東方漆風録   作:零霧

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どうも、零霧です。
結構長かった…終わるまで。


最終話!?()

「この辺の鬼は片付きましたかね…」

この辺の鬼たちは撤退していった。空から辺りを見渡す。

「それにしても…今回多すぎませんか…?」

1つの疑問。今回は鬼の数が妙に多い気がする。気のせいだろうか?

「まあ、全員撃退すればいいんですけどね!」

いい加減うんざりしてきた心を締め直す。とりあえず、1番近いここから――え?そこにいたのはざっと数えて5人の鬼。それと、1人の黒い服を着た人間――影斗とかいったか――がいた。影斗はその鬼たちに囲まれている。助けなきゃまずい。…というかあの人なんでここに居るんですか?私あの人と神社で会いましたよね?

「何してるんですかあの人…」

こちらに注意を向かせるため突風を吹かせる。鬼の何人かは飛んでいった。じきに戻ってくるでしょうけど。

尻餅をついてる影斗の隣に降りる。

「あなた、何やってるんですか!?」

「さ…さな…え?」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

早苗の登場に少し驚いたが、どうやら早苗が助けに来てくれたらしい。うん、これ助かったんじゃない?走馬灯まで見ておいて助かるってのもどうなの、って思うけど。

「あんた…人が喋りかけようとした時に乱入は無いだろう…」

冥鬼が呆れた様子で言う。そういやさっきなんか言いかけてたな。

「私はあなたが喋りかけようとしていたことなんて知りませんでした!それに、理由はなんであろうと妖怪は退治すべきです!」

おぉ…強気だなぁ。早苗の一言でそこにいた鬼たちが早苗を睨む。俺ならここで全力で謝る自信がある。

「あんたたち、静かにしなよ。あと、そこの緑髪。騒ぐのは後にしてくれないか?あたしはコイツに用があるんだよ」

そう言って冥鬼は俺を指差した。え?俺に何のよ―「虎瑠。あたしの刀」「ん?あぁ、ほれ」ちょちょちょちょ!用って俺を殺すことですか!?

「そうはさせませんよ」

早苗が俺の前に立ち塞がる。すまん早苗。よろしく頼む。

「違うよ。別にそこのガキを殺す訳じゃない。…どいてくれるかい?」

殺す訳じゃない?そんな大層な二刀持って言われても説得力無いよ?

「…分かりました。ですがあなたがその刀を抜いた瞬間私はあなたを退治します」

「構わないよ。でも、何もしてないのに後ろから――とかはやめてくれよ」

え?通しちゃう?冥鬼が近づいてくる。まあ、殺されそうになったら早苗が助けてくれるらしいし、大丈夫だろう。

「あんた、剣術は得意かい?」

「は?」

無論、答えはNOだが、なぜ急にそんなことを聞いてくるのか分からなかった。

「どうしてそんなことを聞くんだ?」

「質問に質問を重ねないでよ。剣術は得意かい?」

「全然。剣なんて触ったこともないよ」

冥鬼は一瞬目を細めたような気がしたが、すぐに元の顔に戻った。

「…嘘は吐いていないみたいだね(ボソッ)」

「何か言ったか?」

「いいや、別に。ほら、これ」

冥鬼は刀の片方を差し出した。うーん、どれどれ…。

「…別に、何も付いてないし汚れてもない気がするけど?綺麗な刀だと思うよ」

「・・・・・あんたにあげるって言ってるのさ」

「え?」

これを俺に?

「何で?さっき答えたけど俺刀なんて触ったこともないけど…」

「まぁ、使わないんなら使わないで構わないさ。単にあたしがあげたいだけだから」

うーん…そう言われると使わざるをえなくなるんだが…

「ほら、受け取ってくれ」

「何を企んでいるんですか?」

早苗が口を開いた。それはそれは敵意アリアリの口調で。

「…何も企んじゃいないさ。あたしはコイツが気に入ったんだ。あたしのカンだけど、コイツは化ける気がするからね。だから、コイツに刀でも上げようと思っただけさ」

化ける?俺が?何に?

「ほれ、受け取りな」

冥鬼が刀を寄せてくる。武器があるに越したことはない、か。というかすごい助かる。

「…ありがとう、冥鬼。でもいいのか?貰っちゃって」

「だからあたしがあげたいんだからありがたく受け取りな」

俺の手に刀が置かれる。ためしに持てるかどうかテスト。俺の貧弱な腕でも持つことが出来た。少し重いけど。

「博霊の巫女だ!博霊の巫女が来たぞ!」

鬼の一人が空を指差す。そちらを見ると確かに赤白の服が見えた。途端に鬼が騒ぎ始める。

「おい冥鬼!よかったのか?あんなガキに刀あげちまって」

「いいよ、別に。確か堅爺がいい刀作ってたろ、あれを貰うよ」

「お前ら話は後だ!本命がやってきたぜ!」

「あー…あたし、帰るよ」

冥鬼の一言でまた鬼が静まり返る。

「帰るって、冥鬼…お前、何言って…」

「そのまんまの意味さ。あたしはもう十分楽しんだ。収穫もあったしね。後はあんたら勝手にやんな」

冥鬼は俺が倒した2人の鬼を担いで帰ろうとする。っと、お礼言わなきゃな。

「冥鬼!」

「…なんだい?」

「刀ありがとう。大切に使うよ」

「そう、使ってくれるのかい。…じゃあね、影斗。楽しかったよ。またどっかで会おうか」

そう言って、冥鬼は帰って行った。

「何なんだ、あいつ…」「怖くなったんじゃねえか?w」などと鬼たちは愚痴っていた。

「影斗さん、私たちも帰りましょう」

帰る?鬼は?

「え?鬼はどうするんだ?」

「後は博霊の巫女がやってくれるでしょう。それに、ここにいたら巻き添えを喰らうかもしれません」

全部その博麗の巫女がやるのか……?

「ちょっと隠れて行きましょうか」

「え?何で?」

「博霊の巫女に会うと、面倒なことになるかもしれないからです」

博麗の巫女とは仲が悪いのか?口調に少し影を感じた。

「ここからなら、ばれずに帰れるでしょう」

「うん…そうだな。じゃ、早苗、気を付けて」

早苗を見送る。これからはどうやって生きていこうかなぁ。

「影斗さんも来るんですよ?」

「どうして?」

どうして俺が行かなくてはならないのか。

「聞きたいことがあるんです。一緒に守矢神社に来てくれませんか?」

「…分かった、行かせてもらうよ」

早苗は嬉しそうな顔になって

「じゃ、行きましょうか」

飛んだ。

「あのー早苗さん…」

「早くしてくださいよ影斗さん、ばれちゃうじゃないですか」

うん。ばれるかもしれないのは分かってる。でも…

「空ってどうやって飛ぶの?」

「・・・・・」

早苗は少し考えてから

「帰ったら、練習してくださいね?」

地面に着地した。徒歩で帰ってくれるらしい。

霊夢に見つからないように、コソコソしながら帰った。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「ただいま帰りましたー」

早苗が扉を開ける。台所…だろうか?神奈子と諏訪子がいた。

「あぁ、早苗。お疲れ…あれ?あんた…」

諏訪子が俺を見て驚いた顔をする。俺が生きて帰ったことに驚いたのだろうか。

「よく生きて帰ってきたね。ちょうどいい、私たち、あんたに聞きたいことがあったんだ。…だけどもう疲れ切ってるみたいだね。部屋で休むかい?」

「本当…ですか?そうさせていただきます…」

諏訪子に部屋を案内してもらった。空き部屋があったらしい。もしも俺が帰ってきた時のために掃除してくれたのだとか。

「ここね。じゃ、お休み」

「え…はい、おやうみなさい…」

「お休みなさい、ね」

口も回らなくなってきたようだ。部屋の中にある布団を見た途端、猛烈な眠気が襲ってくる。そのまま、布団に転びこむようにして寝た。

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

次の日、俺は皆に色々と聞かれた。家族は無事だったか、どうやって生き延びたのかだのと聞かれた。特に隠す必要も無いと思ったので、俺が外の世界からどういう訳かここに来ていたこと、生き延びたことについては攻撃を避けたと答えた。

「ふぅん…そうかい、あたしはてっきり里に家族がいるから飛び出したのかと思ったんだけど…まさか私たちと同じ外の人間だったとはね…正直驚きだよ」

「神奈子…気にならないのかい?」

「ん?まぁ気になることはまだあるけど…」

「あのさ、ここから里までどれくらいあると思ってるんだい?早苗が里で闘ってたのは2時間くらいだよ?影斗はただの人間のはず、それに空も飛べない、徒歩でここまで来るには2時間くらいかかるはずだよね?」

まだ2時間しか経ってなかったのか。個人的には6時間くらいに感じられたけど。

「「・・・・・」」

「…影斗。あんた最初にここに来たとき、どれくらいで登ってきた?」

諏訪子が聞いてきた。最初ってことは、俺が芋女に追われて逃げてきた時だよな?

「えーと…1時間くらいか?」

「「「・・・・・」」」

全員が驚いた様にこちらを見てくる。

「俺の体感時計はあまり信用しない方がいいと思うけど…」

一応忠告しておく。なんたって俺は2時間と6時間を間違うような奴だからな。

「…それが本当だとしたら…面白そうだね」

神奈子が本当に面白そうな笑顔で言う。別に俺は面白いことなんて言ってないと思うけど…。そして神奈子は続けてこう言った。

「ねえ影斗。話があるんだけどさ、ここに住まないかい?」

俺を待っていたのは、衝撃の一言だった。

「…へ?」

「あんた外の世界から来たってことは住む場所無いんだろ?それにあんたが何者なのかも知りたいしね。部屋は昨日寝たあの部屋だけど」

正直それはかなりありがたいことであった。神奈子の言うとおり住むところも無ければ食う物も無かった。

「じゃあ、これからよろしくお願いします…でいいんですかね?」

「いいんじゃないの?これからよろしくね、影斗」

「さて!影斗の入居も決まったことですし、飯にしようか!」

神奈子が言ったところで早苗が飯を持ってきた。見た感じ凄い美味そうだった。そういえば昨日結局何も食わなかったな。

「影斗さんも沢山食べて下さいね」

そう言われたので御馳走にありつくことにする。

「…美味い!」

見た目通り凄い美味かった。うーむ、カレー以外の物を食ったのはいつぶりだろう。

「え、影斗!?何で泣いてるの!?」

「え?」

諏訪子が驚いた顔で言ってきた。どうやらあまりに美味すぎて泣いていたらしい。どこの美食屋だよ俺は。

「いや、あまりにも飯が美味かったもので…」

「それで泣くのかい?変わった奴だねぇw」

笑われた。どうせ変わった奴だよ俺はっ!

 

 

これから俺はここで生きていくことになる。

どんなことが待っているかは分からないけど、外の世界よりは楽しく生きていきたいなぁ――。

 

 

 

――彼の戦いは、まだ始まったばかりだ。




ようやく終わりましたよ…。
長かった。本当に長かった。
あと余談なんですが、昨日MH4を購入しましてですね…いざ起動してキャラ設定してチュートリアルに行って気付いたことがあるんです!
L ボ タ ン が 利 か ね え 。
それでは、また次回。
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