決勝トーナメント1回戦が終わり、ベスト4が出そろい決勝戦進出を賭けた準決勝第一試合のアメリカVS日本のバトルが始まる。
大方の予想では圧倒的な戦闘能力を持つ大我のアメリカ代表チームが優勢とされるが、1回戦においても優勢と思われたドイツを下した日本は今大会のダークホースとして注目されている。
今回のバトルフィールドは小惑星帯でもバトルとなる。
「前に出ます!」
バトルが開始されると雷邪、スタークアデル、ハンムラビボードが加速して前に出る。
すると小惑星の間を縫うように飛んできた弾丸が3機を貫き撃墜する。
「リヴィエール!」
「はいはい。位置の大まか特定はできたわよ。大我」
「任された」
狙撃された3機の位置を弾丸の飛んできた方向からリヴィエールはすぐに狙撃者の位置の割り出しを行い、データを大我に送信する。
リヴィエールのスローネジーニアスのGNサーチフィールドは広範囲の索敵を可能とするが、欠点として無色透明のGN粒子をバトルフィールド全体に散布するまでに時間がかかるということだ。
日本の開始早々の狙撃に対していち早く狙撃者の位置を特定して対応することは不可能と考え、防げないなら戦力的にやられても問題のない3機を囮として使い相手の位置を割り出す策を取った。
今回のバトルでオメガバルバトス・アステールは大規模な改修が行われている。
見た目では背部のレールガンに予備の装備を装備できる武装ラッチが追加されただけだ。
オメガバルバトス・アステールはレールガンにバーストメイスカスタムをつけるとシド丸の翼を広げると変形を始める。
脚部を折り曲げ、シド丸の頭部がオメガバルバトス・アステールの頭部を覆うようにかぶさり腕も折り曲げてると鳥のような飛行形態となる。
新しく追加された変形機能はオメガバルバトス・アステールを長距離を高速で移動する長距離飛行形態バルバード形態だ。
バルバード形態となったオメガバルバトス・アステールは一気に加速すると狙撃してきた方向に向かう。
「こちらの位置は特定されているとして……撃って来た」
狙撃を行ったグシオンシューティングスターの横を高出力のビームが横切る。
事前の情報でこのクラスの砲撃が行えるのはルークのソルエクシアと大我のオメガバルバトス・アステールの2機でビームの色からオメガバルバトス・アステールだとわかる。
「釣れた。でも早い!」
「見つけた。お前の狙撃は厄介だ。早々にぶっ潰させて貰う」
接近したオメガバルバトス・アステールはMS形態に戻るとバーストメイスカスタムを手にして突撃する。
バーストメイスカスタムを振るおうとするが、オメガバルバトス・アステールの真横からビームが飛んでくるとオメガバルバトス・アステールはGNフィールドを使って防ぐ。
「伏兵か。このビームは環ちゃんか」
「それだけじゃないんだな! これが!」
小惑星の影からガンダムAGE-2 マッハが飛び出してきてハイパードッズランサーを突き出す。
それをバーストメイスカスタムで受け止める。
「ちっ」
「後ろががら空きだ!」
更に背後にはガンダムX斬撃が大太刀を振るい、シド丸のビームライフルからビームサーベルを出して防ぐ。
2機の攻撃を防ぐが更に別方向からの弾丸がオメガバルバトス・アステールを襲う。
オメガバルバトス・アステールはAGE-2 マッハを弾き飛ばすと攻撃を回避する。
「レオか」
「悪く思うなよ。大我をしとめるにはこのくらいしないとダメだってのてのが俺らの監督の考えなんでな」
ネビュラアストレイがレールバズーカを撃ち、グシオンシューティングスターもレールガンを撃つ。
オメガバルバトス・アステールは攻撃を回避しながらシド丸のビームライフルで応戦する。
「5機か。それにこのメンツ……あの鬼ババアは本気で俺を潰しに来たか」
日本は圧倒的な戦闘能力を持つ大我のオメガバルバトス・アステールへの対処法として珠樹、千鶴、光一郎、右京、レオの5人をぶつけた。
初手の狙撃は向こうも分かっていたところで千鶴の実力なら打撃を与えれると予測し、その後向こうはそこから狙撃者の位置を割り出して来ることも想定した。
そして、狙撃者を潰すとすれば大我が単機で向かってくることを想定し、伏兵を置いた。
これまでの戦いからアメリカ代表チームは高い索敵能力を持つガンプラの存在も推測できたが、大我の性格上、狙撃者の周囲に敵がいたところで一人で全て倒せばいいと臆することはない事まで読んでいた。
「上等だ。全部まとめてぶっ潰してやるよ」
オメガバルバトス・アステールはバーストメイスカスタムを構えて突撃する。
ウイングゼロエトワールがツインバスターライフルでけん制を入れる。
その間にAGE-2 マッハとガンダムX斬月が左右から回り込んで近接戦闘を仕掛ける。
ガンダムX斬月の大太刀をバーストメイスカスタムで弾き、AGE-2 マッハのハイパードッズランサーの一撃を左腕のチェーンソーブレードで受け止める。
同時に両肩のブレードプルーマを射出してAGE-2 マッハを狙う。
「おっと!」
AGE-2 マッハは距離を取りながらハイパードッズランサーのライフルモードでオメガバルバトス・アステールを狙う。
それに合わせてネビュラアストレイもレールバズーカを撃つ。
2機の攻撃を回避しながらシド丸のビームライフルで応戦する。
追尾するビームをかわしながらガンダムX斬月が大太刀で切り込んでくる。
オメガバルバトス・アステールは腰のワイヤーブレードを射出する。
ワイヤーブレードをガンダムX斬月は大太刀で弾き、グシオンシューティングスターが小惑星の間から背部レールガンを撃ち込んでくる。
「ちっ」
グシオンシューティングスターの攻撃をかわすが、ウイングゼロエトワールのビームをGNフィールドで防ぐ。
「悪いな! 今日は攻めさせなくてさ!」
ネビュラアストレイはレールバズーカを捨てるとスレッジハンマーで殴りかかる。
バーストメイスカスタムで受け止めるが、ネビュラアストレイの膝装甲に収納されているプリスティスのビームサーベルが展開される。
オメガバルバトス・アステールは胸部の大口径バルカンを撃ちながら後退する。
「逃がすかよ!」
ネビュラアストレイは5基のドラグーンを展開して追撃する。
「有線に替えてきたか」
「当然!」
ネビュラアストレイのドラグーンはベース機とは違い無線式だったが、前回のバトルでオメガバルバトス・アステールには誘導兵器のコントロールを得るNT-Dが搭載されていることを知っているため、ドラグーンの制御を奪われないために有線式に替えてきている。
ドラグーンのビームの合間を縫ってAGE-2 マッハとガンダムX斬月が接近してくる。
それをいなしたところにグシオンシューティングスターのレールライフルがオメガバルバトス・アステールに直撃し、更にウイングゼロエトワールのビームが飛んでくる。
ウイングゼロエトワールのビームはGNフィールドを展開して何とか防ぐことが出来た。
「ウザいな」
大我の対策に5機を当てるだけでなく、もう一つ指示が出されていた。
それはとにかく攻め続けることだ。
オメガバルバトス・アステールの圧倒的な攻撃力に対して少しでも守りの姿勢を見せてしまえば大我の勢いに押されて逆転はできなくなる。
それを防ぐためにも常に攻め続けて大我に好き勝手にはさせなければならない。
オメガバルバトス・アステールは攻撃力だけではなく防御能力に関しても圧倒的だが、無敵ではない。
攻撃を続ければいずれは限界は来る。
5対1で押しているのは日本のように見えるが、少しでも攻撃の手を緩めてしまえばそこで流れを強引に持っていかれてしまう。
「まあいいさ。どんな手で来ようと関係ない。お前たちを全部ぶっ潰せばどれかがフラッグ機なんだ。確率は10分の1。10回やれば確実に当たる計算だからな」
オメガバルバトス・アステールはバーストメイスカスタムを構える突撃する。
「ありゃ……大我めっちゃ囲まれてるんだけど。この形状的に向こうは主力を半分も当ててきたみたいよ」
バトルが始まり、リヴィエールのスローネ・ジーニアスがGNサーチフィールドを展開し、大我の状況を把握する。
「そう来たか……リヴィエール。位置情報をディランに。ディランはクロエを連れて援護に向かってくれ」
ルークは大我の実力を信じている。
だが、向こうも勝算があってこの作戦で来ている以上は楽観はできない。
ディランのZガンダム・シュテルンならウェブライダー形態でクロエのFXエステレラを速やかに運ぶこともできる。
「残念だけど……来た」
「貰ったよ!」
リヴィエールが大我の位置を送る前にスローネ・ジーニアスの前に貴音のキマリス・トライデントが飛び出してくる。
キマリス・トライデントはデストロイヤーランスをスローネ・ジーニアス目掛けて振るう。
その一撃はスローネ・ジーニアスを確実に捉えていたはずだったが、デストロイヤーランスはスローネ・ジーニアスをすり抜けた。
「うっそ! 手応えなし!」
「下がれ。貴音」
高い機動力を活かして突撃してきたキマリス・トライデントの後方からデュナメスXペストがGNロングキャノンで援護射撃を入れてキマリス・トライデントは後退する。
「接近されていた? いくら高機動とは言えサーチフィールドを誤魔化すのは不可能だ。リヴィエール。気づいていたんだろう?」
「まぁね。でもこっちがそれに気づいた素振りを見せればさ。向こうだって別の手を打ってくるじゃない? なら向こうの思惑に乗っていた方がこっちも相手の出方が分かる分やりやすいじゃん。それに余計な手を出さなくても私のバルバトスは負けない」
「……全く」
リヴィエールは敵が接近していることに気づいていたが、ここまで接近してくるまでわざと黙っていたらしい。
ここでリヴィエールを責めたところで本人は気にすることもなく、大事なのは過ぎたことをグチグチと責めるのではなく頭を切り替えることだ。
「リヴィエール。来ているのは2機だけじゃないはずだ。他のガンプラの位置情報をこっちに。クロエ、あのキマリスは任せた」
「了解」
指示を受けてFXエステレラはスタングルライフルⅠBを撃ちながらキマリス・トライデントを追撃する。
リヴィエールから貴音と諒真以外の日本代表チームの位置情報がルークの元に送られてくる。
「来たか……先手は取らせてもらう」
ソルエクシアは機体の方向を変えてGNビッグキャノンを最大出力で放つ。
「来るぞ。散開!」
貴音たちとは別ルートから龍牙、史郎、源之助のガンプラがアメリカ代表チームに接近していたが、位置は向こうにも筒抜けでソルエクシアの粒子ビームが飛んでくる。
3機はすぐに散開して攻撃をかわす。
「監督の言うように向こうには相当な目を持った奴がいるということか。敵が来るぞ」
「俺が前に出ます!」
砲撃が終わるとすぐにジェイクのスターユニコーンがメガビームライフルを撃ちながら接近してくる。
「こそこそとご苦労なこったな!」
スターユニコーンにバーニングドラゴンデスティニーはビームナックルで殴り掛かる。
「当たるかよ!」
ビームナックルをかわすとメガビームライフルを撃つ。
バーニングドラゴンデスティニーはビームシールドで身を守り、スターユニコーンはバックパックのフィンファンネルを射出する。
「ファンネルか!」
バーニングドラゴンデスティニーは頭部のバルカンでフィンファンネルをけん制する。
フィンファンネルはバーニングドラゴンデスティニーを囲むように展開されるが、後方からAGE-3 オリジンがダブルシグマシスライフルを撃ち、射線上のフィンファンネルを破壊する。
「神君!」
「助かります!」
バーニングドラゴンデスティニーは4枚の炎の翼を展開して急加速するとフィンファンネルの包囲を破り、スターユニコーンに突撃する。
ビームナックルをシールドで受け流すと、AGE-3 オリジンのミサイルが飛んでくる。
それをフィンファンネルとバルカン、メガビームライフルで迎撃する。
ミサイルは全て迎撃できたが、ミサイルを撃墜した爆風からバーニングドラゴンデスティニーが飛び出してくる。
「コイツで!」
炎の翼で加速した一撃をスターユニコーンはシールドで受け止める。
シールドのIフィールドである程度は無効化しているが、完全にはビームナックルを無効化しきれはいない。
「打ち抜く!」
バーニングドラゴンデスティニーは拳を振りぬき、スターユニコーンは弾き飛ばされる。
シールドは完全に破壊されることはなかったが、Iフィールド発生装置は完全に潰されている。
「ちぃ!」
体勢を崩しながらもメガビームライフルを向けるが、回り込んでいた闘魂デュエルがビームライフルを撃ってメガビームライフルは破壊される。
「くそが!」
「良いガンプラだが、ファイターが頭に血を上らせていては活かしきれていないな」
闘魂デュエルはビームサーベルで切りかかり、スターユニコーンもビームトンファーで受け止める。
そこにAGE-3 オリジンがシグマシスダブルライフルを撃つ。
闘魂デュエルを蹴り飛ばすと脚部のグレネードランチャーを撃ち、闘魂デュエルはシールドで身を守る。
AGE-3 オリジンのビームをシールドで防ぐが、すでにシールドのIフィールドは使えずシールドは破壊された。
「神! 今だ!」
「はい!」
バーニングドラゴンデスティニーは両腕にビームナックルを出して加速する。
スターユニコーンも両腕にビームトンファーを出して迎え撃つ。
「ようやくここまで来たんだ……」
スターユニコーンのビームトンファーをバーニングドラゴンデスティニーは腕を蹴り飛ばして防ぐ。
「例え大我と直接戦える機会がないかも知れなくても!」
もう片方のビームトンファーの突きをギリギリのところでかわす。
「それでも!」
突き出していた腕をバーニングドラゴンデスティニーは掴むと拳を引っ込める。
「俺たちは勝つんだ!」
「ちくしょう!」
バーニングドラゴンデスティニーのビームナックルがスターユニコーンの胴体に打ち込まれる。
その一撃はスターユニコーンを打ち抜き破壊した。
「いい加減に鬱陶しくなってきたな」
オメガバルバトス・アステールは拡散ビームを撃つ。
「5対1でも互角に戦うのがやっとか……リヴィエールの奴とんでもない化け物を作りやがって」
ネビュラアストレイはビームライフルとシールドのビームキャノンを撃つ。
「泣き言はなし。ドンドン攻撃する」
ウイングゼロエトワールがツインバスターライフルを左右で時間差をつけて連射する。
オメガバルバトス・アステールは小惑星の間を縫うようにビームをかわすが、AGE-2 マッハとガンダムX斬月が挟み込む。
「そっちに動きは大体わかった。次は俺がぶっ潰す番だ」
2機が同時攻撃をしようとすると、オメガバルバトス・アステールは青く発光すると2機の攻撃は空を切る。
オメガバルバトス・アステールはバーストモードを起動して攻撃をかわしたようだ。
「ようやく本気を出して来たってわけか! 面白くなってきた!」
AGE-2 マッハはハイパードッズランサーをランスモードで突撃しようとする。
しかし、AGE-2 マッハとガンダムX斬月の周囲にはすでに胞子ビットが展開されていた。
大我はバーストモード発動時の発光で目くらましをしたのと同時に胞子ビットも展開していたのだ。
「……マジかよ」
2機を囲む胞子ビットは一斉に2機に襲い掛かる。
その間にオメガバルバトス・アステールは後方にいたグシオンシューティングスターの方に向かっていく。
「狙いは私? でも」
オメガバルバトス・アステールがバーストモードで強化された機動力で迫るが、千鶴は落ち着いて狙いを定める。
バーストモードを起動していたとしてもこの距離なら冷静に狙いをつければ当てる自信はある。
すでにダインスレイヴを撃つためのエネルギーもチャージしている。
千鶴はオメガバルバトス・アステールに狙いを定めて引き金を引いた。
その瞬間に千鶴は直撃させる手応えを感じていた。
弾丸はオメガバルバトス・アステールに吸い寄せられるように飛んでいき、直撃を確信した次の瞬間、オメガバルバトス・アステールは機体を少しだけずらして弾丸を回避したのだ。
「避けられた!」
オメガバルバトス・アステールはバーストモードと同時にナイトロを使って大我の反応速度を上げて狙撃をギリギリのところで回避した。
避けられたことに驚く千鶴だが、すぐに頭を切り替えてリニアライフルを撃とうとする。
千鶴が引き金を引くよりも早くリニアライフルにブレードプルーマが突き刺さる。
すぐにリニアライフルを捨てて、膝のウェポンコンテナからライフルを取り出すが、その間にオメガバルバトス・アステールは腰のワイヤーブレードの射程にグシオンシューティングスターを入れていた。
射出されたワイヤーブレードはグシオンシューティングスターの両腕に突き刺さると引き寄せる。
「しまっ!」
グシオンシューティングスターは勢いよくオメガバルバトス・アステールに引き寄せられると2機が激しく激突する。
バーストモードで勢いをつけている上に度重なる武装強化とシド丸との合体で大質量のオメガバルバトス・アステールはその機体そのものが凶器と化していた。
ぶつかる直前にオメガバルバトス・アステールは前方にGNフィールドを展開していたため、無傷だがグシオンシューティングスターは大打撃を受けてしまった。
激突時の衝撃で千鶴は自分のガンプラの状況を確認する余裕もないが、撃墜されてもおかしくはないレベルのダメージだが辛うじて戦闘は可能なようだった。
「っ……まだ」
千鶴はすぐに状態を確認しようとするが、モニターに映る右腕にはまだワイヤーブレードが突き刺さっていた。
左腕は激突の時に肩からもげている。
肩のレールガンは左肩の物は腕ごと失っており、右肩の物は吹き飛ばされたときに小惑星にでもぶつけたのか砲身が曲がって使えそうにない。
バックパックのサブアームは片方は動くがもう片方は衝撃で機能不全を起こして使えない。
もっともサブアームが使えたとところでバックパックのウェポンコンテナはどこかに吹き飛んでいるため余り意味はない。
そして、状況を把握したところでワイヤーブレードを巻き戻して再びオメガバルバトス・アステールの方に引き寄せられていく。
モニターにはバーストメイスカスタムの先端を高速で回転させて振りかぶるオメガバルバトス・アステールの姿が映される。
「……ごめん」
千鶴は打つ手もなくただ撃墜を待つしかなかった。
オメガバルバトス・アステールはバーストメイスカスタムを力の限り振るう。
引き寄せられるグシオンシューティングスターにタイミングを完璧に合わせて振られたバーストメイスカスタムによりグシオンシューティングスターは一撃で粉砕された。
「まずはウザったいグシオンは始末した。次はどいつにするかな」
オメガバルバトス・アステールは次なる獲物を求める。
小惑星の影からネビュラアストレイがビームキャノンを撃ちながらスレッジハンマーを手に突撃してくる。
「次はお前かレオ」
「全国大会の時のようにはいかないぜ! 大我!」
ネビュラアストレイのスレッジハンマーを左腕のチェーンソーブレードで受け止めるとバーストメイスカスタムを突き出す。
だが、ネビュラアストレイは退いてかわすとドラグーンを射出する。
全方位からの攻撃をオメガバルバトス・アステールはかわす。
「その巨体でちょこまかと!」
ネビュラアストレイはドラグーンの攻撃をかわすオメガバルバトス・アステールにシールドのビームキャノンを向ける。
ビームキャノンを撃とうとするが、レオは機体が引っ張られるような感覚を感じた。
「何だ……大我の奴まさか!」
レオも大我が何をしたかを悟るがすでに遅かった。
大我は攻撃をかわすだけでなく、レオがNT-D対策として加えたドラグーンのワイヤーに自信を絡ませたのだ。
それによりネビュラアストレイはオメガバルバトス・アステールの動きにワイヤーで引き寄せられてしまう。
「逃げられねぇ!」
ネビュラアストレイはワイヤーに引っ張られ小惑星に激突しないようにするので精一杯だ。
オメガバルバトス・アステールの動きを止めようにもシド丸とのドッキングで推力が強化されているオメガバルバトス・アステールを止めることはできない。
「こうなったら仕方がない!」
脱出の策がないわけではなかったが、リスクも伴うがこのまま好き勝手にさせる訳にもいかなかった。
ネビュラアストレイはドラグーンを本体をつなぐワイヤーを切断した。
それによりネビュラアストレイは解放される。
同時にドラグーンの砲門が一斉にネビュラアストレイに向けられた。
「……そう来るよな」
ネビュラアストレイはビームキャノンでドラグーンを1つ落とすと近くのドラグーンをスレッジハンマーで破壊する。
残る3つのドラグーンから一斉にビームがネビュラアストレイ目掛けて発射される。
ドラグーンのワイヤーを切断して逃れたときにオメガバルバトス・アステールはNT-Dを起動してドラグーンのコントロールを奪取していたのだ。
「行ってこい」
コントロールを奪取されたドラグーンは一斉にネビュラアストレイへと向かっていく。
「データとは言え自分のガンプラの一部を破壊するのは良い気はしないけどな!」
ドラグーンのビームを回避しながらネビュラアストレイはスレッジハンマーでドラグーンを破壊する。
残る2基のドラグーンの内、1基のドラグーンの攻撃をシールドで防いでいるともう片方のドラグーンが背後に回り接近していた。
「なっ!」
ドラグーンはネビュラアストレイの右腕に突き刺さると同時にビームを撃ち、ネビュラアストレイの右腕を吹き飛ばす。
ゼロ距離でビームを撃ったため、ドラグーンも爆発の巻き沿いになり破壊されている。
「大我の奴……人のガンプラだからって扱いが雑過ぎるぞ」
「使いなれていない武器をいつまでも使う馬鹿はいないだろ。だからコイツも返すぞ」
オメガバルバトス・アステールの左手には奪われた最後のドラグーンが掴まれていた。
そして、オメガバルバトス・アステールは勢いよくドラグーンを投擲する。
ドラグーンが自分で加速するよりも早くドラグーンは飛ばされ、ネビュラアストレイのバックパックに突き刺さる。
「ふざけんな! んな返し方があるかよ!」
「俺とお前の仲だ。気にするな」
「お前は少しは気にしろ!」
ネビュラアストレイはシールドのビームキャノンで迫るオメガバルバトス・アステールを迎え撃つがオメガバルバトス・アステールはGNフィールドで身を守りながら突撃してくる。
「ちぃ! この損傷じゃ逃げるのは不可能! 逃げたところで大我をしとめないと勝ちはない! なら!」
大我がフラッグ機であることは間違いはない。
ここで逃げたところで大我を倒さねばチームの勝利はない。
そして、逃げようとしても今のネビュラアストレイの状況では逃げ切ることもできない。
ネビュラアストレイはシールドからビームソードを展開して迎えうる構えを取る。
「逃がさないけど逃げてもいいんだぞ」
「冗談(狙うは関節、チャンスは1度……)」
いくら装甲にビームコーティングがされていようとも関節まではされていない。
相手の攻撃に合わせて関節を狙えば手傷くらいは負わせられる。
それで自分がやられようともオメガバルバトス・アステールに手傷を負わせられれば残る仲間が少しでも有利に戦える。
レオは自分がやられることを覚悟して落ち着いてタイミングを見計らう。
「……今、だぁ!」
迫るオメガバルバトス・アステールにカウンターでタイミングを見計らい、捨て身の一閃を繰り出そうとした瞬間、ネビュラアストレイのバックパックに刺さっていたドラグーンのスラスターから推進剤が噴射された。
突き刺さっていたドラグーンはいまだにオメガバルバトス・アステールの制御化に置かれていて、レオがカウンターを仕掛けるタイミングに合わせてスラスターを使った。
それ自体はネビュラアストレイに大きな影響を与えるほどではなかったが、意識を完全にオメガバルバトス・アステールに向けてていたレオの集中を乱すには十分だった。
一瞬だが、その隙が致命的となり、ネビュラアストレイはカウンターを仕掛けることが出来ずにオメガバルバトス・アステールのバーストメイスカスタムにより粉砕された。
「これで2機目……っと!」
オメガバルバトス・アステールがネビュラアストレイを仕留め、息をつく間も与えずに高出力のビームがオメガバルバトス・アステールを飲み込む。
ビームの掃射が止まるとオメガバルバトス・アステールはトランザムGNフィールドを展開して身を守っていた。
「トランザム……使った」
ビームを撃ったのは珠樹のウイングゼロエトワールのようで、ビームの掃射が終わったところに胞子ビットを片付けてきたガンダムAGE-2マッハがハイパードッズランサーを構えて突っ込んでくる。
「これでしばらくはGNフィールドは使えないんだろ!」
AGE-2マッハの攻撃をバーストメイスカスタムの柄で受け止める。
「お前たちをぶっ潰すのには他ので十分なんだよ」
AGE-2マッハを弾くと後ろからガンダムX斬月が切りかかってきて、ガンダムX斬月を蹴り飛ばすとウイングゼロエトワールがツインバスターライフルを左右でタイミングをずらして売ってくる。
「とはいえ、あのビームをそう何度も直撃はしたくないな」
対ビームコーティングがされているとは言え、ツインバスターライフルの攻撃を何度も受け続ければコーティングの効果も薄れて来る。
トランザムを使ったことで今はGNフィールドが使えない。
向こうはそれを見越してトランザムを使わせたのだろう。
オメガバルバトス・アステールを挟み込むようにAGE-2 マッハとガンダムX斬月がビームを撃つ。
「お前らもいい加減鬱陶しんだよ」
オメガバルバトス・アステールは胞子ビットを展開する。
展開された胞子ビットはAGE-2 マッハとガンダムX斬月に向かっていく。
2機は退きながら胞子ビットを迎撃していく。
「またこれか!」
胞子ビットを迎撃していたAGE-2 マッハだったが、完全には対応しきれずにハイパードッズランサーに被弾しすぐにハイパードッズランサーを捨てる。
すぐに片手にハンドガンをもう片方にビームサーベルを持つとハンドガンで胞子ビットを撃ち落とし、落としきれないものはビームサーベルで切り払う。
「やられてたまるかよ!」
全方位から来る胞子ビットを迎撃するAGE-2 マッハを援護するためにツインバスターライフルを向けるウイングゼロエトワールだったが、シド丸の追尾するビームが襲い掛かり回避する。
その間にも胞子ビットはAGE-2 マッハを襲う。
並のダイバーならとうに捌ききれずに被弾するか撃墜されるかというほどの攻撃だが、AGE-2 マッハは防いでいた。
「ビットをいくら使ったところで防ぎきってやる!」
AGE-2 マッハは後ろから来る攻撃に対して振り向きざまにビームサーベルを振るう。
「ビットじゃっ!」
後ろから来た攻撃は胞子ビットではなく、ウイングゼロエトワールを狙っていた追尾するビームだった。
光一郎は瞬時に気づくもビームは軌道を少しだけづれてAGE-2 マッハの腕を撃ちぬいた。
「まずい!」
被弾したところに更に追尾するビームがAGE-2 マッハを襲う。
「まだやれる! 俺はっ!」
体勢を崩しながらもハンドガンを迫るビームに向けるも撃ち漏らしていた胞子ビットがもう片方の腕を吹き飛ばすと、ビームがAGE-2 マッハの頭部を撃ちぬき、背後から迫るビームがバックパックを撃ちぬき、体勢を整えることすら許さずにビームがAGE-2 マッハの肩や胴体に直撃して撃墜した。
「キングもやられたのか?」
「人の心配をしている余裕はあるのか?」
ガンダムX斬月は胞子ビットを全て破壊していた。
AGE-2 マッハに向けられた胞子ビットよりもはるかに数が少なかったため、ガンダムX斬月の火力でも対応が可能だった。
しかし、胞子ビットや追尾するビームで相手していたウイングゼロエトワールやAGE-2 マッハとは違いガンダムX斬月の方にはオメガバルバトス・アステールが向かっていた。
「アンタとは戦う機会はなかったが、ガンダムXなら砲撃勝負とでもいこうじゃないか」
オメガバルバトス・アステールはシド丸の頭部を前方に展開するとアステールキャノンの発射体勢を取る。
サテライトシステムを使ってエネルギーをチャージしなくてもアステールキャノンはある程度の威力で撃つことは可能だ。
威力は最大出力には劣るものの、シド丸本体のエネルギーを使うだけで素早く撃つことが出来る。
「ぐっ!」
アステールキャノンが発射される直前にオメガバルバトス・アステールの腰のワイヤーブレードが射出され、ガンダムX斬月は大太刀で弾かさせられたため、発射されたときには回避行動は間に合わず大太刀で正面から受け止めざる負えなかった。
「この威力ならば!」
最大出力なら大太刀で防いだところで意味はないが、シド丸の本体に蓄積している分で撃っている今の威力ならば大太刀で正面から受け止めることは可能だった。
だが、いつまでも防ぎきれる物ではない。
下手に動けばビームに飲み込まれるため、根競べだ。
「防ぎきれさえすれば!」
アステールキャノンを正面から受け止めるガンダムX斬月だが、大太刀が限界を迎える前にビームの掃射が弱まりやがて終わりを迎えた。
ギリギリのところだが、何とかビームを凌ぎ攻勢に出ようとする。
「なん……だと」
しかし、その希望は脆くも打ち砕かれる。
ガンダムX斬月の前にはすでにオメガバルバトス・アステールが距離を詰めていた。
オメガバルバトス・アステールの後ろにはシド丸の姿がある。
それで右京は悟った。
アステールキャノンの砲撃の最中にオメガバルバトス・アステールはシド丸をビームを撃ちながら分離させていて本体は距離を詰めていたのだ。
最大出力で撃たなかったのもチャージの時間を省くためではなく、途中で分離させていても威力を落とさないためだった。
「接近戦が得意なんだろ? アンタ」
オメガバルバトスは膝のドリルニーを突き出す。
ガンダムX斬月はとっさに左腕でガードするが、ドリルニーは左腕を貫き、膝を引く際に左腕が肘からもげる。
「ぐっ! まだだ!」
ガンダムX斬月は左腕を失いながらも右腕だけで大太刀を振り落とすが、かわされオメガバルバトスの左腕のチェーンソーブレードで刃を砕かれるとバーストメイスカスタムが振るわれ胴体に直撃し、そのまま後ろにあった小惑星に叩きつけられガンダムX斬月は沈黙した。
「これで後は珠ちゃんだけだな」
「……ここまでやるとは正直予想外。だけど、負けない」
オメガバルバトスの背部にシド丸がドッキングする。
すでに待ち伏せの内4機は仕留めて、残りは珠樹一人だ。
この時点で日本代表の作戦は瓦解している。
それでも珠樹は自分たちの勝利を信じてツインバスターライフルを構える。
「いくら珠ちゃんでもそれだけは譲れないな。俺の邪魔をするなら珠ちゃんでもぶっ潰す」
「……それはできない。勝って決勝に行くのは私たちだから」
バルバトス・アステールとウイングゼロエトワールは互いの武器を構えると激突する。