東方漆風録   作:零霧

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どうも、零霧です。
今回、ようやく終盤戦に入ります。



第6話

 

 

「やっと闘う気になったのかい?嬉しいよ」

冥鬼の右手からは血が出ていた。今まで直視していなかったから何とか平常心を保てたけど、いざ直視するとやっぱり・・・。自分がやったという罪悪感も沸いた。

「あ・・・ごめん」

罪悪感からつい謝ってしまった。すぐに謝る。俺の悪い癖だ。

「どうして謝るんだい?」

「・・・俺、が・・・斬ったから?」

「あのねぇ、これは【闘い】なんだよ?斬ったら謝るなんてしてたら、あたしはあんたに何回謝らなきゃいけないんだい?」

闘い。つまり、無駄にオーバーに解釈すると、殺し合い?そうなるのか?実際殺し合いまではしたくないな・・・。

「あたしは嬉しいのさ、あんたがようやく闘う気を起こしてくれたからね!」

また殴りかかってきた。ちなみに俺が持っていた包丁は溶けて、刃の部分がドロドロになっていた。これで闘えんのかな…?これが固まって打撃武器として生まれ変わったりしてくれるんだろうか。

「また避けゲーですか・・・」

攻撃を避けていく。さっきとは違ってすごい熱いけど・・・。なのですごい大振りな動作で避ける。

「また避けるのかい!?あんた反撃しないと焼け焦げるよ!?」

冥鬼が苛立ったような口調で言う。

「こんなドロドロ包丁でどう闘えって言うんだよ!?」

反射的に俺も苛立った口調で言い返してしまった。おかげで攻撃に気付くのが一瞬遅かった。

「・・・!!」

耳すれすれの位置で避けた。うっ、熱い・・・。

距離を取ろうと後ろに下がる。だが冥鬼はすぐに追撃を開始してくる。

左拳が飛んできた。それを避ける。おそらくこの一撃で決めようとでも思ったのだろう。冥鬼の態勢が大きく崩れる。

「そこだっ!」

包丁(だったもの)を横に払う。この溶けた包丁って温度がヤバいんじゃないか、と思ったのだ。

だが、冥鬼は態勢を崩したわけではなかった。そのまま跳び、回し蹴りをしてきた。反応出来ずに、もろに頭に喰らう。そのまま派手に吹っ飛ばされる。何かにぶつかった。背中をしたたかに打つ。

頭が痛い。背中も痛い。意識が遠のきそうになる。冥鬼がこっちに近づいてくる。

俺・・・死ぬのかな・・・。

止めをされる直前に目が覚めて、夢でしたー!なんてことにはならないだろうか。・・・ならないだろうな。さっきの蹴りで目が覚めてもおかしくないレベルだったぞ。

っておいおい、何だこれ。なんか思い出的な物が見えるぞ?走馬灯っていうんだっけ?やめてくれよ、走馬灯なんて。あーあ、俺人生ろくなことなかったなぁ・・・今流れてる記憶でも良いこと全然ないじゃないか。

・・・嫌だね。死ぬのなんてまっぴら御免だ。あんな腐りきった生活で終わってたまるか。

「俺は・・・きる」

なんとか立ち上がる。足元がおぼつかない。頭がクラクラする。視界がぼやける。

「俺は生きる!死んでたまるか!」

なんて言ってみたはいいものの俺はもう何もできない。立っているのがやっとな状態だし。包丁も手放しちゃったし。

それを聞いてかなんだか知らないが、冥鬼が笑った――様な気がした。視界がぼやけて見えないから分からなかった。

「てめえクソガキ!見苦しいぞ!潔く負けを認めやがれ!」

冥鬼ではなく、別の鬼がそう言った。まあ、見苦しいだろうな。こんなに執着して。自分でもそう思うよ。

「やめな、虎瑠(こる)

冥鬼が制止させる。

「だが、冥鬼、コイツは――」

「あんた、少し黙ってな」

文句を言いかけた虎瑠と呼ばれた鬼を黙らせた。

「さて、と」

そう言って、こちらに振り返る。さっきの様な睨み顔でなく、闘っていたときのような楽しそうな笑顔で。

「あんt――」

冥鬼が何か言いかけたところで、突風が吹き荒れた。鬼の何人かが吹き飛ばされた。そして俺の横に人が降りてきた。

「あなた、何やってるんですか!?」

それは、見慣れた――かどうかは知らんが――緑髪の巫女だった。




ようやく原作キャラ再登場ですよ・・・。
しばらく影斗と冥鬼しか出てませんでしたしね・・・(-_-;)
それと、更新遅れてすみませんでした・・・。
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