ガンダムビルドダイバーズ~最上の星~   作:ケンヤ

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ビルダーズギルド

ソラと千鶴と共にフォース「トライダイバーズ」を結成した優人は早速フォースネストで今後の活動について話し合っていた。

 トライダイバーズのフォースネストはフォース結成時に与えられるフォースネストで中央にテーブルと数人分の椅子にモニターと最低限の物しかない。

 3人の所持しているダイバーポイントを使えば内装のグレードアップや通常のディメンジョンやアナザーワールドに配置できるフォースネストを購入することもできたが、千鶴が現状では必要ないと判断した。

 

「まず何から始めようか? 手始めにアナザーワールドに拠点でも構えるか?」

「無謀ね」

 

 優人の意見を千鶴がバッサリと切り捨てる。

 優人も思いつきで言ったため、却下されても気にした様子はない。

 

「現状でトライダイバーズのメンバーはこの3人。これから先、何をするにも人手が無さすぎる」

「だよな。上位のフォースだとメンバーが100人を超えるところもあるって聞くしな」

「そうね。100人を超える大規模なフォースをでなくとも上位にもなると少なくとも15人から20人程度はいるわね」

 

 GBNに多々あるフォースで多いところでは100人を超えるダイバーが所属しているフォースをもあるが、15人から20人程度が多いと言われている。

 それだけのダイバーがいれば数機で小隊を組んでもミッションや役割に応じて編成を変えることが出来る。

 そうすることで対戦相手のフォースやミッションに合わせてメンバーを変えることで勝率を上げることに繋がっている。

 

「まぁ上位のフォースはネームバリューがあるから人も集まり、メンバーをある程度は選別して入れることが出来るからそれだけの人数を集めることが出来るけど、私たちにはそれは難しい」

 

 千鶴の言うように上位フォースともなればフォースや所属ダイバーの名前だけで人を集めることが出来る。

 その中から今のフォースに必要な技能を持ったダイバーや実力の高いダイバーを入れることでフォースの総合力の強化にもつなげられる。

 現状のトライダイバーズは完全に無名のフォースで精々GBNきっての狙撃手である千鶴ことクレインくらいしか名前で人を集めることは出来ない。

 

「それに人を集めたところでチームとして機能させることもできないから、人数を集める必要はないわ」

 

 数が集まればそれだけフォースとしてやれることは多くなる。

 一方で人数が増えれば取りまとめることも難しくなる。

 上位のフォースではリーダーやエースの実力でまとめるか、結成してから何度もバトルを経て出来上がった信頼関係でフォースをまとめていることが多い。

 リーダーである優人はGBNを初めて間もなく大人数をまとめることは難しい。

 

「フォースとして活動する上で後……2人くらいいれば活動も楽になるわ」

「2人……5人で大丈夫なのか?」

「別にアナザーワールドで拠点を構える訳じゃないんだから大丈夫よ。幸いにも私たち3人の戦闘スタイルは被ってもないしね」

 

 優人のビルドナラティブは装甲を換装することで様々なタイプのガンプラになる換装タイプ。

 ソラのエアブラスターは可変機構を持つ高機動中距離タイプ。

 千鶴のメテオイージスは後方からの狙撃タイプと3人のガンプラの特徴は被ってはいない。

 

「今、必要なのは中距離からの火力支援機と前衛の近接戦闘が得意なダイバーよ」

 

 3機で編成となると優人が前衛で戦いソラは中距離で支援をしながら機動力でのかく乱、千鶴が後方からの狙撃支援となる。

 そこに近接戦闘型のガンプラが加われば優人が複数のアーマーを使い分けて相手や状況に合わせて動きやすくなる。

 中距離の火力支援機はソラのエアブラスターでは火力不足が否めず、千鶴のメテオイージスは基本的に戦場の遥か後方からの狙撃支援がメインとなるため、余り手数のある砲撃は行えない。

 

「成程な。やっぱクレインに仲間になって欲しいと頼んで正解だったな。俺たち2人だけじゃそこまでのことを考える余裕はないかったからな」

「流石、Sランクのダイバーってところだな」

 

 フォースのリーダーは優人だが、GBNでも経験においては千鶴は優人のみならずソラよりも豊富だ。

 フォースを作った後のことまでは中々気が回らず千鶴がいなければ無策で人員を補強するか適当なミッションを繰り返すくらいしかできることはなかっただろう。

 

「Sクラスなんて大したことはないわよ。ある程度効率のいいポイントの稼ぎ方を覚えれば1年もあればSクラスまでならなれるわ」

 

 ダイバーはそれぞれ個人のランクがある。

 一流のダイバーと呼ばれるには最低でもSクラスには到達する必要があり、その上にはSS、SSSとある。

 千鶴は現在Sクラスであり、優人やソラよりもはるかに高見にいる。

 だが、千鶴の言うようにSクラスまではある程度の実力と効率良くポイントを稼げるやり方さえ覚えてしまえばそんなに時間はかからず、ダイバー全体で見てもSクラス以上のダイバーは1000人以上はいる。

 もっともそれは千鶴の感覚であり10年以上GBNをプレイしてもSクラスはおろかAクラスにも届かないダイバーが大勢いる。

 

「私は戦闘スタイルからそこまで効率良くポイントを稼げてないからSクラスだけど、私の幼馴染の3姉弟は3人ともSSSクラスだし、私の兄もSSクラスだからSクラスと言っても大したことはないわ」

「凄いな」

「……なんかもう別次元だな」

 

 千鶴からすればSクラスであることはさほど凄い事ではないが、その域まで行けないソラからすればもはや別次元の話だ。

 

「それはおいておいて補強のことよ」

「クレインがいれば無理にリアルで探す必要もないよな」

 

 千鶴をスカウトする時はGBNの中よりも現実世界でGBNをプレイしている人を探そうとしていたが、千鶴が仲間になったことでそこに拘る必要もない。

 

「取り合えずだけど、一人心当たりがいるから聞いてみるわ」

「分かった。頼む」

 

 千鶴はコンソール画面を開くとフレンドリストを開くと目当てのダイバーがログインしているかを確認する。

 すると現在ログイン中であることが分かりすぐにメッセージを送る。

 

「向こうも暇してるみたいね。すぐに会えそうだけどどうする?」

「そうだな。すぐに会えるように頼んで欲しい」

「了解。そう送っておくわ」

 

 千鶴はメッセージを送り会う約束を取り付ける。

 それからすぐに3人は待ち合わせの場所に向かう事にする。

 待ち合わせの場所はエントランスのあるエリア内にあるカフェスペースだ。

 

「悪い。待たせた」

「そうでのないわよ。ジン」

 

 千鶴の心当たりはダイバーネーム『ジン』こと神龍牙だった。

 龍牙も今年高校を出てそれまでのフォースから抜けている事や接近戦においてはこれ以上ないダイバーでもある事もあって誘おうとした。

 

「クレインの心当たりってマジか。あの星鳳のジンか」

「凄いの?」

「凄い。星鳳高校と言えばジュニアクラスの全国大会でここ3年間で2年連続で準優勝で去年は優勝して、東京じゃクレインの母校の皇女子高校と並ぶ名門だよ。それでジンは1年の時からのレギュラーになるほどの実力者だ」

 

 優人には高校ガンプラバトルの力関係には良く分からないが、龍牙が実力者だという事だけは理解できた。

 星鳳高校はこの3年間で高校ガンプラバトルの名門校の一つに数えられるだけに成長した。

 アメリカが優勝した世界大会で実力をつけた龍牙率いる星鳳高校は翌年の全国大会でも活躍し決勝戦で皇女子と当たり惜しくも敗れて準優勝だったが、去年の龍牙や千鶴の最後の全国大会では因縁の皇女子高校に勝利して優勝した。

 

「久しぶり……ジン。その恰好は?」

「おっ気づいたか。なんの因果か俺は今、タイガ団で殴り込み隊長をやってんだよ。だから悪いけどそっちには入れない」

 

 龍牙のダイバールックには以前には使っていなかった鉄華団のジャケットを着ていた。

 その背中にはデカデカと大我の二文字が掛かれているのを龍牙は見せる。

 

「何でまた?」

 

 取り合えず座ると千鶴は率直な疑問を口にする。

 トライダイバーズにスカウトできないのは残念だが、それ以上にそっちの方が気になった。

 龍牙は大我に勝つことを目標にしていた。

 そんな龍牙が大我の下にいるという事に疑問を持つのは当然だ。

 

「アイツに勝つためにはアイツの近くにいてアイツの事を研究するのが一番だと思ってな」

 

 龍牙自身、まだ大我に勝つつもりはあるようだ。

 そのために大我と同じフォースで大我の事を研究するために大我の下に入る事にしたらしい。

 

「それで何か分かったの?」

「まぁな。高校で同じ部活にいたときは向こうはこっちの事なんて眼中になかったけど、今は仲間として認めてはくれているみたいで前よりかは近くで見れてるよ」

 

 龍牙と大我は高校の3年間同じクラスだったが、1年の時は龍牙が一方的にライバル視していたが大我は龍牙に対しては一切の興味がなく、後で知った事だが大我は龍牙の事は同じ部活のクラスメイトという認識すらほとんどなく、名前すらまともに覚えてはいなかったらしい。

 だが、今では同じフォースの仲間としては見られているらしく、根本的な言動には変わりはないが仲間意識だけは持っているらしい。

 

「より近くで見れるからこそアイツの実力が化け物染みてるのが分かるよ。一度、アイツのバルバトスを使わせてもらった事があってさ。あのバルバトスは重武装が故に重量のバランスがシビアで反応速度もピーキー過ぎて少し動かしただけでも反応してバランスを崩すんだよ。たぶん、ガンプラの駆動プログラムにまで手を付けてダイバーの操縦の癖とかに最適化してる」

「そこまで?」

 

 龍牙は一度、大我にオメガバルバトス・アステールを使わせて欲しいと頼んだ事があった。

 断られる事を覚悟のダメ元での頼みだったが、意外とすんなり使わせて貰う事が出来た。

 そこで龍牙は身をもってその力を思い知る事となった。

 オメガバルバトス・アステールは度重なる武装強化による重装備を作ったリヴィエールの神かかった制作技術でバランスを保っているため、少しでも操縦をミスるとバランスを崩して自滅する。

 そのうえ、ガンプラの反応速度が以上に速い。

 龍牙の見立てではガンプラの駆動プログラムにも手を加えられているのではないかと見た。

 駆動プログラムはダイバーが自分で設定することで自分のガンプラの動きを自由にすることが出来る。

 だが、細かく設定するにはプログラムの専門的な知識が必要となるため、ほとんどのダイバーはそこまで手を付ける事はなく、手を加えるとしてもファンネルなどの遠隔操作武器の挙動パターンを作る時くらいだ。

 そんなところにまでオメガバルバトス・アステールは手が加えられている事が強さの一端であり、そんなじゃじゃ馬を大我は完璧に乗りこなしているのであった。

 

「ああ。我ながらとんでもない目標だよ」

 

 龍牙はそういうが、そこには後悔している様子はなくどこか楽し気でもあった。

 

「そう。ならブレイクデカールとかは使わないの?」

 

 千鶴から出たブレイクデカールという単語にそれまでは話しに入れなかった優人もピクリと反応した。

 これまでにも何度もブレイクデカールを使うダイバーと戦った事はあるが、初めて戦った相手が相手の疲弊したところを狙うといった余り褒められたやり方ではない事をしたこともあって優人の中には若干、ブレイクデカールに関してはあまりいい印象はない。

 

「最近流行ってるってアレか。ウチは今レギオンの傘下に入ってて、そのレギオンはブレイクデカールに関しては否定的な立場だからな。まぁ俺らの大将は自分じゃ使わないけど弱い奴はどんどん使った方が少しはマシな相手になるからって推奨してるけどな」

 

 ブレイクデカールの是非にGBN全体でも割れているが、レギオンは否定的な立場を取っている。

 一方の大我はどちらかと言えば肯定的だ。

 自分は必要ないが、相手が使う事に関しては弱い相手はブレイクデカールを使ってくれた方がマシな戦いができるという理由からだ。

 

「アイツと同じフォースになって分かった事なんだけどさ。アイツは自分の目標とするところに最短距離で真っ直ぐ突っ走るんだよ。でも最短距離で突っ走っても楽な方にか行かないんだよ。障害があって少し遠回りをした方が楽になることがあってもアイツは障害を力でブチぶって最短距離を選ぶ。そんな奴だ」

 

 それが大我と同じフォースで戦って分かった事だ。

 少し回り道すれば楽になることでも大我は障害を蹴散らしてでも自分の進む道を譲らない。

 

「確かにブレイクデカールを使えば簡単にアイツとの差は縮まるのかも知れない。けど、アイツが楽な道を選ばないのに俺が楽な道を選んだらたぶん、差は縮まっても一生アイツには届かない気がする。だから、俺は俺の拳があるから、これまでやってきた事を信じてな。クレインだってそうだろ?」

 

 その言葉に千鶴も頷く。

 ブレイクデカールが広まっているのは初心者や低ランクのダイバーが中心だ。

 上位のフォースやダイバーにはブレイクデカールを使うダイバーはまずいない。

 上位にまで上り詰める過程で自分の戦闘スタイルを確立し、そこに自信を持つため、上位のダイバー達の間ではブレイクデカールを使う必要性がなく、ブレイクデカールの是非についても個人の自由として否定も肯定もしないケースが多い。

 

「でだ。クレイン達はメンバーの補充を考えてんだろ?」

「ええ。だからジンを誘おうとしたんだんだけど」

「なら、俺の方からちょうどいい奴がいるんだけど」

 

 千鶴はチラリと優人の方を見る。

 

「良いんですか?」

「ああ。今すぐにってわけじゃないけど、3日後なら」

「お願いします」

 

 優人は龍牙に頭を下げる。

 龍牙をスカウトできなかったが、龍牙の紹介ならば信用もできる。

 この日は次の約束を取り付けて解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから3日後、優人達は龍牙に指定された場所に到着した。

 そこには仮想空間とは思えないほどの熱気に包まれていた。

 

「凄い活気だけど何やってんだろ?」

「これはガンプラ市ね」

 

 ガンプラ市とは有志のダイバー達がディメンジョン内でパーツデータのやり取りをする場の総称だ。

 規模な主催するフォースによってさまざまで毎回持ち寄られるパーツデータも様々だ。

 

「ここの主催はビルダーズギルドか。ビルダー系フォースの大手じゃないか」

「ビルダー系フォース?」

 

 優人は聞きなれない単語に首をかしげる。

 

「フォースと一言にいってもいろいろと活動目的があってビルダー系ギルドはビルダーたちで構成されたフォースよ」

 

 一般的で大半のフォースの活動は個人やフォースのランクを上げる事だがそれ以外の活動をメインに行うフォースも少なくはない。

 ビルダー系フォースとは一般的にビルダーで構成されたフォースであり、活動内容としてはバトルよりもガンプラの制作をメインに行い、GBNの運営が定期的に開くガンプラコンテストへの出店や自分の作ったガンプラを持ち寄る意見交換会やガンプラ市で作ったパーツデータの販売などだ。

 他にも探索や採取のミッションをメインするするフォースや動画配信をメインにするフォース、様々な情報を収集しては情報を売買するフォースなど、フォースの活動は多岐に渡り、バトル以外でも様々な事がGBNではできる。

 その中でもビルダーズギルドはビルダー系のフォースでは大手の一つでありビルダーズギルド製のパーツデータの性能はビルダーズギルドブランドとして名高い。

 

「ビルダーズギルド製の中でも一部の高品質の武装はギルドマスターが認める一部にしか販売しないことでも有名ね」

「ちなみにグレイズアーミィのザジやタイガ団のリョウマさんのガンプラの武器にBGってロゴが入っていただろ? あのロゴが入った武器はビルダーズギルドブランドの中でもハイスペックの物に入れられるものだ」

「あれか」

 

 優人が過去に戦ったザジのグレイズラグナのランスシールドや諒真のガンダムクロノスXXのハイパークロノスキャノンには確かにBGのロゴが入っていた。

 それはビルダーズギルドの中でも通常販売されていない高スペックの装備にのみつけられるものだ。

 

「それは分かったけど、なんでジンさんは俺たちをここに呼んだんだろうな」

「たぶん、ビルダーズギルドはタイガ団の傘下なのは有名な話しでこれだけの規模のガンプラ市だから用心棒として警備を任されるからでしょうね」

 

 ビルダーズギルドはビルダー系フォースの大手という事以外にもタイガ団の傘下としても有名だ。

 GBNはバトル以外にも様々な楽しみ方ができるが、メインはバトルだ。

 ダイバーの中にはバトルの実力至上主義ともとれる程、バトルの実力で相手を見るダイバーも決して少なくはない。

 そういったダイバーからすればビルダー系フォースを始めとしたバトルを不得意にするフォースはまともにバトルの出来ないフォースだと露骨に見下し、同時にポイント稼ぎのための良いカモとして見られる事もある。

 そんなフォースから身を守る手段の一つとして武闘派フォースとの繋がりを持つ事があげられる。

 ビルダーズギルドもタイガ団の傘下のフォースであることを前面的に押し出す事で、他のフォースからの攻撃を減らしている。

 その見返りとしてタイガ団はビルダーズギルドから装備やガンプラ市での売り上げの一部を提供している。

 特に装備はタイガ団のみならずタイガ団傘下のフォースやNPDの装備の強化につなげている。

 また、ビルダーズギルドとしてもタイガ団たちが実践で自分たちの作った武器を使う事でデータ収集と共に武器の宣伝にも一役かっている。

 ちなみにビルダーズギルドのリーダーであるガクは龍牙や大我の高校時代の先輩に当たる川澄岳でその繋がりもあってタイガ団の傘下に入った経緯がある。

 

「おーい! こっちだ!」

 

 ガンプラ市をうろついていると龍牙が声をかけて来る。

 その後ろには一人のダイバーがいた。

 

「こんなところまで悪いな」

「構わないわ。どの道、見て回るつもりでもいたから」

 

 ビルダーズギルド主催のガンプラ市は売り出されている装備の質が高く、千鶴も毎回顔を出しては気に入った火器をポイントに糸目をつけずに買いあさるビルダーズギルドの上客でもある。

 龍牙に呼ばれずとも千鶴は来る気でいた。

 

「それでコイツはライト。グレイズアーミィ所属のダイバーなんだが、しばらくクレインのところで面倒を見て欲しいんだよ」

「初めまして。ライトです」

 

 ライトと紹介されたダイバーは少しオドオドしている。

 

「フォース、トライダイバーズのリーダーのユート。こっちがヤガミとクレイン。よろしくな」

「はい……よろしくお願いします」

 

 ライトはどこか浮かない表情をして答える。

 

(この感じだと彼は恐らく……)

 

 千鶴は口にこそ出さないがある程度の事情を察する。

 ダイバーがフォースを移籍することは珍しくはない。

 だが、移籍する際にはいろいろな事情がある。

 ライトの様子から移籍はあまり望んではいないことのようにも感じられた。

 本人が望まない移籍の理由としては大きく分けて2つある。

 1つ目はフォース内でのトラブルだ。

 ダイバー同士が人間である以上は合う合わないは当然あり、ちょっとした事で喧嘩となりフォースが瓦解することも多い。

 だからトラブルの原因をフォースから追放することで瓦解を最小限に抑えるためだ。

 しかし、見る限りではライトは問題を起こすようなタイプには見えず、そもそもタイガ団のリーダーである大我がフォース内でのトラブルメーカーという事もあり、常にどこかのフォースとは揉め事を起こしている。

 そんなタイガ団の傘下にいて追放されるほどのトラブルを起こすダイバーはいないだろう。

 何よりそれほどのダイバーを知り合いのフォースに面倒を見て欲しいとは言ってはこない。

 そうなるともう一つの可能性は戦力外通告によるものだ。

 フォースの中でもタイガ団は超武闘派のフォース。

 その傘下にもビルダーズギルドのようなビルダー系のフォースでなければ、戦闘能力は必須能力とされている。

 その中で戦力として数える事が出来ないからフォースから除名されるという事は上位を目指すフォースでは少なくはない。

 大我ならともかく、諒真や龍牙なら戦力にはならないからと言って一方的に除名にはしないで、別のフォースに移籍させるというのは考えられることだ。

 トライダイバーズなら新しいフォースで全体的な能力としても高くはなく、グレイズアーミィでは実力不足でも足手まといになることは少なく、自分たちと少なからず繋がりを持つダイバーがいるため、フォローもし易いと考えて龍牙が面倒を見て欲しいというのは十分に考えられる。

 

「そんじゃ俺は警備に戻るから後はよろしくな」

 

 龍牙はそう言って離れていく。

 龍牙もいなくなり4人でガンプラ市を回る事になった。

 道中、優人やソラがライトに話題を振るもライトは一言二言返すだけで会話が続かない。

 

「……済みません。僕なんかを押し付けられて」

 

 ふとライトが立ち止まりそう零す。

 

「押し付けるって……」

「僕も分かってるんです。僕なんかが団長たちと一緒に戦える訳はないんです」

 

 ライトも自分の実力は良く知っている。

 龍牙はしばらく面倒を見て欲しいと言っていたが、実質的にはグレイズアーミィを追い出されてたのだと。

 

「グレイズアーミィに入れたのだって運が良かっただけでみんなの足を引っ張ってばかりで……だから団長にも言われたんです。お前は向いてないって」

 

 ライトは少しづつ話し出す。

 ライトは3年前のジュニアクラスの世界大会決勝戦のアメリカVSギリシャ戦の互いのエース同士の一騎打ちを制した大我に憧れてGBNを始めた。

 それからグレイズアーミィに拾われて晴れてタイガ団の傘下フォースの一員となった。

 大我に関する評価としては両極端で、普段の誰に対しても喧嘩腰で、誰彼構わずに喧嘩を売っているスタイルに敵意を持つか、その圧倒的な実力に心酔するかだ。

 グレイズアーミィは後者でライトはその中でも群を抜いていた。

 そんなこともあり、ライトは大我から良くパシられていた。

 本人としては大我に使われる事に不満はなく、タイガ団でもライトは大我の弟分として見られていた。

 しかし、ある日突然大我はライトに対して『お前は向いていない』と言い、それから大我にパシられることもなくなり、今回の移籍と来ている。

 明確な移籍期間も決められていないため、ライトも自分が追放されたのではないかと確信している。

 

「そっか……ライトはそれでいいのか?」

「……言い訳ないですよ。団長は僕の憧れで目標だったんです。でも僕は団長やジンさんのようには戦えないし、みんなの足を引っぱるばかりで……」

「なら……強くなって見返してやろう」

 

 言葉の端々に諦めの見えるライトに優人はそういう。

 ライトの気持ちを全て理解できる訳ではないが、ライトの取れる行動としては諦めるか強くなるしかない。

 

「トライダイバーズは挑戦するダイバー達って意味なんだ。だからライトも俺たちの仲間になった以上は何かに挑戦して欲しい」

「……挑戦」

「ああ。ライトの場合は強くなって向こうの方から戻ってきて欲しいって頼まれるようになることかな」

 

 優人は冗談を交えてそういう。

 それはライトには思いもつかない事でもあった。

 誰よりも憧れ尊敬してきた大我から向いていないと言われた事で、絶望し強くなって見返すなんて事は思いもしなかった。

 

「でも……出来るんでしょうか? 僕なんかに」

「それは俺にも分からないけどさ。挑戦しなかったら出来ないって事は確かだよ」

 

 優人にも挑戦すれば必ず報われるかどうかなんてわかりはしない。

 それでも挑まなければ報われる事もないという事だけは言える。

 

「だからさ……俺たちと一緒に挑戦してみないか?」

 

 優人はそう言って手を差し出す。

 ライトは少し迷いながらもその手を掴む。

 

「……こんな僕でも良いなら」

「俺だってこの前始めたばかりなんだ。人の実力にあれこれ言えないよ。だからこれからよろしくな」

 

 しっかりと握手を交わし、ライトは正式にトライダイバーズの仲間となる。

 話しはまとまったと思った矢先、近くで爆発が起こる。

 

「何だ?」

「どうやら空気を読めない客のようね」

 

 ガンプラ市が行われているのはディメンジョンのフリーエリアの一画だ。

 商業エリアでの戦闘行為は禁止されているが、ガンプラ市はダイバーの有志による物で戦闘行為の禁止は暗黙の了解であり、運営から禁止されている行為ではない。

 そのため、ガンプラ市で売られているパーツデータを狙って襲撃してくるダイバーも存在する。

 

「マジかよ。タイガ団傘下のビルダーズギルドの武器を狙うとか正気かよ」

「まともなダイバーならガンプラ市を襲撃するなんてことはしないわ」

 

 普通ならタイガ団の傘下であるビルダーズギルドを相手に暴挙に出ればタイガ団と事を構えるため、そんな無謀な事はしないが、ガンプラ市を襲撃して商品を奪おうと考えるようなダイバーがまともな考えを持つ訳もない。

 

「とにかく避難しましょう」

「良いのか?」

「そういう時のために彼がいるのよ」

 

 千鶴がそういうとマシンガンを構えていたジンが吹き飛ばされる。

 そして、炎を纏う深紅のガンプラが姿を現す。

 

「たく……ずいぶんと俺らの看板も舐められたものだ」

 

 それは龍牙が新たなに制作したブレイジングデスティニーガンダムだった。

 これまでのバーニングドラゴンデスティニーを発展させるために新しく制作したデスティニーの改造機だ。

 腕部は以前と同じようにビームナックルとして使えるように改造し、バックパックの翼や武器を取り払い、運動性能を重視したシンプルな機体となっている。

 だが、右腕にはビルダーズギルドブランドを示すBGのロゴが入った大型のガントレットユニットであるブレジングナックルが装備されている。

 

「来いよ。タイガ団殴り込み隊長の実力を見せてやるよ」

「相手は1機だ! 構う事はねぇ!」

 

 先頭のシグーがマシンガンを構えるが、接近してきたブレイジングデスティニーのブレイジングナックルで粉砕される。

 

「次!」

 

 ビームシールドを張りながらジンアサルトを殴り飛ばす。

 

「火器もないのに凄い」

 

 頭部のバルカン以外の一切の火器を持たずに敵を薙ぎ払っていく様子を優人はただ驚くばかりだ。

 

「でも向こうもそこまで馬鹿じゃないようね」

 

 龍牙が戦っているところとは別の場所からも襲撃を受けているようだ。

 

「やっぱ放ってはおけない。俺たちも戦おう」

「だな。せっかく新しいメンバーも加わったのに水を差されたんだ。落とし前はつけないとな」

「まぁ少しお灸を据える必要はあるわね」

「……僕もやります」

 

 トライダイバーズは別動隊の方に向かう。

 

「ビルダーズギルドの武器は高く売れるんだ。根こそぎ貰っていくぞ!」

 

 別動隊の先陣を切っていたバクゥがビームによって撃ちぬかれた。

 

「貴方たちにはここにある武器の価値なんて分からないでしょうね」

 

 バクゥをしとめたのは千鶴のメテオイージスだった。

 メテオイージスはロングビームライフルで別のバクゥを撃ちぬく。

 

「くそったれ!」

 

 射程外からの攻撃で浮足たったところにエアブラスターに乗ったビルドナラティブがエクシアアーマーのGNソードでジンオーカーを切り裂く。

 

「アンタ達、いくら何でもこれはやり過ぎだ」

「はっ! どうせ作る事しか能のない雑魚どもなんだ。俺たちが有効利用してやるんだ感謝して欲しいくらいだ」

「……そうかよ」

 

 ビルドナラティブはゲイツをGNソードで切り裂く。

 

「制空権は俺に任せろ」

「分かった。地上の敵は俺がやる」

 

 上空ではエアブラスターがMS形態に変形するとディンの相手をする。

 ディンの攻撃をかわしながらエアブラスターはビームライフルで応戦しているとディンの翼に弾丸が撃ち込まれてバランスを崩したところをビームライフルで撃墜する。

 

「ナイスアシストだ」

「……偶然です」

 

 ディンの体勢を崩したのはライトだった。

 ライトのガンプラはグレイズアステル。

 グレイズ改弐をベースのしたガンプラだ。

 グレイズ改弐こと二代目流星号の特徴的なカラーリングや頭部のノーズアートをなくしてカラーリングは通常のグレイズの物に戻している。

 バックパックはバルバトス・ルプスレクスの物をベースにしてテイルブレイドの他にも左側にはルプス用の大型レールガン、右側にはレンチメイスが装備されている。

 手持ちの火器としてテイワズ系のアサルトライフルに右腕にはルプス用のロケット砲が装備されている。

 脚部は地上用のグレイズと同様に太もものスラスターに足の裏にはホバーユニットが装備されている。

 大型レールガンを構えるグレイズアステルは大型レールガンをバックパックに戻すとアサルトライフルを構える。

 

「……僕にだって」

 

 グレイズアステルはアサルトライフルを撃つが、ジンは機体を左右に振ってかわすと加速して接近する。

 

「この!」

 

 グレイズアステルはレンチメイスを振り下ろすが、ジンは回避して重斬刀を振るう。

 

「うぁぁぁ!」

 

 何とかレンチメイスの柄で受け止めたが、体勢が悪く力が入らない。

 

「ライト!」

 

 ビルドナラティブが援護に向かおうとするが、ミサイルが降り注ぎGNシールドで身を守る。

 

「私がやるわ」

「頼む!」

 

 ビルドナラティブはGNソードでシグーをシールドごと切り捨てる。

 そして、メテオイージスがジンの頭部を狙撃する。

 

「助かりました……」

「良いからしゃがむ」

 

 千鶴の指示通りにグレイズアステルはしゃがむとメテオイージスのビームが頭部を撃ちぬかれてよろけていたジンを撃ちぬく。

 ジンを撃破するとすぐに後方に控えていたザウードを狙撃する。

 

「数はそこまで多くはないようね」

「ああ……コイツで最後か」

 

 GNビームサーベルをバクゥに突き刺して破壊すると別動隊はこれで最後の一機らしい。

 

「いや……まだだ。何か来る!」

 

 ヤガミがそういうとエアブラスターの頭部と右肩をビームが貫く。

 

「ヤガミ!」

「……何とか大丈夫だ」

 

 エアブラスターは被弾箇所を失いながらも地上に降りる。

 

「こんな奴らに全滅かよ。所詮はアイツらも雑魚か」

 

 トライダイバーズの前に降り立ったのは火器運用試験型ゲイツ改。

 見た限りでは大幅な改造はされておらず、左腕にはゲイツ用のシールドが装備されている。

 後方からメテオイージスが狙撃するが、ビームはゲイツ改に当たる前に弾かれた。

 

「ビームが弾かれた?」

「無駄だ。俺のゲイツにそんな軟な攻撃など通用しないんだよ!」

 

 ゲイツ改からは黒いオーラのようなものが放たれている。

 

「……ブレイクデカールか」

「そういう事だ! テメェらもコイツの餌食になりな!」

 

 ゲイツ改はビームライフルを放つ。

 ビルドナラティブはGNソードで切りかかるがシールドで簡単に止められてしまう。

 

「ユートさん!」

 

 グレイズアステルがテイルブレードを射出するが、ゲイツ改に直撃してもダメージは与えられない。

 

「そんな!」

「よえぇ!」

 

 ビルドナラティブを弾き飛ばし、腰のレールガンを撃つが、レールガンの砲弾はメテオイージスが撃つ落とした。

 

「ちっ」

 

 ゲイツ改はシールドからビームクローを展開するとビルドナラティブを追撃する。

 ビルドナラティブはバルカンでけん制するも、ゲイツ改は気にする事なく突っ込んでビームクローを振るう。

 かわしきれないと優人は覚悟するが、メテオイージスの狙撃で攻撃の軌道を反らしてギリギリのところで回避する。

 

「助かったクレイン」

「けど、こうも攻撃が通らないのは厄介ね」

「雑魚の分際で!」

 

 ビルドナラティブはゲイツ改から距離を取る。

 

「テメェら生きて帰れると思うなよ!」

「それはこっちのセリフだ。馬鹿野郎」

 

 横からゾノが吹っ飛んでくる。

 

「ずいぶんと好き勝手に暴れてくれたな」

 

 正面から仕掛けてきた敵を全滅させてきたブレイジングデスティニーがトライダイバーズと合流した。

 

「それとトライダイバーズだったな。助かった。思った以上に数が多かったからな。後は俺に任せろ」

「けど、コイツはブレイクデカールで防御力をかなり強化してます! 俺たちも!」

 

 そういう優人を龍牙が制止させる。

 

「こっちも客にそこまでさせるつもりはないし、防御力を相当強化してんのか、上等だ」

 

 ブレイジングデスティニーは拳を構える。

 そして、一気に距離を詰めるとブレイジングナックルで殴り掛かる。 

 シールドで防ぐが、完全に勢いを殺し切れずにシールドが弾かれて飛んでいく。

 

「ちぃ!」

「どうした? そんなもんんか?」

 

 ゲイツ改は後退しながらシールドを回収する。

 

「防御には自信があるみたいだけどな。アイツはこんなもんじゃねぇぞ!」

 

 ブレイジングデスティニーが炎に包まれる。

 

「ブレイジングシステム……フルパワー!」

 

 背中から巨大な炎の翼が形成される。

 ブレイジングデスティニーは拳を構え、その場で拳を思いきり突き出す。

 右腕のブレイジングナックルに内臓されたスラスターが展開するとブレイジングナックルは一直線にゲイツ改へと飛んでいく。

 ゲイツ改はブレイジングナックルをシールドで受け止めるが、受け止めるので精一杯でまともに動く事は出来ない。

 

「ぶち抜け! 必殺の!」

 

 炎の翼を展開したブレイジングデスティニーは加速するとゲイツ改に突っ込んでいく。

 

「ブレイジング・ドラゴン・ファング!」

 

 龍の形を取る炎と共にブレイジングデスティニーはブレイジングナックルに拳を突っ込み一気に撃ちぬく。

 ゲイツ改のシールドは粉々に砕け散りブレイジングナックルがゲイツ改をも粉砕する。

 

「ふぅ」

 

 ブレイジングデスティニーはブレイジングナックルを振るい炎を払う。

 

「一撃で……」

 

 ブレイクデカールで防御力を強化したゲイツ改を一撃で撃破した事を千鶴以外は驚いて声も出ない。

 

「ライト。これからいろいろと大変かも知れないが、がんばれよ」

「……分かりました。今までありがとうございました」

 

 ライトはコックピットの中で頭を下げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 トライダイバーズと龍牙が戦っている地帯から離れた場所にあるとあるフォースのフォースネストの至るところで爆発が起きていた。

 フォースネストには必要最低限の人員しか残されていなかったが、1機のガンプラに壊滅状態に追い込まれていた。

 

「何だってこんな時に!」

 

 このフォースの主力はビルダーズギルド主催のガンプラ市の襲撃に出払っていた。

 そんな手薄の時を狙われたのだ。

 

「何としても持ちこたえるんだ! そうすれば……うぁぁぁ!」

 

 ザウードが巨大な鉄の塊に潰された。

 

「……この程度しか反撃がないのかよ」

「そういうなよ。こっちも相手の留守を狙ってんだ」

 

 襲撃したのは大我のオメガバルバトス・アステール。

 それにお供する形で諒真のガンダムクロノスXXと愛衣のズゴックEXもいるが、戦闘は大我一人で終わらせた。

 

「アイちゃん。どっかにこいつ等が貯めこんだ武器があるから探して来て」

「もう発見済みです」

「流石仕事が早い」

 

 このフォースが今度のガンプラ市を襲撃するという計画を事前に察知していたタイガ団は襲撃のために出払って防衛が手薄になったところを逆にフォースネストを襲撃したのだった。

 このフォースネストには同様に他のビルダー系フォースから奪った武器はどこかに隠してあったが、襲撃を受けてすぐに持ち出そうとしたところを愛衣が押さえていた。

 

「さて……結構ため込んでるみたいだけどどうするかな……グレイズアーミィにでも安く売るかな?」

「あまり推奨は出来ませんね。ここにある武器を使わせるくらいならビルダーズギルドに作らせた方がマシです」

「だよな。まぁ適当なところにでも売りさばくか」

 

 ため込んだ武器は元々はどこかのフォースから奪った物だが、タイガ団は別に被害にあったフォースのために動いている訳ではないため、回収した武器を元の持ち主に返す義理はない。

 

「ねぇ諒ちゃん。目的の武器が見つかったならコイツを生かしていく理由はないよね」

 

 オメガバルバトス・アステールの足元にはボロボロになったジンハイマニューバが倒れていた。

 始めからこのフォースが奪った武器も潰すついでに回収するつもりで全滅はさせずに1機だけ残して後で武器の保管先を聞き出すつもりだったが、その必要はなくなった。

 

「なぁ! アンタ達、俺と組まないか? それだけの力があればビルダーから武器を奪い放題だ! 俺ならノウハウもある! だから!」

 

 ジンハイマニューバのダイバーは必死に命乞いをする。

 ここでやられたとしても死ぬ訳ではないが、誰しもやられたいわけもない。

 しかし、必死の命乞いのかいもなくバーストメイスカスタムが振り下ろされてジンハイマニューバは跡形もなく粉砕された。

 

「そんじゃここに在る物はネジの1本も残さずに貰っていくとするか」

「後は任せた」

 

 すでに戦える相手がいなくなった事で大我はさっさとどこかに飛び去って行く。

 

「……全く」

「ですが、こうなる事は想定済みなので人手の方は手配済みです」

「……ほんと仕事が早くて助かるよ」

 

 その後、ガンプラ市を襲撃しトライダイバーズと龍牙によって撃退されたダイバー達がコンティニューしてフォースネストに戻るが、その時にはすでにフォースネストにはネジの1本、武器はおろかフォースネストの備品に至るまで何一つも残ってはいなかった。

 

 

 

 

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