこなかった。
なぜなら、早苗の格好が――めちゃくちゃきわどい水着だったからだ。大事なところだけを貝殻で隠すという――俗に言う、貝殻ビキニとかいうやつだ――!?
「あ、影斗さん!?」
入口まで今出せる最高速度を出して走る。そして出来るだけ無駄な動きをなくしてドアを開ける。そして背中で押し付けるようにしてドアを閉める。
「あの、影斗さん!これ、本当に違うんです!!」
「うんそれは分かった!!だからドアを開けようとするのやめた方がいいかもよ!?」
早苗が誤解を解こうとしてドアを開けようとしている。でも今の早苗を外に出しちゃダメだ!色々とまずいことになる気がする!!
「とりあえず、服着てきなよ!最低でも普通の水着をさ!!話はそれからにしよう!うん!」
普通の水着でもまずい気がするけど!貝殻ビキニよりはマシだ!!
「は、はい!」
ドアノブがガチャガチャと鳴る音が止まった。おそらく、着替えに行ったのだろう。
「可哀想に。出してあげてもいいじゃない」
「よう紫。よくノコノコと顔を出せるもんだね」
「影斗、なんか怒ってるのかしら?」
「いや怒ってるから」
「あら、なんで?」
「……いや、やっぱいい」
あれを俺に見せるために呼んだの?だとしたら……よっぽど暇だな、この大妖怪……。
「私、そろそろ帰るわ。今日は楽しかったわよ」
「……ありがとうございました。普通の客としてのご来店をお待ちしております」
「また来るわね~」
紫は手を振りながら、スキマを閉じた。次は何しに来るんだろう……。「また来る」としか言ってないからな……。
「ホント……意味分かんねぇ……」
あれから、早苗と話したり、かき氷を食べたりして、一日目は終わった。
日常編で3000文字超えたのは初めてな気がする。
宴会回だと4000文字いったりしますが……。
それでは、また次回。