ガンダムビルドダイバーズ~最上の星~   作:ケンヤ

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アメリカ代表

 日本代表チームが結成されてから、龍牙達は毎日のように学校が終わるとGBNで練習を行われた。

 麗子の組み立てた練習プランは難易度はデタラメに見えてクリアできるかギリギリのラインで考えられているが、早々にクリアできるような物でも無く、何度も失敗し容赦なくダイバーポイントを失いながらもクリアしている。

 その度に確実に強くなっている実感もある為、初日のように貴音の文句も日に日に減っている。

 

「死ぬ……いつか絶対に死ぬ」

 

 その日の練習を何とかクリアしてフォースネストに戻ると貴音がいつも通りの文句を言う。

 毎回のように同じ文句を言っている為、誰も気にも留めない。

 

「ご苦労様」

 

 日本代表を麗子が出迎えると一同は身構える。

 今日は時間的に練習するだけの時間は残っている。

 次も相当困難なバトルをさせされると誰もが思っていた。

 

「今日の練習はここまでよ」

「……嘘だ! そうやって私達を油断させて絶望に叩き込む気だ!」

 

 貴音は声を上げる。

 そんな貴音を麗子はスルーして話しを続ける。

 

「これからアメリカサーバーで代表決定戦が行われるわ。今日はそのバトルをリアルタイムで観戦するわ」

「アメリカ……」

 

 龍牙達も今日アメリカ代表を決める決勝戦が行われると言う事は知っている。

 そのバトルをするフォースの片方が大我のビッグスターが残っている事もだ。

 だが、決勝戦を見るつもりは無かった。

 どの道、いずれは結果を知る事になり、バトルの内容も後でバトルログを見る事も出来る為、決勝戦を見るよりも練習を優先するつもりだったが、麗子はリアルタイムでバトルを見るようだ。

 

「そう言えば大我のチームってどんなチームなんだ?」

 

 龍牙がふとそんな疑問が出て来た。

 ビッグスターの名前自体は日本サーバーにも届いているが、具体的には大我ことリトルタイガーの事くらいでチームとしては余り知られてはいない。

 

「そうだな……一言でいえば攻撃特化のチームだな。大我を中心として守るくらいなら攻めろ。敵は見つけ次第に叩き潰せってチームだな」

 

 レオが龍牙の疑問に答える。

 レオは元はビッグスターに所属していた為、チームの特色も当然知っている。

 そのレオが言うにはとにかく攻撃を重視したチームだと言う。

 

「リーダーのルークがある程度の策を考えるけど、結局は大我がごり押しで敵を倒す。他の連中も基本的に脳筋ばかりだしな」

「成程」

「で、相手チームがこれまた厄介なんだよな。去年のアメリカ代表チームアメイジングUSA。実力はアメリカサーバーのジュニアクラスじゃずば抜けている」

 

 日本代表は大我のビッグスターにばかり気を取られているが、ビッグスターの対戦相手のアメイジングUSAは去年も世界大会に出場し、ベスト8の成績を残している世界でも強豪チームだ。

 チームリーダーのチャンプを初めとして実力者も今年もジュニアクラスである為、去年と同じベストメンバーが残っている。

 

「いずれは戦うかも知れないからしっかりと見ておきなさい」

 

 フォースネストのモニターにアメリカサーバーで行われている代表決定戦のバトルフィールドが映し出される。

 アメリカ代表戦は3対3のチーム戦で行われている。

 バトルが始まる時間となり、アメリカ代表チームを決める一戦が開始される。

 決勝戦のバトルフィールドはニューヤークの廃墟でのバトルとなる。

 ビッグスターからは大我のガンダムバルバトス・アステール・アルファ、ルークのガンダムソルエクシア、クロエのガンダムAGE-FX エステレラの3機だ。

 

「チャンプは大我に任せる。僚機は僕とクロエで抑える」

「要するにいつも通りって訳でしょ?」

「ならさっさとしてくれ」

 

 ルークのソルエクシアが物陰から上空に上がる。

 

「炙り出す」

 

 ソルエクシアのバックパックのGNビッグキャノンが開閉すると高出力のビームをニューヤークの町に撃ち込む。

 ビームにより町に火が上がりやがて、レーダーに敵のガンプラを補足する。

 敵も廃墟に隠れて様子を見ていたが、ルークの攻撃で隠れるどころではなかったのだろう。

 

「2機……チャンプのガンプラは無いな」

 

 モニターに映るガンプラはブレイヴの改造機とソードストライクの改造機でどちらもチャンプのガンプラではない。

 ブレイヴの改造機オーバーブレイヴはブレイヴをベースにバックパックをオーバーフラッグの物をベースにしたものが付けられ全身を黒く塗装されている。

 両腕にはGNディフェンスロッドも増設されよりオーバーフラッグに似せられている。

 もう片方のソードストライクの改造機のソードストライクJは背部の対艦刀を2つに増やし、肩のビームブーメランと腕の小型シールドも両腕に装備され、手持ちの火器にビームライフルを装備し、オレンジ色で塗装されている。

 どちらのダイバーもミスターフラッグファイターと切り裂きJの異名を持つ実力者だ。

 

「それなら私らの出番でしょ」

 

 チャンプのガンプラではないと確認すると、クロエのガンダムAGE-FX エステレラが飛び出して2機を迎え撃つ。

 

「チャンプはいないのか……まぁ良い。俺はチャンプを探すとするか」

 

 大我は迫る2機を2人に任せると敵チームのエースであるチャンプを探す為に空中に飛ばずに移動を始める。

 アメイジングUSAの先陣を切ったのは飛行形態のオーバーブレイヴだ。

 オーバーブレイヴはGNビームライフルとGNキャノンを連射して突っ込んで来る。

 

「流石はミスターフラッグファイター。ディランのゼータよりも早いな」

「関心してる場合じゃないでしょ」

 

 ソルエクシアとFX エステレラはそれぞれの火器で応戦するが、オーバーブレイヴには当たらない。

 

「ノロマが!」

 

 オーバーブレイヴは2機の間を通り過ぎるとMS形態に変形してGNビームライフルを撃つ。

 ソルエクシアがGNフィールドを展開して防ぐが、背後からはソードストライクJが両手に対艦刀を持ち迫っていた。

 ソードストライクJの攻撃をFX エステレラがスタングルライフルⅠBの実体験で弾く。

 

「流石に決勝まで来ると一筋縄ではいかないな」

「泣き言言わないの」

 

 FX エステレラはスタングルライフルⅠBを撃ってソードストライクJを牽制する。

 

「言う気はないさ。彼らの能力を素直に評価したに過ぎない」

「それでリーダー様の見解は?」

 

 ソルエクシアはGNビッグキャノンを撃ってオーバーブレイヴを取りつかせないようにする。

 

「大我がチャンプを仕留めれば僕達の勝ちさ」

「なら、このバトルは貰ったも同然じゃない」

「そう言う事。僕達はいつも通りに勝つだけさ」

 

 ルークとクロエが交戦している地点から離れたところにアメイジングUSAのリーダーであるチャンプは愛機のガンダムマックチャンプと共に戦局を見極めていた。

 ガンダムマックチャンプはガンダムマックスターのボクサーモードをベースにしたガンプラで元々防御力を犠牲にしてフットワークを向上させていたボクサーモードを更に装甲を削り全身にスラスターを内蔵して機動力を上げている。

 また、性能には関係ない部分として腰にはチャンピオンベルトが巻かれている。

 

「来たな。ジャパニーズボーイ」

 

 マックチャンプの頭上に影が出来ると後方に飛び退く。

 上空から大我のバルバトス・アステール・アルファがバーストメイスと共に落ちて来る。

 

「見つけた」

 

 バルバトス・アステール・アルファは着地と同時にマックチャンプに突っ込んでバーストメイスを振るう。

 だが、マックチャンプは全身のスラスターを使った軽快なステップでその一撃をかわすと、バルバトス・アステール・アルファの懐に飛び込み連続パンチを浴びせる。

 

「ちっ」

「動きが大振り過ぎるんだよ」

 

 バルバトス・アステール・アルファの攻撃を完全にかわしマックチャンプは攻撃後の隙を的確について懐に飛び込む。

 今後は大我も対応し、ドリルニーを突き出すが、ギリギリのところでかわされて胴体にストレートが入り、マックチャンプは思い切りパンチを撃ち抜き、バルバトス・アステール・アルファはビルに叩き付けられる。

 

「やるな。これがリアルボクサーの戦い方って奴か」

 

 ダメージは戦闘には問題ようでバルバトス・アステール・アルファは立ち上がる。

 チャンプはリアルでボクシングをやっているようで、モビルトレーズシステムを使う事でリアルで鍛えたボクシングの技術をガンプラバトルに応用している。

 大我もモビルトレースシステムを使った格闘技もどきを使う相手と戦った事はあるが、実際の格闘技を使った相手と戦うのは初めてだ。

 

「まぁそれでも俺のやる事は変わらない。アンタをここでぶっ潰して先に進むだけだ」

 

 バルバトス・アステール・アルファはバーストメイスを構えてマックチャンプへと突撃して行く。

 

 

 

 

 大我とチャンプが交戦し、ルークとクロエはアメイジングUSAの2機を抑えている。

 機動力に長けたオーバーブレイヴと格闘戦に長けているソードストライクJに苦戦を強いられている。

 

「ルーク。あんまり遊んでないとそろそろ決めるわよ」

 

 FX エステレラはスタングルライフルⅠBを連射する。

 ソードストライクJはビームを避けながら両肩のビームブーメランを投擲する。

 FX エステレラがかわすと両腕のロケットアンカーを撃ち込む。

 

「ファンネル!」

 

 FX エステレラは全身のDファンネルを射出すると、後ろから戻ってきたビームブーメランとロケットアンカーを破壊する。

 

「ちぃ!」

 

 ソードストライクJは両手に対艦刀を持つと頭部のバルカンを撃ちながらFX エステレラに突っ込む。

 FX エステレラは避けると後ろからソルエクシアがGNソードをソードモードで迎え撃つ。

 

「後ろががら空きだ!」

 

 オーバーフラッグがソルエクシアの背後からGNビームサーベルを抜いて迫る。

 

「セラヴィー!」

「遅ぇよ!」

 

 ソルエクシアのバックパックがパージされるとセラヴィーⅡに変形するとオーバーブレイヴに差し向けるが、オーバーブレイヴはGNビームサーベルでセラヴィーⅡを切り裂くとソルエクシアの背後にビームサーベルを付き付けようとする。

 しかし、GNビームサーベルはソルエクシアの背後を貫く事は無かった。

 

「なんだと!」

 

 ソルエクシアの背後には6基のGNソードビットがGNフィールドを展開してオーバーブレイヴの攻撃を受け止めていた。

 そして、ソルエクシアの背中にはコーン型のスラスターではなく、ダブルオークアンタのシールドが付けられており、6基のGNソードビットもそこに装備されていた物だ。

 

「色々とがら空きなのよね!」

 

 攻撃を受け止められたオーバーブレイヴの周囲にFX エステレラのDファンネルが展開していた。

 オーバーブレイヴはすぐさまその場を離れながらGNビームライフルを撃つが、Dファンネルの全方位攻撃には対応しきれずに被弾する。

 

「トランザム!」

 

 オーバーブレイヴはトランザムを起動して強引に突破するが、すでにFX エステレラが両手にビームサーベルを持って先回りしていた。

 FX エステレラのビームサーベルがオーバーブレイヴを切り裂き破壊する。

 オーバーブレイヴが撃墜され、ソルエクシアはソードストライクJから離れると背中のGNシールドが外れてアームにより左肩の横まで移動する。

 ソルエクシアは普段はバックパックのセラヴィーⅡにより中遠距離の砲撃機として戦うが、セラヴィーⅡをパージする事で中近距離での格闘戦用のガンプラとして戦う事も出来る。

 ソードストライクJはバルカンを撃ちながらDファンネルの全方位攻撃をかわしていたが、ソルエクシアが突っ込む。

 

「こんな奴らに!」

 

 ソードストライクJはソルエクシアに対艦刀を振るうが、ソルエクシアは後ろに下がりかわしてGNソードファンネルがソードストライクJの右腕の関節を切り裂き、Dファンネルの集中砲火を浴びる。

 

「これで終わりね!」

 

 FX エステレラはスタングルライフルⅠBをチャージモードにする。

 同時にソルエクシアは右腕のGNソードをパージすると腰のGNソードⅤを抜くとGNソードビットにドッキングしてGNバズターライフルとなる。

 2機の砲撃をソードストライクJは避ける事も防ぐ事も出来ずに直撃して跡形もなく吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

 ルークとクロエが敵を撃墜した事でアメイジングUSAは残りリーダー機にマックチャンプのみとなった。

 互いのエース同士の戦いはチャンプが優勢に進んでいる。

 バルバトス・アステール・アルファの攻撃を確実にかわして一撃を入れている。

 バルバトス・アステール・アルファは日本で全国大会で使った時は大我とレオが設計図通りに組み立ててバランスが悪かったが、アメリカに戻りリヴィエールの手によりバランスが調整されて性能は上がっているが、それでも尚苦戦を強いられている。

 

「どうしたジャパニーズボーイ。攻撃が掠りもしないぜ!」

「ちょこまかと」

 

 バルバトス・アステール・アルファのバーストメイスをかわしてマックチャンプは懐に飛び込み一撃入れる。

 

「良い感とガンプラだが……」

 

 一撃を入れ、更にバルバトス・アステール・アルファの胴体に強力なアッパーを撃ち込む。

 

「俺達や世界と戦うには早すぎる」

 

 アッパーを撃ち込まれてバルバトス・アステール・アルファの足が地を離れ、マックチャンプはそのチャンスを逃す事なく連続パンチのラッシュをバルバトス・アステール・アルファに撃ち込む。

 高速の連続パンチが数秒の内に100発以上撃ち込まれてバルバトス・アステール・アルファは大きく吹き飛ばされる。

 

「来年出直して来るんだな」

 

 バルバトス・アステール・アルファは吹き飛ばされてビルの上に落ちて瓦礫に埋もれてしまう。

 チャンプはビッグスターの残りを仕留めようと先ほどまで交戦していた地点に向かおうとする。

 だが、バルバトス・アステール・アルファの落ちたビルの残骸をぶち破ってバーストメイスが飛んで来てマックチャンプはそれをかわす。

 

「来年……何言ってんだ?」

 

 ビルの残骸にバルバトス・アステール・アルファが立ち上がる影が見える。

 

「俺達は1度しかないチャンスに全てを賭けてんだ。来年なんて……次は無いんだよ」

 

 バルバトス・アステール・アルファはダメージを追いながらも立ち上がりビルの残骸から出て来る。

 ビッグスターのメンバーでルークを初めとした数人は来年からはジュニアクラスからオープンクラスとなり、世界大会に出る事が出来なくなる。

 今のメンバーで世界大会に出られるのは今年しかない。

 だからこそ、大我は負ける訳には行かない。

 

「だからさ……邪魔すんなよ。そこは俺達が進む道だ。どかないならぶっ潰す!」

「オーケーだ。ジャパニーズボーイ。なら立ち上がれないように完膚なきまで叩き潰すだけだ」

 

 マックチャンプは加速してバルバトス・アステール・アルファに向かって行く、バルバトス・アステール・アルファはテイルブレイドを差し向けるが、マックチャンプは拳で弾く。

 バックパックのフライトユニットをパージしてバルバトス・アステール・アルファはマックチャンプを迎え撃つ。

 バルバトス・アステール・アルファは腕部の爪を付き出し、マックチャンプはギリギリのところでかわしてパンチを撃ち込む。

 

「どうした! その程度か!」

 

 バルバトス・アステール・アルファの攻撃はマックチャンプには当たらず、マックチャンプの攻撃は的確にバルバトス・アステール・アルファを捕えている。

 一撃さえ当てれればマックチャンプの装甲では致命的だが、その一撃が当たらない。

 マックチャンプの攻撃は一撃の威力はさほどないが、何発も入れられてダメージが蓄積して行き装甲もヒビが入り崩れ始めて来ている。

 

「うるさいんだよ」

 

 マックチャンプの拳がバルバトス・アステール・アルファの胴体に入る。

 そこでチャンプはある事に気が付いた。

 バルバトス・アステール・アルファのテイルブレイドが射出された状態でまだワイヤーが伸びた状態で戻って来てはいない。

 そのワイヤーが巻き戻るとその先端には投擲したバーストメイスが付いていた。

 戻ってきたバーストメイスをマックチャンプを横っ飛びでかわし、バルバトス・アステール・アルファはバーストメイスの柄を持つとそのまま振り上げるとマックチャンプへと勢いよく振り下す。

 

「やらせるか!」

 

 マックチャンプは振り下されたバーストメイスを両腕で受け止める。

 膝で衝撃を逃がしながらバルバトス・アステール・アルファの一撃を受け止める。

 

「アンタを倒して俺達は先に進む!」

 

 バルバトス・アステール・アルファは更に力を入れる。

 マックチャンプも下手に動けばバランスが崩れて押しつぶされるだけだ。

 バルバトス・アステール・アルファとマックチャンプの力比べだが、マックチャンプの四肢の関節が衝撃に耐えきれずに悲鳴を上げている。

 

「だからぶっ潰れてろよ! チャンプ!」

「……大したものだ……この俺を倒して世界に挑むんだ。頂点を取って来い。リトルタイガー」

 

 チャンプもガンプラが限界だと悟る。

 そして、バルバトス・アステール・アルファはバーストメイスを振り抜き、マックチャンプを叩き潰した。

 

「アンタに言われるまでもない。俺達は負けない。全部倒して世界を掴む」

 

 アメイジングUSAの最後の1機を撃墜した事でバトル終了のアナウンスが入る。

 それにより今年の世界大会アメリカ代表は大我たちチームビッグスターに決まる。

 

 

 

 

 

 アメリカ代表チームの決まる瞬間を日本代表もリアルタイムで見ていた。

 そのバトルの最中、皆がバトルに集中して口を開く事は無かった。

 

「アイツ等……チャンプを倒しやがった」

 

 日本代表の中でもチャンプの実力を知るレオがそう呟く。

 誰もがアメリカ代表がビッグスターに決まった事に驚きはない。

 だが、バトルの内容に置いては大我はかなり苦戦させられていた。

 日本でも大我はアリアンメイデンとの練習試合や地区予選決勝戦では苦戦させられたが、それは身内が故に大我の戦い方を知り尽くしているせいで、今回は単純に実力で苦戦させられていた。

 日本のガンプラバトルのレベルは低い事は知っていたが、日本で猛威を振るった大我の実力ですら世界を相手に戦って来たチャンプを前に苦戦するレベルだと言う事は日本代表には驚くべき事実だ。

 

「負けてられないな」

 

 そう龍牙が呟く。

 日本代表メンバーは口にこそ出さないが、皆思っている事は同じだろう。

 それこそが、麗子の目論見でもある。

 自分の練習メニューに慣れて余裕が生まれて来たところに大我が苦戦するところを見せる事で世界の実力を見せつける事で、更なる奮起を期待した。

 場合によっては、世界の実力を目の当たりにして心が折れる可能性もあったが、それで心が折れるようならばここまでの麗子の練習メニューでとっくの昔に心が完璧に砕かれて逃げ出している。

 麗子の狙い通り、日本代表メンバーは世界大会を目前に更なる気合を入れて練習に取り組むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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