ガンダムビルドダイバーズ~最上の星~   作:ケンヤ

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キャプテンネロ

 ノワールを退けて優人は輸送艦まで戻り仲間と合流することが出来た。

 合流しビームサーベルでローグ・ロディを切り裂く。

 

「悪い。前に出すぎた」

「新しいアーマーか?」

「ああ。けど、このライフルは威力は凄いけど3発しか使えないみたいだ」

 

 エアブラスターのビームをかわしたローグ・ロディにビームサーベルを突き刺す。

 優人と共にユウリとファントムレディも戻り防衛に余裕ができた。

 

「各機に通達! 新たな機影が高速で接近してきている! 注意してくれ!」

 

 輸送艦からの通信が入る。

 

「この位置からじゃ狙撃は出来そうにないわ」

「……こいつ等が本隊なら次に出て来るのは……最悪じゃん」

 

 そして、それは現れる。

 宇宙海賊クロスボーン・ハウンドの頭であるキャプテンネロの愛機、クロスボーンガンダムX91。

 ガンダムF91をベースにクロスボーンガンダム、ガンダムAGE-2 ダークハウンド、ガンダムグシオンの要素を取り入れて改造したガンプラだ。

 ローグ・ロディのように全身にガンダムグシオンの装甲を、背部にはクロスボーンガンダムのX字のスラスターを装備し、スラスターは重装甲化に伴う重量の増加を補うために大型化されている。

 両肩にはダークハウンドのバインダーを複数使いマントのようになっている。

 バックパックのヴェスパーは腰に移動し、腹部にはグシオンのバスターアンカーと火力も充実し、頭部はF91の物をダークハウンドのように海賊っぽく改造されている。

 左腕にはダークハウンドのドッズランサーをベースにドッズガンを実弾のマシンガンに変更して腕部の増加装甲と一体化したDSランス、右手にはグシオンハンマーとムラマサブラスターを合体させたムラマサハンマーを持っている。

 

「さぁて……ノワールを倒したんだ。少しは楽しませてくれよなぁ!」

 

 クロスボーンガンダムX91は一気に加速するとビルドナラティブの方に突っ込む。

 ビルドナラティブは回避しながらバルカンで応戦する。

 

「早い!」

「どうした! そんなもんなのか! えぇ!」

 

 クロスボーンガンダムX91は再び突っ込んでくる。

 ムラマサハンマーの一撃をかわして、ビームサーベルを振るうが、肩のバインダーで弾かれてDSランスを突き出す。

 

「くっ!」

 

 ビルドナラティブは少し下がりギリギリのところでDSランスの間合いから外れようとするが、DSランスの先端部が射出された。

 射出された先端部はビルドナラティブの頭部ギリギリを掠めた。

 

「はっ! いい反応してんじゃねぇか! けどな! 脇ががら空きなんだよ!」

 

 不意打ちを回避したものの、クロスボーンガンダムX91のムラマサハンマーの一撃がビルドナラティブに襲い掛かる。

 何度かシールドで身を守る事は出来たが、シールドは左腕ごと粉砕され、ビルドナラティブは弾き飛ばされて輸送艦に叩きつけられた。

 

「なんてパワーなんだ」

「浅かったか。運の良い野郎だ」

 

 クロスボーンガンダムX91は左腕を失っているビルドナラティブに追撃しようとするが、間にビームが割り込む。

 

「ちっ……腕のいいスナイパーがいやがる」

 

 ビームは肩のバインダーで防げるレベルだったが、千鶴の狙撃はあくまでも相手をしとめるためではなく、接近させないための物だ。

 

「ユート!」

 

 すぐにエアブラスターとグレイズアステル、アーマードストライクがクロスボーンガンダムX91に集中砲火を浴びせる。

 

「雑魚はお呼びじゃねぇんだよ!」

 

 クロスボーンガンダムX91は肩のバインダーの先端についているワイヤーアンカーを3機に向けて射出した。

 

「マジかよ」

「そんな!」

 

 エアブラスターとグレイズアステルはかわすのがやっとで、その隙をヴェスパーで狙われ、エアブラスターは右半身が吹き飛ばされ、グレイズアステルも左腕吹き飛ばされた。

 アーマードストライクだけはワイヤーアンカーを上手くさばいてビームキャノンで反撃する。

 

「はっ! 少しはやるようだけど、今日の獲物はお前じゃないんだよ!」

「流石に強い」

 

 ユウリは攻撃しながらも状況を把握しようとする。

 エアブラスターはまだ完全に撃墜されてはいなかったが、まともに戦えそうにもない。

 グレイズアステルもエアブラスターほどではないが、戦力には数えられない。

 ファントムレディのザクファントムソードはいつの間にか離れて輸送艦を守りながらローグ・ロディと交戦している。

 

「俺が前に出る!」

 

 タイタスアーマーに換装したビルドナラティブがクロスボーンガンダムX91に向かっていく。

 アーマードストライクもビームキャノンで援護する。

 

「今度は肉弾戦か! 良いぜ! 相手になってやるよ!」

 

 クロスボーンガンダムX91はムラマサハンマーを振り下ろす。

 ムラマサハンマーとビルドナラティブの拳がぶつかり合う。

 

「軽いんだよ!」

 

 2機のぶつかり合いは簡単に決着がついた。

 ビルドナラティブは弾き飛ばされて、クロスボーンガンダムX91は先端部が射出されたDSランスからビームサーベルを展開して距離を詰めようとする。

 だが、後方からメテオイージスの狙撃で足止めをされる。

 

「ちっ! 本当に厄介な!」

「今だ!」

 

 体勢を整えたビルドナラティブは腕部からビームリングを展開して突っ込む。

 

「コイツで!」

「甘めぇよ!」

 

 ビームラリアットをしようとするが、クロスボーンガンダムX91のマスクが開閉すると強烈な光が放たれた。

 

「うぁ!」

 

 フラッシュアイによる閃光で優人の視界は奪われる。

 同時に腹部のバスターアンカーが至近距離からビルドナラティブに撃ち込まれる。

 

「うぁぁぁ!」

「ユート!」

 

 バスターアンカーの直撃を受けたビルドナラティブだったが、タイタスアーマーの重装甲のお陰で撃墜こそされなかったが、アーマーはボロボロで本体にまでダメージを受けてしまっている。

 

「コイツを至近距離で受けて原型を止めているのは褒めてやるが、ここいらで幕引きだな」

「ここまでなのか……」

 

 クロスボーンガンダムX91がムラマサハンマーを構え止めを刺そうとする。

 圧倒的な実力差を前に優人ももはや成す術もない。

 千鶴の狙撃を強引に突破してきたクロスボーンガンダムX91が迫ってくる。

 優人は敗北を覚悟したが、横からの多数のビームがクロスボーンガンダムX91に直撃する。

 

「……なんだ?」

「増援?」

 

 ビームの直撃を受けてクロスボーンガンダムX91のバインダーは何枚か破壊されるが、本体へのダメージはないようだ。

 

「……コイツは何の真似だ? えぇ? エルダイバーズのウィルよぉ!」

 

 クロスボーンガンダムX91を攻撃した新たなガンプラ(セカンド)インパルスガンダムにキャプテンネロは叫ぶ。

 Ⅱインパルスはレギオン傘下にして四天王の一画とされているフォースエルダイバーズのリーダーであるウィルのガンプラだ。

 インパルスをベースにブラストシルエットをベースにインパルスと同じセカンドシリーズのMSの特徴を組み込んだセカンドシルエットが装備されていることが特徴のガンプラだ。

 セカンドシルエットはブラストシルエットのケルベロスをセイバーのアムフォルタスプラズマ収束ビーム砲とカオスの機動兵装ポッドを一体化させたものに換装され、レールガンはガイアのビーム突撃銃に替えている。

 ビーム砲の横にはアームでアビスのシールドが取り付けられている。

 本体には大きな改造はないが、手持ちの武器はガイアのビームブレイドを改造して持たせている。

 

「キャプテンネロ。君には悪いがそのガンプラをここでやらせる訳にはいかない」

 

 本来ならばウィルのエルダイバーズとキャプテンネロの宇宙海賊クロスボーン・ハウンドは同じレギオン傘下のフォースとして仲間のはずだ。

 しかし、ウィルはキャプテンネロを攻撃した。

 

「ここは僕の顔に免じて退いてはくれないか?」

「くれないね。テメェが先に攻撃して来たんだ。どんだけぶちのめしても、そいつは正当防衛だよな?」

 

 キャプテンネロはウィルが相手でも低く気はないようだ。

 レギオンの傘下に入っている手前、宇宙海賊クロスボーン・ハウンドは同じレギオン傘下のフォースに対しては海賊行為を行ってこなかったが、向こうから仕掛けてきた場合は話は別だ。

 

「……愚かな選択だと言わざる負えないな」

「何とでもいえ」

 

 キャプテンネロとウィルの間に一発触発の緊張感が流れる。

 

「カシラ」

「あ? なんだノワール。今いいところなんだよ」

 

 メガファウナの帰投したノワールからの通信が入る。

 

「時間切れよ」

「もうそんな時間か?」

 

 キャプテンネロは現在の時間を確認する。

 確かにノワールの言うようにこれ以上戦闘を継続すれば、輸送艦隊の届け先であり王武からのガンプラと合流する事になる。

 それでもキャプテンネロは負ける気はないが、王武のガンプラとも戦闘することになれば輸送艦に搭載されている物資だけでは割に合わない。

 ここで引けば宇宙海賊クロスボーン・ハウンドは被害が出ただけ損をすることになるが、王武と直接戦うのはレギオンからも今は控えるようにも言われている。

 

「ちっ……命拾いしたな。ウィル!」

 

 これ以上の戦闘継続をすることが出来ない以上は撤退するしかできない。

 

「野郎ども! 撤収だ!」

 

 キャプテンネロの撤退命令が出ると交戦中だったローグ・ロディ達はすぐに戦闘を止めると速やかに撤退を始めた。

 ローグ・ロディ達の殿をクロスボーンガンダムX91が務め、宇宙海賊クロスボーン・ハウンドは完全に戦闘宙域から撤退した。

 

「大丈夫かな?」

「はい……助かりました。ありがとうございます」

 

 戦闘が終わり、Ⅱインパルスがビルドナラティブのところまで来る。

 優人は相手の事は分からないが、とりあえず礼をする。

 

「礼には及ばないよ。君の父君にはいろいろと世話になっているからね」

「え? それって」

 

 ウィルの口ぶりでは優人のリアルの素性を知っているかのようだった。

 ダイバーネームは本名をほとんどそのまま使っているものの、GBN内ではリアルが分かるような言動はしていないはずだ。

 だが、ウィルは優人の父親の事も知っているらしく、父親に世話になったからその息子の窮地を助けたという事らしい。

 

「余り話している時間はないから要件だけは伝えておくよ」

 

 ウィルは優人の質問には答える事もなく要件だけを伝えようとしている。

 

「君のガンプラ。ガンダムビルドナラティブはただのガンプラではない。そのガンプラはやがて新世界を創造(ビルド)するガンプラだ。例えデータであっても完全に破壊されてはいけない」

 

 ウィルの言っている意味はほとんど理解できないが、優人のビルドナラティブは普通のガンプラではないらしい。

 

「だから君はもっと強くならなければいけない」

 

 その言葉に優人は無意識のうちに操縦桿を強く握り締めていた。

 ビルドナラティブがどういうガンプラなのかは知らないが、今日のバトルは完全に敗北した。

 GBNの上位ダイバーにはキャプテンネロと互角以上に戦う事の出来るダイバーはごろごろいるのだろう。

 そんなダイバー達と肩を並べて戦いたいという気持ちは優人の中で少なからず生まれている。

 

「強くなりたいのであれば王武に行くと言い。あそこには君が強くなるために必要な物がある」

「……王武」

「では、健闘を祈る」

 

 ウィルはそれだけ言うと優人の返事を待つ事なく飛び去って行く。

 

「ユート! 何だったんだ?」

「いや……俺にも良く分からない」

 

 優人もいろいろと情報が絡まり事態を把握しきれてはいない。

 それでも宇宙海賊クロスボーン・ハウンドを退けた事でトライダイバーズの護衛ミッションはクリアとなった。

 

 

 

 

 

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