また約二週間ぶり……だと……。
他のことしながら小説書くものじゃありませんね。
それでは、本編をどうぞ。
「それじゃ、そろそろ行ってくるよ」
「行ってくるぜー!!」
霖之助と魔理沙が手を振りながら森の奥へと入っていった。
「次の組は五分後に行ってくれ。まあ、私が教えるがな」
藍が残された四人の方を向いてそう言った。
「分かりました」
妖夢がそう答えた。
「えいとたちが五分後だから、あたいたちは三分後だね!」
「どうしてそうなった……!?」
相変わらず、チルノの計算はよく分からなかった。
――――――――――
「こーりん~、怖いぜ~」
魔理沙が腕を握りながらそう言った。しかし、すごい棒読みだ。
「魔理沙、すごい棒読みだよ」
「え、そ、そうか!?」
「うん、わざとやってるのかと思うほどに棒読みだよ」
「や、やだなぁこーりん。私はお化けが怖いんだぜ?私はか弱い乙女なんだから守って欲しいのぜ!」
おそらく魔理沙は怖がっているお姫様でも演じているつもりなんだろう。魔理沙がお姫様、というのは……本人には悪いが、似合わないなぁ。
「分かったよ、お姫様」
「え、今こーりん、お姫様、って……!?」
魔理沙はキョトンと驚いたような顔をして、
「や、やだなぁ!そ、それなら王子様にでも守ってもらおうかなーあはは!!」
何やら不審な動きをしながらそう言った。ちなみに、その間腕は離してもらえなかった。
魔理沙は相変わらず面白い子だな。見てるとこっちまで楽しくなってくるよ。
――――――――――
「そろそろ行ってくれ」
藍が俺たちにそう言った。
「は、はい……分かりました……」
「お、おう……行ってきます……」
妖夢と俺のそれぞれの返事を聞いて、藍は「気を付けてな」と答えた。
「えいとー!がんばってねー!」
「へい……頑張ります……」
チルノの応援に、自分でも違和感ありまくりだと分かるような態度で答えておいた。
そして俺と妖夢は、森へと入っていった。
「あの、影斗さん……」
「……なに?」
「影斗さんって、お化けとか、って、怖かったりします……?」
森に入ってすぐ、妖夢にこんなことを聞かれた。
「……だ、誰がお化けなんか……怖くないわけな……じゃなくて、怖いわけ、ないじゃん?」
うわ絶対バレたわこれ。嘘を見抜くのが下手な俺でもこれは嘘だ、って分かるわ。
「そ、そうですか……そうですよね、あはは」
あれ、意外な反応。絶対「嘘ですよね」とか言われると思ってたのに。
あ、分かった。妖夢のことだからあえて言わないんですね。いやはや、なんと優しいことか。
「一応聞いてみるけど……妖夢はどうなの?」
「うぇっ!?私ですか!?そ、そそそりゃあ怖いなんて、ありえないですよ!!子供じゃないんですから!!」
「だよねぇ……」
まあ、怖いわけないか。まず妖夢半分幽霊だし。幽霊なのに幽霊怖いとかありえないし。
「というか、ここまで歩いたけど何もないな……」
「あ、そ、そういえば何も来ないですね……」
そろそろ一人や二人来ても良さそうなもんだけど……。まあ、むしろ来なくていいんだけど。
「むしろ来ないほうがいいんですけどね……」
「え、何か言った?」
「い、いいいいや何も!?私は何っにも言ってませんよ!」
「あれ、そっか、ごめん」
確かに何か聞こえたんだけど……。
「……ん?」
「わっ、どうしたんですか!?何ですか!?お化けですか!?」
妖夢がいきなり足を止めた俺にぶつかりかけて驚いた。そこまで驚くか?
「いや……あれ」
気持ち小声で話し、ある近くの一本の木を指差した。
「木がどうか……って、あ」
妖夢も気付いたのだろう、木の後ろから羽が見えていることに。
誰か、と言っても、大体見当はついている。あの羽は……。
進まない訳にはいかないので、数歩歩いてみた。すると――
「……うわぁ!食べちゃうぞー!!」
――両手を頭の横の方に上げ、指先を軽く曲げた大ちゃんが出てきた。
「……うわっ、びっくりしたぁ!まさかいきなり出てくるなんて……」
「……いきなり出てこないでくださいよ!びっくりするじゃないですか!!」
各々感想を述べ、その場を立ち去ろうとする。
「……やっぱり、ダメですか?」
半分涙目になりながら大ちゃんが聞いてきた。
「い、いや、そんなことは……な、妖夢?」
「そうですね……普通に私びっくりしましたよ……」
「さっき、魔理沙さんたちは全く反応がなかったんですけど……」
「あ、あぁ……それは魔理沙だからな。度胸があるんだろ」
なんとかフォローしようと頑張る。これフォローになってるよね?
「え、えっとな……もっと姿を消すように頑張れば、もっとチルノたちも驚くんじゃないか?」
「そうですか……分かりました、頑張ります……」
そう言って、大ちゃんはまた木の裏に隠れた。が、また羽が見えている。
「じゃ、じゃあ、俺たち、そろそろ行くよ。頑張ってな」
「はい、頑張ります……」
言ってあげたほうがいいのかなあれ……。という気持ちを抑え、俺と妖夢は先へ進むことにした。
あれからしばらくが経ち。
俺たちが歩いていると、どこからか、ガサガサ、と音がした。
「ひゃぁ!?」
妖夢がそう叫んだかと思えば、俺の腕にひんやりとした何かが触れた。
「うわぁ!?」
驚きのあまり、声が裏返ってしまった。なんだ!?なんだよ!?
「へっ!?影斗さん、なんですか!?」
「い、今何か冷たいものが!?」
何が付いているのか、と腕を見たが、腕には何も付いてなかった。あれ、もう冷たくない?
「あ……すみません。それ、多分私の手です」
「……え、妖夢だったの?」
冷た。幽霊だから?
「こちらこそごめん……」
「い、いや、だだ大丈夫ですよ?その、驚いただけで、あの、決して怖いとかそういうわけじゃ……」
「え、うん、知ってる」
なんだか必死で弁解しようとしている妖夢だが、別にそんなことしなくったって、妖夢が怖くないことくらい分かる。
「と、ところで、今の、聞こえましたか?」
「今の、っていうのは……ガサガサ、って草とか木の葉が揺れるような音のことか?」
「……はい、そうです」
そう言いながら、俺は辺りを見渡す。妖夢に至っては、柄に手をかけている。
2,3秒そうしていると、後ろからトン、という音が聞こえた。
「――!」
後ろを振り向くと同時に、首を掴まれた。
「うぐっ!?」
一瞬体が宙に浮いたと思ったら、勢いよく地面に叩きつけられた。
「ちょ、待っ……」
待って待って怖い怖い。
誰なのか確認しようとするが、相手の顔のちょうど後ろに月があって見えない。
「影斗さん、今助けます!」
そう言って妖夢が刀を抜いてこっちへ走ってきた。そして、刀を体の横に持ち、横から薙ぎ払った。
だが、妖夢の攻撃は跳んで躱され、妖夢の目の前に着地した謎の人物は、妖夢を突き飛ばした。
「きゃっ!」
当然妖夢は体勢を崩し、尻餅をついた。
「……ったく、刀で攻撃してくんじゃないわよ」
俺は今のうちに起き上がり、妖夢を連れて逃げようか、と考えていた。だが、さっきの聞き覚えがある声に、思わず動きが止まった。
謎の人物を見てみると、その謎の人物は、紅白の、腋を隠していない特徴的な服装をしていた。
……なんだ、霊夢じゃん。
「……何やってんのさ」
「肝試しよ」
「やけにアクション性が高い肝試しだね」
首掴まれて倒されたり刀を抜いて闘ったりする肝試しなんて初めてだよ。
「あ、あれ?霊夢さんだったんですか?」
妖夢が驚いたように言った。
「そうよ。というかあんたたち私が誰か分からなかったの?」
「逆光で全く」
「夢中で気付きませんでした」
「……そう」
割と本気で命の危険を感じてました。
「というか霊夢、お前は何やってんだよ」
「だから肝試しよ。もう言ったじゃない」
「いや、えっと……こう、驚かせ方が間違っていると思うんだ」
「あ、確かに」
俺の意見に妖夢も賛成する。
「驚かせればいいんでしょ?」
「いや、もっと、こう、幽霊的な驚かせ方があるだろ?」
「知らないわね」
「おい」
まさか魔理沙たちのときもこうしたのだろうか。おお、怖い怖い。
「魔理沙とは少し派手にやっちゃったけどね」
「もうお前ら怖いわ」
この肝試し大丈夫か……?
――――――――――
「それじゃ、そろそろ行ってくれ」
「よーし、行くぞアリス!」
「……お、おー」
肝試しが始まりました。
これからが楽しみだなぁ……あっはっは。
それでは、また次回。