「ええ。決闘騒ぎになりましたね」
「諌めなくてはなりませんよね?」
「織斑一夏又は篠ノ之箒が心身どちらか又は両方にに負傷すれば」
「首が飛びますねぇ」
「綺麗に飛ばしてくれますかね?」
「………」
「………」
「セシリア嬢が心身どちらか又は両方に負傷すれば」
「国際問題となりますよねぇ」
「我々の責任問題になりますかね?」
「………」
「………」
「戦乙女様は見てましたね」
「薄く笑ってましたねぇ」
「山田先生はオロオロしてましたね」
「彼女は副担任で、権限権力物理が上の担任は止めようとしませんからねぇ」
「………」
「………」
「遺書でも書きますか」
「そうですねぇ…」
接触から1週間経過。概ね事前データ通りの人物です。
態度・行動・発言などから鑑みるに女性への興味・関心はある様ですが、一般的男子高校生よりも女性の胸部へ視線が行く回数が圧倒的に少ない事が判明。
ハニートラップへの耐性がある可能性アリ。再調査を希望します。
希望する根拠を述べますと女たらしである可能性が非常に高い為です。
対象の困惑から意図して行っている様ではありませんが、訓練からの態度であれば情報部の怠慢となります。
そして、怠慢でないのであれば異常です。
その異常性は入学して1週間の今、早くも落とされた者が“グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国の高ランク代表候補生でありオルコット家当主であられる男性嫌いと名高いセシリア・オルコット嬢である”事に全てが集約されていると思われます。
当然ご存知かと思いますが我々はバトル漫画の登場人物でもなく、群れで生きる猿でもありません。
殴り合いから始まる友情など特殊性癖の持ち主以外には遺恨を残す物であるとは自明の理と思われます。
しかしセシリア嬢は決闘を行い対象の自爆にて勝利。その翌日から対象への好意を示す行動が見受けられる様になりました。
事前情報からのシュミレーションでは“如何なる理由であろうとも勝利であり、基本的な自機のエネルギー残量すら把握していなかった対象へ悪感情を抱き、敗北しかけた己には戒めと更なる訓練を行う”との結果が現れました。
ですが実際に起こった事態は“セシリア嬢は対象へ恋慕を抱き、自身の訓練量を大幅に減少させその時間を対象の訓練と対象への思慕を伝える為の訓練への変更を行う”事となりました。
その結果、保護対象と対象を目的とした小競り合いが日常化。そして思慕を伝える方法として料理を選択したセシリア嬢が火事未遂を引き起こすなど想定外の事態が広まっています。
保護対象付きの者とも入念にシュミレーションし日英へのフォローを予定していたのですがこの結果は予測・想定、共に我々の理解を超えたものとなりました。
我々の能力では事態の収拾は困難だと断定します。
対象、保護の保護観察護衛プランの修正を要求します。
追記
保護対象は対象へ暴力的手段で好意を伝えようとしていると思われます。
ここは治外法権が働いていたとしても暴力を禁ずる法治国家の筈なのですがどの様な教育をしていたのかを問いたく思います。
起こってしまった事は仕方ありませんので打撲、骨折などの木刀及び竹刀を防具の無い場所に叩きつけられた際に負うと思われる負傷への対策を要求します。
追記2
セシリア嬢が保護対象を参考にする可能性がありますのでISダメージへの対策も要求します。
「理解不能ですね」
「乙女の脳は麻薬中毒者並に理解不能だそうですねぇ…」
「それは恋をしてからですよね?」
「……ふしぎなことがおこったのですよ」
「………おかげでいのちびろいしましたね」
「………不思議な事と言えば、戦乙女様はクラスメイトの熱狂が嫌そうでしたよね」
「そうですよねぇ…寮長様ですし、戦乙女様なんですから好ましい大人しい熱狂しない生徒を望めば良い物を」
「……不思議ですねぇ」