ガンダムビルドダイバーズ~最上の星~   作:ケンヤ

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バルバトスVSアスタロト

 準々決勝を控えた夜、星鳳高校の面々はホテルの1室に集まってミーティングを行っている。

 岩龍のバトル自体はGBNの過去のバトルログから拾い地区予選の物と合わせて見ている。

 大我も今回は諒真に強引に連れて来られている。

 

「次の対戦相手の岩龍の特徴は近接戦闘に強いってところだね。特にリーダーのコジロウ君は近接戦闘だけならダイモン君以上とも言われている」

 

 颯太が過去のバトルの中でもコジロウこと右京の実力が良く分かるシーンをいくつかピックアップして見せる。

 右京はランキング2位と言うだけあって実力は相当な物だ。

 特に近接戦闘においてはダイモン以上とすら言われている。

 実際に右京とダイモンが直接対決したバトルのデータがない為、その話しが事実かどうかは分からないが、接近戦において圧倒的な実力者である事は間違い。

 

「全体の実力で言えば個々の技量の高い闘魂やチーム力の高いアリアンメイデンと比べるとやや劣る印象があるけど、それでも実力はこれまで戦って来たチームのエースに匹敵すると見て良い。そこにレオン君の加入でエースが2人体勢になっている」

 

 レオンとはレオのダイバー名で、岩龍が去年の優勝校と準優勝校である闘魂やアリアンメイデンと比べるとチームとしての実力はやや劣るが、それでも去年は3位と言う成績を残している。

 

「去年は準決勝でアリアンメイデンと当たってコジロウ君は徹底的に近接戦闘をさせて貰えずに友軍機と各個撃破した上でやられている。あそこまで徹底的にやれば勝機はあるのかも知れないけけど、ウチにそれをやる事は出来ない」

 

 右京の接近戦能力はアリアンメイデンですらも脅威と感じて、接近戦をさせなかった。

 そこまでやって、岩龍に勝利している。

 同じ事をやろうにもアリアンメイデンと星鳳高校ではダイバーの実力的に不可能だ。

 

「レオン君に関しては余り情報が無かった。藤城君が一番詳しいと思う」

 

 颯太がそう言うと視線が大我に集まる。

 大我も軽くため息をつきながら面倒そうに口を開く。

 

「アイツは強いよ。俺を除けば知る限り今回の大会の参加者の中の誰よりもな」

 

 レオが強い事は分かっていたが、大我がそこまでの評価をする事に誰もが驚きを隠せず、同時に大我がそこまで言うだけの実力をレオが持っていると言う事になる。

 星鳳高校は皆、大我と戦って敗れている。

 その大我と同等の実力を持っていると考えればレオは右京と同等かそれ以上に脅威だと言う事になる。

 

「2位をぶっ潰せないのは面白くはないが、レオは俺がやる。アンタ達じゃレオを足止めする事も出来ないからな。2位の方はアンタ達で何とかしろ。どの道、アンタ達が全滅したところで俺が負けなければ星鳳高校は負けない」

 

 大我の言い方に誰も反論はしない。

 戦力的に大我がレオの相手をする事が対策として有効だと思っているからだ。

 そして、大我がフラッグ機である以上、大我の敗北は星鳳高校の敗北となるが、逆に大我がやられなければ星鳳高校は敗北にはならない。

 極端な話、大我以外の9機が落とされたとしても、大我がフラッグ機だけ撃墜すればその時点で星鳳高校の勝利となる。

 

「彼の事は藤城君に任せるとして……問題は」

 

 レオは大我が抑えるしかない。

 そうなるともう一つの問題が出て来る。

 敵のリーダー機である右京のガンダムX斬月だ。

 レオと双璧をなすエースである右京とまともに戦って勝算があるのはチームでは大我だけだ。

 その大我がレオの相手をする以上は他のメンバーだけで右京を相手にしなければならない。

 そうしないと最悪の場合、大我がレオと右京の二人を相手にしなければならない。

 それを避ける為に色々と案を出しているが、大我は右京の対策に興味はないのか、一人部屋を出て行く。

 

「ん? 珍しいな」

 

 部屋を出ると大我の携帯に電話が入っていたようだ。

 かけて来たのはリヴィエールだった。

 リヴィエールから直接電話がかかって来る事は珍しく大我はリヴィエールに電話をかける。

 

「大会見てたよ」

 

 電話をかけるとリヴィエールはいきなり用件を話し出す。

 日本での全国大会の様子はGBNで一般公開されている。

 他のサーバーからでも見ようと思えば見る事は出来る。

 

「わざわざそんな事の為に連絡を入れて来たのか?」

「まさか。大我がバルバトスを使いこなしている事は当然だからね。それよりも明日はレオとアスタロトとやるんでしょ」

 

 リヴィエールも明日の大我の対戦相手のチームにかつてのチームメイトであるレオがいるとは知っているようだ。

 大我とレオが戦うと言う事はリヴィエールにとって自分が作ったバルバトスとアスタロトが戦う事になる。

 リヴィエールにとっても明日のバトルは興味深い物なのだろう。

 

「私も面白い事を思い付いちゃってさ。明日のバトルで勝った方にそれのデータを送る事にした訳よ」

 

 大我はリヴィエールの面白い事にただ嫌な予感しかしない。

 大抵こういう時はリヴィエールにとって面白い事であって、周りにとっては面倒な事である事が大半だ。

 

「と言う訳だから面白い事の内容を知りたかったら明日のバトル勝ってみなさいな」

 

 リヴィエールは用件だけ言うと大我の返事も聞かずに電話を切る。

 大我は軽くため息をつくとホテルの自分の部屋に戻る。

 その日は夜遅くまで作戦会議は続いた。

 

 

 

 

 

 翌日の大会3日目となり、ベスト4を決める準々決勝が開始される。

 AブロックとBブロックは順当にアリアンメイデンとブラッドハウンドが勝ち上がり、午後からの準決勝戦で戦う事が決まった。

 そしてCブロックとDブロックの準々決勝が始まろうとしている。

 Cブロックは去年の優勝チームである闘魂が勝つと予想されているが、Dブロックはランキング2のコジロウ率いる岩龍と圧倒的な力で敵を捻じ伏せて来た大我が属する星鳳高校の対戦は過去の実績から岩龍が優勢とされているが、星鳳高校もこれまでの戦いから勝ってもおかしくはないと予想の付かない状況となり、この1戦は多くのギャラリーが結果がどうなるかと固唾をのんでバトルの開始を待っている。

 

「ようやく、お前とガチでやり合えるな」

「そうだな。いつかはこうなる事は分かっていたが、まさかこんな大会で戦う事になるとは思っては無かったがな」

 

 大我もレオも緊張した様子はない。

 

「大我。今回は大将に頼んで俺がフラッグ機だ。どうせお前もそうだろ?」

「ああ」

 

 レオがフラッグ機である事が嘘ではないと大我が確信している。

 だからこそ、大我も正直に答える。

 レオもこれまでのバトルから大我がフラッグ機である事は予測していたようで驚く事も疑う事もない。

 

「つまりは俺とお前の勝った方がこのバトルの勝利チームって事だ」

「別にそれはどうだっていい。だが、お前をぶっ潰せば終わりだと言うのはシンプルで良いな」

 

 大我にとってチームの勝利は大会の駒を進めるだけでしかない。

 だが、レオを倒せばそれだけで勝ちだと言うのは分かりやすい。

 大我もレオもそれ以上は何も語らない。

 後は戦いの中で語るだけだ。

 それぞれがGBNにダイブしてベスト4を賭けた準々決勝が始まる。

 準々決勝のバトルフィールドは地球軌道上だ。

 始めは宇宙ステージから始まるが、地球の引力もあり、大気圏に突入する事で地上ステージで戦う事も出来る。

 バトル開始早々、岩龍の先制攻撃の高出力ビームが戦場を横切る。

 その一撃で星鳳高校のガンプラに被害はない。

 アリアンメイデンの先制攻撃とは違い、取りあえず撃ったに過ぎない。

 撃ったのはガラッゾだった。

 本来は格闘戦用の機体だが、機体カラーをグリーンを基調としたガデッサと同じにしてガデッサのGNメガランチャーと右肩にはガッデスのGNビームサーベルファングが2基装備されている。

 

「いきなり撃って来たか。そんじゃ手筈通りに動いてくれよ」

 

 諒真のガンダムクロノスXが足を止める。

 そして、大量のクロノスビットを放出して岩龍のガンプラ達の方に向かわせる。

 クロノスビットが迎撃されて爆発が起こり、爆風からゼダスが飛び出してくる。

 ゼダスは両手の指が全てシグルクローとなっており、尾のゼダスソードがダナジンのような打撃用の物になっている。

 ゼダスは高速飛行形態のまま突撃して来て、ガンダムクロノスX目掛けてビームキャノンを撃つが、間にジムHSCが割り込んでシールドで防ぐとビームスプレーガンで反撃する。

 

「速い!」

 

 反撃するもののゼダスの機動力に追いつく事が出来ない。

 そうしている間に岩龍のガンプラがゼダスに追いついて来る。

 カラミティのバズーカを装備したソードカラミティがバズーカを撃ち、ジムHSCはシールドで防ぐが体勢を崩す。

 そこにプラズマサイズを持つトリニティが切りかかる。

 だが、クラーフレジェンドがミサイルで攻撃し、トリニティはジムHSCから距離を取り、プラズマサイズのガトリング砲とゼダスのビームバルカンでミサイルを迎撃する。

 

「会長!」

「悪いが、俺のお守りは任せた!」

 

 ガンダムクロノスXは再び大量にクロノスビットを展開してゼダスやソードカラミティ、トリニティに差し向けるが、無数のビームに撃ち落される。

 

「ファンネルか!」

 

 クロノスビットを迎撃したビットはハイパービームジャベリンを装備したクシャトリヤへと戻って行く。

 クシャトリヤは拡散ビーム砲を撃ってガンダムクロノスXはクロノスキャノンを撃ちながら後退する。

 

「会長はやらせない!」

 

 シュトルゥムケンプファーがビームマシンガンでクシャトリヤを牽制する。

 クシャトリヤは再びファンネルを展開する。

 シュトルゥムケンプファーはビームマシンガンで弾幕を張っていたが、ソードカラミティが胸部のビーム砲を放ち、シールドで守るがシールドが吹き飛ぶ。

 

「やってくれるな。こうも張りつかれたらビットで弾幕も張れやしない」

 

 ガンダムクロノスXはクロノスアックスでトリニティのプラズマサイスとつば競り合いをしている。

 そこに後方からガラッゾと百錬が合流する。

 百錬はバックパックや脚部を漏影の物に換装し、ヘビークラブとアサルトライフルを装備している。

 

「俺達の分も残しておいてくれよ」

 

 ガラッゾがGNメガランチャーを撃つ。

 ガンダムクロノスXはトリニティから離れるとビームバスターをガラッゾに撃つがガラッゾはGNフィールドを張って防ぐ。

 百錬がアサルトライフルを連射しているとガンダムAGE-3 オービタルがシグマシスロングキャノンを撃って牽制する。

 

「6……思ったよりも少ないな」

「それでもこの強さか……」

 

 

 一方、星鳳高校の別働隊も岩龍と遭遇していた。

 岩龍のガンプラは右京のガンダムX斬月とレオのガンダムアスタロト・アステールにドーバーガンとガンダムエピオンのシールドとビームソードを装備したガンダムアクエリアスとドム・グロウスバイルの大型ヒートサーベルを装備したドライセンの4機だ。

 バルバトス・アステールはガンダムアクエリアスにバーストメイスを振るう。

 アクエリアスはかわしてドーバーガンを向けるが、バルバトス・アステールのテイルブレイドが襲い掛かる。

 とっさにシールドで防ぐが、体勢を崩したところをバルバトス・アステールが接近してバーストメイスを振り上げるが、レオのガンダムアスタロト・アステールがガトリング砲で牽制を入れる。

 

「先輩達じゃそいつには無理だから手筈通りに俺がやりますよ」

「……ちっ」

 

 アスタロト・アステールはアクエリアスの前に出るとガトリング砲で牽制する。

 バルバトス・アステールはテイルブレイドを使うが、レオは腕部ブレードを蛇腹剣として巧に操りテイルブレイドを弾く。

 アクエリアスのダイバーも不服そうだが、自分の手に負える相手ではない事は十分に承知している為、バルバトス・アステールの相手をレオに任せる。

 

「アスタロトとGX以外にドライセンにアクエリアス……ドライセンとアクエリアスは私が抑える。八笠君たちはGXをお願い」

「了解した」

 

 アリオスガンダムレイヴンはMA形態に変形するとGNミサイルを撃ちながら突っ込む。

 ドライセンが3連ビームキャノンでGNミサイルを迎撃し、MS形態に変形したアリオスガンダムレイヴンがGNスナイパーライフルⅡでドライセンをガンダムX斬月から引き離すように撃つ。

 同時にGNシザービットを展開してアクエリアスの方に差し向ける。

 アクエリアスはシールドのヒートロットでGNシザービットを寄せ付けないようにする。

 静流がドライセンとアクエリアスを抑えている間に残っている龍牙、竜胆、冬弥がガンダムX斬月の方に向かう。

 

「来るか」

 

 ガンダムX斬月は大太刀を抜くと3機を迎え撃つ。

 

 

 バルバトス・アステールとアスタロト・アステールのリヴィエールの作った2機のガンプラは戦いながら完全に戦場からは離れていた。

 アスタロト・アステールがショットガンを撃ち、かわしたバルバトス・アステールが間合いを詰めて左腕で掴みにかかる。

 それを腕部ブレードを展開して、アスタロト・アステールが止めるが、バルバトス・アステールはすぐさまドリルニーで攻撃する。

 ドリルニーで貫かれないようにアスタロト・アステールはバルバトス・アステールの膝にしがみ付く。

 

「腕は錆びついていないようだな」

「お前もな!」

 

 アスタロト・アステールは膝にしがみ付きながら至近距離から頭部のバルカンを撃ち込もうとするが、バルバトス・アステールの頭付きで受けて膝を離す。

 すぐにショットガンを向けるが、バルバトス・アステールがショットガンを蹴り飛ばす。

 

「ちっ……」

 

 バルバトス・アステールのテイルブレイドが迫り、アスタロト・アステールは腕部ブレードで弾くとブレイクアックスを両手に一気に距離を詰める。

 アスタロト・アステールのブレイクアックスをバーストメイスの柄で受け止める。

 圧倒的なパワーを持つバルバトス・アステールだが、そのパワーをもってしてもアスタロト・アステールを圧倒する事は出来ない。

 

「流石にパワーはバルバトスの方が上か……」

 

 アスタロト・アステールは一度後退するとシールドスラスターにブレイクアックスを戻してガトリング砲を構える。

 ガトリング砲をかわしながら、バルバトス・アステールは200ミリ砲で反撃しながら接近する。

 バルバトス・アステールはバーストメイスを振るい、アスタロト・アステールは左腕のサブナックルを使ってバーストメイスを受け止めると、右腕のサブナックルでバルバトス・アステールを殴り飛ばす。

 だが、バルバトス・アステールはテイルブレイドでアスタロト・アステールを捕まえいた。

 テイルブレイドのワイヤーを回収しながら、足の裏のエッジを展開して蹴りかかるが、サブナックルで弾く。

 

「たく……油断の隙もないな」

「好きなだけしてろ」

「嫌だね!」

 

 アスタロト・アステールはガトリング砲を撃つ。

 バルバトス・アステールはかわしながらバーストメイスを振るい、アスタロト・アステールはブレイクアックスで迎え撃つ。

 2機は激しくぶつかり合う。

 何度もぶつかり合うが互角だったが、次第に2機の高度が落ちていく。

 

「やっべ……高度が落ち過ぎた。このままじゃ地球に落ちるぞ」

 

 レオは地球の重力に捕まった事に気が付いたが、大我はお構いなしに攻めて来る。

 2機は戦いながら地球へと降下して行く。

 

 

 

 

 

 

 ガンダムX斬月に3機で挑むものの、その力に圧倒されている。

 百騎士がビームライフルを放つが、ガンダムX斬月は大太刀で切り払う。

 その間にバーニングデスティニーが殴りかかるも、腕部の装甲で受け止めて蹴り飛ばされる。

 ドラゴンガンダムオロチがドラゴンヘッドを展開して8本のドラゴンヘッドからビームを撃つが、どれも切り払われるかかわされるかして当たる事はない。

 

「これがランキング2位の実力……」

「それでも俺達でやるしかない!」

 

 バーニングデスティニーが突っ込み、百騎士とドラゴンガンダムオロチが援護する。

 バーニングデスティニーの拳をガンダムX斬月は大太刀で受け止める。

 

「気迫は十分だが、気迫に実力が追いついていないようだな」

 

 ガンダムX斬月は大太刀でバーニングデスティニーを弾き飛ばすと腕部の2連装ビームガンを撃ち込む。

 それをビームシールドで防ぐ。

 バーニングデスティニーを抑えながらガンダムX斬月は百騎士の方に向かう。

 

「行かせるか!」

 

 ドラゴンガンダムオロチが割り込み青竜偃月刀を振るう。

 ガンダムX斬月はかわして上から蹴り飛ばす。

 

「ちぃ!」

「まずは援護を絶つ!」

 

 百騎士のクレイバズーカをかわすと、ガンダムX斬月は大太刀を振るう。

 ビームマントを展開したものの意味をなさずに百騎士は左肩から斬撃を受けて左腕を肩からバッサリと切り捨てられる。

 

「冬弥!」

 

 辛うじて撃墜こそされなかったが、百騎士は左腕を失い下半身も切り捨てられてしまった。

 

「挟み込むぞ」

 

 バーニングデスティニーとドラゴンガンダムオロチは左右からガンダムX斬月を挟み込む。

 2機の同時攻撃を大太刀でドラゴンガンダムオロチの青竜偃月刀を、左手の拳でバーニングデスティニーの蹴りを止める。

 

「なんの!」

 

 蹴りを止められたバーニングデスティニーだが、そこを軸にしてもう一度蹴りを入れようとする。

 だが、大太刀でドラゴンガンダムオロチを押し戻してバーニングデスティニーの蹴りを大太刀で受けるとバーニングデスティニーを殴り飛ばす。

 

「ちくしょう!」

「ならば!」

 

 ドラゴンガンダムオロチが金色に輝く。

 ハイパーモードとなったドラゴンガンダムオロチはガンダムX斬月に突っ込んで行く。

 

「ハイパーモードか……」

 

 ガンダムX斬月は大太刀を振るい迎え撃つ。

 その斬撃はドラゴンガンダムオロチを胴体から真っ二つに両断するが、ドラゴンガンダムオロチは止まらない。

 青竜偃月刀を手放すと両手と腰以外の6基のドラゴンヘッドがガンダムX斬月の装甲に喰らい付く。

 

「捨て身か!」

「竜胆先輩!」

「やれ! 龍牙!」

 

 ガンダムX斬月は胸部のブレストバルカンでドラゴンガンダムオロチを破壊して行く。

 やがてドラゴンガンダムオロチは爆散し、最後の力でガンダムX斬月の装甲にダメージを入れる。

 

「うぉぉぉぉぉ!」

 

 バーニングデスティニーは光の翼を展開して最大速度で真っ直ぐガンダムX斬月に突っ込む。

 2連装ビームガンで応戦するが、バーニングデスティニーは止まらない。

 ビームが頭部を吹き飛ばし、右肩の装甲を破壊し、胴体の脇を掠める。

 それでも龍牙は止まらない。

 竜胆が捨て身の攻撃でガンダムX斬月にダメージを与えた。

 そこを逃さずに一気に攻めたてる。

 バーニングデスティニーは渾身の力を込めて拳を突き出す。

 ガンダムX斬月も大太刀を振るう。

 拳と大太刀がぶつかり合う。

 

「負けて……堪るか!」

「これは!」

 

 大太刀に皹が入り、刀身が砕け散る。

 同時にバーニングデスティニーの拳もまた砕け散る。

 拳が砕けても尚、バーニングデスティニーは止まらない。

 

「ぶち抜けぇぇぇぇ!」

 

 残るもう片方の拳がガンダムX斬月の胴体に入る。

 すでにバーニングデスティニーの受けているダメージも少なくは無く、残る拳もまた殴った時の衝撃に耐えきれずに粉砕する。

 

「……見事だ」

 

 両手の拳が砕け、ダメージも蓄積した事でバーニングデスティニーは戦闘不能となる。

 しかし、龍牙の最後の一撃はガンダムX斬月の装甲を貫き、右京へと届いていた。

 ガンダムX斬月の胴体が大きくへこみ、やがて爆発する。

 

「隊長!」

 

 絶対的な信頼を置いていた隊長機が撃墜された事で、ドライセンのダイバーが動揺し、そこを静流は逃さずにGNスナイパーライフルⅡで攻撃する。

 ドライセンは足を撃ち抜かれるが、まだ戦闘は続けられる。

 隊長機が落とされたが、戦闘はまだ続いている為、すぐに切り替える。

 アクエリアスがドーバーガンを放ち、アリオスガンダムレイヴンが肩のビームシールドで防ぐ。

 状況は未だに劣勢だが、隊長機を落とした事で流れは変わりつつある。

 

「トランザム!」

 

 静流は一気に勝負を決める為にトランザムを起動する。

 百騎士がビームライフルで援護をして、アリオスガンダムレイヴンはビームサーベルでアクエリアスのドーバーガンの銃身を切断する。

 その勢いのままドライセンに向かう。

 ドライセンは大型ヒートサーベルを振るうが、大振りな攻撃ではトランザムを使っているアリオスガンダムレイヴンを捉える事は出来ない。

 攻撃をかわして一気にドライセンを仕留めようとしたその時、こちらに向かっていたガラッゾのGNメガランチャーの最大出力のビームがアリオスガンダムレイヴンの両足を吹き飛ばし、百騎士を巻き込んで消滅させる。

 

「増援!」

「よくも隊長を! ファング!」

 

 ガラッゾの肩のGNビームサーベルファングが射出される。

 トランザムが強制解除されて性能が落ちているアリオスガンダムレイヴンを襲う。

 GNスナイパーライフルⅡを向けるが、横からアクエリアスがビームソードで右腕を切り落とす。

 左腕のGNサブマシンガンで応戦するが、かわし切れずにGNビームサーベルファングが頭部と左肩に突き刺さる。

 

「……ここまでのようね」

 

 頭部と左腕が吹きとんだところにドライセンが大型ヒートサーベルでアリオスガンダムレイヴンに止めを刺した。

 

 

 

 

 

 

 

 龍牙達がガンダムX斬月を倒したものの全滅した頃、諒真たちも劣性を強いられている。

 ガラッゾが抜けて数の上では互角になったとはいえ、個々の実力や連携の練度には向こうに分がある。

 何とか諒真が周りを動かして、持ちこたえている状況だ。

 

「流石に厳しいな……」

 

 ガンダムクロノスXがクロノスアックスを振るい、クシャトリヤのバインダーを一枚切り裂き、ビームバスターでもう一枚のバインダーを破壊する。

 すぐにクシャトリヤが拡散ビーム砲を撃ってガンダムクロノスXは後退する。

 後退したところをトリニティがガトリング砲を撃ち、ビームバルカンで応戦する。

 

「ええい!」

 

 クラーフレジェンドがビームライフルを百錬に撃つが、百錬はかわしてアサルトライフルで反撃する。

 アサルトライフルの銃弾がビームライフルに直撃して、爆発を起こしてクラーフレジェンドの右腕のマニュピレーターが潰れる。

 

「清水さん!」

 

 すぐにAGE-3 オービタルがシグマシスロングキャノンで援護するが、横からソードカラミティが対艦刀で切りかかる。

 シグマシスロングキャノンが破壊されてAGE-3 オービタルはビームサーベルを抜く。

 ソードカラミティが肩のビームブーメランを投擲し、AGE-3 オービタルはかわして接近戦を仕掛けようとする。

 しかし、投擲されたビームブーメランが戻ってきてAGE-3 オービタルの片足を後ろから切断する。

 

「しまった!」

 

 体勢を崩したAGE-3 オービタルをソードカラミティは2本の対艦刀で両断して撃墜する。

 

「部長!」

「隙だらけだな!」

 

 明日香が史郎がやられた事に気をとられてしまう。

 そこに百錬が接近してヘビークラブで殴りかかる。

 ドラグーンシールドを掲げたが、ドラグーンシールドが弾き飛ばされる。

 

「きゃ!」

 

 そこにソードカラミティが胸部のビーム砲を撃ち込んでクラーフレジェンドを撃墜した。

 

「やばいな……」

 

 ガンダムクロノスXはクロノスビットを展開してトリニティを攻撃する。

 トリニティはガトリング砲で応戦するが、その間にガンダムクロノスXが回り込んでクロノスアックスを振るう。

 何とかプラズマサイズで守る事は出来たが、プラズマサイズが破壊されて後退しながら掌のビーム砲を撃ちながら後退する。

 それをクシャトリヤのファンネルが援護する。

 

「そう簡単にはやらせては貰えないか」

 

 ガンダムクロノスXはビームバルカンでファンネルを落としていく。

 ジムHSCがビームスプレーガンをゼダスに撃つが、ゼダスには当たらない。

 ゼダスもビームバルカンを撃つが、ジムHSCはシールドを掲げていて決定打に欠ける。

 そこに百錬が合流して2機で挟み込む。

 百錬が背後からアサルトライフルを放ち、バックパックに被弾する。

 致命傷にはならないが、機動力の低下はまのがれない。

 

「後ろ!」

 

 ジムHSCは脇の下からビームスプレーガンを百錬の方に向けて放つが、ビームは掠めただけで当たらない。

 百錬はヘビークラブを持ちジムHSCに殴りかかりシールドで防がれるが、ここまで蓄積して来たダメージもありシールドは砕け散る。

 

「シールドが!」

 

 頭部のバルカンで牽制を入れるが、ヘビークラブが振り下ろされてジムHSCの頭部が潰される。

 

「ちっ! このジム硬い!」

「俺がやる!」

 

 百錬がジムHSCから離れるとゼダスが高速飛行形態で勢いをつけて接近する。

 ジムHSCもビームスプレーガンを撃つが、頭部が潰された影響で射撃の精度が落ちて当たる事はない。

 ゼダスは十分に勢いが付いたところで変形するとシグルクローをジムHSCの胴体をぶち抜く。

 

「川澄もやられたか……こりゃいよいよ年貢の納め時ってか」

 

 ガンダムクロノスXはソードカラミティの対艦刀をかわしてクロノステイルで抑える。

 トリニティが足を射出して攻撃して来るが、クロノスアックスで一つ一つ破壊して対処する。

 ソードカラミティが両腕のロケットアンカーを射出してガンダムクロノスXを背後から右腕を左足を掴んで動きを止める。

 ガンダムクロノスXはビームバスターでゼダスを牽制するが、クシャトリヤがハイパービームジャベリンで止めを刺しに来る。

 

「やっべ」

「会長!」

 

 クシャトリヤの攻撃を愛依のシュトルゥムケンプファーがガンダムクロノスXに体当たりをして庇い代わりにハイパービームジャベリンの餌食となる。

 

「縦脇! 副会長がここまでしたんだ……もうひと踏ん張りするかな」

 

 ガンダムクロノスXはクロノステイルの先端からビームサーベルを出すとロケットアンカーのワイヤーを切断して、クロノスビットを出して後ろのソードカラミティに向かわせる。

 ソードカラミティは両腕で胴体を守りクロノスビットの直撃を受けて両腕が吹き飛ぶが、吹き飛ばされながらも胸部のビーム砲を撃ち、ガンダムクロノスXの右腕を吹き飛ばした。

 

「悪あがきで良くもまぁ!」

 

 クロノスキャノンでクシャトリヤを狙うが、百錬がヘビークラブでコックピットのある頭部を狙って来る。

 左腕でヘビークラブを受け止めて装甲に亀裂が入るが、完全に破壊される前に百錬を蹴り飛ばしてクロノスビットを差し向ける。

 百錬はヘビークラブを盾替わりに使って防ぐがヘビークラブにヒビが入り捨ててアサルトライフルを撃つ。

 

「死にぞこないが!」

 

 百錬のアサルトライフルとゼダスのビームバルカンがガンダムクロノスXを襲う。

 威力は高くはないもののガンダムクロノスXの装甲にダメージを与えていく。

 そこにトリニティが掌のビーム砲を撃ち込み、ソードカラミティの胸部のビーム砲とクシャトリヤの拡散ビーム砲も撃ち込まれて行く。

 5機からの集中砲火に晒されたガンダムクロノスXはどんどん破壊されて行く。

 

「ここまでやれれば上出来だよな……大我。後はお前がぶちかませよ」

 

 ガンダムクロノスXが撃墜された事で星鳳高校は残りは大我だけとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 大気圏に突入したバルバトス・アステールとアスタロト・アステールは降下しながらも戦闘が続いている。

 バルバトス・アステールは200ミリ砲を撃ちながら、シールドスラスターを最大出力で使い接近してバーストメイスを振るう。

 だが、アスタロト・アステールは易々と回避する。

 アスタロト・アステールはバックパックのフライトユニットがある為、重力下での飛行能力を持つ。

 対するバルバトス・アステールは重力下では飛行能力を持たず、スラスターで強引に機体を浮かすしかない。

 

「ちっ……ちょこまかと」

 

 アスタロト・アステールがガトリング砲を撃つ。

 スラスターを使って落ちる速度を変えてかわしてテイルブレイドをアスタロト・アステールの足に絡みつかせると地上に叩きつけようとする。

 フライトユニットで空中で体勢を整えるが、背後からバルバトス・アステールが突っ込んで来る。

 背部のバルバトス・アステールを何とか振り合払うが、至近距離から200ミリ砲を撃ち込んでフライトユニットを損傷させる。

 それにより飛行能力に影響が出てアスタロト・アステールも地上に落ちていく。

 

「嘘だろ!」

「一緒に落ちようぜ。レオ」

 

 2機の下には広大な海が広がっている。

 どちらも水中での戦いは得意ではない為、何とか陸地に降りようと周囲のマップを表示する。

 周囲は海ばかりだが、近くにはオーブ首長国と表示されいくつかの孤島がある事が分かる。

 2機は減速しながらもオーブ近海の孤島に着陸する。

 

「第2ラウンドと行こうじゃないか」

 

 孤島に降りたアスタロト・アステールはガトリング砲を構えて撃とうとするが、すぐに残弾が尽きてしまう。

 

「ちっ……」

 

 レオはすぐに背部のフライトユニットごとガトリング砲をパージして身軽となる。

 同時に腕部ブレードを展開する。

 バルバトス・アステールがアスタロト・アステールの真上に落ちて来た為、飛び退く。

 

「あっぶね」

「狙ってんだよ」

 

 落ちて来たバルバトス・アステールは200ミリ砲を撃ちながら接近してバーストメイスを振り下ろす。

 飛び退きながら腕部ブレードを蛇腹剣として振るう。

 一撃目をシールドスラスターで防ぎ、二撃目を掴むと思い切り振ってアスタロト・アステールを地面に叩きつけようとする。

 叩き付けられる前に腕部ブレードをパージする。

 腕部ブレードをパージして体勢を整えて着地したところにバーストメイスが飛んでくる。

 それをサブナックルで弾いて防ぐ。

 

「相変わらずの攻めだな……大我!」

 

 投擲したバーストメイスを弾いた隙にバルバトス・アステールは接近すると、爪を立てて突き出す。

 それをサブナックルで軌道を反らして受け止める。

 

「そうでないとな!」

 

 バルバトス・アステールは至近距離からドリルニーを付きだし、アスタロト・アステールは引いて避けるが、テイルブレイドでバーストメイスを引き寄せて掴むと片手でそのまま振るう。

 アスタロト・アステールは肩のシールドスラスターで受け止めながら、サブナックルでバルバトス・アステールを殴り飛ばす。

 殴り飛ばされながらバーストメイスを地面に突き刺してバルバトス・アステールは止まって着地する。

 

「チームを抜けた意味がない!」

 

 アスタロト・アステールは肩と腰のシールドスラスターの機関砲で攻撃する。

 バルバトス・アステールもかわしながら200ミリ砲で反撃していたが、200ミリ砲も残弾が尽きる。

 

「そんな事はどうでも良い。俺とお前は今こうして対峙している。俺がお前をぶっ潰す!」

「ああ……そうだな。チームなんて関係ない。俺とお前はこうなる運命だった!」

 

 アスタロト・アステールはブレイクアックスを両手に持って突っ込んで振るう。

 バルバトス・アステールは体勢を低くしてかわすとバーストメイスを突き出す。

 ギリギリのところでかわすが、シールドスラスターを掠めて肩との接続部が不可に耐え切れずにシールドスラスターが吹き飛ぶが、構わずにブレイクアックスを振り落す。

 それをシールドスラスターで受け止めるが、シールドスラスターは破壊される。

 シールドスラスターを破壊されながらも、バルバトス・アステールはアスタロト・アステールの横っ腹を蹴り飛ばす。

 

「それでこそだ! 大我なら俺の全力をぶつけられる!」

「そうだな。やはりレオとのバトルはこれだけら止められない」

 

 対峙するバルバトス・アステールとアスタロト・アステール。

 ここまでの戦いは互角だ。

 そして、対峙する2機のメインカメラが赤く輝く。

 どちらもリミッターを解除モードとなった。

 バルバトス・アステールはテイルブレイドをアスタロト・アステールに差し向ける。

 それをブレイクアックスで破壊するが、バルバトス・アステールは一瞬の内に間合いを詰めてバーストメイスを振り下ろす。

 サブナックルでバーストメイスを受け止めると、逆にブレイクアックスを振り下ろす。

 バルバトス・アステールも左手でブレイクアックスを受け止めようとするが、ブレイクアックスにより左腕が破壊されて行き、すぐに左腕の増加ユニットをパージして通常の腕まで破壊されないようにする。

 増加ユニットをパージしてバックパックの太刀を手に取り、アスタロト・アステールの左手のブレイクアックスを太刀で叩き落とす。

 バーストメイスも片手で振えるように柄の長さを短くすると、太刀とバーストメイスの二刀流を構える。

 アスタロト・アステールも左腕の腕部ブレードを展開する。

 腕部ブレードを突き出して、バルバトス・アステールの頭部を掠り、頭部が半壊して内部のフレームが一部剥き出しとなるが、構わすにアスタロト・アステールに体当たりをする。

 尻餅をつくアスタロト・アステールにバーストメイスを振り下ろすが、横に転がりながら起き上って回避して腕部ブレードを蛇腹剣として振るう。

 蛇腹剣を太刀に絡ませると力の限り引っ張って引き抜く。

 

「大我ぁぁぁぁ!」

「レオ!」

 

 アスタロト・アステールがブレイクアックスを振り下ろし、バルバトス・アステールはドリルニーを突き出す。

 ブレイクアックスとドリルニーがぶつかり合い、ドリルニーのピンバイス状の杭が砕け、ブレイクアックスの刃にも皹が入る。

 それでもブレイクアックスを振るい、バルバトス・アステールの左肩の突き刺さって抜けなくなるが、バルバトス・アステールの肩の装甲ごと強引に引っこ抜く。

 バルバトス・アステールは左腕に不具合が出たのか、左腕が力無くうな垂れる。

 刃にバルバトス・アステールの装甲が付いたままだが、そんな事はお構いなしにブレイクアックスをバルバトス・アステールの横っ腹を殴る。

 バルバトス・アステールはそれを避ける事も守る事もなく、バーストメイスを振り落した。

 ブレイクアックスがバルバトスアステールの横っ腹に直撃するが、装甲が邪魔で単なる打撃でしかない。

 バーストメイスも片手で振り下している分、通常の威力よりも遥かに威力が劣り、アスタロト・アステールに致命傷を与える事が出来ず、肩の装甲を破壊してフレームに到達する程度の威力でしかなかった。

 

「いい加減に倒れろよ……大我」

「断る」

 

 バルバトス・アステールもアスタロト・アステールもリミッター解除モードで戦いすでに満身創痍だ。

 まともに使える武器も、それを使う事も出来る状態ではない。

 だがそんな状態でも尚、大我の攻めは終わらない。

 

「コイツで終わりだ。レオ……勝つのは俺だ」

 

 大我はパネルを操作して最後の手段に出る。

 バーストメイスのパイルバンカーの杭には射出して相手に突き刺さった時に爆破する事が出来る。

 その杭はバーストメイスの内部に何本か予備の物が入っている。

 今回の戦闘では一度もパイルバンカーを使っていない為、バーストメイスの中には予備の杭が残っている。

 大我はそれを全て自爆させた。

 爆発は周囲を吹き飛ばしながら孤島全体に爆風を撒き散らかした。

 爆風が収まると爆心地には巨大なクレーターが出来上がり、そこから少し離れたところにバルバトス・アステールが倒れている。

 右腕を失い、上半身も半壊して頭部も吹き飛び、機体のいたるところの装甲が破損して内部のフレームが剥き出しとなり、フレームにもいくつもの亀裂が走っている。

 胸部の増加装甲も辛うじて一部が残っているだけで後は吹き飛び、コックピットが剥き出しとなり、仮想現実でなければパイロットも無事では済まなかっただろう。

 もはやバルバトスであった事すらも確認困難な状態で、バルバトス・アステールは爆風で歪んだ装甲やフレームを軋ませながら上半身を起こす。

 脚部も右足は完全に使い物にならず、左足は動くが機体の重量を支える事は出来ない程のダメージを受けている。

 それだけのダメージでも何とか動ける為、バルバトス・アステールは撃墜判定を受けていない。

 そして、爆心地の中央にいたもう一機のアスタロト・アステールはクレーターの中央で辛うじて人型を保っているものの、ピクリとも動かない。

 

「レオ……俺の勝ちだ」

 

 大我は一人そう宣言すると、バトル終了のアナウンスと共に星鳳高校の勝利が告げられる。

 エース同士の壮絶な戦いに会場は湧き上がり、星鳳高校はベスト4となり、準決勝へと駒を進める。

 コジロウこと右京率いる岩龍に勝利した物の次の対戦相手は去年の優勝校である仙水高校チーム闘魂。

 星鳳高校にとって今回以上の強敵である事は間違いない無かった。

 

 

 

 

 

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